暗殺教室 グリザイアの戦士達   作:戦鬼

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いつもと違いすぐに浮かんだのと時間がありすぐできました。いつもこうな…以下略


訓練の時間

8月、殺せんせーの暗殺期限は残り7ヶ月になる。まず間違いなく勝負の期間

 

「うぅぅくぅぅ」

 

「中村さん、どうしたんだろう?全然命中してない」

 

「なんかあったのかな……雄二とデートしたって聞いてるけど」

 

「……それ、ほぼ間違いなく雄二が原因だと思う」

 

南の島暗殺計画まで1週間を切った。計画は詰めの段階に入りほぼ出来上がっている。今回は射撃がメインになるのは明らかなので全員が射撃訓練を行なっている。がここ最近は特に莉桜の様子はおかしい。訓練中のミスは多く、雄二を見ると真っ赤になる。

 

「殺せんせーいわく、夏休み明けて私が生きてたら教えますだって」

 

「気にはなるけど殺さないとね…というか殺されない気満々みたいだね」

 

「あの子のケアは私がしておくわ」

 

「ビッチ先生…って何そのカッコ」

 

見学に来たビッチ先生はサングラスに胸元と足下が肌けた衣服に日除けの帽子とラフ全開であった

 

「ビッチ先生も訓練しろよ。射撃やナイフは俺等と大差ないだろーにさ」

 

「ふふふ、大人はズルいのよ。あんた達の作戦に乗じてオイシイとこだけ持っていくわ」

 

ほんとズルい考えだなぁと言おうとした皆が黙る。ビッチ先生の後ろの人物を見て

 

「ほほう、随分ヒマそうだなぁ…イリーナ」

 

ビクッとしてギギギと首を後ろに向けると強面の男、ビッチ先生の師匠ロヴロがいた

 

「な、なんでロヴロ師匠(センセイ)が⁉︎」

 

「夏休みの特別講師で来てもらった。今回の作戦にプロ視点から助言をしてくれる」

 

ビッチ先生の疑問に烏間が答える形で言う。早速誰よりも早く着替えろと指導を受けたビッチ先生はジミーなフード付きのジャージに着替えてきた

 

「それで、殺センセーは今絶対に見てないな?」

 

「ああ。予告していた通りエベレストで避暑中だ。部下が見張っているから間違いない」

 

暗殺において作戦の機密保持は大切だ。特に相手が手練れや位の高い人物ならより重要度は高くなる。因みに今回の特別講師の話しを受けたのには理由がある。

 

「今私の方で斡旋できる暗殺者はいないのでね。慣れ親しんだ君たちに殺してもらうのが1番と考えた」

 

「やっぱり人選が難しいんですか、そういうのって?」

 

岡野が何気なく問うとロヴロは首を横に振る

 

「たしかにそれもあるが正確に言うなら違う。手持ちの殺し屋は君達の知らない所で送ったが全員失敗し、独特の匂いも覚えられて2回目以降は教室にたどり着けない。つまり2度は使えない。おまけに有望な殺し屋数名と俺の弟子と連絡がつかない」

 

「弟子?あぁ、あの子……最近会ってないけどどうなんですか?」

 

「少なくとも今のお前よりはいい仕事をしている。引き際も弁えている死んではいないだろう。…なんだ?心配か?」

 

「いえ、別に」

 

と言うがビッチ先生は少しホッとしているなと渚はおもった。それはロヴロも同じだったようで

 

「あいつはお前を姉として慕っている。ーーが、あまり腑抜けた顔をするなよ」

 

警告(・・)を含めてそう言った。

 

 

 

訓練は恙無く進み時折り撃ち方の指導をロヴロが行う。今は作戦の概要を確認している。

 

「先に約束の9本の触手を破壊し、間髪入れずにクラス全員で攻撃して奴を仕留める」

 

絵付きで書かれた計画書に書かれている事はシンプルな物だが今読んだのは計画②と③

 

「それはわかるがこの①精神攻撃というのは何だ?」

 

その部分だけは『精神攻撃』とだけ書かれて内容が書いてないのでロヴロは質問した。

 

「まず動揺させて動きを落とすんです。殺気を伴わない攻撃には…殺せんせーもろいとこあるから」

 

「そうそう。例えばつい最近殺せんせーエロ本拾い読みしてたンすよ」

 

「あ、その話面白かったよ………ちょうどその日……その日…ぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

「莉桜、落ち着きなさい」

 

ビッチ先生に言われてその場を離れる莉桜を見送りつつ前原は続ける

 

「ほんと、何があったんだろうな…まぁともかく、そんときは『クラスの皆さんには絶対内緒ですよ』ってアイス1本配られたけど……今どきアイス1本ごときで口止めできるわけねーだろ‼︎」

 

「「「「クラス全員でさんざんにいびってやるぜ‼︎」」」」

 

「他にもゆするネタはいくつか確保してますからまずはこれをつかって追い込みます」

 

「…残酷な暗殺法だ」

 

ロヴロも暗殺者として凄惨な現場を見てきたが今回は作戦の通り精神的にキツい。自分の恥ずかしい事を目の前で暴露される。しかも大切な生徒自身に精神的に殺された後に肉体的に殺されるのだ。

 

「で、肝心なのはトドメを刺す最後の射撃。正確なタイミングと精密な狙いが不可欠だが…ここにいる者たちはいいレベルになってはいるが決め手に欠けるな。今回彼は触手を破壊するため、トドメの射撃ができないんだろ?」

 

と言うと烏間はあれを見ろと言わんばかりに校庭にある穴が中央部分に3、4あいた殺せんせーの顔が描かれた的に指をさす。

 

「あの的に何発撃ったと思う?」

 

「………まさか何十発も撃ってほぼ同じ所に当たっているのか?」

 

「そうだ。千葉龍之介は空間計算に長け、遠距離射撃に速水凛香は手先の正確さと動体視力のバランスが良く動く標的を仕留めるのに、しかもここ最近は風見くんの指導もあり腕が急成長している」

 

資料を渡して烏間が言うとロヴロは「素晴らしいな」と声を出す

 

「それで、今彼らは何をしている?ここには居ないようだが?」

 

「森の中で訓練中だ。実戦形式でな」

 

 

 

ユラユラと空き缶が川を流れる。波に揺れていたソレがパァンという音が聞こえてすぐにいきなり跳ねる。しかしそのすぐ隣で水飛沫も小さく上がる。

 

(っ、外した)

 

【ボヤッとするな修正】

 

無線から聞こえる雄二の声で即座に切り替えて修正しもう1度撃たれた。今度は放たれた球がいまだに水に浮いた缶に2発同時に当たり川の外に放り出された。

 

【よし、一旦休憩しよう。所定の位置に集まってくれ】

 

「……ふぅ」

 

速水凛香は組み立てていたライフルをバラしてしまい、いわれていた場所に向かう。ほぼ同時に千葉も来た。

 

「動く対象物への同時発射および命中訓練、仕上がってきたな」

 

「律、成功率は?」

 

「現在89%ですね目標の95%まであと少しです」

 

「…まだ6%もあるのか」

 

「………」

 

「もう6%しかない…だ。あまり追い込むな」

 

弱気になっている2人に雄二はそうアドバイスする。実際2人の命中率は元々高い。が、今回の訓練は1人が当てるだけはなく2人が同時に当てるむずかいものだ。正確さはもちろんターゲットに相方と自分の互いの距離、動く的の速さ、動きの予想など全て合致しなければならないものを短期間でここまで伸びたのは2人の才能によるものだ

 

「だけど本番まで1週間を切っている」

 

「結果のみを求めるのは狙撃手として間違ってない。だが気負いすぎると上手くいくものでも失敗する。そして今は練習時だ。なら数をこなしていけばいい。幸いにも2人とも才能はある上に性格も同じなんだ…成功率は上がる」

 

「風見はどれだけ練習したんだ?」

 

「おぼてない。暇さえあれば自分だけでもやったが、実際に撃つ時は師匠が見ていたがな」

 

「「………」」

 

「…次のステップにいくか」

 

「え、まだ目標の数値に達してないわよ。というか、何をするの?」

 

「俺とのお前達2人で競う。川の上流から空き缶を流し指定ポイントに入ったら狙撃開始。お前達2人はチームでどちらかが当てればいい」

 

このルールに2人はほんとに多少だがイラっとした。雄二の射撃の腕はE組トップだがそれでも自分達もこれまで訓練で腕を上げている。このようなハンデは舐めているとしか思えない。

 

「始めるぞ」

 

そんな2人の考えなぞ知らず雄二は始める。

 

 

勝つ。そんな勢いと思いを入れて挑んだが

 

「…まさか」

 

「全敗」

 

10回やって10敗した。2人のどちらかあるいは同タイミングで空き缶を見つけて構えたときにはすでに撃たれているの繰り返しだった。

 

【もう1度流す】

 

雄二が不正をしていないことなど見ればわかる。というより実は全て2人より遠い位置で狙撃している。11回目も敗北した

 

「全敗だな」

 

「「………」」

 

「競う相手がいるとどうしても焦りはでてくるもんだ。だが、狙撃手に必要なのは正確さもだが早撃ちも時には必要だ。そして今お前達はチームになっている。そこをもう少し活かすんだ」

 

指導後も数回しこれで16回目

 

(……ターゲット確認、距離、風速、動き良し)

 

空き缶を見つけた雄二は手早く構えて撃った。空き缶が跳ねるのを確認したが違和感があった

 

(今のは俺のと、速水と千葉の弾が同時に当ったな)

 

同時に当たったのは半分は偶然だ2人はチームとして動きだしていた。互いに同じ考えのもと

 

((風見に合わせる))

 

雄二が自分達より上だと理解した彼らはお互いだけでなく雄二の動きも合わせる方向にした。彼なら自分達が見つけた時点で撃つ段階に入っていると思い、より早く、より正確にと思考を進めた。その結果が16回目でようやく出たのだ

 

【訓練終了。もう1度同時射撃訓練に移る】

 

そうしてまた数をこなしていき

 

「命中率95%を超えました。お2人ともお見事です!」

 

「「ふぅ」」

 

「どうにか仕上がったな」

 

「どうにか…か。でも本番の相手は殺せんせー…本当にできるのかな風見抜きで」

 

(できる、できないを考えるな…なんて言っても無理だろうな。教えるっていうのは難しいもんだな、麻子)

 

自分の師匠もそういう想いがあったのだろうかと考える。だがそんな事はわからないのだと気を取り直す

 

「次は不安定な場所からの狙撃訓練と精神的に不安定になる夏の日向からの待ちからの射撃訓練だ。待ち射撃の方はちゃんと水分補給と日射病に気をつけて行う」

 

コクリと2人がうなずくのを見て次に移った。

 

 

 

 

 

「……えぇ、ハイ。では手配をお願いします」

 

バイト先のJBの部屋に入ると電話をしていたのでソファに座り話しが終わるのを待った。

 

「ごめんなさい。じゃ、報告を聞くわ」

 

「何かあったのか?」

 

「まぁ、ちょっとね。本来ならもっと力を入れたい案件なんだけど……色々ターゲットの件やあなたの外出による予備人員の確保とかでゴタゴタしちゃってね」

 

「だから、何があったんだ?」

 

「…まぁ、一応話しておくわ。ついで言うと烏間にも通達されているわ」

 

 

 

「なるほど、それは厄介だな」

 

「プロだけあって隠れるのも隠すのも上手いから尚のこと厄介よ。そっちに何も起きなけばいいんだけど」

 

「俺も手伝おうか?」

 

「あなたは現場がわかってから動くの専門でしょ。それに怪物の暗殺もあるんだから」

 

「…わかった」

 

「じゃ、とりあえずこの話は終わり。次は暗殺計画の方だけど実際どう?」

 

「仕上がったとは思う」

 

 

■–■■■■候補報告書

 

第4候補:速水凛香

 

 

「こっちの報告書も大変ね。あなたも私も。しっかり報告しないと逆に怪しまれるし、かと言って本当の事を書きすぎると採用になっちゃうかもだし」

 

雄二に与えられた目的を誤魔化すのは常に一苦労である。下手すれば2人とも馘がとぶレベルだ

 

「けど、やっぱり候補としては狙撃手が高いと思ったんだけど…まだ第1候補はこの子なのね」

 

「渚の暗殺の才能はこれからどんどん伸びるだろうし、射撃の腕も着実にあがっている。狙撃手以外にいても良いだろ。それに…」

 

「狙撃手じゃない方が候補のトップにいても大丈夫だから?」

 

「まぁな」

 

上層部の1番であってほしいのまず間違いなくスナイパーだ。しかしそうでなければ諦めが少しはつきやすくもなる。

 

「けどこの子、赤羽…業、これでカルマなのね。この子は評価してないの?」

 

「カルマはどちらかと言えば部隊の隊長が合ってる。もちろん戦闘もいけるが…調整役って所だ」

 

「ふーん。じゃあ、なんでこの子は入れてるの?しかもスナイパーよりも高いし」

 

 

■–■■■■候補報告書

 

第3候補:■■■■■

 

 

「わからない」

 

「なにそれ?」

 

「わからない。だが、得体の知れない何かを感じる…だから、調査もしてほしい」

 

「…これでも忙しい身なんだけど?」

 

「できるときで構わない」

 

ハァとため息を出し、JBは頷く

 

「けど、本当にできる時よ。正直時間がかかるわ」

 

「構わないと言った」

 

了解と言った時、ドアがノックされる。部屋は防音だから聞こえてはないがすぐに資料を片付けて「どうぞ」とJBはノックをした相手を入れる。

 

「失礼します」

 

褐色肌の眼鏡をかけた少女が資料と思われるファイルを持って入って来た。

 

「頼まれた資料をお持ちしました」

 

「ご苦労様キアラ。悪いわねいつも」

 

「いえいえ。…ところで」

 

キアラといわれた少女は雄二によってくる。

 

「もしかしてあなたが9029?」

 

「あぁ」

 

「やっぱり!ねぇ、9029って複数いるって聞いたけど、あなたは何人目?」

 

「キアラ、もう良いから退出しなさい」

 

「ねぇ、よかったら後で写真を…」

 

「キ、ア、ラ。退出なさい」

 

JBが強く注意すると残念そうにして扉に向かう。

 

「じゃ、また会いましょうね」

 

と投げキッスをして去った

 

「なんなんだいったい?」

 

「『9029』を伝説のナンバーとして特別視しすぎているだけよ。あなたも、今日はもう休みなさい明日でしょ南の島は」

 

「そうさせてもらう」

 

「あぁ!思い出した。陽菜乃さんから連絡があったけど、この間他の子とデートしてその子の様子がおかしいって言われたけど何したの?」

 

何したと聞かれて、思い出すが

 

(…特に変な事をしたか?)

 

結局その時の事を全て話してJBが頭を抱えることになるのは言うまでもない

 




ちなみに
キアラは雄二が椚ヶ丘にいるのは殺せんせーの暗殺の為だけとおもってます
ちなみに2
第3候補は雄二のヒロインではないです

感想、意見、誤字報告は遅れても基本的に返信するのであればよろしくです

ちなみに3
南の島編、1番悩ませてんのは、名前繋がりと…

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