もっと早くかけるよう頑張りますモンハンしながら←おい
遠く方から音が聞こえる花火だろう。今日は夏祭りでさらに8月31日、夏休みの最終日、皆どこかで浮かれた気分にもなりたいだろう
「すげー疲れる」
【愚痴を言うだけの気力があるなら、もう1つ仕事でもする?】
「やめてくれ。ただでさえ嫌な仕事プラス疲れる仕事なんだ」
スコープ越しに対象をみる。2つの影がある一方だけなら余裕だがもう一方はそうはいかない。匂いは当然だが覚えられている気づかれないように特殊なスーツを着て、さらに独特な匂いを出す匂い袋を持って自身の匂いを消している
「こんな事しても意味ないと思うんだが」
【じゃあ、他の人に任せる?あなたにまわったのは幸運だと思いなさい。他の人物なら余裕で終わってるわ】
その人物が話している存在が驚いているのがわかる。いう事を言ってその人物は頭を下げて帰りはじめる。スコープを外し次の地点に向かう
「これ、いつまで続けるんだ?」
【あなたがすぐにでも殺せば、終わるわ】
「できない事言うんじゃねー…というか、これ以外に方法があるだろ?」
【言ったでしょ?烏間から当人の選択を尊重し、信頼して記憶消去は見送らせてたけど、実際はコレ。ようは上は信用してない】
合理的ではある。記憶消去をしても万が一がある。しないのなら尚のこと合理的だ殺せばあとは情報操作するだけだ
【万が一の時は覚悟をしておきなさい】
「あいつはそんなバカじゃないって俺が言っても無駄か……烏間は怒るだろうな」
【えぇ。しかもそれをあなたに任せているのだから】
明け方まで監視は続き、月も9月に変わった。
椚ヶ丘中学校2学期、始業式。皆が夏休みから心を切り替える為に必要な行為。E組にとっても大事な折り返しの時期。
そんな朝の始業式に出ている生徒の1人雄二は
「ど、どうしたの雄二⁉︎ひどい顔なんだけど⁉︎」
「別に、バイトと夜更かしでこうなった。しばらくコレが続きそうだ」
目の下にはパッと見でわかるほどのクマができていた。やつれた顔には疲れがたまっているのはよくわかる
「さっきの出五(出ばなから五英傑)もあれだけど、おまえのその顔も葬式の人みたいでちょっと縁起悪りーんだけど」
「………」
「反応がない…相当だなこりゃ」
つつがなく始業式は進む。運動系の部活が都大会での結果を報告して賞状をもらったり文系もコンクールで賞をもらったことを報告したりと普通の学校と同じように進み式は終わりを迎える。
〔…さて、式の終わりにみなさんにお知らせがあります〕
(ついにか)
普通ではない理事長がいるこの学校でハイお終いで終わるわけがない
〔今日から3年A組にひとり仲間が加わります。彼は昨日までE組にいました〕
「「「「「⁉︎」」」」」
五英傑の荒木の発言にE組のメンバーの目が見開く。聞いていない事実に驚いたのだ。
〔しかし、たゆまぬ努力の末に好成績を取り本校舎に戻ることを許可されました〕
その人物は、雄二の新たなターゲット
〔では彼に喜びの言葉を聞いてみましょう!〕
(さて、どういう言葉を言わされ、どんな顔をするかせめて見せてもらうぞ)
〔竹林孝太郎君です‼︎〕
毅然とした態度と歩き方のお手本と言うほどのキビキビとした動きで竹林は壇上に立った
*
「俺に、同級生を殺せってのか?」
「……まずは、説明をさせてちょうだい」
雄二はどうにか気持ちを落ち着け話しを聞くがそれも容認できるようなものではない
「竹林孝太郎、彼がE組から離れるそうよ」
「どういう事だ?」
「あの学園ではほぼ毎年ある事よ頑張った生徒に理事長が接触してあのクラスの脱出を打診する。その場で二つ返事で受けたそうよ」
「…………で、それと俺があいつを殺す事とどう繋がる?」
「本来ならあのクラスを離れる時点で記憶消去の処置を行うのだけど、烏間の判断でかれの将来を優先して記憶消去等の処置は見送られたわ。……表向きはね」
そこで雄二は理解した。自分はその裏向きを任されたのだと
「あなたが選ばれたのも奇跡よ。あのクラスにいるあなたは情に流される可能性があるそういう意見があったそれでも担当をあなたにできたのだから。他の人物にまわされたら最後、彼の命はすぐに消されてしまう。事故死という事でね」
「俺がやるのは監視か?全部に目がいくわけじゃないぞ?」
「最終判断は基本的にあなたにあるけど、業を煮やした上の指示もある可能性もあるわ」
どうする?と聞かれた時、雄二に選択肢などなかった。
*
雄二は今は監視をするだけにしている。だがいざという時、自分はできるのか、出来たとして、そのあとどうしていくのか、見当もついてない。そんな考えの中で竹林はスピーチを始めた。
〔——僕は4ヶ月余りをE組で過ごしました。その環境を一言で言うなら地獄でした〕
淡々と語る彼の目には何もない。罪悪感も、喜びも、ただの無だ
〔やる気の無いクラスメイト達、先生方にもサジを投げられ、怠けた自分の代償を思い知りました。もう一度本校舎に戻りたい…その一心で死ぬ気で勉強しました。生活態度も改めました。こうして戻って来られたことを心底嬉しく思うとともに二度とE組に墜ちる事のないように頑張ります〕
以上ですと言い終わり、行儀の良いお辞儀をする生徒達は呆然としていたが壇上から拍手があがる。理事長の息子、浅野学秀だ
「おかえり、竹林君」
それが起点となり、拍手が広がる。カリスマある人物の言葉と行動は、速攻で伝わるE組を除いた全てのクラス、全ての生徒、教師が拍手喝采し褒め称える。その光景に無表情だった竹林も少し笑みが出ていた。
教室に戻ると皆不満をぶつけだす
「なんなんだよあいつ‼︎百億のチャンス捨ててまで抜けるとか信じらんねー‼︎」
前原は怒理のあまり黒板を叩いてその怒りを少しでもだそうとするがもちろんそんなものでおさまるわけがない。
「しかもここの事、地獄とかほざきやがった‼︎」
「言わされたにしたってあれは無いよね」
「竹林君の成績が急上昇したのは確かだけど、それはE組で殺せんせーに教えられてこそだと思う。それさえ忘れちゃったのなら…私は彼を軽蔑するな」
木村と岡野も同様に不満を出し、片岡はぽつりと冷たい声で言う。
「とにかく、ああまで言われちゃ黙ってらんねー‼︎放課後、一言言いに行くぞ‼︎」
こうして不満が出るなか、渚は少し気になる事があった。
「雄二、どうしたの?」
「…あ、あぁ。なんでもない。俺も、竹林に会いたいと思ってたんだ」
雄二は心ここに在らずという雰囲気だった。眠気もあるだろうがそれ以外に何かあっただろうという事がわかる。だがチャイムの音がその考えを消してしまい、渚は席に戻った
放課後、竹林が本校舎から出てきたのを見つけて前原が呼び止めた。竹林は立ち止まり、皆の方を向いた眼鏡の奥にある想いは見ない。
「説明してもらおうか、何で一言の相談も無いんだ竹林?」
「何か事情があるんですよね?」
磯貝が聞くと南の島で共に生徒の看病をした奥田は裏切ったとはおもえず問う。それに続きカルマは挑発するように言う
「賞金百億、殺りようによっちゃもっと上乗せされるらしいよ。分け前いらないんだ竹林…無欲だね~」
無言を貫いていた竹林は少しズレた眼鏡を上げて口を開く
「…………せいぜい十億円」
「「「「?」」」」
「僕単独で百億ゲットは絶対無理だ。上手いこと集団で殺す手伝いができたとして僕の力で担える役割じゃ分け前は十億がいいところだね」
竹林は暗殺訓練を真面目にやっていた。だが全体成績は最下位、彼のその考えは正しい。
「僕の家はね代々病院を経営している。兄2人もそろって東大医学部。十億って金はうちの家族には働いて稼げる額なんだ。『出来て当たり前』の家なんだ…出来ない僕は家族として扱われない。仮に十億手に入れても、家族が僕を認めるなんてありえないね」
「………」
それは彼の抱えている闇であり、呪いだ。それは雄二にも通じるところがあった
「昨日、初めて親に成績の報告ができたよ。トップクラスの成績を取って…E組から脱けれる事。『頑張ったじゃないか、首の皮一枚繋がったな』その一言をもらうためにどれだけ血を吐く思いで勉強したか‼︎……風見、君ならわかるんじゃないか?」
「なんで俺なんだ?」
「君のことが気になって、興味本位で、君の姉について調べたよ」
なるほどなと雄二は思う。雄二は自分の事を偽らない。ある時クラスの人が聞いてきてその名を出したことがある。雄二のことについて調べても何も出ないが姉ならどうしても隠せないだろう。そういう人物だから
「風見一姫……あんな姉がいた君が、そこまでなれたのは相当な努力があったからなのはすぐにわかったよ」
「………」
「僕にとっては、地球の終わりより百億よりも家族に認められる方が大事なんだ。裏切りも恩知らずともわかってる………君達の暗殺が上手くいく事を祈ってるよ」
「………竹林」
まだ何かという顔で呼び止めた雄二の顔を見る
「メイド喫茶は、もう行かないのか?前に誘うとか言ってたが?」
「……ごめん。これからはそういう生活もできない」
「おまえがそれでいいなら、俺は何も言うことはないが、今のおまえは本当におまえなのか?」
「………」
もう言うことはないとばかりに竹林はその場を去る。
「待ってよ竹ば…」
渚は竹林を呼び止めようとしたが、神崎に止められていた。
「やめてあげて渚君。親の鎖って…凄く痛い場所に巻きついてきて離れないの。だから……無理に引っ張るのはやめてあげて」
「神崎の言う通りだ。今はそっとしておけ」
雄二はそう言ってその場を離れた。雄二の背も竹林の背も重そうに見えていた
*
その夜も雄二はスコープ越しで彼の家を監視していた。
「………JB」
【なに?】
「竹林の件だが、クラスを抜けただけじゃないんだろ?…今日、一姫の事を調べたという情報を聞いた」
【……えぇ。けど、調べたのはあなたの姉に関することだけで、あなたの情報は全く持ってないわ】
「ならいいだろ。こんな事…」
【それの判断は上が決める事よ………もし、彼が戻るなら話しは別だけど、聞いた限りじゃ望み薄ね】
「正直、どうにかなりそうだ」
【なら、やめる?】
できるわけがない、するわけがない事をJBはあえて聞いた。当然雄二はやると返してきた
「俺、なんでこんな事を…」
【それ以上考えるのはやめなさい】
そうして今日も徹夜となる。
*
翌日、いまだに重く暗い雰囲気にあるクラスに、黒い物体が入ってきた
「何でいきなり黒いんだよ殺せんせー」
南の島でも見せた歯まで真っ黒な日焼け殺せんせーだ
「急きょアフリカに行って日焼けしてきました。ついでにマサイ族とドライブしてメアド交換してきました」
「なんだそのローテクかハイテクかよくわからん謎の旅行は」
雄二のツッコミも無視して殺せんせーは続ける
「これで先生は完全に忍者‼︎人混みで行動しても目立ちません」
「「「「「恐ろしく目立つわ‼︎」」」」」
人混みこんなのがいたら速攻で通報されるだろう。
「で先生、竹林のアフターケアか?」
「その通りです。自分の意思で出ていった彼を引き止めることは出来ません。ですが、新しい環境に彼 が馴染めているかどうか、先生にはしばし見守る義務があります」
「……先生、それ俺もついて行っていいか?」
「これは先生の仕事ですので、いつも通り過ごしていてもいいんですよ」
そういうが雄二が言い出した時点でもう他の皆も同じ考えになっていた
「俺等もちょっと様子見に行ってやっか。暗殺を含め危なっかしいんだよ、あのオタクは」
「なんだかんだ同じ相手を殺しに行ってた仲間だしな」
「抜けんのはしょーがないけど、竹ちゃんが理事長の洗脳でヤな奴になったらやだなー」
前原に続き杉野と陽菜乃が言うと賛同するものが続々とでるその光景を見た殺せんせーは嬉しいのか『うんうん』とうなずき
「殺意が結ぶ絆ですねぇ」
と口に出した
(絆…か)
ただひとり、影があることも気付いていたが彼の意思を尊重することにして何も問わなかった
感想、意見ありましたら基本的に返すのでお願いします
7月も頑張ります