暗殺教室 グリザイアの戦士達   作:戦鬼

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イトナ編スパートでも短い。(T-T)


いつかの時間

どうにか網から出したイトナを寝かせたがかなり衰弱している。

 

「まず確認させてくれ先生、シロが言ってたのは本当か?あと2、3日の余命ってのは」

 

雄二の質問に殺せんせーはうなずいて肯定した

 

「なら、どうにか外すことはできないのか?」

 

「外せないことはありません。しかし、触手は意思の強さで動かすものですイトナ君に力や勝利への執着がある限り、触手は強く癒着して離れません」

 

「つまり、こいつの執着を消せば、どうにかなるんだな?」

 

「ええ。しかし何度も言いますがあまり時間もありません。そうこうしている間に肉体は強い負荷を受け続けて衰弱していき最後は触手もろとも蒸発して死んでしまう。2、3日と言ってましたが状況が変化したり、彼の触手がまた暴走した場合もっと早くに死ぬ可能性もあります」

 

執着を消すにはそうなった原因をもっと知らないといけないが、時間はなく、おまけに心を閉ざした相手が素直に身の上話をするとも思えない。……唯一それを知っているのは雄二だが、どう知ったかをを問われれば答えられない。故にどうしようか思っていると不破が声を出す

 

「あのさ、実はどうしてイトナ君がケータイショップばかり襲うか気になってさっきまで律とやりとりしながら調べてたんだけど、そしたらここ…『堀部イトナ』ってここの社長の子供だった」

 

律が調べた情報を皆のスマホに見せる。『堀部電子製作所』世界的にスマホの部品を提供してた町工場だが

 

「一昨年、負債を抱え倒産……社長夫婦はイトナを残して雲隠れ…か。なるほどな、だいたい想像ができてきたな。こいつが、イトナが力を求めて、勝利に固執する理由が」

 

「ケッ、つまんねー。それでグレただけって話か」

 

「寺坂!」

 

寺坂の言い方は褒めたものではない。磯貝も注意をしようと声を出すが、寺坂は気にも止めず続ける。

 

「皆それぞれ悩みあンだよ。重い軽いはあンだろーがよ……けどそんな悩みとか、苦労とか、わりとどーでもよくなったりするんだわ」

 

寺坂は吉田と村松の肩を叩き、イトナの首根っこを掴んで引きずる

 

「俺等んとこでこいつの面倒見させろや。それで死んだらそこまでだろ」

 

寺坂、吉田、村松、狭間。寺坂グループで面倒を見るようだが

 

「…寺坂、俺もいいか?」

 

「はっ、お人好しのテメーなら言うと思ったよ…勝手にしろ」

 

「なら、まずはこいつの触手だな。気休めだが少しでも抑えるためだしんどいだろうが、この対先生ネットをリメイクしてバンダナにしよう」

 

 

ささっと作業に取り掛かり行動する。夜は深まり、この辺りは静けさが増す。そんな中、ふらふらのイトナを加えて6人はアテもなく歩く。そう、本当にアテもなく。

 

「多分無計画なんだろうなとは思ったが……なんつうか、残念だな」

 

「黙れや風見ぃ‼︎その可哀想な者を見るような目をやめろ‼︎」

 

「「いやお前が無計画だからだろ‼︎」」

 

「うるせー‼︎5人もいんだ、何か考えくらいはあると思ってもいいだろうが!」

 

「タコ並の逆ギレね」

 

「あぁ⁉︎アレと一緒にすんなや‼︎」

 

チームワークは0である。とりあえずまずは気を楽にしようと近くに村松実家兼ラーメン屋があるのでそこに行くこととした。肩の力を抜くという意味の食事としてラーメンはうってつけだろう。だが

 

「「マズい」」

 

それは基本的だが味も良くなくてはいけない

 

「おまけに古い。手抜きの鳥ガラを化学調味料でごまかしている」

 

「自慢気にナルトが中心にトッピングしてっけどこれスーパーによくあるやつだろ?」

 

「チャーシューもだ。おまけに安物」

 

「海苔の置き方テキトーすぎだろせめて汁に斜めにさせよ」

 

総合評価10点満点中

 

「本当はもっと下だが、クラスメイトのサービスで3点」

 

「四世代前の昭和ラーメンだな。なんとか食えるレベルだから1点だ」

 

「意外と知ってんなお前ら……いや、ツッコムぞ、なんで風見も食ってんだ⁉︎あとそのサービスやめろ‼︎逆に傷つくわ‼︎」

 

「ここはラーメン屋だろ、ラーメン屋食べて何が悪い」

 

「確かにそうだけどよ、その採点はねーだろ。ハッキリ0点って言う方がまだマシだぞ」

 

「寺坂〜お前もお前だからな」

 

とは言うものの村松もマズいのはわかっている。父親に何度もレシピを改良する様に言ってはいるが聞き入れてもらえないようだ

 

「んじゃ、次はうち来いよ。こんな化石ラーメンとは比較になんねー現代技術見せてやッから」

 

「ンだとォ⁉︎」

 

てなわけで次に来たのは吉田の実家兼モーターサイクル販売店。バイクを走らせる場所で思いっきり走らせる

 

「んなっ⁉︎ノーブレーキのカーブターンだとぉ⁉︎」

 

「こっちは手加減してんだ追いついてみろ!」

 

「んなろう…イトナ‼︎ちょっとスピード上げるぞ‼︎」

 

「かまわない」

 

なぜか雄二も乗って軽くレースをしていた。

 

「いいの?中学生が無免で?」

 

「まぁ、あいつの家のバイク屋の敷地内だし、いいんじゃね?風見もやたらテンション高くやってんのがビックリだけどよ」

 

スピードを肌で感じ、イトナのテンションもほんの少しだがあがっていた。

 

「行くぜ‼︎必殺高速ブレーキターン‼︎」

 

夢中になってやったがそれは後ろに人が乗ってる時にやるのはNGな技。イトナはぽーんと垂直に飛んで茂みにささっていた。

 

「バカ早く助け出せ‼︎このショックで暴走したらどーすんだ‼︎」

 

「いやいや、この程度じゃ平気じゃね?」

 

「おい気絶してんぞ。水でもかけるか?」

 

計画も何もない。ただ遊んでいるだけのようだと彼らを見守る他の生徒たちは言っていた。

 

続いては狭間。頭の良い彼女ならと思うが…どこから出したのか分厚い本を7冊出した。

 

「復讐したいんでしょシロの奴に。名作復讐小説『モンテ・クリスト伯』全7巻2500ページ。これ読んで暗い感情を増幅しなさい。あ、でも最後の方は復讐やめるから読まなくていいわ」

 

「「「難しいわ‼︎」」」

 

「狭間テメーは小難しい上に暗いんだよ‼︎」

 

「何よ心の闇は大事にしなきゃ」

 

「だが小難しいのは確かだ。ここはやはり漫画だろう。これなんてどうだ?『グラスホッパー』元は名作小説でそれを漫画化したものだ」

 

雄二が漫画を出してちょっとほっとする3人に狭間が口を出す。

 

「あら、それも良いわね。復習を題材にしてかつ暗殺者も登場するし、私たちにぴったり」

 

「「「テメーもか風見‼︎つか悪ノリしてんな⁉︎」」」

 

雄二にツッコミを入れているとイトナの様子がおかしくなる

 

「な、なんだ?」

 

「なんかプルプルしてんぞ!ちょっとふざけすぎてキレてんじゃねーか」

 

だが、狭間と雄二は表情を見て気づいた。目の焦点があっておらず、感情が高ぶっている。

 

「触手の発作だな」

 

「まずわ。また暴れだすよ」

 

抑えていたバンダナを裂いてまた触手が出てくる。動くたびにイトナは弱っていくのがわかる

 

「俺は、違う、適当にやってるおまえらと違う。今すぐ、あいつを殺して、勝利を…」

 

吉田、村松、狭間が逃げ出すが雄二と寺坂は逃げず正面からイトナに向き合う。

 

「おうイトナ、俺も考えてたよ。あんなタコ今日にでも殺してーってな。でもな、テメーにゃ今すぐ奴を殺すなんて無理なんだよ。無理のあるビジョンなんざ捨てちまいな……楽になるぜ」

 

「おー経験者は語る」

 

「うっせ」

 

「なら、俺からも言おう。イトナ、勝利を求めるのは良いがその考えつまらないぞ」

 

「あぁ⁉︎」

 

「勝利ってのはただの通過点だ。おまえは、勝利してどうしたい?何もないんだろ?それはな、ビジョンがあるって言わない。その場しのぎの現実逃避だ」

 

「黙れ…うるさい‼︎」

 

雄二の言葉にキレたイトナは触手で吹き飛ばそうとした。瞬間、天地が逆転していた

 

「グハッ」

 

「弱ってるのもあるんだろうが、目的のないビジョンを持ってるやつに負けるほど弱くはないぞ」

 

触手を掴み、相手の勢いを利用して叩き落とした雄二は上から見下すように告げる

 

「エホッ、エホッ‼︎」

 

「と、ちょっと強くやりすぎたか。吐きそうか、大丈夫か?」

 

「っぐ!」

 

イトナは睨みながら立とうとするも立ち上がれない。その気力も力もなくなってきている

 

「あ、吐きそうで思い出したわさっきの村松ん家のラーメン屋」

 

「あぁ⁉︎」

 

離れたところで寺坂に言われたことに村松はキレるが無視して続ける

 

 

「あいつなあのタコから経営の勉強奨められてるんだ。今はマズいラーメンでいい。いつか(・・・)店を継ぐときがあったら…新しい味と経営手腕で繁盛させてやれってよ」

 

「あぁ、そういえば受けてたな。吉田もそうだろう?いつか(・・・)役に立つかもしれないって」

 

寺坂はイトナに近づき、おもむろに頭を拳骨をした

 

「1度や2度負けたぐらいでグレてんじゃねぇ。いつか(・・・)勝てりゃあいーじゃねーかよ。タコ殺すにしたってな今、殺れなくていい。100回失敗したっていいんだ。3月までにたった1回殺せりゃ……そんだけで俺等の勝ち。そんで賞金もらって工場を買い戻しゃ、親も戻ってくらァ」

 

 

 

「…耐えられない。次の勝利のビジョンが出来るまで…俺は何をしてすごせばいい」

 

「おまえ、本気で言ってんのか?もうさっきから見てたろ。意外と生真面目なんだな」

 

雄二は親指で寺坂達を指す。

 

「あいつ等とバカやって楽しむんだよ。まだまだ先にある楽しい事をしないなんてもったいないだろ?生きてたら嫌な事も死にたくなるような事もある。それは事実だ。でも、それ以上に楽しいこともある。また嫌なことがあったらバカをしよう。ここはE組はそういうとこだ」

 

触手の力が抜けていく。暴走が収まり、目の色が正常になり穏やかになっていた。

 

「俺は、焦っていたのか」

 

「おう。だと思うぜ」

 

「焦った時は、少し立ち止まってみろよ気分変えてな」

 

触手がダランと力なく下がる。

 

「目から首着の色が消えましたねイトナ君」

 

離れて見ていた殺せんせーが近づきピンセットを触手にいくつか持ってこちらに来た

 

「今なら君を苦しめる触手細胞を取り払えます。大きな力のひとつを失う代わり…多くの仲間を君は得ます。殺しに来てくれますね?明日から」

 

皆が見守るなかイトナは先生を見て

 

「……勝手にしろ。この触手(ちから)も兄弟設定ももう飽きた」

 

吹っ切れて、つきものが落ちた様に笑みを出した。

 

 

翌日。いつもの教室に新しく仲間が正式に加わる

 

「よう、堀部君。体調は…良さそうだな」

 

「いや最悪だ。触手をあんだけ振り回して取り除いて翌日だ。それと、イトナでいい。急に変えられると逆に気持ち悪い」

 

「そうだろうな。なら、あらためてよろしくイトナ……そのバンダナ、昨日のとは違うが似てるな。気に入ったのか?」

 

「そんなところだ」

 

「おはようございますイトナ君。気分はどうですか?」

 

「こいつにも言ったが最悪だ。力を失ったんだからな。でも、」

 

指を先生に向け、元気のいい殺意を見せる

 

「弱くなった気はしない。最後は殺すぞ、殺せんせー」

 

「お、兄さんじゃなくなったな………ぶっちゃけどうだったんだ?先生と兄弟設定」

 

「…超、最、悪」

 

「にゅわんと⁉︎」

 

 

問題児、堀部イトナがようやくクラスの仲間入りした。

 

ちなみにJBはこの件を上に報告し説得に成功した。曰く、嫌味をこれでもかと言われたそうだ。

 

そしてその嫌味をJBから雄二が聞くことになるのはいうまでもない




前に書きましたが基本的に5000文字以上を目指して書いてますが最近なかなかいかねぇ

あと次の次で神崎達とのゲーセンの話にします。

まずはラジコンです
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