南方方面、偵察部隊。
未だ敵勢力が跋扈するこの海域で、西方との連絡船の護衛、敵前線基地の発見などの為に偵察をこなすのも艦娘の仕事である。
そんな最前線で航海中のとある部隊を、眺める影が一つ
「さて、勝利への布石なんざ、村娘を口説くようなもんだが・・・艦娘はどうかな?」
だが、「彼」は艦娘ではない。そう、「島」より、つまり艦娘の感知範囲外の丘の上から、彼の目は艦娘を捉えていたのだ。
真っ当な人間にそのようなまねができるはずがない。視力に強化をかけた魔術師・・・あるいは・・・
横須賀鎮守府、セイバー艦隊提督室。
部屋には、ビスマルクの提案で運び込まれた丸いテーブル・・・つまり円卓が置かれている。アーサー王旗下の艦娘が会議をするなら、これしかないという強い要望であった。
そんな円卓につく、騎士王と12人の艦娘達。緊急招集がかけられたとあって、表情は硬い。
「みんな、集まってもらったのはほかでもない・・・恐らく、ライダーの次のサーヴァントが現れた。」
提督服のセイバーの言葉に、一瞬艦娘達がざわめく。
「この矢が、南方偵察部隊の艦娘の艤装に刺さっていたという・・・矢文になっていて、刺さってた艦娘本人は無傷だったのが幸い・・・いや、『無事なように狙った』と見るべきだろう。」
「矢文ですか・・・?ってことは、何か書いてあったんですよね?」
羽黒の疑問にセイバーはうん、と頷くと、そのまま手紙を読み上げ始めた。
「深海棲艦軍、ツラギ島に上陸中の貴軍陸戦隊に対し艦砲射撃によるせん滅作戦を計画中。兵士たちの回収は急務である。
深海棲艦側は万が一攻撃が察知されて脱出をはかられた場合、迎えに来た艦娘を狙撃し抹殺すべく『弓兵』を配置するだろう。
騎士王はこの弓兵との一騎打ちに持ち込み、艦娘達の護衛にあたられたし」
「・・・いや待て、なんだそりゃ!?思いっきり罠・・・いや、罠だったらもっと隠すぜ!?」
「摩耶の言うとおりだ、俺も訳が分からない。文脈からするとその弓兵とやらの存在を知らせてくれてる内通者だが・・・提督、『矢文』っていってたよな?」
摩耶と木曾の疑惑。それは「矢文」を送れる人物こそ、撃破すべき対象とされてる弓兵・・・アーチャーのサーヴァントしか想定できないのである。
「そうですね・・・これがもし罠なら、他のサーヴァント・・・確か、魔術師とか、槍兵もいるのですよね?槍文にしたり、魔術師の使い魔の蝙蝠なんかに運ばせたりするでしょうし・・・」
「ああ、そうだ神通。『アーチャーが寄越したとしか思えないものに、アーチャーを倒せ』と書いてあるのが最大の不可解な点だ。罠にしても見えすぎ過ぎてるからな。」
「提督、深海棲艦側にも私や加賀さんの様に弓を扱う空母が誕生した・・・という可能性はありませんか?」
あくまで可能性をさぐる赤城だが、その可能性は低い。無条件で人々に敵対する深海棲艦が何故裏切るような真似をするか。
「彼女らの中にも、イレギュラーと言える存在がいない、とは言い切れません・・・もちろん可能性は低いですが・・・」
「アカギの言うとおり可能性として0じゃないけど、アーチャーのサーヴァントという敵の中でも切り札的存在を知っているのがイレギュラー・・・っていうのは相当確率として低いわね。」
さりげなくセイバーの横・・・ガウェインポジション・・・を確保しているビスマルクも、顎に手を当て唸りながら思考する。
「提督・・・矢の素材、何でできていたのでしょうか・・・?矢文の材質から何かわかるかもしれません。」
少し控えめな神通の発言に、セイバーは手元の資料に目を通し、目当ての項目を見つけた。
「・・・さすがフラット、調べてあったようだ。矢の材質は、箆の部分が・・・イチイの木で出来ていたらしい。」
「アララギの事だね?日本でも沖縄以外ではよく見るけど。」
「いや、これはヒントになりうるぜ時雨。」
「木曾はこの辺の知識に詳しいのね。・・・私も今度勉強しておこうかしら?」
ちょっと悔しそうな大和をよそに、木曾が落ち着いた表情で口を開く。
「北海道の先住民族、アイヌ族はイチイを弓として使っていたらしいんだ。アイヌ名のクネニっていうのは、弓の木って意味らしい。
他にもヨーロッパイチイはイギリスではロングボウの材料だったし、北欧じゃ聖なる木という扱いだったそうだ。」
「それ、あくまで弓の材料であって矢の材料ではないのでは・・・」
「グ・・・でも、もしアーチャーのサーヴァントって言うなら弓矢でワンセットのシンボルなんだろ!きっと同じ素材だって!」
加賀のきついつっこみにたじろぐ木曾であったが、確かに態々「イチイの木材」などを使っているというのは手紙と同じくこちらへのメッセージとも取れた。
「奪われた冬木の聖杯では、術式の関係上東洋の英霊は呼べないと聞く。そうなるとアイヌという線は低い・・・」
「なら・・・北欧か、セイバーと同じイングランドの英霊か・・・」
この円卓の中で、ただ一人セイバーを「提督」でなくセイバーと呼べる艦娘、響。ペルセウスとの戦いも目の当たりにしてる以上、英霊の恐ろしさは身に染みていた。
「我がイングランドの弓兵か・・・
結局、前回のペルセウスのように「これ!」という決定的な確証は得られぬまま、会議は解散となった。
敵がアーチャーのサーヴァントであり、矢文より仮の射程範囲を計算、そのうえで「陸戦隊」を収容するのに必要な輸送用揚陸艇の護衛プランを練る必要がある。陸さんの方の説得(催眠)と細かい計算はフラットに任せる方が賢明だろう。彼はそういう計算を「何となく」でこなせる才能を持っているのだから。
「セイバー、冬木の聖杯とか亜種聖杯戦争、という風に聞くけど、サーヴァントを召喚した聖杯戦争っていうのはそんなに一般的なのかい?」
後片付けをしながらふと響が問いかける。そもそもこのセイバーも聖杯戦争の末に召喚されたのだし、そう感じるのも無理はない。
「そうだね。7騎揃った聖杯戦争というのはほぼないが、聖杯の効力を下げる代わりに開催しやすくなったものは多数確認されている。」
「ならば、過去の聖杯戦争の記録とか魔術教会に残ってないのかい?そこに少しでもヒントがあるかも・・・」
響としては必死に手段を探しての事なのはわかるが、魔術師がその手の記録をわざわざつけさせるケースは稀である。
「結果として『魔術協会に見つかってしまった』聖杯戦争は、監督役を経て真名が記録されてるケースも無いわけじゃないけど、基本は魔術協会にも秘密で執り行うからなぁ。」
「そのわずかなケースでもいいんだ、どんな英霊が召喚されていたんだい、セイバー。」
記憶するイチイに関連する英霊はいなかったよ、と前置きをしたうえでセイバーは記憶をたどる。
「イランの大英雄アーラシュ、彼の放った矢がイランの国境になったと謳われるほどの人物で、弓の射程は半径五千キロだね」
「ちょ、それって日本がすっぽり入るじゃないか!」
だから彼が敵だったら鎮守府からでも狙撃されてるだろうね、などとのんきに言うセイバー。実際にはこの1撃は打つとアーラシュ本人が死ぬので、本当に彼が敵でもそう簡単には撃ってこないのだが。
「他にはアルゴー号でヘラクレスと共に旅をした女性狩人アタランテや、東洋の英雄を召喚できるところでは織田信長、三国志では呂布奉先、呼んだマスターはあっさり裏切られたらしいね。」
「最後のシャレにならないでしょソレ。」
ライダー、ペルセウスで実感したつもりではあったものの、やはり英雄のびっくり博覧会というものは心臓によくなさそうだ。
「ああ、変わったところだとニコラ・テスラがアーチャーだったね。」
「ちょっと、まって。ちょっと待ってほしいセイバー。割と近代の、しかも科学者だよねそれ?」
持っているサーヴァント基礎知識からはぶっとんだ存在に口をあけるしかない響だが、セイバーのほうはさも当然と言わんばかりに
「彼は、それまで文字通り『神の所業』であった雷を人の手にもたらした、いわば星の開拓者だ。だから英霊としての素質はあるし、加えて彼の象徴たる交流電流とは『電流を放つ』ものだから、アーチャーの素質はあるぞ。」
「それでいいのか、アーチャーの素質って・・・」
その後「倉にしまってある宝物をぶつける」という技でアーチャーになった英雄王の話を聞き、「もしかして聖杯は『判別しにくい英霊はとりあえずアーチャーにつっこんでいるのでは』と疑念を抱くようになったり。
彼を召喚した魔術師は、年老いた元軍人であった。
名を、ダン・ブラックモア。サーの称号を女王陛下より授けられた懐刀ともいうべき存在である。
既に軍は引退した身であったが、女王の命によりとある犯罪魔術結社を追っていたダンは、やがてユグドミレニアの一族にたどり着く。時計塔には所属せずあくまで女王のみに忠誠を誓っていたことを利用し、フリーランスの魔術師として傭兵という形で潜入捜査を行い、冬木の聖杯の存在を知り、その奪取の機会をうかがっていたのである。
しかし、輸送船は撃沈され彼も深海棲艦の捕虜となってしまった。魔術師としての才能を見込まれたダンは、本来はユグドミレニアに敵対していることを悟らせない為、そして何より、サーヴァントという力でいざというとき反撃できるチャンスをつかむために、彼女らの指示に従い英霊召喚を行った。
触媒は用意されず、相性のみで召喚した場合どうなるか、という実験を兼ねていた。
その結果呼び出されたのが、この緑の弓兵である。
表面的な態度こそ軽薄でアウトローを気取るアーチャーに、しかしブラックモアは、全幅の信頼を寄せた。彼の真名を聞き、その英霊ならきっと自分の真意をくみ取り、世界の危機に立ち上がってくれるに違いない、と。
「おいおいマスター、こんなこすい戦いしかできないサーヴァントに何期待してるんだよ。じーさんこそ、奴らのいう事を早く聞かないと殺されかねないぜ?」
深海棲艦に絶対服従するように、という命令を令呪で下せ、とダンは散々圧力をかけられ、拷問のような目にも合っていた。アーチャーも心配し、口ではいろいろ言いながらも、悪に立ち向かう英霊としてのプライドよりもまずは今を生きる人間の命を大事にしろ、と何度もダンを説得した。それでも、ダンは首を縦に振らなかった。
「オマエに聞いたライダーの件。あれでやつらも、マスターを失ったサーヴァントがどう出るかわからないと思い知ったはず。ましてやお前は単独行動スキルを持つアーチャー。大丈夫、奴らは絶対儂を殺しはせんよ。」
弱音を吐かず、威厳すら感じさせる声で返すマスターを、アーチャーは誇りに思うと同時に、何とか生かして帰そう、とさまざまな策を練っていた。その折、深海棲艦とランサー達の会話を耳にする。
日本の鎮守府が、セイバーのサーヴァントを召喚し、こちらにぶつけてきた、と
聞けばそのセイバーは水上歩行ができ、ヲ級すら一刀のもとに斬り伏せたという。これは、チャンスではないか・・・?
その後、アーチャーの手引きによりはぐれサーヴァントと化したペルセウスの情報を意図的に流したところ、見事にこれを撃退したという。あの神話の英雄を、斬り伏せてみせたのだ。
その真名は・・・
「アーサー王・・・エクスカリバーを持つ伝説の騎士王ねぇ。全く、つくづくこの名前は、エクスカリバーと縁があるってことかねぇ。」
イングランドの大英雄、過去にありて未来に帰ってくる王、彼が艦娘を率いているなら・・・無事にダンを救出してくれるに違いない。
英霊召喚をして以来、一向に深海棲艦側の思惑を飲まないダンは、劣悪な環境の地下牢に閉じ込められていた。
この建物はもともと島の警察として使われていたものであるが、現在は深海棲艦側の捕虜収容所として利用されている。
入り口にこそ見張りが立っているが牢屋のある廊下を見張るものはおらず・・・とはいえ、脱出の算段もたたない・・・ダン・ブラックモアは、体力を持たせるため可能な限り動かずにいたのだが・・・
カチリ、という音に気が付き、周囲の様子をうかがう。直感が「騒がないほうがいい」と告げていた。
「よし・・・そのまま静かに、立ち上がってくれ、ダンナ。ダンナが毛布で包まっているようにこのマネキンで偽装したら、ここをずらかるぞ。」
「アーチャーか・・・だが、入り口の深海棲艦はどうする?」
ひそひそ声で、周囲の捕虜にすら聞き取られぬよう用心して会話する二人。
「問題ない。俺は霊体化して・・・ダンナは俺の弓じゃないほうの宝具で隠れていれば堂々と出られる。あれはサーヴァントすら欺けるからな。」
「
「ああ、俺がツラギ島、ってとこに行くようランサー様から命令を受けてるんでね。小型の船でそこに行くときに、隠れてるダンナを荷物と一緒に乗せる。で、現地についたら別行動、ダンナは展開中の日本の部隊に回収してもらいな。」
「日本・・・か。」
第二次世界大戦中は軍にいたダン。思うところはいろいろある国である。もっとも、彼が主に戦った相手は第三帝国のほうだったが・・・
「内地からお迎えの船と艦娘が送られてくる・・・それらしき艦隊が出発したって斥候の深海棲艦が報告しててね。一応、俺はその迎撃って名目なんだわ。あとは、あの騎士王さまがヘマしなけりゃ無事回収ってわけだ。」
「アーチャー・・・お前はどうする?」
聞かされた作戦の範囲では、アーチャーの離脱について何ら算段がない。半分、ダンにもわかっているが・・・それでも聞かねばならない。
「俺?俺はギリギリまでランサーやアサシンの目を引き付ける為に、騎士王さまと決闘ゴッコだ。そうでもしないと、島に砲撃が雨あられになるかもしれなんでねぇ。」
「・・・許可できん、サーヴァントのお前が日本に合流したほうが・・・」
「はっ・・・笑わせんなよ。俺サーヴァントつまり幽霊、おたく生きてる人間。世界を変えるのはいつだって生きた人間だ、俺たちはその補助に過ぎない。・・・ダンナ、俺が集めた情報を、必ず届けてくれ。」
アーチャーとダンの2人だけで、アーチャーがピーピングした情報を確実に日本に届けるには、この作戦が一番確率が高い。
単独行動スキルを持ち、何より「王子に対して反逆」したエピソードのあるアーチャーは、ランサーからの受けがあまり良くなかった。それ故に貸し出される船にも最低限の燃料しか積まれないし、すこしでも怪しい素振りをみせれば、即全深海棲艦にアーチャー抹殺の司令が下るだろう。水上行動が不得手なうえに対軍宝もないアーチャーにはこれに抗うすべはない。
だから、アーチャーは全てが終わるその時まで、ランサーと、使い魔で監視に来るであろうアサシン、そして他全ての深海棲艦に、おとなしく従ってるポーズを見せなければならない。
苦しい戦いになるが・・・生前から、彼に楽な戦いなどなかった。
「・・・わかった。アーチャー、お前の願い、必ず成就させてみせる。騎士の名誉に誓って。だから・・・お主も、生き延びて合流するのだ。わかったな?」
「ヘイヘイ、マスターのオーダーには逆らえないわな。」
「全く、無理を言ってくれるぜ旦那。」
ツラギ島、自分の宝具で無事にダンもこの島に運んだアーチャーは、日本の部隊、セイバーの艦隊をいち早く察知できるであろう岬に立っていた。
確かに、日本の陸戦舞台が全て合流してダンも回収された後なら、真実を明かしてセイバー達と合流するのもありかもしれない。
・・・だが、正直自分がそこまであのセイバー相手に戦えるなどと、彼はうぬぼれていなかった。
出来る限りの布石はうち、罠を仕掛け、戦略を組み立て、彼の生まれ育った森とは違うとはいえ、木々の力を借りたダンジョンのようなものは組み上げたつもりだ。並の、艦娘や魔術師程度があいてならば十分仕留められるだろう。だが・・・
(正々堂々の騎士様つっても、不意打ちすら撃退して見せたとかいう逸話も多いですし?第一あのバケモノをぶったぎった聖剣を使われたら一巻の終わりだしな。)
それでも、彼の闘志は不思議と燃えているのだった。マスター、ダン・ブラックモアの「生き残り合流しろ」という命令・・・アーサー王相手に生き残れという無茶なオーダーと、信頼。
そこまで期待されてしまったら、応えたくなるのが彼という男だった。
鷹の目が、敵の艦隊を捉える。揚陸艦数隻と、それを護衛してると思しき巡洋艦娘、駆逐艦娘。戦艦と空母もいるという話だが、どうやら後方警戒らしい。アーチャーの弓の射程に入らないという意味でも、深海側の攻撃への対抗としても、正しい。どこまでの王道の指揮を執る、騎士王とその部下たちをにらみつける。
「さて、一丁行きますか!俺は、聖杯戦争に参加する、ダン・ブラックモアのサーヴァントだからな!」
キン、何か音が鳴ったような気がした、としか羽黒には感じられなかった。突然目の目に現れたセイバーと、金属音。見えない剣で、何をしたのか・・・?
「あ、あの、提督・・・」
「大丈夫、羽黒、アーチャーの弓は私が防ぐ。君たちは揚陸艦の護衛に集中してくれ。それは私にはできない事だ。」
「は、はい!」
信頼されて任された以上、他の事に気を散らせない。右後方にいた摩耶と神通をちらっとみて、頷きあう。駆逐艦娘の時雨と雪風を先行させて兵士たちをランデブーポイントに誘導させ、自分達は船を護り切らねば。
「提督・・・その、お気をつけて!」
海面をそのまま滑って行った羽黒を見送りつつ、セイバーは響に常に自分の傍を離れぬようにと指示を出す。あの射手は、少しでも隙を見えれば間違いなく艦娘達を射抜くだろう。次の一射で、大よその場所を特定し、魔力放出で一気に距離を詰めねばなるまい。
「セイバー・・・アーチャーの居場所は・・・」
「あの海岸線・・・おそらくこちらを見張れる岬だけど、確証がない。あと1発・・・矢が飛来すれば・・・」
等と口にしながら、セイバーは再び不可視の剣を振るう。弾かれた矢が海面に突き刺さりピシャリと水しぶきが上がった。
「・・・見えたぞ、アーチャー!!」
「・・・2発で俺の居場所を正確に察知、流石だな全く・・・」
こちらを正確に睨み視線で射抜いてきたセイバーをみて、アーチャーはあきれたような声を上げる。全く、本当に規格外の英霊らしい。とはいえ神弓の類を持ってる英霊じゃない以上、アーチャー本人も狙撃で勝負が決まるとは思っていなかった。
「よぅし、せっかく俺の居場所をさらしたんだ。追ってこいよ?アーサー王さん。」
崖下の浜辺から島に上陸したセイバーと響。水上を航行するのに必要な艤装は陸上ではデッドウェイトになるので、主砲など覗いて浜辺に切り離した。アーチャーの姿はすでに森の中へと消え去っていたが、ここで追尾しなければ別のポイントより艦娘達が狙撃されかねない。森、という時点で罠なことは明白だが、追わないわけにはいかなかった。
「熱帯の森の中の行軍・・・か。最新装備の米軍がベトナム軍にボロボロにされた事例を考えれば・・・」
罠があるのかな?と言おうとした響を、突如としてセイバーが抱きかかえて跳躍する。
「なっ・・・セイバー!?」
「見ろ、マスター。」
セイバーの視線の先には、響が足を踏み入れようとした場所が・・・落ち葉で隠されてはいるものの落とし穴になっている光景があった。ためしに石を投げいれて擬装用の布が穴の中に落ちると、近くの木で作ったと思しき槍がぎっしりと突き立てられている。いくら艦娘といえど、英霊手ずからのトラップとなればただでは済まない。
「・・・すまないセイバー・・・言ってた先からこれか・・・」
「大丈夫、こういう危険から君を・・・むっ!」
右手を無造作に振ったように響には見えたが、何かをはじいた金属音が聞こえた。地面に突き刺さったのは、矢。
「やれやれ・・・北欧か、我がイングランドの弓兵と踏んでいたので、もう少し堂々と戦う騎士と思っていたのだがな、アーチャー!」
姿の見えぬ狙撃手にセイバーが吠える。だが、どこからか響く声は嘲笑うような口調で返す。
「そりゃ悪うございましたね、アーサー王さん?ま、俺はこの通り少しづつこういう罠で軍団を削っていくしか出来ない英霊でね。まだまだ付き合ってもらうぜ!」
声の主は再び森の中へと潜っていく。危険だが、追撃以外の選択肢がない。
「響、繰り返しになるけど、一歩たりとも僕の傍を離れるな。僕がトラップを警戒しながら歩く。もし余裕があれば、上空の警戒を。艦娘の君なら電探で違和感に気が付けるかもしれない。」
「こう鬱蒼とした森の中じゃ・・・きついね。やるだけやってみよう。セイバー、私の命、貴方に預ける。」
その後もアーチャーのトラップは続いた。ロープにかかると発動する丸太のトラップといった初歩的なものはもちろん、お手製の地雷と思しき爆発物だの、カカシに気を取られたスキに本人が狙撃だの。全て弾いている為にセイバー達は気が付いていなかったが、そのどれもに麻痺毒やイチイの毒がしこんであるタチの悪さである。戦闘訓練を積んだ魔術師の部隊ですら、軽く全滅してもおかしくない地獄の行軍を、しかしセイバーは持ち前の直感の助けもあり、響をしっかり守りながら進軍していた。
「全く、嫌になるほどカンがいいなセイバー!どうだい、そのマスターを海にもどせば、あるいは俺に追いつけるかもしれないぜ?」
「安い挑発はやめることだなアーチャー。マスターを一人にした瞬間、貴様はまずマスターを狙撃するだろう。この進軍こそがマスターを護るために最も確実な手段だ。」
よく分かってらっしゃる、とアーチャーは木の上から、こちらに向かって啖呵を切って見せたセイバーをにらむ。セイバーには今後も働いてもらわないと困るが、手を抜けば一瞬で倒される。そう考えて本気のえげつない罠の数々を仕込んだつもりだったが・・・
(無傷で突破されるこっちの気持ちも考えろってんだ全く!)
だが、次の罠は気合を入れた自信作、ロープ、落とし穴、囮の丸太・・・そして本命、自らの奇襲。
(さぁ・・・かかれ!)
眼下のセイバーが、最初の一手、ロープに感づいた様子で避けようとするのを見る。その足の先こそ、
「ぐ・・・!?」
足を踏み込んだ先が穴になっているのに気が付き、体をよじるって避けようとする。そこに襲い掛かるロープでつるされた丸太のトラップはとっさに剣ではじくが・・・
「これなら避けられまい、セイバー!」
今度こそ、この一撃にとアーチャーは木の上から飛び降り、イチイの毒をふんだんに塗った矢でセイバーを狙う、ひきつった表情のセイバーの眉間を狙い・・・!
「セイバー!」
その叫びは響のもの。そして同時に轟いた轟音は、セイバーに襲い掛かるアーチャーを、完全にとらえた、とは言えなくても、アーチャーに「狙われた」というプレッシャーを与えるには十分な、主砲の一撃。
「ちっ!?駆逐艦、砲台だけはパージしてなかったんだなそういえば!」
セイバーへの狙いを断念し、アーチャーは体をひねって響をに狙いを付ける。でたらめに打った矢だが、1本位手ごたえは・・・
あると期待したいのだが、今度はセイバーが響をとっさに抱きかかえながら転がって回避した様子。受け身をとって着地し、2人をにらみながらアーチャーが吠える。
「ああもう、主従揃ってカンがいいな畜生!」
セイバーと響が完全に立ち治る前にさらに森の奥に逃げるアーチャー。手持ちの、というか間に合わせで作ったトラップはもう多くはない、しかし、それでも時間を稼がなければ・・・
陸戦部隊とのランデプーポイントの砂浜で、時雨と雪風は兵たちの誘導にあたっていた。たどり着いた揚陸艦に順番に、きりきりと人を乗せていく。急がねば敵に気付かれ艦隊を差し向けられる可能性もあるし・・・今この瞬間も、このエリアの安全を確保するため、提督と響はあえて敵の前に姿をさらしているのだ。自分たちのできることは、一刻も早くここを脱出することである。
本当なら自分たちも加勢したい、という気持ちを抑えて2人は任務にあたっていた。
「ああ・・・君たちが艦娘・・・攻撃の情報を察知してくれたんだってな、感謝するよ。」
「雪風の伝説は聞いているよ、水木先生も無事に返した幸運の船、俺たちも肖らせてもらうぜ。」
「前線基地を作る任務を果たせなかったのは悔しいが、死んじまったらそもそも勝てないからな・・・当てにしてるぜ、艦娘。」
「俺・・・君たちのおかげで帰れるんだな・・・ありがとう・・・」
陸と海の上層部は仲が悪いのは有名であったが、前線においては関係無い。互いに助け合って深海棲艦と戦う仲間であり、殊、見た目麗しい少女の救援部隊とあって、彼女ら2人のウケは部隊員達には非常によかった。
そんな感謝の言葉が、逸る2人の心を落ち着かせてくれる。
「時雨、こちらの担当の収容はすべて終わりです!点呼もしっかり確認しました!」
「了解した・・・あとはこちらの・・・」
持たされていた名簿を確認しようとした時、時雨に一人の老人が近寄ってきた。・・・この場にいるはずのない、白人の、老人、といって差し支えない見かけの、痩せこけた人物・・・
「君たちが、セイバー・・・いや、アーサー王の指揮する艦娘かね?」
その言葉を聞いた瞬間に、時雨と雪風はすぐさま戦闘態勢を取る。コイツは「秘密」を知っている・・・つまり、聖杯の関係者だ、と。
「警戒する理由は分かる。本来なら敵対してると言っても過言ではない・・・しかし聞いてくれ。儂は、今君たちの司令官が戦っているサーヴァント・アーチャーのマスターのダン・ブラックモアという。・・・君たちに私と、アーチャーの保護をお願いしに来た。」
森の中の開けたスペース、そこの中心に、アーチャーは立っていた。
手にはすでに弓を持たず。二振りの短刀を構えるのみ。その姿を見て、追いついた響は当然警戒をする。
「セイバー、気を付けて。真っ向勝負に見せかけて何か罠を・・・」
「いや、彼はもう何も罠を仕掛けていないよ、響。」
怪訝そうな表情でセイバーの顔を見上げる響であったが、セイバーはただまっすぐに、アーチャーを見つめている。
「どうしたアーチャー。もう種切れか?だとしても君ならもう少しハッタリであがくかと思っていたがな。」
「いやいや、そうしたいのは山々なんだがな?さっきからオタクら、未来予知してるだろってレベルで俺の罠回避してるだろ。ハッタリなんかかました日にはそのままぶった切られるのがオチってもんですし?」
肩をすくめてやれやれという表情で笑うアーチャー。しかし、言葉とは裏腹にその殺気、闘志は一片たりとも衰えていない。
「まぁ、あがくという考え方自体は賛成だぜセイバー。俺はサー・ダン・ブラックモアのサーヴァントだ。俺には過ぎたマスターである以上、戦いから逃げて名誉を傷つける事だけはできないんでね!」
アーチャーの言葉に響は疑問を覚えた。彼は確かに「サー・ブラックモア」というマスターの名前を口にした。深海棲艦ではなく人間に召喚されて使役されている・・・のは、その人間が深海棲艦に脅されていると考えれば十分納得がいくが、その場合「誇り」という言葉は出てこない。彼の目的は、一体なんだ、と。
「・・・主君の名誉にかけて、か。ならば君の挑戦、ブリテン王アーサーが受けよう!」
サーヴァント同士の聖杯戦争ではなく、一人の騎士に仕える従者の挑戦を、騎士王として受けるため。セイバーはあえて己の剣の不可視を解く。現れた黄金の輝きは、敵であるアーチャーすら魅了するほどであった。
「へぇ、伝説の騎士王のもつ世界で最も有名な聖剣、実物にお目にかかれるとはね。・・・さぁ・・・行くぜ!」
打ち合えた数は、5号。それもすべてセイバーは余裕を以っていたのに対し、アーチャーは全てを必死に打ったのに、である。
最後の渾身の上段からの斬りを払いあげられ、がら空きになったアーチャーの胴に、無情の一撃が叩き込まれた。
がはっ、と大きく血を吐き、大きくアーチャーが吹き飛ばされる。
「まいった・・・ねぇ・・・もう少しいけると・・・思ったんだが・・・」
アーチャーを油断なく見つめるセイバー。勝負は決した、と気が抜ける響。その時、響の通信機に時雨からの通信がはいった。
『響、提督、もしアーチャーと戦ってたら伝えて!マスターは保護したし脱出準備も整ったからからもう戦う演技は必要って!必要な令呪で戦闘を止められるって!』
え、っという表情で響が倒れるアーチャーに見返ると、困ったような表情で微笑む彼と目があった。
「あーうん。マスターの事聞いたか・・・悪ぃな、駆逐艦の嬢ちゃん、『合流するんの遅すぎですよダンナ』って伝えてくれないか?」
「まって・・・待ってくれ、セイバー!アーチャーを助けることは・・・」
通信は聞こえていなかったが、2人のやりとりで何かあると察したセイバーは、しかし、首を横に振った。
「・・・すまない響・・・アーチャー・・・今の一撃は致命傷だ・・・」
響に応えた後、セイバーもアーチャーのほうを見返る。だが、アーチャーの表情に恨み、つらみの表情は一切なかった。
「構わねぇよセイバー。力量差があるとはいえ俺だってアンタに本気で攻撃したんだ。そうしなきゃアサシンの目は欺けないとはいえ、下手をすれば殺せる攻撃を、アンタと駆逐艦のお嬢ちゃんに何回もした。だから、良いんだ。」
「アサシン・・・今もここにいるのか?」
「まさか。本人は気配遮断すらまともにできないキャスターモドキだしな。今頃チェイテ城に引きこもってるだろうが、その分使い魔で俺を監視してる。今この瞬間にも、深海棲艦にあんた等の追撃を命じてるだろうさ。」
「チェイテ・・・そのアサシンというのは。」
「まぁな。だがこれ以上はここではやめときな。今言ったようにすぐ追撃が来る。・・・小物とはいえ、俺なりに命を懸けたんだ。無駄にしないでくれよ?」
アーチャーの体は、霊核が損壊したせいですでに保つことすらままならぬ状況であった。それでも悪童めいた笑みでセイバー達を見送ろうとする。
「アーサー王・・・俺のマスターを、頼む。」
「・・・円卓の名誉にかけて、必ず無事に送り届ける。」
セイバーの言葉を聞いて満足したアーチャーは、そのまま、光の粒子となって消滅していった。
横須賀鎮守府・セイバー艦隊執務室にて。
アーチャーの言った通り、深海棲艦側はすぐに追撃の艦隊を派遣してきた。しかし、迅速な撤退に加えてあらかじめ、赤城・加賀・鳳翔が偵察機を飛ばしていたことも功を奏し、輸送艦隊は一度も敵の砲撃を受けぬまま、日本へと帰国することができた。
今は、アーチャーのマスター、ダン・ブラックモアがフラットと会見中。最初から蜂起する気だった2人は、いつか役に立つようにと敵の真名・戦略・・・そして、大聖杯の位置を事細かに記録していた。そしてそのバトンは今、セイバー達の艦隊に継がれようとしている。アーチャーの消滅という代償を払い。
「提督、お疲れの様ですので、ちょっとお茶菓子なんかを作ってみたんです。紅茶も淹れてみたのですが・・・響も一緒にいかが?」
他にやりようがなく、アーチャー本人も本望だったとはいえ、他にやりようはなかったか。ついそう考えてしまい物憂げになっているセイバーを心配し、鳳翔が差し入れを持ってくる。
「ありがとう鳳翔、響、資料を片付けてくれ。君と鳳翔も席について、3人でちょっとお茶にしようか。」
「了解セイバー。うん、さすが鳳翔、良い香りだね。」
全ての空母の母、といわれる彼女はどうにも母親じみた雰囲気が付きまとう。実際、間宮でもないのにやたら料理がうまいのは彼女のアイデンティティーでもあった。
そんなお茶会モードの中、更に扉をノックする音が。どうぞ、とセイバーが声をかけて、入ってきたのは・・・
「これは・・・サー・ブラックモア・・・」
思わず起立して礼をするセイバーに習い、艦娘二人も深々と頭を下げる。その様子に、ダンのほうが逆に恐縮してしまう。
「いやいやいや、そんなことをされてしまってはこちらが落ち着きません、どうぞ陛下、おかけください。」
「えっと・・・立ち話もなんですので、ブラックモア卿用のコップ、持ってきますね。」
ぱたぱたと部屋を後にする鳳翔と入れ替わりに、ダンが部屋に入ってくる。アーチャーを失ったマスター、ではあるが、その瞳は穏やかであった。
「陛下なら、きっとアヤツの事を気になさってると思いましてな・・・アイツはアイツなりにできることを全力でやり、こうして情報をフラット君に届けられた。ある意味、想定通りなのです。」
「・・・ありがとうございます、サー・ブラックモア。」
「それに今頃、きっと英霊の座で、同じ真名を持つサーヴァントに自慢していることでしょう。『俺は本物のエクスカリバーを持つ騎士の為に働いた』と。」
「エクスカリバーを持つ騎士・・・サー、彼の真名は・・・」
アーチャーのサーヴァント、その名を『ロビンフッド』
後世にては「シャーウッドの森にすむ弓の名手にして義賊」と名高いその英雄は、数人のエピソードを混ぜて作られた、と言われている。
ダンの下で戦ったアーチャーは、「シャーウッドの森に住み、義賊として戦った弓使い」という背景がロビンフッドという皮をかぶるのに最適という事で選ばれた、本来は名もなきドルイドの若者であった。
住み慣れた村を護るため、野蛮な騎士たちを倒す為に罠を駆使し、森を根城とし、大軍とたった一人で戦った緑の人。破壊工作に秀で、自然と精霊を味方にした義士。
何より、今を生きる人々の温かい生活を護りたいという心が、彼を英霊に押し上げた。
基本的には重税を課す後の失地王に立ち向かう「王殺し」。しかし、真の英雄たる王の味方でもある、二重属性の英雄。
「ロビンフッドには『ロクスレイ卿』というモデルもいますが、彼が仕えたのがリチャード獅子心王・・・自らの剣を『エクスカリバー』と呼んだ戦の名手でした。」
「なるほど・・・ロクスレイはあくまで「自称エクスカリバー」に対し、セイバーは「本物のエクスカリバー」か・・・」
響が納得したところで鳳翔が戻ってきて、ダンの分のティーセットを用意する。いれてもらった紅茶の香りを堪能すると、ダンは鳳翔に微笑んだ。
「女王陛下の命でユグドミレニアに潜入し、深海棲艦の捕虜になった時は・・・もう紅茶は飲めないまま死ぬものと覚悟しておったよ・・・艦娘の御嬢さん、ありがとう。」
「提督もそうですが、本場英国の方に満足いただけるかどうか自信がありませんけど・・・お口に合えば幸いです。」
はにかむよに微笑む鳳翔に、ダンもにこりとしながら頷く。紅茶を一口口に運び、大きく頷く。
「ああ、とても上手だ。お名前は鳳翔さん、だったかな。」
「恐れ入ります。ええ、その通りですわ、ブラックモア卿。」
丁寧にお辞儀する鳳翔を見た後、ダンは響の方に視線を向けた。
「ところで、駆逐艦の御嬢さん・・・君の艦長を務めた人物の中に、ミスター・クドウという方がいらっしゃったと記憶してるが、相違ないかな?」
「え・・・ああ・・・確かに、工藤艦長は私の艦長をしてくれていたが・・・知っているのかい、サー・ブラックモア。」
「うむ・・・」
ダンは紅茶のカップを置き、一回大きく呼吸すると何かを懐かしむように、視線を上げて語り始めた。
「第二次大戦時、儂の親類が海軍に所属していてな。エンカウンター 、という艦に乗っていたんだ。」
その名前を聞いた瞬間、大きく響の目が見開かれた。
「英国海軍の駆逐艦・・・エンカウンター ・・・」
「やはり、知っておったか。・・・ミスター・クドウがいなければ、彼はスラバヤ沖で溺死していた。フォール元海軍中尉が墓参りはしてくれた、と聞いていたが、同じミスター・クドウの艦たる君に会えるのなら、礼を言わねばと思っていてね。」
「ああ・・・ああ・・・よかった・・・工藤艦長の思いは・・・無駄じゃなかったんだ・・・」
艦娘にとっての艦長や乗員は、家族・・・そして父親のようなもの、らしい。響にとっては、今は亡き父も同然の人を恩人と言ってくれた、そんな言葉であった。
こみ上げる涙を抑えきれず、両手で顔を覆う響。
「戦争中だ。本来なら敵を助ける義理もない。むしろ捕まえて拷問したり、機銃掃射で少しでも鬱憤を晴らそう、という事だってあったろう。連合国でも、枢軸国でも、どちらも変わりなく、戦争は人をそういった悪魔に変える。そんな中、武士道、というのだろうな、高潔な精神を保った君の艦長は、後の儂らの目標でもあった。・・・恩返しは、できたかな?」
胸がいっぱいになって嗚咽するしかできない響の代わりに、セイバーが応えた。
「十分すぎるほどに・・・ええ、マスター、響の艦長の意志は貴方に受け継がれ、貴方のサーヴァントの高潔な魂と共に・・・世界を救うカギに。」
「それを聞いて安心しました陛下。・・・さて、そろそろお暇するといたしましょう。響さん、といったね。鳳翔さんも。この戦いが終わったら、是非英国の我が家においでなさい。妻のアンヌともども、歓迎するよ。」
「必ず・・・お伺いします。そしてその為に・・・必ずこの海を、平和にして見せます・・・!」
最初の矢文は攻撃だったとアサシンに釈明してたりする。手紙つきだったのはさすがに関知できなく、そこを突っ込まれなかったのでロビンも強気に計画を進められた。
ペルセウスにこの役割を持たせる案もあったのですが、その場合アーチャーが単純な敵となり、そしてその役に当てはまるサーヴァントが思いつかなかったので
当初の通りペルセウスが暴走野良サーヴァント、ロビンが内通者と相成りました、
英国という事で工藤艦長のエピソードをもって来やすかったのもありますが。
今回の没台詞
「お代は・・・そうだな、平和で静かな海ってとこだな。」
ロビン撃破後は時間との闘いなのでうまく組み込めずボツに。CCCの台詞です
今回の突っ込み
Q『祈りの弓』使ってないじゃないか!
Aだって毒になってないし・・・大体設定上は一発でもかするとやばいし・・・