オリジナル要素ちょこちょこありです
「あれ、ねーちゃんどうしたの?ずいぶんとおめかししてるけど」
「んーふふふ。デート!」
ピキッとという音がした気がした
「と、桃花?それってもしかしていつもお弁当を作ってやってる相手か?」
「うんそうだよ〜」
ウキウキした表情で用意をする自分の娘を見ながらちょっと悲しくなっていた。
「もうお弁当を作ってあげるような相手ができたと思ったら、デートか…さみしいなぁ」
「気がはやすぎよあなた…」
というより既に涙ぐんでいた
「ふーん、そう彼氏かぁ…」
姉の彼氏のことは聞いているが正直彼も複雑だ。聞いてる限りではチャラそうな感じがしてならない。
「うん。正直モテるから、うじうじしてたら取られちゃう。今日は気合入れないと‼︎じゃ、行ってきまーす」
しばらくして矢田の弟、
*
「お待たせ、雄二君‼︎」
「いや、そんなに待ってはいない」
「…そういう時は、俺も今来たって言うべきだよ」
「実際にそんなに待ってないんだ。あまり変わらないだろ?それにそういうのは大抵漫画の中ぐらいだ」
むーとしたがすぐに笑顔になって矢田は雄二の隣に立つ
「じゃ、行こ!」
腕を組み歩く。桃花の動きに合わせて雄二も歩幅を変えて歩く。2人と違いまだデートのできてない桃花は思い切って頼んでみたが雄二は断らずOKをその場でした。陽菜乃と莉桜は以前デートしたのもあり今回は認めた。
ちなみに雄二がOKを出したのも似たような理由だ2人とデートしたなら桃花ともちゃんとしなさいというビッチ先生からの無言の圧力によるものである
「しかし、もうすぐ中間テストだろ?いいのか、こんな時期にデートなんて?」
「たまには息抜きをしないと。暗殺とおんなじでずっと張り詰めてたら大変だし。それに……」
「?」
「ううん、なんでもない」
あきらかになんでもなくはないのはわかる。だが、それを無理に聞き出す行為は今するべきでないと考えた。
「今は、楽しむか」
「うん」
とりあえずは今は楽しもうと考えて進もうとしたが雄二は止まる
「雄二君?」
「…………いる」
何がと言う前に雄二が抱きついてきた
(え、えぇぇぇぇ⁉︎なに、なになになに⁉︎この状況⁉︎)
混乱している桃花に雄二は耳元で声をかけた。
「桃花、よく聞いてくれ。大事な話だ」
(そ、それって⁉︎)
「後ろから誰かつけてきている。もしかすると殺せんせー目当ての暗殺者かもしれない」
「……そう…え⁉︎」
一瞬「なんだ違うのかぁ」的な事を考えたがすぐに正常な判断に戻る。
「おそらくは俺たちを拉致してそれで誘き寄せるそんなとこだろう。俺に合わせてしばらく動いてくれ。何故が分からんがこうしてから相手の気配が強くなった。おそらく気付かれたかと思ってる絶対後ろは見ず、前方だけ見るんだ」
桃花はコクリと頷く。そして再び歩きだす。ちょっと名残惜しいなと思いながら
「お、見ろハロウィンの用意がされてある。そういや、うちのクラスではなんかするのか?」
「うーん殺せんせーの事だし、するかもね」
「おおかた仮装パーティーだろ。元々のハロウィンからだいぶ離れたと思うな日本のハロウィンは… ジャッコランタンの衣装をしたら逆に浮くってなんだよ」
「最近は海外もそんな感じだよね。日本に触発されたのかな」
「まぁ、クリスマスもバレンタインもなんでもお祭りにする日本人らしいっちゃらしいがな」
後ろは見ず、普通にデートしているカップルのように自然な会話をする。全く緊張なくできている桃花に雄二は関心していた。
「どう?相手は?」
「パターン1おそらく素人。さっきからドンドン気配が強くなってる。だが、パターン2…気付かれているのかと警戒心が上がりわざとやっている可能性もある」
時折小声で状況の把握をする。雄二としてもちゃんと相手の姿くらいは見たいが人通りが多いこの場所ではどうにもならない。そして以前のように素人と判断できない理由がある。
「さっきからまいてやろうとしてるが大通りで人も多いのに相手の視線がまだある。その上、チラリと見ても姿が見えない」
「やっぱりプロ?」
「判断が難しい………殺せんせーに連絡してもいいが、その瞬間に逃げられる可能性が高い」
ならばどうするか。既に桃花も覚悟を決めた。
「俺達で捕まえる。人通りが多いこの場所ならいきなりは襲われないがじり貧だ。思い切って行動するに限る」
「どうするの?」
雄二は視線を商店街の外に向ける。その先を少し歩くと公園がある。公園といっても遊具などは無く、人気もない。当然人も少ない。この街の事をある程度調べた雄二はこの時間なら人はいない可能性があるとそこに向かう。桃花もそれを理解してついて行く
「公園に近づくたびに気配が強くなってる……ここからは俺も後ろは見ない。桃花も見るなよ」
「わかってる」
そうして着くと後ろからの視線が消える。移動したなと思い、雄二はベンチに座り桃花がすり寄る。
(さっきから、桃花が近くに来ると気配が強くなってるならそれを利用する)
狙い通り気配が強くなる。靴紐を直すふりをして礫を拾い即座に視線を感じたところに投げた。あたりはしてない。最初からそんなつもりなどない。これは牽制と警告だ
「隠れてんのは気づいてんだ。さっさと出てきたらどうだ」
茂みがガサリと動いたのは確認済み。まず間違いなくそこにいる
「出てこないね。もしかして当たったんじゃ?」
「いや、外した…つもりだったんだがな。…当たってるのか?」
罠の可能性もあるがソロリとそこに向かう。桃花を下がらせておこうと思ったが共犯者がいた時の事も考え一緒に向かう。
(ここまで近づいても反応なし。なんなんだ?)
スーと茂みの向こうを見た
「……子供?」
礫が頭を掠めたと思われる部分の髪がおかしな形をしていた。少年はプルプルと恐怖で震えていた。
「って、紅木⁉︎なんでここにいるの?」
「知り合いか?」
「知り合いっていうか、弟」
マジかという顔に雄二がなる。そして姉の顔見て涙を出してその子供、紅木は抱きつく
「ね、ねーちゃんんん‼︎怖かったぁぁぁぁ‼︎」
「あーそうだろうねー」
よしよしと頭を撫でながらあやす。雄二は正直混乱した。「なんだこの状況」と
*
「つまり、私がどんな人と付き合ってるか気になってつけて来たと」
「うん。そしてわかった……ねーちゃん、オレ、コイツ、嫌い」
「なんでカタコトなの?」
あと雄二を睨むが同時に怖がっている
「俺は別に取って食いはしないぞ」
「ねーちゃん、コイツ絶対普通じゃない。あとチャラ男、絶対チャラ男」
「失礼だな」
「そうだよ。たしかにわざとって言うほど女の子にカッコいい言葉言ったり、好きな人が私含めて3人いるけど、チャラ男じゃないよ」
「信用できるか⁉︎そんなこと聞いて⁉︎」
やれやれだなぁと桃花は思うが弟の言うことの方が正しい。
「ところで、この後どうする?弟が来たなら解散にするか?」
「ううん。せっかくだし、紅木も一緒に遊ぼう!雄二君を知ってもらうチャンスだし」
「………」
姉の後ろに下がって睨む紅木を雄二は面倒な事になったなと思いつつ承諾した
*
ギスギスしてるから楽しくできるか。姉の目を覚まさせる。そんな事を考えていた紅木だったが
「オラオラオラ!くらえ10連コンボ‼︎」
「ふむ、ならこうしよう」
「ガードすんな‼︎なんでそんなに上手いんだよ‼︎俺一回もダメージ与えてないのに‼︎つか、小学生相手にガチすぎだろ!」
「知り合いにゲームが得意な奴がいてな。勝つためにやってたらうまくなった」
とりあえずと入ったゲーセンにてすっかり楽しんでいた。
「これで5連敗だな。どうする?金は俺が出すからまだやってもいいんだぞ?」
「いい。これ以上おまえから仮をもつの嫌だ」
「おまえじゃないよ、雄二君。風見雄二君だよ」
「フン」
「嫌われたもんだなぁ」
「雄二君もちょっとやりすぎ。手加減してあげなよ」
「男ってのは、そういうのに敏感なんだ。手加減は逆に失礼だ」
「ぐ、ぐぐぐぐ」
その通りだったのか紅木は歯軋りをしていた。
「そろそろ昼食にするか。この先にいい喫茶店があったはずだ。お子様ランチもあるぞ」
「バカにすんな!もうそんなのに興味ないわ‼︎」
「もう、2人とも」
デートがこんなカオスな展開に変わったがこれはこれでいいものだと思う桃花だった
*
桃花が席を外した。2人は顔を見ず人の波を見て黙っている
「言いたい事ないのか?」
「別に」
時折会話があってもこのような感じである。そろそろ雄二もちゃんと接するべきと考えて話す。
「桃花の、お姉さんの事は好きか?」
「まぁ、な。迷惑かけちゃったから、少し話しづらいけど」
「迷惑?」
「……オレ、体が弱くほうでさ。ねーちゃんが3年になる前に病気で倒れて、その看病をねーちゃんがしてくれたんだけどそのせいで大切なテストに出れなくて結果的にE組ってとこに落ちて…」
なるほどなと雄二は思った。
(だからあんなにも桃花を心配してたのか。しかも、E組の事は話せないかどういう扱いをされてどう過ごしているかわからないなら尚更だな)
そしてその気持ちは同じく姉いた雄二にもある程度だがわかる。全く違う形ではあるが、それでもあそこにひとつの家族愛があった
「俺にも姉がいてな。だから少しはわかる。その上で言うが、無償で無益に、ただそうするのが当たり前かのように愛情を傾ける。それが『家族』………らしい」
「らしいって…なんか信用なんねーな」
「………すまん。だが、姉が弟を心配するのは当たり前なんだそう姉が言っていた」
「受け売りかよ」
「悪いか?」
「いや………あんがと」
「お待たせー、クレープ買って来たよー。なんかずいぶん仲良くなってるね」
「なってない‼︎」
と言うが他の人が見たら仲の良い兄弟のように見えていた
*
その後もショッピングをしたりして弟付きのデート?を楽しんだ。
「で、紅木だったか?あいつがいないから聞くぞ…なに悩んでんだ?」
紅木がトイレへ行ったのを見て雄二はいい頃合いだと思い聞くことにした
「やっぱりわかっちゃうか……ねぇ、もう10月だよ」
「ハロウィン近いな」
「茶化さないで……暗殺期限まであと5ヶ月。テストも大事だけど、やっぱり暗殺スキルを高めておいた方がいいんじゃないかな」
そろそろ中間テストのため、殺せんせーのテスト対策勉強が進められるそうなると暗殺訓練時間はどうしても減ってしまう。かと言って成績で結果を出さなければ殺せんせーはあの教室を去ってしまう
「もどかしいな」
「うん」
「で、それを烏間先生や殺せんせーに相談したのか?」
「え?」
「悩みってのはそいつにしかわからない所がある。いま2人とも、それぞれ俺達の向上の為必死になってるそれは俺達を想っているからこそだ。なら、その不満のひとつくらいは尋ねても文句は言わないさ」
「…………」
「なんなら、俺が聞いてくるぞ」
「ううん大丈夫。ありがとう雄二君」
*
「今日は楽しかったよ。ほら、紅木も」
「………………………ありがと」
「間が長いな。まっ、いいけどな」
なんらかんらあったが雄二の事は認めていた。そう、認めていた(過去形)
「けど、ねーちゃんのその、き、き、したのは…」
「キスか?」
「はっきり言うなよ‼︎」
帰る少し前、莉桜ちゃんがしたならとキスをした大胆にも弟の前で。やはりなんらかんら言ってもビッチ先生の弟子である。しかし莉桜の時とは違い自分から行ったのだ
「うれしかった?」
「相手からは初だ」
(多分ウソだ。なんかキス慣れしてたし)
とは思うもののでいた事が嬉しい桃花であった。ちなみに見えなくなるまで紅木はギャーギャー雄二に罵倒していた
side:???
「ふむ、この程度か。噂の9029……別の尾行がいたとはいえ、気付かないとはね。やっぱりまだ若いってことかな」
「?あのまだですか」
「あぁ、すいません。イチ君、車からビニール出してニー君は紙の用意を」
指示されたイチとニーと言われた少年は黙って作業をする。
「はい、どうぞ」
「ありがとう……バイトの子?」
「ええまぁ、そんな感じです。とある人に雇うよう言われて…不快でしたか?」
「いいえ。ああいう寡黙に作業する人も悪くないわ」
「それはよかった。…ありがとうございました」
営業スマイルだがまた来たいと思わせる笑顔で客を見送る
「もう、2人とも今は花屋なんだから、笑顔と接客は忘れないでよ………まぁ、無理か。やっぱり本番までは身を隠してもらった方が良さそうだな」
男はまったく面倒だなと思いつつ彼らをどう使うか考えていた
感想、意見があればお願いします。遅くはなりますが基本返します
次回わかばパーク編です