-------------------------夢を、見た。
その騎士の名は、ランスロット。
大陸において湖の精の加護を受けた、星の聖剣を持つ誉れ高き騎士。
アーサー王を最高の王、という事に異論をはさむ騎士はいない。しかしもし、「最高の騎士」といった場合もアーサー王が当てはまるか、と聞かれた時
者によってはこう答えるかもしれない。
「最高の王はアーサー王であるが、最高の騎士はランスロット卿である」
と。
「全く、自分より優れた騎士を配下に加えると、後々苦労するぞ。」
「その程度の事がなせぬようでは、今危機に晒されているブリテンを救う事なぞ出来はしないよ。・・・ランスロット卿、君の力を、貸してほしい。」
「・・・我が剣を預け、名誉を預け、命を捧げる、アーサー王。」
「どんなものでも武器としてみせるとは、変幻自在な手だな、ランスロット卿。」
「陛下やガウェイン卿は、どのような戦場でも真正面から太陽のように焼き尽くす。なれば私に求められる役割は自ずとそうなるであろう?」
「・・・だが先日のチェスのあの様な手は認めぬぞ、私は!」
「ハッハッハ!ならばキャメロットに帰ったらもう一局さそうではないかガウェイン卿!」
「面白そうな話だね、私も観戦させてもらおう。その為にもまずは・・・」
「目の前の巨人をどうにかせねばな!行きますぞ、陛下、ガウェイン卿!」
「人の心がわからぬ・・・だと!?トリスタン卿、今の言葉撤回してもらう!貴公は・・・陛下が、どれほど・・・!」
「良い、ランスロット卿。トリスタン卿の言い分は完全に間違っているわけではない。残念だが、円卓を離れるというのならば私に止める権利はない。」
「ほざいたな、アグラヴェイン!言うに事欠いてグィネヴィア様を!」
「ランスロット、貴様が、貴様がガレスを!!貴様が!!」
「・・・戦えるようになればまた相手する、傷を癒されよ、ガウェイン卿。アーサー王、彼を頼みます・・・」
今度は響にも素早く理解できた。彼はセイバーがみた、ランスロット卿のイメージと記憶。
実際に相対した黒き狂戦士ではない、騎士道の体現者としての彼の像。そしてそこから導かれた一つの事。
アーサー王はランスロットの事を、憎んでなどいなかった。
しかし・・・ランスロットは・・・?
響と時雨、生き残った駆逐艦二人は輸送船に合流し、すぐさま海域から離脱を始めた。
擬装を解除し、簡易ベッド付の休憩室になだれ込む二人。出迎えてくれた金剛や暁とも、そしてお互いとも、まったく会話しなかった。いや、できなかった。
軍人として任務を全うすべきこと、「生き残ること」こそが任務であること。頭では理解できても、仲間を見捨てる真似をしたという思いはぬぐえない。
響も、最終的には自身も撃沈されたとはいえ時雨も。目の前で仲間たちが海の藻屑になっていく様を何度も目の当たりにしている。艦娘としての今生の戦いこそ・・・という思いを抱いていただけに、バーサーカーからの撤退は二人の心に大きくのしかかった。
加えて、あのセイバーが正面から当たり負けしたショックも大きい。深海棲艦の艤装を奪う能力など、あの黒い剣に比べれば所詮こけおどしであった。
こんがらがった思考のままベッドに身を預けていた響は、そのまま眠りにおち、そしてまたもセイバーの記憶を見た。
ふと気になり、手の甲の令呪を確認する。剣をイメージしたような3画の聖痕が、1画欠け落ちてはいるもいまだ健在なことはセイバーの無事を示す。先ほどの夢、つまりセイバーとの魔力的つながりも含めて、とりあえず彼の身が無事である事の査証だ。自分の判断は、間違っていなかった。
そう思わなければ、彼女は心を保つことができない。
艦娘10人の犠牲など前代未聞。セイバーの戦力だからこそ釣り合いが取れるが・・・
そんな時、ガンガンと扉がたたかれて、大慌てで金剛が部屋に入ってきた。
「ああ響、時雨!ここにいたのネ!さぁ、出迎えるヨ!」
ずけずけと中に入ってきて2人の手をひっぱり部屋から連れ出した金剛に、響も時雨も困惑を隠せない。
「まってほしい金剛、出迎えるって・・・」
「当然、アナタ達の仲間に決まってるでしょ!無事に帰ってきたヨ!」
金剛の言葉を聞き、2人は一瞬耳を疑った。あのセイバーすら退けたバーサーカーから、生還したものがいる・・・?だが、落ち着いて考えれば・・・大和やビスマルクが時間を稼げば、もう数人逃がすことも不可能ではなかったのかもしれない。
「帰ってきた・・・そうか、一体何人・・・」
「何人もなにも、みんな無事だヨ!当然艤装はボロボロだししばらく出撃なんかできたもんじゃないけど、ちゃんとみんな生きてるヨ!」
今度こそ響達は耳を疑った。もしくは金剛が2人をからかっているのか。だとしたら笑えないが、金剛はテンションこそ高いもののそんな不誠実な事をする人物ではない。
「まさか・・・あのバーサーカーの猛攻を凌いで、みんなが生きてるなんて・・・そりゃ、大和たちが体を張れば数人戻れる可能性はあるだろうけど・・・」
「そのまさかなんですけど。響、勝手に殺さないでくれます?」
金剛と問答している響の後方から、ありえない声が響の耳に入る。二度と聞けないと思ったその声。振り返れば・・・装甲の概念である服がところどころ破れながらも健在の大和ら、10人全員がその場に立っているではないか。
「大和・・・本当に・・・」
「大和だけじゃねーっての!まぁほれ、大和のテーマ曲って『必ずここに帰ってくると~』ってやつだろ?こうやって全員無事に帰ってきたぜ!」
奥の方でガッツポーズをするのは摩耶。バーサーカーと接近戦を繰り広げたため、強がりと裏腹に肉体にまでダメージを負っているが、それでもこうして2人に姿を見せたく、笑って見せる。
神通、雪風、羽黒、鳳翔、赤城、加賀、木曾。みな、時雨と響に微笑んで見せた。ビスマルクは「ガウェインは殿を務めあげて必ず生還するものよ!」となぜか得意げですらある。
そんな様子を見て、響の心の中は先ほどとは違う感情がごっちゃになる。
帰って来てうれしいという歓喜と安心感、何故自分を置いて逝くような真似をしたのかという怒りと八つ当たり、それらが綯交ぜになり、こみ上げ、そして。
「おかえり・・・おかえり、みんな・・・!」
最初に声をかけた大和に抱き着きながら、それだけの言葉をかろうじて絞りだし、響は大声を張り上げて、泣いた。
「ちょ、ちょっと響!私たちの生還を喜んでくれるのは嬉しいけど、陛下は無事なんでしょうね?」
ここまで響が感極まると思ってなかったビスマルクは、照れ隠しも兼ねて響に問いかける。だが答えは返ってこなく、代わりに金剛が疑問に答える。
「長門から連絡があったヨ。響が令呪で即撤退させてくれたおかげで何とか治療は間に合った。・・・けど、当分は治療に専念だネ。それだけ危ない傷だったんですヨ。」
狂戦士の黒い魔剣、アロンダイト。エクスカリバー・ガラティーンと肩を並べる『究極の幻想』の一閃をもろに受けたのだ。生きてるだけでも幸いというのが実際のところである。
「そんなことよりみんな、早く響達に顔出したいからって着替えてないでショ!一度服を変えて、まずはリラックス!」
暁と金剛が気を利かせて暖かい紅茶を全員に振る舞う。着替えを終え、帰還した10人と時雨、響は食堂スペースに集まっていた。
ひとしきり生還は喜び合ったものの、真に浮かれていられる状況ではない。バーサーカーはどういうわけだか撤退したものの依然健在、こちらの切り札は治療中で事態の打開策は見えてこない。
「しかし、気になるのは『何故バーサーカーが撤退をしたか』ですね・・・。」
赤城の言葉に全員が頷く。これが意志あるサーヴァント、かつセイバーやアーチャーのように人道や騎士道といったものを重んじるタイプの場合「とどめを刺さずに見逃す」ケースはあり得る。
だが敵は狂戦士、しかも一寸前まで、摩耶を吊し上げ神通を返り討ちにし、艦載機を乗っ取りビスマルクの装甲を蜂の巣にすると好き放題やっていたタイプだ。
「その・・・確かバーサーカーの真名は円卓の騎士ランスロット、ですよね?わずかに騎士道精神が残っていたとか・・・」
「あったように見えますか?」
鳳翔が控えめに言うが、加賀は表情を変えずにバッサリ両断。ですよねぇと困った笑顔で鳳翔は引き下がる。だが加賀の云う通り、あれには一片たりとも騎士道精神というものはみられない。
「むしろ、セイバーを撤退させた私を露骨に憎悪していた・・・ように感じる。」
令呪を使った直後、バーサーカーが響を認識した時、兜の隙間から彼女を捉えた視線は明確に「憎悪」を持っていた。少なくとも響にはそう感じられるほどの威圧感であった。
「まぁ、あの裏切り者なら陛下に固執するでしょうし、陛下を逃がした響・・・そして陛下の部下たる我々も、憎悪の対象でしょうね。」
吐き捨てるようにいうビスマルクに対し、神通が反論する。
「ビスマルク、貴女はバーサーカーの正体について知ってるみたいだけど・・・どうにも、感情的になり過ぎていませんか?」
ビスマルクがランスロットを形容する際には、必ず裏切り者だの裏切りの騎士だのあの野郎だのとけなす形容詞がくっついてくる。もともと円卓に関して強いこだわりを持っているから、というのは分かるがさすがに度が過ぎていないだろうか、というのが神通の疑問だ。情報を持っているなら、少しでも共有し次回の戦いにつなげねばならない。そしてその情報は、主観で捻じ曲げられるのはなるべく避けたい。
「感情的になるな・・・という方が難しと思うけど?いいわ、話してあげる。あの黒騎士が一体何をやらかしたのかを!」
サー・ランスロットは、初期のアーサー王物語には登場しない、他の有名な騎士と比べるとやや遅れて円卓に加入した騎士である。
しかしながら、フランスにおける湖の精より聖剣「アロンダイト」を授かり、加護を受け水の上を自由に歩き、武勇に優れ精神も高潔と、アーサー王と比較しても遜色のない活躍をし、たちまち彼の側近にまで上り詰めた騎士でもある。人によっては「騎士としてはランスロット卿の方が優れていた。」と噂することもあったほどだ。当然これは『王として軽々しく前に出られぬアーサーに対し、積極性が問われる騎士のほうが功績を立てやすい』という事情もある。それでも彼が優れた騎士であることに変わりはなかった。
そう、あの日、グィネヴィアの寝所にいた現場を抑えられるまでは。
「グィネビアって、・・・あの、提督の奥さん・・・です・・・よね?」
おずおずと聞く羽黒に対し、話してるうちにむかっ腹が立ってきたビスマルクがそうよ!と乱暴に答える。驚いてひっ!と羽黒が悲鳴を上げる姿を見たことで、ビスマルクはいくらか冷静さを取り戻した。
「ごめんなさい羽黒・・・でもね、あの男は、よりにもよって自分の主君の妻を寝取るような男だったのよ。」
グィネヴィアとランスロットの不貞を暴いたのは、アグラヴェインという名の騎士。ガウェイン卿の弟でもある人物だ。ランスロットの躍進を快く思っていなかったため何とか足を引っ張ろうとした、などと言われている。
「あまり騎士らしい動機ではない故に、ガウェイン卿からのアグラヴェインへの評価は高くないわね。・・・私だって、躍進する仲間の足を引っ張ってなんてマネは好きじゃないわ。でも、実際ランスロットは不貞を働いていた。」
(アグラヴェイン・・・)
ビスマルクの言葉を聞きながら、響は先ほどの夢を思い返していた。少しづつ不貞の証拠を集めていたアグラヴェインの挑発に対し、激高するランスロット、そしてそのことを眺めていたアーサー王。その時の、彼の感情は・・・
志を同じくした騎士を集め乗り込んだアグラヴェインであったが、いざランスロットを捕縛しようとした時、彼らはランスロットに武器を奪われ、逆に打倒されて取り逃がしてしまった。何とかグィネヴィアのみは確保するも、『使い慣れたはずの剣を奪われて殺される』という醜態をさらしてしまう。
「相手の武器を・・・なるほどな、アイツの武器乗っ取り能力、その逸話が宝具になったんじゃないか?」
ピンと来たとばかりに言う木曾に対し、周囲が頷く。実際には『木の枝ですら野党を退治した』逸話がメインなのだが、彼は確かにどんな騎士の剣でもその場で扱うというイメージが、この事件でも色濃く反映されている。
「そうなると・・・黒い霧で提督にすら正体を隠してた能力も、多分なんかそういう逸話なんだろう。ビスマルク、心当たりあるか?」
「あるも何も木曾、アイツは『他の騎士に武勲を立てさせるために名前を偽って戦った』なんてことしょっちゅうよ。多分その逸話ね。」
「で、その誰の武器でも使えるチートと正体隠しのチートを解くと出てくるのが、提督すら力押ししたあの黒い剣ってことか。」
「提督みたいにビームが出るタイプじゃないけど、提督のエクスカリバーとマジで斬りあって、その鎧をぶち抜くんだからな・・・」
星の聖剣アロンダイト、護国の願いの下に生み出された最強の幻想は、しかし「仲間の弟を惨殺する」という不名誉のために『魔剣』の属性を得てしまった。
それでも、竜すら屠ると言われたその威力には一片の陰りもない。
「・・・正直、アロンダイトで切りかかられれば我ら全員一刀両断だったでしょうね・・・絶対私は認めるわけにはいかないけど、それでもあの魔剣は脅威よ。」
「それをせず、あまつさえ僕らを見逃した・・・一体何があったんだろうね・・・」
「サァハケ!何故奴ラヲミスミス逃スマネヲシタ!!」
フードをかぶった少女が、魔術師の少年ロシェの体に容赦なくケリをいれる。少年はすでに襤褸切れが如くやせ細り、煤にまみれてぐったりと横たわるばかりで、体を蹴られてもうめくのがせいぜいといった様子だ。
この蹴りは勿論本気ではなく『加減をしている。』何せ彼女は深海棲艦、本気で人間を蹴った日には、ひき肉にしてしまう事間違いなしである。
「が・・・が・・・はっ・・・」
深海棲艦からの一方的な暴行にも、ロシェは避けるどころか、耐える体力さえ残されていない。あの戦闘でバーサーカーが彼の体より奪った魔力は、あと一瞬でも判断が遅れればロシェの命を奪うほどのものであった。
「サァ!サァサァ!!!」
深海棲艦のほうも理由などわかり切っているのだろうが、彼に暴行を加えることに愉悦を感じているらしく狂った笑いを上げながら執拗に蹴りを加えている。
「フッ・・・やめてやれレ級よ。それ以上弱ればその魔力タンクが役に立たなくなるぞ。」
やれやれ、という調子でたしなめる声がする。ロシェにはもうだれかすら判別できないが・・・
「甘イゾランザー、コイツノシデカシタコトハ敵前逃亡!銃殺ダ!銃殺ダ!」
「とはいえ、ソレほどの良質な魔力タンクはそうそうない。加えてバーサーカーの魔力食いを考えれば、お前の楽しみにのためにそれを失うのはいささか無駄遣い過ぎるのでな。」
「ハァイ!」
魔力タンク、と確かにその声はいった。そう、ロシェの今の存在理由など「バーサーカーに送る魔力を生成できる魔術回路の持ち主」でしかない。そこにロシェ・ユグドミレニア個人の介在する場所など存在しない。
何故、どうしてこんなことになってしまったのか。一族の再興を願い、成功の約束された儀式としてダーニックの招集に応じた。そしてその船に乗り、撃沈されたところで彼の運命は大きく暗転する。
捕虜となり、魔術特性を見いだされサーヴァント召喚の実験扱いでバーサーカーを召喚させられ・・・その魔力の消費量の重さに苦しむ日々。加えて先の戦闘では、よりにもよってアロンダイトを勝手に解放されてしまった。体中の魔力が吸い上げられ、慌てて令呪で戦闘を強制中断させた結果、敵艦娘をみすみす取り逃がしたと拷問を受ける・・・
「う・・・があ・・・」
彼を招いたダーニックは既に亡く。ダンがアーチャーと共謀して離反したことも知らないロシェは、絶望に心を折られ、本当にただの「生体魔力タンク」になっていた。
ロシェに手を差し伸べるものはなく、彼がこの地獄から抜ける手段は二つに一つ。
セイバー達を完全に打倒し、ランサーの計画を遂行するか。
あるいは、死ぬか。どちらかひとつである。彼に救いなど、存在しない。
「でも・・・セイバーはランスロットを怨んでたりはしなかったよ。」
ビスマルクによる憎悪のこもった説明がひとしきり終わった後、うつむきながら、そうぽつりと言ったのは響だった。
バンッと机をたたき、ビスマルクが声を張り上げる。
「いくら陛下のマスターと言えど、言っていい事と悪い事があるわよ響!彼奴のせいで円卓も・・・グィネビア様も・・・!!」
「夢・・・」
「はぁ・・・?」
「夢を・・・見たんだ。」
ここにきて、隠す意味合いは薄い。セイバーのバーサーカーへの心情は今後の戦略にも関わりかねない。だからこそ、得られる情報は・・・セイバーのプライベートでもあるので一瞬迷うが・・・ここは話していくべき、響はそう決心する。
「マスターとサーヴァントは、お互いの過去や記憶を『夢』という形で認識してしまうらしい。私は円卓の騎士時代のセイバーを、セイバーは、『帝国海軍の駆逐艦響』の映像を、それぞれ夢として見てしまった。」
「その夢の見え方は?あなた自身が提督になり切ってるのか、第三者視点なのか。」
あまりに奇抜な話であるが、加賀は響の言葉をすんなりと受け入れた。もともと魔術師であるフラットのところで戦っていただけあって、この手の話の時に順応性が高いのは響にとっても有難かった。
「第三者視点だね。セイバーの記憶のワンシーンを、登場人物に気付かれない、幽霊みたいな形で傍観してる形態だった。」
「そう・・・一人称視点で直に提督の感情が流れ込んできたというわけではないのね?」
加賀の言葉に、響はうん、と頷いた。
「けれど、私が見たシーンは、大体ランスロットに好意的と取れるシーンだったよ。彼と初めて出会った時、ガウェイン卿と3人で魔物と戦っているとき、そして・・・」
トリスタン卿に「人の心がわからぬ」と糾弾されたセイバーを庇い、トリスタンと口論している様。
王の妃、グィネビアを侮辱するアグラヴェインに対し激怒するシーン
「・・・そして、打倒したガウェインに『傷を治せ』と言いながら、彼をセイバーに託した映像・・・そこで目が覚めた。」
どの場面でも、ランスロットはセイバーに対し敬意を持っているからこそこういう行動をとる、といえる場面ばかりであり、そういう場面ばかり思い起こされるという点が、『セイバーはランスロットを怨んでいない』と響が感じた理由であった。
「最後のシーンに関しても気に入らないけど・・・ならなおのこと許せないわね・・・」
それまで黙って聞いていたビスマルクだが、いよいよもって我慢ならない、とばかりに声を震わせた。
「おいビスマルク!お前響の言葉を・・・」
「聞いたからこそよ摩耶!陛下はあんな奴でもちゃんと許して良い面を覚えていた・・・なのに、彼奴は『狂戦士に堕してまで陛下を討つことに拘った』のよ!?」
「ッ・・・!」
バーサーカーの唸り声のような「アーサー」という叫び、及びその後の行動より、セイバーに対し以上に執着し攻撃を加えようとしていたのは明らかだ。それは、セイバーが怨んでいなくても、バーサーカーがセイバーを憎んでいる可能性を示唆している。
「表面上はきれいに取り繕ったようだけど、いざ本心をむき出しにすれば陛下への的外れな憎悪など・・・!!」
ギリリと歯ぎしりをするビスマルクを、他の艦娘は諌めるができなかった。セイバーを信頼しているのは皆変わらないが、彼女は信頼というかほぼ信奉の域に達している。・・・それこそ、ガウェインがアーサー王に抱いていた気持ちと同じように。
「・・・わからない、私にはわからないよ、ビスマルク。本当に、そんな面従腹背で、あんな戦いを切り抜けられるものか・・・」
魔物との戦いは、セイバーにとってはそれこそ、今回のバーサーカー戦に勝るとも劣らない危険なものであった。それはランスロットにも同じであり、背中を預けられる、という時点でビスマルクの云うよな関係はあり得ない筈だ。
「だったら何故バーサーカーは!」
「・・・私たちの知らない、バーサーカーの召喚プロセスに何かあったのかも・・・ともかく、私は信じたいんだビスマルク。ランスロットを信じた、セイバーを・・・」
「グッ・・・」
そこでセイバーを信じる、という言葉を出されてはビスマルクも引き下がるしかない。そうして会話は打ち切られ、各自帰還まで休息を取ることにあいなった。
帰還した輸送船を迎えたのは、セイバーでもフラットでもなく、艤装修理中故に事務方についている長門。
セイバーの容体は今も良いというわけではなく、負担をかけないために見舞いはマスターである響に限定され、他の艦娘は休息後、長門により状況の解説を受ける事となった。
セイバーの執務室に、長門を含め12人の艦娘が揃う。
「でも、なんで長門なんです?フラット提督のほうが専門知識はありますから、長門が翻訳したほうがいいのは事実だけどまずはフラット提督が・・・」
「その提督も、セイバー大佐の治療に魔力を使いすぎてグロッキーでな。必要な資料は渡されている。抜かりはないさ、大和。さて・・・こういう言い方は失礼なのは重々承知だが、諸君らも知りたいだろう。何故バーサーカーは諸君らを見逃したか・・・」
全員が固唾をのんで長門のほうをみる。やはり、あの撤退に意味はあったのだ。まさか・・・自分たちはもっと裏をかかれたのか・・・?
「端的に言えば魔力切れだ。」
『はっ・・・?』
10人全員の声がハモった。魔力切れ、つまりは燃料切れ、バーサーカーは体力がなくなったんで帰った、とそういうレベルである。
「いやいやいやいや!?バーサーカーさんめちゃくちゃやる気満々だったじゃないですか!」
これからまさに艦隊にトドメを刺そうとしていたバーサーカーをみた雪風には到底理解できる理由ではない。
「そうだ、あの野郎、殺気満々だったぜ。体力切れてうちに帰るなんて様子はかけらも・・・」
「正しくは『バーサーカーのマスター』が、だ、木曾。」
バーサーカーというクラスは、事実上聖杯戦争におけるキャスターと並ぶ『罠クラス』である。
「理性を奪い能力を上げる狂化」で、弱い英霊も前線で戦えるようにするというコンセプトであるが、この狂化には「サーヴァントの意志が奪われるため一部の能力が封印されたり武芸の制度が下がる」と同時に「魔力消費が上がる」というデメリットまで内在している。これがクセものである。
そもそも、弱い英霊なんかを召喚せねばならないマスターは弱小と相場が決まっており、そんなマスターに「より多くの魔力」を要求すれば、枯渇するのは自明の理なのだ。事実、過去に起きたどんな聖杯戦争でも、バーサーカーは魔力切れの問題に常に悩まされてきたという。
「ましてや今回のバーサーカーは大佐と同じく円卓の騎士、しかも、お前たちとの戦闘の前に、大佐と戦う為その宝具を解放している。これがどれほど法外な魔力消費を要求するか、想像できるか?提督は『普通にセイバーが闘ってるときの1000倍は固い』というコメントを残している。」
「1000倍・・・それほどの魔力を一気に魔術師から吸い上げたら、マスターはただでは済まないね・・・」
「そうだ時雨。通常、サーヴァントはマスターを魔力の吸い上げで殺してしまわぬよう、自制を掛ける事が要求される・・・だが、あのバーサーカーは固執してる相手である大佐、および大佐の逃亡を手伝ったお前たちを殺すため、マスターへの負担を完全に無視して戦闘を継続した。その結果・・・魔力の吸い上げに耐えられなくなったマスターによって、令呪で強制帰還を喰らった・・・というのが提督の見立てだ。」
バーサーカー撤退時の魔力の流れは、セイバーを鎮守府に転送したものと同じく令呪のものであった。それを使わなければ、バーサーカーは止まらに程に猛っていた。
「・・・そういう意味では、惜しかったと言えるのでしょうか?ほら、敵の燃料切れならあとは・・・」
「いいえ鳳翔さん。確かにあの戦闘のみを見ればそうとれなくもないですけど、泊地にはまだ敵の本隊もいたしバーサーカーも結局倒し損ねて回復中・・・痛み分け、というのが正直なところですね。」
赤城の言葉に鳳翔がややしゅんとしてしまう。それでも、サーヴァント相手に「痛み分け」を引き出しただけでも本来は十分である。ヲ級たちを何の苦も無く屠っていくセイバーをみれば、それは明らかだ。
「だが、これで敵の魔力量について底が見えた。戦闘データを分析すれば『どれだけ戦えば敵を弱体した状態に追い込めるか』まで分析できるはずだ。・・・君たちが持って帰って来てくれたデータのおかげだ。よくやった、セイバー艦隊の諸君。」
報告書の末尾に書いてあった文章を、長門はあえて読まなかった。事実はいずれわかるだろうが、今帰って来て打ちのめされている彼女らにはまだ重すぎる。
『現状のままでは打つ手がなく、突破は困難』
それがフラットの下した判断だ。
アサシンやキャスターの類が多く持つ「初見殺し特化の宝具」に敗れ去ったというなら、次は負けないと対策が撃てる。しかしバーサーカーの宝具はそれと真逆、真っ向勝負の力比べの宝具であり、次回には勝てるという確証がない。それどころか、今回艦娘達を逃した事実を敵が知れば「マスターの意識を刈り取って退却できないようにする」といった相手方の対策を誘発する可能性もある。
バーサーカーのマスターはダーニックの一族である以上、そう簡単に切り捨てられるはずはない、と思いたいが、魔術師にそのような倫理観を求めることなど無駄という事を、フラットは悲しいがな理解してしまっていた。
何か一手
それがなければ、バーサーカー討伐への再出撃は許可が出せない。
マスターを救い情報を得るためとはいえ、ロビンフッドが死を選んでしまったことを今更悔やむフラットであった。せめて、せめて狙撃だけでも気を引けば、その一手は届くであろうというのに・・・
響の目の前に、ベッドで眠り続けるセイバーの姿がある。
上半身を包帯でぐるぐる巻きにしているせいで(サーヴァントに意味があるのかとも思ったが、一応聖杯で受肉してる為意味はあるらしい)、いつもの軍服でも鎧姿でもない病人着。立っているだけで周囲の艦娘に頼もしさを感じさせるような覇気もなく、顔色も響が心配になるほど白い。もしかしたらこのまま消えてしまうのでは、と思わず不安になってしまうほど、今のセイバーは儚いものに響には見えた。
「・・・セイバー・・・」
起こしてしまっては悪いと思いつつも、不安感に駆られて、響はセイバーの頬に手を伸ばした。少し低い気もするが、暖かい。命の温かさを確かに感じ、ほっと胸をなでおろす。その瞬間、セイバーの目が薄く開かれた。
「う・・・ん・・・」
「あ・・・ごめん・・・」
響に気が付き、セイバーがそのまま上半身を起こそうとする。
起こしてしまったことには罪悪感を感じつつも、それでも彼の生存をよりはっきり感じさせる声を聴き、更に響は安堵する。
「・・・アヤカ・・・?」
・・・安堵はしたが、他人に間違えられるのはあまり面白くない。
「えっと・・・前の聖杯戦争の関係者だったね、・・・そんなに似ているかな、私は。」
まだ意識がはっきりしてない相手に露骨に拗ねて見せるのも大人げない、と分かってはいるのだが。パートナーである自分を他の女に間違えられて若干機嫌が悪くなった。
そもそもさんざん自分に心配をかけたのだしこのくらいの仕返しはいいはずだ、とかなり一方的な理論で自分を納得させてふくれて見せる。その様子に加えて意識もはっきりした事でセイバーも自分の勘違いに気が付いた。
「ああ・・・すまない響、ちょっと意識がはっきりしていなかった。」
「分かっているよセイバー・・・改めて、ごめんなさいセイバー・・・起こしてしまったね。」
「いや、いいよ・・・他のみんなは、無事に帰投できたかい?治療中フラットから『全員離脱した』と聞いた覚えあるんだけど・・・」
響は大きくうん、と頷いて、セイバーの手を握りながら答えた。
「大丈夫、みんな無事だ。誰一人として欠けていない。・・・生きていれば、また再戦できる。」
「そうか・・・よかった・・・」
大きく息を吐いて、安堵した様子でもう一度枕に頭を沈めた。
「ランスロット卿相手に全員生還するとは・・・僕は良い艦娘に恵まれたよ。」
事もなげに、セイバーはそう言い放つ。剣を交えた相手が、かつての仲間であると。
「セイバー・・・やっぱり、あのバーサーカーは・・・」
「ああ、円卓一の騎士、湖の騎士ランスロット卿だ。バーサーカー化の影響で意志こそ失っているようだけど、武技の冴えは往年の彼と比べても全く遜色がない。」
まさか艦娘の武装まで使うとは思ってもみなかったけどね、と付け加えて言うセイバー。そこに、昔の仲間と戦う忌避感は、無い。
「セイバーは・・・」
だが響は知っている。彼の事を今でも仲間と思っているセイバーの心を。その記憶を。
先程はビスマルクを落ち着けるために「セイバーを信じる」といった響だが、彼女もすべてを受け入れられたわけではない。
「セイバーは、悲しくないのかい?私は・・・また夢で、セイバーの過去を見たんだ・・・ランスロット卿と肩を並べて戦う、貴方の夢を・・・」
もし自分が、大和や雪風、暁などと戦えと言われたら、例え命令でも遂行できるか分かったものではない。表面上は従うかもしれないが、決定的なところで撃てないのではという恐怖がまとわりつく。
だというのに、目の前の騎士は、かつての仲間と戦うことに、何ら忌避感はないのだろうか?
「セイバーは、今だって彼を友達と・・・仲間と信じているんだろう!?なのに、なんでそんな事もなげに・・・」
・・・むしろ、セイバーはランスロットを嫌っていないと信じられたからこそ、余計に混乱してしまったのかもしれない。
そこまで言って、響は言葉に詰まってしまった。セイバーは困ったような顔をしながら、起き上がって響の頭を撫でる。
「・・・セイバー・・・聖杯を手に入れたら、貴方が使うべきだ。」
嗚咽を止め、ようやく響が紡いだ言葉。それは前回の問答、聖杯の使い方への、響なりの結論だ。
「響・・・それは前にも・・・」
「だって、そうじゃなければあまりにも報われない・・・!」
この期に及んでまで、自分に救いは必要ないなどという彼が、もはや腹立たしいとさえ響は思った。
「セイバーは、一度は王国を救うためにあんなに傷ついて、それでも結局・・・そして今度は、こんな時代に無理やり呼び出されて世界を救えなんて言われて!あげくの果てに、仲間と殺しあえなんて言われて!それなのに何も報酬がいらないんて不公平すぎる!あなたの幸せは、救いはどこにあるっていうんだ、セイバー!」
堰を切ったような響の叫び、それはある意味、自分たち艦娘にも向けている言葉だった。『日本を護る』という指向性を持った付喪神である彼女たち故に自然と受け入れているこの状態だが、本来は理不尽と言っても差し支えない召喚だ。静かに眠りについた船を、人間の勝手で生まれた敵を屠るために無理やり呼び覚ましているのだから。
ましてやセイバーは元から感情を持った人であり・・・なにより、一度は国の救済という願いを持っていたのだ。
「私だったら・・・私だったら、願ってしまう!」
あの大戦の結末を変えてほしい。例え、それはぜいたく過ぎとしても。
無辜の市民が、禁忌の兵器で一瞬のうちに命を奪われた事件をなかったことにしてほしい。
大和に無駄な特攻を命じる指令を取り消して終戦を迎えたことにしてほしい。
片道切符の兵器なんてものが生み出されなかったことにしてほしい。
妹たちを目の前で失う原因になった潜水艦に消え去って欲しい。
全ての努力や願いが報われる等と言う事などありえないと、響は理解している。それでも、と言わずにはいられなかった。
「やり直したい過去なんて、いくらでもある・・・だのに!無理やり呼び出されただけの貴方が、一度は願った貴方が!それを願わないなんて!」
そこまで主張しても、セイバーは首を縦に振らず、優しく響の頬を撫でるだけであった。
「君は、優しい子だね、響。・・・ああ、湖の精と間違えたことといい・・・本当に。」
似ている、という言葉は、先ほど響を不機嫌にした経験から口には出さなかった。
だが、本当に似ているとセイバーは感じる。その優しさも、恐怖に立ち向かえる勇気も。・・・かつて、セイバーに大切なことを教えてくれた少女。
沙条綾香
軍艦として長く過ごした分、背負ったものも大きくなって、今は道を見失っているようだけど、響ならきっと気づける。かつて、綾香の言葉でセイバーが運命と出会ったように。
だから今度は、自分が響に伝えよう。彼女から教わった、尊い事を。
「響、この前大和と屋上で話をして、抱きしめられた時、君はどう思った?」
「セイバー・・・!今はそんな話は・・・」
だがセイバーは、いいから聞かせてほしいと譲らない。記憶をたどり、その時の感情を素直に思い出す響。
「・・・とても、安らかで、安心して・・・温かった・・・大和があそこにいるというぬくもりが、嬉しかった・・・」
「そう、彼女はここにいる。だがもし・・・響の言うように、『過去を改変したら』・・・大和はどうなる?」
セイバーの意味するところに気が付きハッと響は息をのむ。
「いや・・・でも・・・生き残ってくれれば・・・」
「確かに何らかの形で『戦艦大和の艦娘』が生まれはするだろう・・・だけど響。君を誇りに思う、と言ってくれた彼女は、あの歴史があるからこそ、今ここにいて君を抱きしめてくれたんだ。」
過去と今
後の為に残された血脈、運命、そして愛。
かつて緑の園を『お母さんが残してくれたもの、私自身』といった少女がいた。
例え途中で潰えたとしても、明日という未来に残せたものはきっとある。彼の国が歴史の中で血塗られた結末を迎えても、その少女の笑顔という未来につながっていたように。
天一号作戦の中で非業の最期を遂げた大戦艦がいたからこそ、響を大切にする戦艦娘「大和」が今ここにいる。
「過程と結果は、ワンセットじゃない。」
涙でぐしゃぐしゃになった顔の響を撫でながら、セイバーは言葉をつづける。
「時には、選ぶことそのものが答になることもある。」
あの大戦のとき戦った、すべての人の「選択」の結果が「今」なのだ。
「かつてそうやって『選んでいった』人々の意志を、君は塗り替えてしまいたいのかい?」
そうして、今君を抱きしめた大和を否定したいのかい?
僕を慕ってくれている、あのすばらしい艦娘達を、いなかった事にしたいのかい?
「そんな言い方・・・卑怯だ・・・卑怯だよ・・・!」
再びうつむいてしまった響。だが、その言葉と裏腹に、もうセイバーに聖杯の使用を促そう、という意志は感じられない。
『今いる』仲間たちの存在を、響もまた、大切に思っているから。だから否定できない、というセイバーの言葉に、同意せざるを得なかった。
「すまない響・・・ありがとう。」
振るう剣は未来のために。決して、毀たれた未来を奪い返すためではなく。
その剣を導く船の舵もまた、未来へと航路を向ける。
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「さて、まずはおめでとうと言っておこう、獅子劫界離。君はセイバーのマスターとなり聖杯戦争に参加する権利を得た。」
ランサーが、檻の中に閉じ込められている偉丈夫に向かって語りかける。
獅子劫と呼ばれた男は、サングラスでその視線を隠しつつ、ぞんざいに答える。
「おめでとうもなにも、聖杯をいじくれるあんたらが何かを細工したんだろう?こっちに拒否権はないわけだ・・・」
「理解が早くて助かる。すでに触媒も用意してあるのでね。・・・これを使い、最適のセイバーを召喚してもらい・・・そして。」
アーサー王を、抹殺してもらおう。
ランサーの口角がニィっと上がるさまを、界離は嫌悪感を持って見つめるのであった。
蒼銀の最新話でアヤカの事を「湖の精」と例えている文章を読んで吹いたのが自分です。
投稿ペースでお察しの通り、これの構想中には湖の精=響=アヤカなんて表記は一切ありませんでした。
それでも世にでた以上、のらない理由はないということで。決めてあるプロットに変更はありませんし。
本当はランスロットと戦うことに対してセイバーがもう迷っていない事まで書くつもりでしたが聖杯使用問答の区切りに付け加えると蛇足気味なので次回の頭にします。
この物語の中では、青さんと同じく、セイバーは特にランスロットもグィネビアにも憎悪、嫉妬、劣等感などは感じていない、という方針です。(守りきれなかった後ろめたさはあるだろうけど)
またアロンダイト解放中の魔力が1000倍という根拠は
マスターなしで活動できる予備魔力を10秒で署比したというzeroの文章を参考に、3時間分の魔力(10800秒)を10秒で、という点から約1000倍と仮定しました、どのみち殺人級です。