暗殺教室 グリザイアの戦士達   作:戦鬼

47 / 71
短いのでさっさとできました。プリンについて調べて「へぇー」と口に出していた自分にちょっと笑ってしまった


プリンの時間

プリン:お菓子のイメージがあるが元はプディングという溶き卵に肉や野菜の余りなどを入れて、一緒に蒸して固めて作った料理であったそうだ。現在よく見るプリンはカスタードプディングで元のプディングから2世紀以上経ってから開発されたといわれている。そして現代、プリンは世界で愛されるお菓子となった

 

閑話休題

 

「これはまた、金がかかってそうだなー」

 

烏間曰く、ぶっ飛んだ計画とのことだが雄二もそれに納得していた。E組の校庭にある機材、特殊冷却車のタンク巨大なかき混ぜ機色々あるが1番に目を奪われたのはやはりその独特な形をした巨大な容器。その花形の容器の形、そして今回の暗殺企画を出した茅野は破棄される卵を救済すると言っていた。卵とこの特徴的な花形巨大容器を見れば何を作るなどすぐにわかる

 

「そう、今から皆で巨大プリンを作りたいと思います。名付けて“プリン爆殺計画”‼︎」

 

以前、殺せんせーは茅野に言った

 

『いつか自分よりでっかいプリンに飛びこんでみたいですねぇ』

 

「ええ叶えましょうそのロマン‼︎ぶっちゃけ私もそれやりたいけど‼︎」

 

「自分の欲望に正直だな」

 

概要は巨大プリンの底に対先生弾爆薬を密閉し、殺せんせーが底の方まで食べ進めたのを合図に発破し仕留めるというシンプルな物だ。シンプルではあるが相手は殺せんせー

 

「…やってみる価値はあるな」

 

「殺せんせーってエロとスウィーツには我を見失うとこあんもんな」

 

「というより、スウィーツ系の罠は俺も以前試した」

 

そうなの⁉︎と何人かが反応した

 

「結果は失敗だったんだろうけどどうだったの?今回の計画大丈夫と思う?」

 

「心配はないぞ。むしろあんな古典的な罠に引っかかるくらいだ」

 

 

雄二の言う古典的な罠とは

 

「あっ!こんなところに〔ラ・ヘルメス〕のケーキが置いてある‼︎」←メガホン拡声器で

 

「ケーキ、ケーキ、ケーキ‼︎…あった‼︎もーらった‼︎さてさっそく……あれ、中身がおもちゃのケーキ?」

 

瞬間、上から巨大な籠(対殺せんせー物質で作った)に捕まった

 

「にゅわぁぁぁ⁉︎捕まったぁぁ‼︎」

 

「…殺せんせー、スズメじゃないんだからこんな単純なてに引っかかるなよ」

 

 

「結局、皆を呼ぶ前に穴を掘って逃げられたがな」

 

(((((そんなキャラどっかで見たことある)))))

 

「ともかく、その時もうまくいったし、先生の欲望に忠実な部分を見ても必ず食いつくだろう保証する。それに、後方支援の茅野が前に出て計画してるのも意外性がある。意外性は先生に対して最高の武器だ」

 

「なら決まりだな先生のいないこの三連休で勝負に出るか‼︎」

 

掛け声と共に巨大プリン作りが開始された。

 

巨大プリンということはそれに使う卵の量もハンパではない。ケーキ屋が1日で作るプリンに使用する卵の3倍はくだらない。それを1つ1つ割って入れていては時間かかる上に鮮度も落ちる。

 

「だからマヨネーズ工場の休止ラインを借りて機械で割って混ぜてもらった。それに砂糖と牛乳バニラオイルが基本の材料」

 

既に作業済みである。だが問題は他にもある様々な番組で○○を大きくしてみたというのはあるがその多くで大きくした結果、通常よりいい結果が残せない、もしくはあまり良くない結果に終わる。体積が多くなれば重量も多くなる。故に自重のせいで潰れたりする

 

「その対策として、凝固剤にはゼラチンの他に寒天も混ぜてる。寒天の繊維が強度を増してゼラチンよりも融点が高いから9月の野外でも溶けにくく崩れにくくしてくれるの。容器に入れるときも下の層はゼラチン上の層を生クリームを多めにすれば自重を支えつつ上をふんわりできるの」

 

効果的に爆破する為には先生に早く食べてもらう必要がある。巨大プリンがずっと同じ味なら飽きがくる可能性があるが当然それも茅野は考えている

 

「はいこれ、ときどき投げ入れて」

 

各班にプルンとしたゼリーの塊のような物を渡された色は様々で赤や緑、オレンジがあり微かにフルーツの匂いがする。それはオブラートで包んだ味変わり

 

「フルーツソースやムースクリームが溶け出して…あちこちで味に変化がつく部分が生まれるようにするの」

 

そして最後は固める為の冷却だがそれは巨大カップに取り付けられている

 

「この容量じゃ外気だけじゃ冷えないからパイプを通して冷却水を流して冷やすの」

 

これを作成するにあたって茅野は1週間かけて烏間に手配の依頼、そして研究を重ねた。いわばその集大成だ

 

「恐るべきはそのプリンに対する愛だな」

 

「うん。…っていうか、前から作ってはみたかったんだけどお金がないからできないって思ってたから」

 

当然諸経費は全て防衛省持ちである。烏間が結果がどうあれどう報告するか頭を抱えているのがすぐにわかる

 

「今までサポートをしてた茅野がここまで行動力あるとは思わなかったよ」

 

「えへへ。私、そうと決めたら一直線になっちゃうんだ」

 

(どうやら、大丈夫そうだな)

 

以前のプールの件もあり茅野が自分から計画を出してきたので心配していたが杞憂に終わり雄二もホッとした。

 

作業は1日では終わらず液をカップに入れ一晩冷却させる。そして翌日、冷却水を流していたパイプを抜いてその穴から空気を吹き込み型枠を浮かせて外し、ゆるめのゼラチン寒天でプリン肌をなめらかに整える。最後にカラメルソースをかけて表面をバーナーであぶり

 

「「「「「できたぁーーーー‼︎」」」」」

 

「前に不破に貸してもらった漫画にあったプリン山を思い出すな」

 

「原作者があれをみたときどんな感情だったのか知りたいよねー」

 

「不破さん、メタ禁止」

 

記念写真を撮ったりして楽しんだ後、連絡を受けた殺せんせーがそれを煌々とした目をしよだれを出している今にも飛びつきそうだ

 

「…こ、これ全部先生が食べていいんですか?」

 

「どーぞー廃棄卵を救いたかっただけだから」

 

「もったいないから全部食べてね~」

 

「もちろん‼︎あぁ、夢がかなった‼︎」

 

サッとスプーンと皿を持ってきて「いただきまーす」とプリンに飛びついた。それを後ろ髪を引かれるように見つめつつ茅野は起爆を見守る為教室へ移動する。

 

「茅野?どうした?」

 

「…ううん別に」

 

別にというが雄二には「私も食べたいな」というのが顔に書いてあるようにも見えた。窓から見ると殺せんせーはものすごい勢いでプリンを食べていく。巨大プリンの半分が食べられている。

 

「孝太郎、準備は?」

 

「いつでも。タイミングは周りのプリンがなくなり、暗闇の画面がうっすら光ったときだね」

 

ドクンドクンと緊張が走る。

 

「いよいよだな茅野………茅野?どうした」

 

「プリン…爆破」

 

茅野はこの日のためにかけた1週間をプリンのかわりに走馬灯のように思い出す。思い出は何よりも尊く、輝いていて…

 

「ダメだーーーーっ‼︎‼︎」

 

「うぉ⁉︎どうした茅野⁉︎」

 

「愛情こめて作ったプリンを爆破なんてダメだーーー‼︎」

 

「まずい押さえるんだ!」

 

雄二の指示で寺坂が止めていなければ起爆装置を奪っていただろう。そのくらいに必死だ

 

「落ちつけって茅野‼︎」

 

「プリンに感情移入してんじゃねー茅野‼︎フッ飛ばす為に作ったプリンだろーが‼︎」

 

「いやだ‼︎」

 

「まるで恋人から引き剥がされるヒロインだな…相手はプリンだが」

 

「言ってる暇あるなら手伝え‼︎」

 

プリンに感情移入した結果妙に力が上がっている

 

「いやだって言ったらいやだ‼︎ずーっとこのまま‼︎校庭のモニュメントとして飾るんだい‼︎」

 

「「「「「いや腐るわ‼︎」」」」」

 

「やはりプリン愛は恐るべしだな」

 

「いえ、まったくですねぇ」

 

その声はいつのまにか来ていた殺せんせーのものだった全員「えっ」という表情になり持っていたものを見る。

 

「爆弾…しかも起爆装置が外されている」

 

「異物混入をかぎとったので土を食べて地中に潜って外してきました」

 

またしても地中からやられてしまう。たしかにそれならカメラには何の変化もみられないだろう。だが、それはそれとして

 

「つか、もしかしてあの時も掘ったんじゃなくて食べたのか?土を?」

 

「いえいつでも食べているというわけではないのでそんなに引かないでください⁉︎」

 

引きつつあった雄二にどうにか弁明をした。

 

「まぁそれはともかく竹林君、プラスチック爆弾の材料には強めの匂いを放つものもあるので、先生の鼻にかからない成分も研究してみてください」

 

「………っ…はい」

 

悔しそうな顔をする孝太郎だが。次こそはと燃えていた。それをみて全員の張り詰めていた気が抜けた

 

「そして、プリンは皆で食べるものですよ。綺麗な部分をより分けておきました」

 

グラスにはプリンが均等に分けられているちゃんとカラメルソースも均等にかかっていた

 

「…殺せんせー、1つ頼みがあるんだが」

 

「はい、どうぞ」

 

渡された箱を見ると皆と別により分けられたプリンと保冷剤が入っていた

 

「保護者に渡したいのでしょう?そういうと思い、皆さんのご家族分もしっかりと用意してますので風見君もどうぞお食べください」

 

(…ほんと、今回は全部お見通しってことか)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、今回の作戦の報告をしにJBの元へ向かうと案の定イライラしていた。この作戦のためにかかった経費に頭を抱えているのは彼女も同じだったのだ

 

「大変そうだな。ほら、お土産だ」

 

と雄二が渡したプリンにそんなものくらいでストレスが収まるかと言っていたが

 

「ん〜ん〜。おいしいぃ〜」

 

充分に解消されていた

 

「これ、そこいらのプリンよりもおいしいわ。これだけの経費がかかってるだけあるわね」

 

「そりゃな。あんだけ研究されてんだ当然だろ」

 

プリンを徹底して研究した茅野の成果に舌鼓していると封筒を渡された

 

彼女の情報(・・・・・)よ」

 

「もう少しかかると思ってたんだが…早かったな」

 

そうしてその資料を見ていく。

 

「どうする?彼女に問いただす?」

 

「これ以上の情報はないのか?」

 

「ないわ。素人としてはよく隠せたなとは言えるけどその程度ね」

 

「父は健在、母は逝去、姉は最近事故で亡くなった……なぜこれを隠すのかはわからないが…いいさ。隠し事はお互い様だしな」

 

 

後にこの判断を後悔する事になるとは思うはずもない雄二であった




正直この話は本編で見たときは箸休め回と思っていたので後からほんとビックリしました

感想、意見は遅れても基本返すのであればどうぞ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。