暗殺教室 グリザイアの戦士達   作:戦鬼

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オリキャラの活躍……これでいいかなぁと思うこの頃


死神の時間・2時限目

閉じ込められたがすぐに脱出をして当初の予定通りビッチ先生の救出&即この場からの撤退を考えていた時、死神がスピーカーでここを出るには奴の眼、つまり虹彩認証が必要とわかり、戦闘、救出、情報収集にわかれた。律による円滑な連絡はモバイ律をハッキングされて使えない。

 

「なら、トランシーバーアプリを使おう。雄二くんも言ってるじゃん、想定外には臨機応変に柔軟に対応するって」

 

「だとしたら。問題はやっぱり死神か」

 

 

 

渚は以前、死神の存在のことをロヴロから聞いた事をそのまま雄二に言って質問した

 

「雄二はさ、そんな相手に勝てる?」

 

雄二は言った。

 

「正直言って無理だな」

 

それはその時の渚でも驚いたし、南の島で見た戦闘の後ならなお驚いて当然だろう。だがそれは強さ云々の問題ではない

 

「相手の情報が無さすぎる。そんな相手に正面から戦って勝てるって言えるほど自惚れるつもりもない」

 

だからと雄二は続ける

 

「まずは逃げ、もしくは情報収集に専念するだな。絶対に戦闘に持ち込ませないことも必須だ」

 

「戦闘?相手は暗殺者なのに」

 

暗殺者は正面戦闘は基本しないし得意ではない。南の島のあれは本当に特殊な状況だったのだ

 

「99%暗殺にはいらないが、絶対にいらないわけじゃない。あのぬーぬー野郎がいい例だ」

 

「…まだその名前なんだね」

 

ぬーぬー野郎こと、グリップは確かに戦闘ができていたし、スモッグや仮面の女も相手が悪かっただけできちんとできていた

 

「つまり、世界最高なら、戦闘面も超1流の可能性が高い」

 

 

 

「今の僕らは死神についてあまりにも情報が不足している」

 

「でもよぉ、だからって逃げに徹しても、奴の眼がねぇといけないんだろ?」

 

「うん。だから、少しでも情報が収集できて、戦闘でなく暗殺にできるか、戦闘になってもそこから自分達に有利な暗殺にできるか」

 

これを成すにはこの人数でも足りない。各班に戦闘者が多く必要だ。

 

「じゃあさ、救出班は私達だけでもいいよ」

 

手を挙げたのは雄二のことが好きな乙女3人。同時に彼とよく共にいた事で特殊訓練を多く学んだ3人でもある。死神は自分達を今は殺す気はない。ならそれを逆手に取ってこちらに有利な状況を作る。2つの班にぶつかって戦力差で攻めたてる

 

「それは流石に少ないよ!気絶してるビッチ先生を運ぶなら男手も必要よ」

 

片岡の言う通りだ流石に3人は少ない

 

「なら、あと2人だけ男子と女子」

 

そうして同じく指導経験のある神崎と杉野が入るがそれでも5人だ。不安はあるがこのB班の戦力はそれなりに高い残った人員を2つの班に分ければ戦力も上がる。

 

そう思っていた

 

「C班の原さんから。岡島に持たせてたマイクで聞いた限りだと、全滅したみたい」

 

莉桜は冷静に言うがかなり焦っている。自分達の班の戦力を下げてまで、特にA班の戦力を上げたというのにそんなものは意味ないと理不尽に言い渡されたごとくあっけなく戦闘班がやられたのだ

 

「ど、どうすんだ?」

 

「落ち着きなよ杉野。こっちはこっちで目的を遂行するよ」

 

「うん。死神を倒してしまえばこっちの勝ち。私達も負けてないよ。奥田さん特製の催涙液入りペイント弾は顔の近くに当てればパニックできるし、竹林君の爆薬で脅しもできる」

 

「そして……今の私達なら雄二君相手でも10分は戦える。ヒットアンドアウェイに徹して他の班と合流。できないならそのままジリジリと弱らせてから殺るだけ」

 

雄二に指導を受けた莉桜、陽菜乃、桃花の発言に若干「こえぇ」と思いつつも安心感が出てくる杉野だった。

 

「神崎さんもまたあのケイドロ以降も風見から指導受けてるんだっけ?」

 

「たまにだけどね。3人の邪魔しちゃ悪いし」

 

と言うが本心ではもう少し習いたいなという思いがあるが

 

「さて、この先がビッチ先生が捕まってる部屋だと思う。カウント3で扉の鍵を爆破して同時に突入するよ」

 

入ったら死神がいました。という状況でも必ず対応する。その心持ちで突入した。周囲の状況を見るが先程自分達が捕まっていた檻があるだけで死神はいない。

 

「まだこっちには来れないか…とりあえずは第1目標クリアだな」

 

縛られたロープをカッターで切って救出し、杉野が背に抱える。

 

「よっしゃ。じゃ、次は寺坂達C班と合流だね。杉野とビッチ先生を守るから前後2人ずつでフォーメーションを…」

 

瞬間、莉桜は見た。見てしまった。ビッチ先生…否、イリーナの顔をいつのまにか手にある注射器のような銃おそらく気絶させる為の麻酔弾入ったそれを杉野に刺すように撃ちこむ光景とそれを自分に向けた光景。正確に、イリーナは特殊体育着の防御の薄い腕の部分を狙い撃ちした。最後に見たのは薄ら笑いをする自分達の教師……と思っていた女性の姿だった

 

「り、莉桜ちゃん!」

 

驚きつつすぐさま下がり3人は戦闘体制になる。

 

「6ヶ月くらいかしらね……随分と眠ってたから鈍ってなくてよかった」

 

イリーナは、実際迷走していた。暗殺者である彼女は明かりの灯った場所で過ごした為その本来の自分も忘れてだが

 

「目が覚めたのカレ、死神のおかげでね」

 

教唆術。死神のもつ技術の1つ。相手の心に寄り添って、その犯意を増長させる。だがこれは、対象がもともとその才能や片鱗がある時に限る。誰しも心の中にはこうしたい、やったらどうなるのような悪意の部分がある。それを外して強行させることも可能だがその強さが低いと意味がない。つまり、イリーナにあった暗殺者としての冷酷さを引きずり出した

 

「さて、逝かせてあげるわ」

 

「……ビッチ先生、本気?」

 

「あんた達と可能性の見えない暗殺を続けるよりも、可能性の高い方を選んだだけよ」

 

新たな麻酔銃を出してイリーナは意地の悪い顔でいう

 

「悪いけど、商売敵は黙らせろってカレが言うのよ」

 

「…ひどいよビッチ先生」

 

「これが私よ。今までどんなふうに…」

 

「いくらビッチ先生が性欲が服着て歩いてる人でも死神にまで手をだすなんて…」

 

「男が常に側にいないと性欲が抑えられなくて血が沸騰する人でも死神もなんて…」

 

「なんじゃその設定⁉︎あんたら罵倒がカザミにちょっとに似てきてるわよ‼︎」

 

「ふ、2人とも落ち着いて。確かにビッチ先生はHに身を捧げたビッチの中のビッチだけど…」

 

「ユキコ‼︎おまえもか⁉︎」

 

「ご、ごめんなさい。淫乱会の女帝でした!」

 

「フォローしてるようだけど貶してるだけだからね‼︎あとなんだ淫乱会って⁉︎」

 

イリーナのツッコミが落ち着くと再び桃花が聞く

 

「で、ビッチ先生。ほんとに死神の手先になってショックだけど、1人で私達3人の相手するの?莉桜ちゃんと杉野は隙を突いたけど今の私達は警戒してるし、日々の訓練と雄二くんから受けた訓練もあるし……もう先生1人じゃ」

 

勝負にならない。そう言われた。イリーナはにぃと笑う

 

「そこまで言うなら、試して見る?ちょうど、最後の授業にはもってこいの相手だしね」

 

莉桜、桃花、陽菜乃の3人はイリーナから女磨きの為、教鞭を受けていた。その最後授業として倒すという事だ。

 

「「「!」」」

 

ゆらぁと近づくイリーナに警戒して半歩下がる。何を仕掛けてくるのか。いや、仕掛けてくるなら数で囲んで返り討ちにと思ってた

 

「さぁ、痛ったい⁉︎」

 

これからだ!と思ってたら急に痛みを出してイリーナは倒れた。膝をつき、足の裏をさする

 

「び、ビッチ先生?」

 

どうしたのかと尋ねた

 

「…ぬぐ、は、ハダシなの忘れてた…石を踏んで…痛い」

 

あまりにも情けないその姿に緊張の糸が完全に緩んだ。緩んでしまった

 

「だ、だいじょ…」

 

神崎と陽菜乃が看る為半歩引いていた体制から前に出た瞬間、まるで、通り抜けるかのようにスッとイリーナは2人の間を通り、すれ違いざまに麻酔銃を至近距離で撃ち込む。

 

「!」

 

倒れていく2人を見て咄嗟に下がって追撃を避けたがここまで近くに来た時点でほぼ詰んでいる。どうにか回避しようと更に下がろうと思うがイリーナはそれをさせない。先程死神がかけていた布を足でグイっと引っ張り、そのまま蹴るように飛ばして桃花の視界を遮る。抱き抱えるように近づき薄い布越しに麻酔を撃つ

 

「よ、弱ったフリなんて…一瞬心配しちゃったじゃん…」

 

倒れながら桃花は責めるがイリーナはそれがどうしたと言わんばりの眼で言う

 

「あいつから教わらなかった?油断大敵って言葉」

 

もちろん似た事は教わった。油断はしていなかった。だが彼女達の最大の敗因はイリーナと共に過ごした期間で警戒心より信頼が強くあった事。イリーナは当たり前のようにそれを利用した。

 

「いいことヒヨッ子共。どれだけ訓練で結果が良くても、本番でそれと同じ、あるいはそれ以上の結果を出せないならなんの意味もない。目的の達成に手段を選んだり、悩んだり、取らなかったその時点であんた達は負けていたの。ま、これが経験の差ってやつよ…場数が違うって言った方がいいかしら?…ってもう聞こえてないか」

 

全員意識が完全に落ちて眠りについた。

 

「…なんだ、君ひとりに負けちゃったのか」

 

少し遅れて死神が着く。

 

「あんたの言った通りだったわ。やっぱりこの子達と組む価値はない」

 

「そう。生きてきた世界が違う…綺麗な世界で綺麗な空気と水を吸って生きてきた彼らに、薄汚れた世界で泥と血煙を吸って生きてきた僕等とは違うんだよ」

 

「……そうね(カラスマ、それはあんたもよ)」

 

「…まぁ、ひとり例外がいるけどね」

 

「カザミね」

 

ただひとり、それがわかる人物とするなら

 

「けど、彼も元は同じ世界で生きてきたから、そういう覚悟がやっぱり薄いんだろうね」

 

「………」

 

イリーナは既に雄二について死神から聞き知っていた。だから

 

「ほんと、あいつもあいつで愚かよね」

 

そう吐き捨てた

 

「正直期待外れだったな。もう少し戦術を用意してると思ったのに」

 

買ったゲームがつまらないクソゲーだったかのような残念そうな子供のように項垂れる死神は画面を見る

 

「さて、もう1つの方は……あれ?」

 

「どうしたの?」

 

少し驚いたように死神は画面を見る

 

「おかしいな?苦戦してる(・・・・・)

 

 

 

 

救出班が突入する少し前、それが彼ら情報収集班の前に現れた。

 

「なんだ?こいつら?」

 

2人の男の人間。それはわかる。だが問題はその顔だ。特に目立つ顔ではないが、目は空虚で虹彩がないけどこちらを見ているのだから視覚はある。表情は表情筋がないのでかというほどの真顔。まだマネキンの方がいい表情に見える。そしてその顔は瓜二つ。おそらくは一卵性双生児の暗殺者だろうがどちらの同じ人に見えない表情は気持ち悪さもある

 

「実はロボットって線はなさそうだな」

 

「どう見ても人だ。吉田の節穴でもわかるレベルだ」

 

「うおぃ!」

 

と、ツッコミを入れてもなんの反応も見せない。なんなのだと思うと急に走りだす

 

「ノコノコ出てきたかよ!」

 

「戦力増してんだ殺ってやらぁ!」

 

スタンガンを片手に吉田と村松が仕掛けた。死神じゃないなら他の暗殺者。おそらく死神が雇った者だろうと考え正面から出てきた事に舐めているなと考えて戦闘に持ち込む。

 

さぁどう避けると考えてたが、

 

((避けない?))

 

避けることもなく受ける。スタンガンからけして低くない電流が流れた。にもかかわらず、

 

「うごぉぁ!」

 

「むら…えぐぅ‼︎」

 

そんな物効かないと言わんばりにお互い膝蹴りを受けて倒れる。その瞬間に手からスタンガンが離れて空中を舞う。それを掴んで2人の男は首筋に最大の電流を流してトドメを刺した。

 

「村松‼︎吉田‼︎」

 

死んではいないが相当なダメージが入った。もう戦闘はできないしろくに動けないだろう。ゆらりと幽霊のように2人の男は無理に使ったのかスタンガンが壊れてしまって捨てながら次はと言うように寺坂達を見る。

 

「……上等だよ!行くぜイトナ‼︎俺とテメーでこいつら叩きのめすぞ‼︎」

 

目の前で仲間がズタボロにされて黙っていられる寺坂ではない。いまだに肉体改造で身体能力が高いイトナと共に戦うつもりだったが

 

「降伏だ」

 

イトナは冷静だった。もちろん悔しさも憎さもある。だが、目の前の相手が自分達で超えれない壁だとわかるくらいは落ち着いて判断できる

 

「死神ほどじゃないが格が違う。戦っても損害だけだ」今日敗北してもいい。いつか勝つチャンスを待つ」

 

手を挙げて降伏を示し近付いた時だった

 

バンっと音がして、次に煙の匂い。そして、イトナの両足に弾丸が撃ち込まれた。2人の男がそれぞれ撃ったのだ

 

「イトナァァ‼︎」

 

イトナが痛みで崩れる。まさか降伏したのに、しかも本物の銃で足とはいえ撃ってくるとは思わなかった

 

「テメーらぁぁぁ‼︎」

 

もはや我慢できるはずもない。寺坂は特攻をするが、男達はなんの反応もなく近付いてきた寺坂を巴投げして倒す

 

「このっや」

 

「だ、めだ、寺坂」

 

イトナが言うがそれでも立とうとする寺坂の両足にも銃弾が撃ち込まれた。痛みで寺坂が声にならず、呻く。2人の男はまた次は?と言っているかのように虚な眼で見てくる。

 

この相手はある意味死神よりもヤバいと皆怯える。

 

(なんだ、こいつら)

 

ただひとり、孝太郎を除いて。

 

(イトナと寺坂をなぜ撃った?死神の命令?それにしても不自然だ撃つ必要性がない)

 

ここまでされてはもう勝てないのは誰が見てもわかるそれなのになぜ無意味に弾薬をつかったと

 

(一応動けなくするなら足なんて撃たない。動けない人質なんて万が一の時の荷物にしかならない。それに、こいつら気付いてない(・・・・・・)?もしかして、ひょっとするとだけど…勝てる?)

 

そうして瞬時に頭で作戦を立てた

 

「皆、聞いてくれ…勝てる。たぶんだけど」

 

孝太郎がこんなことを言うと思わず、その時あった恐怖が飛んだ。そして、

 

(こんな言葉を言ったのにまるで反応ない。やっぱり)

 

孝太郎は皆に聞こえるよう(・・・・・・・・)作成を言う

 

「「やってやらぁ‼︎」」

 

やぶれかぶれの特攻を仕掛ける。2人の男が銃を構えるが

 

「いまだ寺坂!イトナ!」

 

倒れて動けないであろうと思われていた寺坂とイトナが2人の男の足首を持ち、力の限り引っ張るバランスを崩しながら2人の背中に銃を撃つが

 

「いってぇぇぇぇぇ!」

 

「いっつぅ!‼︎⁉︎」

 

2人は痛いでは元来済まない。だが、彼らの着ているのはただの体育着ではない耐火性、衝撃耐性、切断耐性、そして防弾耐性。ありとあらゆる耐性の最先端が組み込まれている。死ぬほど痛いが、並の銃では貫けない

 

「「うおらぁぁ‼︎」」

 

首にスタンガンを当て強力な電流を流す。

 

「こっちもだぁ!」

 

寺坂とイトナもスタンガンを出して当てる。男達の身体がビクンビクンと痙攣し、バタンと倒れた

 

「おい、竹林ぃ‼︎痛いんだよ!つか、もし頭撃ってきらどうすんだ‼︎」

 

「その点は………ちょっと賭けだった」

 

「うぉい⁉︎まぁ、当たりみたいだな。こいつら、オレらの言葉に眼中にねぇ」

 

しっかりと痛みがあるが動けるであろう2人にも作戦を伝えたが彼らは何もしない。その時点でもう確信していた

 

「って、あれだけ受けてまだ立つかよ」

 

ビクビクさせているが男達は全く変わらない無表情で寺坂達を見ていたが

 

「もう良いよI(ワン)(トゥ)待機」

 

そこに現れたのは、死神だった

 

「んー捕獲にはちょっと向いて無いね。これはちゃんと報告しないとなぁ…」

 

2人の男を評価しながら死神は言う

 

「ごめんね、降伏したかったのに。後できつく言っておくよ」

 

「………今度は、降伏していいか?」

 

イトナが警戒しつつ問う

 

「うん。もちろん」

 

E組の3班はここで全て捕まった

 




次回、雄二来る。

ちなみに
オリキャラ達の食事はものすごい簡素。というか栄養だけ詰まった超不味い物を餌として支給されています


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