暗殺教室 グリザイアの戦士達   作:戦鬼

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イトナ初登場編です
2話にわけようと思っておりましたがわけどころが決めれず、1話で収めました
その分いつもだいたい五千文字を目標にしてるのですが今回その倍くらいになりました


転校生の時間・2時限目

「バイトが終わったばっかりだってのにいきなり呼びつけてなんだ」

 

「まずは、お勤めご苦労様。それと連絡事項よ。あなたのクラスにもう1人の転校生が来るわ。満を持した、本命がね」

 

「なるほど、何が言いたいのかがわかった」

 

呼び出された理由は前回の律の時のような行動をするなという事は言われなくても分かった雄二はすぐにそう答える。

 

「だが、本命?律はおまけなのか?」

 

「詳しくはその律に聞きなさい。というより、機械に優しくするくらいなら私にももうちょっとは優しくしてほしいんだけど」

 

「言われた通り優しくした(・・)だろう?」

 

「………」

 

「やめろそんな目は」

 

顔が赤いのは怒っているのか恥ずかいのか、おそらくはその両方であろう。

 

「詳しくは烏間も言うだろうけど、付添人意向に従えとのことよ」

 

ロクな予感がしないなと思いつつ雄二はその場を後にした

 

 

 

そして、転校生がくる6月15日。外は梅雨真っ盛りで雨音が教室内にも響くが空模様とは逆にクラスの挨拶は元気なものである

 

「みなさん、おはようございます。さて、烏間先生から聞いているでしょうが、本日からこのクラスに3人目の転校生が来ます」

 

「まぁ、ぶっちゃけ殺し屋だろうね」

 

「今回は律のときみたいに写真はないのか?」

 

「あーたしかに。烏間先生、どうなんですか?」

 

写真の有無を前原は尋ねたが烏間は首を横に振る

 

「すまないが、今回は俺も詳しくは聞かされていない」

 

「なら、律はどうなんだ?」

 

「同じ転校生暗殺者として、何か聞いてないの?」

 

雄二と原が訪ねると律は「少しだけ知っています」と言い説明をした

 

曰く、初期命令では律との同時投入の予定だったとのこと。律が遠距離射撃しもう1人が肉迫攻撃と連携して殺せんせーを追い詰める。

 

「ですが2つの理由でキャンセルされました」

 

「なんだ、その理由って」

 

「ひとつは彼の調整に予定より時間がかかったから。……そしてもうひとつは私が彼より暗殺者として圧倒的に劣っているから」

 

その言葉にクラス全員と殺せんせーは戦慄した。律は来て初日で先生の指を破壊し、さらに時間をかけていけば殺せるかはわからないが相当追い詰めていたことは間違いないからだ。そんな彼女が

 

「私の性能では…彼のサポートを努めるには力不足だと」

 

この時点で見なくても今回の転校生も相当な化け物なのが理解した。

 

「各自単独で暗殺を開始することになり、重要度の下がった私から送り込まれたと聞いています」

 

「………律、悲観する必要はない。お前は充分過ぎるくらいに優秀だ」

 

「けどよ、殺せんせーの指を飛ばした律がその扱いって」

 

「まままぁ、先生も今回はゆゆ、油断しませんしー。いいいずれにせよ、皆さんに仲間が増えるのは嬉しい事です」

 

((((((((わかりやす‼︎))))))))

 

殺せんせーの態度があまりにもバレバレなため皆の心の中の言葉が一致していた。

 

するとガラッと戸がいきなり開いて律の方を見ていた全員がそちらをみると背の高めだが細い腕をした全身白装束の人物が入ってきた

 

「………」(スゥ)

 

白装束はゆっくりと手を前に出した。何をするつもりなのかと身構えていると

 

ポンと鳩を出してきた

 

「え、手品?」

 

誰がつぶやいたのか、見たままのことを言う

 

「ごめんごめん、驚かせたね。転校生は私じゃ無いよ私は保護者。…まぁ白いしシロとでも呼んでくれ」

 

自らをシロと名乗った男は軽やかな口調で言う。

 

「ビックリしたー。いきなり白装束で手品やったから」

 

「うん。殺せんせーでもなきゃ誰だって……」

 

「いや渚、殺せんせーだったら尚更だろう」

 

と雄二が言いながら指を差した先には天井の角で雄二は見るのが初の奥の手、液状化して逃げていた。

 

「ビビってんじゃねーよ殺せんせー‼︎」

 

「奥の手の液状化まで使ってよ‼︎」

 

「い、いやだって律さんがおっかない話をするもので」

 

殺せんせーの弱点に《噂に踊らされる》が加わった瞬間であった。

 

「始めましてシロさん。それで肝心の転校生は?」

 

「初めまして殺せんせー。ちょっと性格とかが色々と特殊な子でね、私が直で紹介させてもらおうと思いまして。それとハイこれおくりもの」

 

そう言って羊羹を渡した後クラスを見渡しているとふと、渚のいる方を見てほんの少し止まった。

 

「?」

 

「うん、皆いい子そうですなぁ。これならあの子も馴染みやすそうだ」

 

何を考えているのか衣装も相まってわからないがなにか納得したのかそう言うと律の隣の席を指差して

 

「席はあそこで良いのですね?殺せんせー」

 

殺せんせーが頷く。

 

「おーいイトナ‼︎入っておいで‼︎」

 

ついに来るかと再び扉の方へ向いて皆緊張する。しかし、雄二は長年の勘とも言えるもので察知した「嫌な予感がする」と。

 

ゴッ‼︎と突如、後ろの壁が崩れてスタスタと無言で1人の少年が入って席に座った。

 

((((((((ドアから入れ‼︎‼︎))))))))

 

まさか壁から来るとは思いもよらず全員同じツッコミをいれていた。

 

「俺は…勝った。この教室の壁よりも強いことが証明された。それだけでいい…それだけでいい」

 

「いよいよもってこの教室にまともじゃない奴が多くなってきたな」

 

「うん雄二、その通りだけど雄二が言えた言葉じゃないよ」

 

ボケに対するボケにどうにかツッコミを入れる渚だが内心ドクンドクンと緊張していた。

 

「堀部イトナだ。名前で読んであげて下さい。あぁ、それと…」

 

シロは付け加えて言う。

 

「私は少々過保護でね。暫くの間、彼の事を見守らせてもらいますよ」

 

「それは、律が言ってた調整と関わりがあるのか?」

 

間髪入れずに雄二は聞くがシロは「そうかもね」と言葉を濁すだけだ。

 

「ところでさぁ、イトナ君ちょっと気になったんだけど、今外から手ぶらで入って来たよね」

 

カルマの問いは雄二も含めてクラスの数人が感じていた謎

 

「なんでイトナ君濡れてないの?外、どしゃ降りの雨なのに」

 

「………」

 

聞かれてからキョロキョロと教室内を見て最後に雄二の顔を一瞬見てガタッと立ち上がる

 

「このクラスで1番強いのはおまえだな」

 

「さぁな 」

 

「安心しろ、おまえは俺より弱いから…俺はお前を殺さない」

 

カルマの質問に答えず、上から目線の言葉で言いながら雄二の髪をワシャワシャと撫でる。

 

言うまでもないが、イラっとしてた

 

(コイツ、ぶっとばしたい)

 

しかし彼は大人の対応が出来る。それを表に出したりはしない。

 

((((((((うわぁ、めっちゃイラっとしている))))))))

 

クラスメイトにはバレバレであるが

 

「おまえが強いのかどうかは知らんが、俺はおまえみたいに自分自身を過大評価出来るような生き方はしてない。そういうのはそれ相応の結果を出せて初めていえるもんなんだよ」

 

そして遠回しの挑発。彼に大人の対応は出来ても舐めてかかられるのは我慢ならないのである。

 

一方でイトナはそんなもの我関せず殺せんせーのいる教壇へ歩く。

 

「俺が殺したいと思うのは、俺より強いかもしれない奴だけ。この教室では殺せんせーあんただけだ」

 

指を差して名指しするイトナが見ているのは標的である殺せんせーのみである。

 

「強い弱いとはケンカの事ですかイトナ君?力比べでは先生と同じ次元には立てませんよ」

 

「立てるさだって…俺たち血を分けた兄弟なんだから」

 

静寂は一瞬だけそしてイトナが言った言葉を脳が理解した瞬間

 

「「「「「兄弟ィ⁉︎」」」」」

 

ざわめきに変わる。

 

「兄弟同士に小細工は要らない。兄さん、おまえを殺して俺の強さを証明する。時は放課後、この教室で勝負だ」

 

爆弾発言にざわめくクラスを無視して踵を返し入って来た穴から出る

 

「今日があんたの最後の授業だ。こいつらに別れの挨拶でも言っておけ」

 

当然だが兄弟とどういうことなのかクラス全員が殺せんせーに問いただしたが先生もわからないのか焦っていた

 

「落ち着け、まずそれよりも大事なことがある」

 

なんだと雄二の方を見る。

 

「このあいた壁を直すことだ」

 

「いや、今それの方が大事なの⁉︎」

 

「当然だ渚。雨風がキツイんだよ。あのやろう、直す気もないみたいだしな」

 

なんでこの状況でそんな方に考えがいくのかわからないクラスであった。

 

 

 

昼休みにイトナが大量のお菓子を持って戻ってきた。机の上は崩れてしまいそうなほどのお菓子の山。それを無表情でどんどんと口の中へと入れていく。

 

「すごい勢いで甘いモン食ってんな。甘党なところは殺せんせーとおんなじだ」

 

「表情が読みづらい所とかな」

 

兄弟疑惑が出てからクラスでは常に殺せんせーとイトナの比較があった。殺せんせーもそれを理解しておりどこか落ち着かない。

 

「気分直しに今日買ったクラビアでも読みますか。これぞ大人のたしなみ」

 

「それが大人のたしなみなら先生、あいつもその大人たしなみってのが出来てるぞ」

 

雄二に言われてイトナを見ると殺せんせーが読んでいるのと全く同じクラビア。ちなみに表紙は先生の好きな巨乳である。

 

「これは俄然、信憑性が増してきたぞ」

 

「そ、そうかな、岡島君」

 

「そうさ‼︎巨乳好きは皆兄弟だ‼︎」

 

と言いながら岡島も同じグラビアを出す。

 

「それだと全国に何人兄弟いるんだろうな」

 

「というか、さっきから思ってるけどなんで雄二はそんなに冷静なの⁉︎」

 

「あいつが殺せんせーの兄弟かどうかは正直言ってどうでもいい。むしろ気になるのはあいつの力の方だ」

 

雄二は彼を観察すればするほどわからない。正直言って律の方が脅威であると思っていた。

 

 

 

___彼の力を見るまでは

 

 

 

放課後、イトナの宣言した通り暗殺を始める

 

「机のリング⁉︎」

 

だがそれは暗殺と言うよりも試合に近い。机を使ってリングを作りその中心に殺せんせーとイトナが立つ

 

「ただの暗殺は飽きてるでしょ殺せんせー。ここはひとつルールを決めないかい?」

 

シロが提示したルールはシンプルであり、リングの外に足がついたらその場で死刑というもの。

 

「なんだそりゃ?負けたって誰が守るんだよ、そんなルール」

 

杉野の疑問はもっともだがそれに「いや」とカルマが答えた。

 

「皆の前で決めたルールは…破れば先生として(・・・・・)の信用が落ちる。殺せんせーには意外と効くんだ、あの手の縛り」

 

 

「……いいでしょう、受けましょう。ただしイトナ君、観客に危害を与えた場合も負けですよ」

 

殺せんせーの追加ルールにイトナはコクリと頷いた。

 

「では合図で始めようか。暗殺……開始!!」

 

シロの合図とほぼ同時に殺せんせーの腕が切り落とされてた。

 

殺せんせーの腕を切り落とすなど不意打ちでもなければ無理だ。だが逆を言えば不意打ちなら出来るかもしれないということ。もちろん出来たらすごいと言える。だがそれ以上の驚きがそこにあった。

 

殺せんせーも含めて皆はある一点に釘付けになる。

 

「触手⁉︎」

 

イトナの髪の一部が殺せんせーの触手のようになって動いていた。

 

(それだけじゃない。おそらくあれは触手を攻撃に特化したものだ)

 

今まで殺せんせーは触手を使った拘束はしていたが攻撃はしていない。ルールとして生徒に危害を加えないのあるだろうがそれでも恐らくイトナと同等のことは恐らくできない。そしてなぜ彼が雨で濡れていないかも理解した。全て触手で雨を弾いていたのだと。

 

「………………こだ」

 

ゾクリと何人かの生徒が感じた。

 

「どこでそれを手に入れたッ‼︎その触手を‼︎」

 

殺せんせーは顔を黒に…否、ドス黒いと表現してもいい色にし、表情は今まで雄二が見たこともないまさしく怪物と言えるものとなる。

 

「君に言う義理は無いね殺せんせー。だがこれで納得したろう?両親も違う、育ちも違う、だがこの子と君は兄弟だ」

 

クスクスと笑いながらシロは続けていう

 

「しかし、怖い顔をするねぇ。何か…嫌な事でも思い出したかい?」

 

一瞬、殺せんせーの表情に変化が見えた。

 

「……どうやら、あなたにも話を聞かなきゃいけないようだ」

 

触手を再生させてそう言うがシロが腕の袖口から何かを向ける

 

「聞けないよ、死ぬからね」

 

袖口から強烈な光が殺せんせーに照射される。

 

「この圧力光線を至近距離で照射すると君の細胞はダイラタント挙動を起こし、一瞬全身が硬直する」

 

シロの言うとおり硬直してしまい。完全な隙が出来る。

 

「全部知ってるんだよ。君の弱点は全部ね」

 

(知っている(・・・・・)だと?)

 

その言葉の意味を雄二は理解した。殺せんせーとその触手にシロは何かしら接点があると。だがそれを考えてるうちにイトナは殺せんせーに目掛けて猛攻をかけて来る。

 

しかし殺せんせーは脱皮で回避し天井に避難していた。

 

「渚、あれが」

 

「殺せんせーのエスケープの隠し技。こんなに早く使わせるなんて」

 

「脱皮か……そう言えばそんな手もあったっけか」

 

余裕そうにシロは呟く。実際ノーダメージではなくしかも息切れをおこしている

 

「その脱皮にも弱点があるのを知ってるよ。その脱皮は見た目よりもエネルギーを消耗する、よって直後は自慢のスピードも低下するのさ」

 

常人からみれば速い。が、

 

「触手同士の戦いでは影響はデカいよ。加えてイトナの最初の奇襲で腕を失い再生したね。その再生も結構体力を使うんだ。二重に落とした身体的パフォーマンス、私の計算ではこの時点でほぼ互角だ」

 

普段先生の動きを見ている生徒たちはすぐに解るほど遅くなり、相手の触手どうにかさばいている状況だ。

 

「また、触手の扱いは精神状態に大きく左右される」

 

殺せんせーの弱点②テンパるのが意外と速い

これも理解していた。

 

「予想外の触手によるダメージでの動揺、気持ちを立て直すヒマも無い狭いリング、今現在どちらが優勢か生徒諸君にも一目瞭然だろうねー」

 

「…………」

 

雄二はただ、ジッと見ていた。

 

「さらには、献身的な保護者のサポート」

 

シロは再び殺せんせーに光線を照射していた。全身が硬直してしまいピタッと止まってしまったところをイトナの触手による攻撃をうける。脚の触手3本が切り落とされてしまった。

 

「フッフッフ、これで脚も再生しなくてはならないね。なお一層、体力が落ちて殺りやすくなる」

 

「安心した。兄さん、俺はおまえより強い」

 

あと少し……殺せば地球を救える。そう、救えるのにE組全員喜べる者などなく、寧ろ悔しがっていた。

 

「そう言うのはしっかりと先生を殺せて初めて言えるんだぜ」

 

だから、その言葉はまるで希望の言葉に聞こえた

 

「急に何を言い出すと思えば、君は状況を理解できない子なのかねぇ」

 

「あぁ、充分理解してるさ。あんたの作戦が穴だらけで、イトナが弱すぎることをな」

 

「なんだと」

 

ビキリと、そんな音が聞こえた気がするほどイトナはキレていた。

 

「そこまでハンデを得ているのに、お前の攻撃は致命傷に至っていない。それほど先生の身体を理解しているのに、先生自身を全く調査してない。これを穴だらけと言う以外何があるんだ」

 

「言いたいことは済んだか?」

 

触手がうごめき、狙いを定めんとする。

 

「俺を殺すのか?いいぜ。だがおまえはその瞬間に負ける。『観客に危害を加えるのも負け』おまえが認めたルールだ」

 

フゥゥゥと睨むがそのルールがあるため攻撃はできない。威嚇ぐらいはできるかもしれないが、相手が危害を加えられたと言えばその時点で詰みである。

 

「イトナ、ほうっておけ。彼はあのタコを殺した後で痛ぶればいい」

 

「……チッ」

 

舌打ちをして先生の方に向き直る。シロの方もイライラしてるのか若干声のトーンが上がっている。

 

「いい判断だが、遅すぎだ」

 

「?」

 

「いやぁ、風見くん感謝しますよ」

 

「……なるほど、時間稼ぎ。そういうことか」

 

3本もの触手を回復し終えた殺せんせーが言ってそこで雄二の作戦を理解した。だが

 

「けど体力を使ってしまったのは事実だ。君の行動は何の意味ももたないよ」

 

「いいえ、そんなことはありません」

 

殺せんせーは触手をポキポキと鳴らす

 

「たしかにここまで追い込まれたのは初めてです。一見愚直な試合形式の暗殺ですが……実に周到に計算されている。あなた達に聞きたいことは多いですが……先ずは試合に勝たねば喋りそうに無いですね」

 

「まだ勝つ気かい?、負けダコの遠吠えだね」

 

殺せんせーの発言にシロが一笑する。

 

「まぁ、教え子に助けられた上にあそこまで期待されては勝つしかないですから。それとシロさん、この暗殺方法を計画したのはあなたでしょうが、風見くんが言ってたこと以外に計算に入れ忘れてる事があります」

 

「無いね、私の性能計算は完璧だから。__殺れイトナ」

 

トドメとばかりに先ほどの鬱憤を込めて猛攻を行う。だが今度の攻撃は一撃も当たっておらず、逆にイトナの触手がドロッと溶けてダメージをおっていた。

 

「おやおや、落とし物を踏んづけてしまったようですねぇ」

 

イトナの触手が当たった床に対先生ナイフが落ちていた。当然偶然ではない。いつのまにか渚が握っていたナイフを自分がダメージを受けないように布で取りタイミングを計って床に落としていたのだ。ちなみに先生はそれについて「知らないなぁ」という顔をしていた。

 

なにが起きたのか動揺するイトナに先生は先程の脱皮した抜け殻で包んでしまう

 

「同じ触手なら対先生ナイフが効くのも同じ。触手を失うと動揺するのも同じです」

 

ですがと言いながらポーンと抜け殻に包んだイトナを外に放り投げる。バウンドしたが抜け殻が丈夫のためイトナのダメージはゼロであった…ダメージはだ。

 

「君の足はリングの外に着いている、先生の勝ちですねぇ。ルールに照らせば君は死刑、もう二度と先生を殺れませんねぇ」

 

顔をシマシマにし煽る殺せんせーに先ほどの雄二に対して以上にキレてしまうイトナ

 

「生き返りたいのなら、このクラスで皆と一緒に学びなさい。君が最初に小馬鹿にした彼、風見くんも皆と共に私を殺そうという共通の目標と意思を持ち、学んでいます。それが性能計算では測れないもの、経験の差です」

 

雄二が言った先生自身を知らない。それこそ殺せんせーの言う経験の差である。

 

「イトナ、シロ、あんた達がすごいのはよくわかるが、すごいだけだ。なにもかもが経験不足。特にイトナ、お前はシロに言われる前に俺の煽りを無視して先生が回復する前に攻撃するべきだった。自分が強いと過信した結果だ。絶好調だと思ってる時ほどくだらないミスをする。俺がE組の皆を尊敬してるのは、下を見て安心せず前を向いて上見て悩んでるからだよ」

 

そう言われてクラスのメンバーの何人かが泣きたくなるほど嬉しくなる。彼らにとって雄二は目標である。そんな彼に尊敬している理由を聞き、テストの時の事を思い出す。あの時の嘆きは尊敬を裏切っていた行為に近いのだと。

 

「風見くんの言うとおり、君は経験不足です。この教室で先生の経験を盗まなければ、君は私に勝てませんよ」

 

「勝てない?俺が…弱い?」

 

触手が黒く染まる。それは殺せんせーがキレた時とおなじドス黒い色である。周りのものを破壊しながら暴走する触手で先生に向かう………

 

だがそうはならなかった。イトナの首に何かが当たるとドサリと意思を失って倒れた。

 

「すいませんね殺せんせー、どうもこの子はまだ登校できる精神状態じゃなかったようだ」

 

イトナを抱えて踵を返す

 

「転校初日で何ですが……しばらく休学させてもらいます」

 

「待ちなさい!担任として、その生徒は放っておけません。1度E組に入ったからには卒業まで面倒を見ます。それにシロさん、あなたにも聞きたいことが山ほどある」

 

「いやだね、帰るよ。それとも力ずくで止めてみるかい?」

 

殺せんせーは顔に青筋を立ててシロの肩を掴むがその瞬間、殺せんせーの手はドロッと溶けていた。

 

「対先生繊維さ。君は私に触手一本触れられない」

 

イトナがあけた穴を通り外に出る。

 

「心配せずともまたすぐに復学させるよ殺せんせー。3月まで時間は無いからね」

 

そう言い残して帰ろうとする

 

「まてよシロ。あんたにはまだ言いたいことが残ってる」

 

「なにかな?君に止める権利はないと思うのだけど?」

 

「あんた俺がいなければ殺せてたと思ってるんだろうが、ハッキリ言うが仮に俺がいなくても先生は切り抜けてた筈だ。つまり、結局あんたはミスしか残してない」

 

「…なにが言いたい」

 

「自分のミスをミスと受け止めず、誰かのせいにしてるなら、何をしても無駄なんだよ」

 

「………君に言う権利があるのかな?」

 

睨み合いは一瞬だけですぐにシロはすぐ歩き出した。

 

 

 

イトナが去った後、クラスは後片付けにおわれていた。

 

「はずかしい…はずかしい…」

 

殺せんせーは顔を隠して恥ずかしがっていた。

 

「シリアスな展開に加担してしまいました。先生どっちかというとギャグキャラなのに」

 

「あ、自覚あったんだ⁉︎」

 

「つか自分のキャラを計算してるとか腹立つな」

 

「これも弱点としては使えそうだな。渚、メモをしとけ」

 

わかったと渚は新たな弱点をメモに書いた。

 

「それで殺せんせー、説明してよ」

 

「あの2人との関係を」

 

ある程度落ち着いてきて当然出るであろう疑問がくる

 

「先生の正体いつも適当にはぐらかされてたけど、あんなの見たら聞かずにいられないぜ」

 

「そうだよ私達生徒だよ?先生の事、よく知る権利があるはずでしょ」

 

殺せんせーは少し考えてから「仕方ない」と言って立ち上がる

 

「真実を話さなくてはなりませんねぇ。…実は、実は先生…」

 

ゴクリと皆は息を呑んで殺せんせーの次の言葉を待った。

 

「人工的に作り出された以外で頼むぞ先生」

 

「にゅわ⁉︎な、なんで先生が言おうとしたことがわかったんですか⁉︎か、風見くん、エスパーですか⁉︎」

 

「そうだぜ、次の暗殺ではこれで徹底的に痛ぶるからな殺せんせー」

 

「ひぃー」と怯える殺せんせーであるがクラスからは「はぁ」とため息がでる。

 

「雄二、先生をからかうのは暗殺の時だけにしてよ」

 

「先生も本当にそんなこと言おうしてたのかよ」

 

「え、皆さん反応薄くないですか⁉︎これ結構衝撃な告白と思ってたんですよ⁉︎」 

 

殺せんせーは人工的に作られた生物と(自称)衝撃な告白をした(された)にも関わらず生徒たちの反応は薄くて淡白だった。

 

「いや、自然界にマッハ20のタコとかいないだろ」

 

「宇宙人でも無いのならそん位しか考えられない」

 

「で、あのイトナ君は弟だと言ってたから……」

 

「先生の後に造られたと想像がつく」

 

殺せんせーは「察しが良すぎる‼︎」とクラスに畏怖しているがハッキリ言って当然の考えである。

 

「まぁ、俺はそこんところはどうでもいいんだけどな」

 

「え、知りたくないの⁉︎どうしてさっきイトナ君の触手を見て怒ったのかとか、殺せんせーはどういう理由で生まれてきて、何を思ってE組に来たとか⁉︎」

 

「気にならないと言えば嘘になるが、今は(・・)どうでもいい。というより先生も言う気ないだろうし」

 

雄二の言葉に先生は「その通りです」と言う。

 

「今それを話したところで無意味です。先生が地球を爆破すれば皆さんが何を知ろうが全て塵になりますからねぇ。もし君達が地球を救えば後で真実を知る機会がいくらでも得る」

 

そう、だから

 

「もうわかるでしょう、知りたいのなら行動は1つです殺してみなさい。暗殺者(アサシン)暗殺対象(ターゲット)、それが先生と君達を結びつけた絆のはずです。」

 

雄二としても聞きたいことはある。だがそれ以上知るともうこの先生はここに居られないかもしれない。その不安があった。

 

「先生の中の大事な答えを探すなら、君達は暗殺で聞くしか無いのです」

 

質問もないのがわかると先生は教室を出る。またシリアスに加担してしまい「はずかい」と言いながら。

 

「どうせなら俺たちがみえなくなるまでシリアスでいろよ」

 

聞こえるように雄二がいうことで先生の心にダメージを与えていた。

 

 

 

 

 

「……今以上に暗殺の技術を学びたい?」

 

烏間の前にはクラスの大半が揃い、もっと教えを請いたいと言った。

 

「今までさ“結局誰が殺るんだろ”って、どっか他人事だったけど」

 

「今回のイトナ見て思ったんだ。誰でもない俺等の手で殺りたいって」

 

「もしも今後、強い殺し屋に先越されたら……俺等何のために頑張ってたのかわからなくなる」

 

「だから限られた時間、殺れる限り殺りたいんです。私達の担任を」

 

自分達の手で殺して答えを見つけるために。そして

 

「なによりさ、雄二くんにああ言われたらね」

 

「うん。いままで雄二くんを目標にしてけど、それだけじゃダメなんだなーって思った」

 

雄二に認めてもらえるくらいには強くと皆思っていたが、とっくの昔に彼は皆の強さを認めていた。認めて、逆に自分を向上させようと努力していた。なら

 

「雄二が尊敬してくれるのは嬉しいけど、まだまだ尊敬してもらえるほど僕らは強くないから」

 

だから、それに見合う実力がほしい。胸を張って彼の前にいるように。烏間は生徒達の目を見て意識が変化し良い目をしたことを嬉しく思い笑みを浮かべる

 

「…わかった。では希望者は放課後に追加で訓練を行う。より厳しくなるぞ」

 

「「「「「はい!!」」」」」

 

烏間の放課後の訓練は本当に厳しさの増したものであったが、文句はなく皆懸命に始めた。

 

 

 

 

 

 

 

一方で尊敬され、彼らも尊敬し、目標とする雄二は

 

「で、何か申し開きはある?」

 

「ないな」

 

今回イトナにちょっかいを出したことへの注意を受け、ひたすらに「面倒くせぇ」と思っていた

 




原作見直してイトナが先生の触手を2本切ったときに思ったことが雄二の言った事です

しかも今回上乗せして3本なのにね

感想、意見は遅くても返信しますのであればよろしくお願いします

さて、次回の球技大会編です
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