暗殺教室 グリザイアの戦士達   作:戦鬼

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最後に彼らを出しました。
そろそろ動かさないとね


進路の時間

「なぁ、早くしてくれって」

 

「待ってくれ、頼む、待ってくれ」

 

「こっち我慢できねーんだ。頼むから早くしてくれ」

 

「頼む、もう少しだけ……………考えさせてくれ」

 

ぷるぷると手を震わせて烏間は思考する。どうすれば良いかと

 

「どうにか、どうにか、コイツだけを閉じこめたまま殺す方法はないのかぁ…」

 

「考えても無駄ですねぇ烏間先生」

 

「そうそう、無駄無駄」

 

「君はどっちの味方なんだ⁉︎」

 

ぷークスクスと笑う殺せんせーに同意しながらちょっと煽る雄二に烏間の血管が破裂しそうになっていた

 

「死神も言ってたけど仮に殺せんせーだけ閉じこめることに成功しても、生徒たちがいない状態なら乱暴な脱出もできるだろう?」

 

「その通りです。出ようと思えば出れるんですよこんな檻。マッハで壁に何度も体当たりしたり、音波放射でコンクリートを脆くしたり」

 

「あーあの音痴なのやっぱ仕様なんだな」

 

「音痴と言わないでください!味があると言ってください‼︎…おほん。とにかく、それをすればどうあっても一緒にいる生徒にも大きな負担をかけてしまう。だからこそ、あなたと風見君に死神達を倒してもらったんですよ」

 

と説明するが殺せんせーも、雄二も、烏間が言わずとも理解していると思っている。ついでに、E組の結束を強めるために最小限の手出ししかしてない事も。諦めた烏間は死神から奪った端末を操作して檻を開けた

 

「なー殺せんせー、秘蔵のエロ本やるからまたそこに入ってくんない?」

 

「え、マジで…いや、嫌ですって⁉︎」

 

「先生、頼むから単純な手に嵌まらないでくれって…っと」

 

岡島の誘惑に一瞬躊躇う殺せんせーをあきれていると体がふらりと揺れて倒れそうになり、両脇を陽菜乃と莉桜が、背中を桃花が受け止めて抑える

 

「雄二君、無理しすぎ。怪我の部分は応急処置なんだから早く診てもらわなきゃ」

 

「…助かる」

 

「そう言うくらいなら、最初から無理しちゃダメだよ」

 

「そうそう。心配するこっちの身にもなってよ」

 

3人から言われ流石に反省をしながら雄二は肩をすくめた。その後、烏間の連絡で部下を含めた隊員が死神をぐるぐるに拘束する

 

「落ち着いてから見ても、やっぱり気持ち悪い顔だ」

 

「うぇ、ほんとだ」

 

改めて雄二は死神の顔を評価していると他の皆も同じ感想なのか引きつつ言う

 

「…驚異的な技術を持った男だったが、スキルを過信しすぎ、人間としてもどこか幼かった。だからこそ隙もあった」

 

「逆を言えば、まだまだコイツは成長していく可能性があったって事か。もしやりあってたのが5年後なら、俺と烏間先生の共闘でも負けてたかもな」

 

「そこまでか。……けどよ、なんで、顔を潰してまで技術を求める心理がわかんねーよ」

 

「幼い頃の経験だそうだ。殺し屋高度な技術を目の当たりにして、ガラリと意識が変わったらしい」

 

「…なるほどな。けど、わかる必要なんてねーよ。殺し屋の殺人の場面を実際に見て、殺し屋になりたいなんて考えるような狂人だったてだけだ」

 

そう吐き捨てる雄二に殺せんせーは「違いますよ」と言う

 

「影響を与えた者愚かだっただけですよ。これほどの才能ならば、本来もっと正しい道で技術を使えたはずなのに」

 

ここまでされたというのに随分と死神を庇う殺せんせーに雄二は少し不思議に感じたがわずかな違和感だったので気にしない事にした

 

「人を活かすも殺すも、周囲の世界と人間次第…か」

 

「…………まぁ、確かに。ところで、どうすんだ?そこでコソコソと逃げようとしてるビッチ先生」

 

「あ」

 

気付かれて停止するイリーナ。数秒くらいして、何事もないようにまたそろりとこそ泥のように移動するが

 

「おい!ビッチ‼︎なに逃げようとしてんだコラ‼︎」

 

「ぎゃぁぁ!」

 

生徒全員から拘束された

 

「あーもー‼︎いいわよ!好きなようにしなさい!裏切ってんだから制裁受けてトーゼンよ‼︎女子は私の美貌への日頃の嫉妬を‼︎男子は溜まりまくった日頃の獣欲を‼︎思う存分性的な暴力で発散させなさい‼︎」

 

「いや、その発想…」

 

「つか、自分で自分の美貌がーとか」

 

「やっぱり元がビッチだからそこはどうやっても変わらないんだ」

 

「おいコラ!カザミ‼︎ちょっとこの子達に注意しなさいよ‼︎あんたの責任でもあんだから‼︎」

 

「いや事実じゃねーか」

 

冷淡な声でそう言われて青筋が入る

 

「いーから、いつまでもバッくれてねーで普段通り来いよ学校」

 

寺坂が言い出した言葉を一瞬理解できなかった。他の皆も同じで来てまた色々教えてほしいと言う

 

「……殺す直前まで行ったのよ?それだけじゃない過去に色々ヤッてきた。それこそあんた達が引くような事」

 

「あのなぁビッチ先生、それこそ今更だって」

 

この暗殺教室で皆さまざまな殺し屋を見てきた。そういった世界でいる事など百も承知だ

 

「たかがビッチと学校生活楽しめないで、うちら何のために殺し屋兼中学生やってんのよ」

 

莉桜の言葉に賛同しながら烏間はイリーナに近付きスッと水に濡れているがそれでも艶やかな赤をだしているバラをだす

 

「それ、さっき死神が持ってた」

 

「ああ。生徒達からの借り物でなく、俺の意志で敵を倒して得たものだ。誕生日は、それで良いか?」

 

花はたったの一輪、飾り気もない、手にした方法は普通ではない、ムードもない。それでもこれが烏間らしく、暗殺教室でいる者にふさわしい最高のプレゼントと言えるだろう

 

「…はい」

 

言いたい事はもっとあっただろう。文句もあったかもしれない。それでも、短く、ただそれを受け取りイリーナ…いや、ビッチ先生は嬉しそうに微笑んだ

 

「さて、烏間先生。いやらしい展開になる前に一言いいでしょうか?」

 

「断じてそんな事にならないが、言ってみろ」

 

殺せんせーは触手をペタッと生徒の頭に置き、顔を赤にして言う

 

「今後、このような危険に成長を巻きこみたくない。安心して殺し殺されることができる環境作りを、あなた方防衛省ならびに政府に強く要求します」

 

防衛省だけでなく、政府とつけた。

 

(これ、俺にも言ってんな。俺もJBもどっちかっていうと烏間側なんだがなぁ)

 

 

 

 

後日、生徒からの要求が上に提出された。内容は

 

『暗殺によって生徒を巻き添えにした場合、賞金は支払われないものとする』

 

「拒否すれば、生徒全員があの教室をボイコットする。当然そうなればあの怪物の行き場はなく、また逃げられ続ける…ね。一応聞くけどこの生徒全員ってところ、あなたも入ってるの?」

 

「ご想像におまかせする。と言っておこうか?」

 

でかいため息をJBはだす

 

「ハッキリとは言わず、はぐらかす。もう、報告するのは私なんだからね」

 

そう言いつつちゃんと寄り添うのがJBだ。

 

「けど、随分あっさりと認められたな。あのクラス……って言うより殺せんせーの最大の弱点をなくす選択だってのに」

 

以前イトナとシロが生徒を巻き込む形で殺せんせーを殺そうとしていた。あの時は皆、寺坂がようやくクラスに馴染んできたのもあってその嬉しさから気付いてなかったが、雄二はあの時点で気付いていた

 

「そんなものが些細なことで終わるような事態になってきてるってだけよ。以前も言ったでしょ?奴を殺す算段ができてきてるって。各国共同で進めている最終暗殺プロジェクトよ。残念ながら、私はその内容は知らないけどね」

 

「…知ったところで俺がどうにかすると思ってるのか?」

 

「普段の行いのせいもあるだろうけど、秘密は厳重にしたいんでしょうね。それと、シロの方も」

 

「あ?」

 

「あっちもあっちで最終兵器の用意があるそうよ。用意ができ次第、それぞれの最終兵器による共同作戦が発動される。まぁ、本命は各国共同プロジェクトの方で、シロの方はあくまでもおまけ扱い。ぶっちゃけ無くても問題ないみたい」

 

「それなのにするって…なんでそこまで必死になんだ?」

 

「信用回復。それでだけでしょ?以前の鷹岡の件と全く変わらないわ」

 

だからこそなにをしでかすかわからない

 

「決行予定は来年の3月……あの教室であの怪物が逃げなければいいなら、この要求を呑むのは理に適っているってところよ。あなたも、身の振り方をそろそろ考えなさい」

 

「…進路相談なら必要ないし問題ない。もう決まってんだからな」

 

JBは首を横に振り「それだけじゃないでしょ」と諭す

 

「あの教室に怪物の暗殺は期待してないけど暗殺自体はできる。そして問題はその後、そっちは意外と期待があるのよ。残念ながら…ね」

 

「…させねぇよ」

 

低くく、だが決意ある声で雄二は言って立ち上がる

 

「そろそろ登校する。……JB、もしもの時は」

 

「わかってる。暗殺なんてものに関わっているけど、あの子達は元々ただの中学生の一般人なんだから。烏間とも連携して絶対に阻止するわ」

 

ようやく安心した雄二はその場を後にする

 

「9029プロジェクト……まったく、上の連中はいつでも国民の事なんて考えない」

 

自分しかいない部屋でそう言いなが窓を見る。晴れやかな空にふさわしくない気持ちにJBはなっていた

 

 

雄二が着くとちょうど殺せんせーが1枚の紙を渡したところだった

 

「進路相談か」

 

「もし誰かが先生を殺せて地球が無事なら、皆さんは中学卒業後も考えなくてはなりません。まぁ、殺せないから多分無駄になりますがねぇ」

 

「うぜぇ」

 

舐めてる時にでる黄色と緑のシマシマ顔になった殺せんせーを見送りつつ雄二は進路希望を書く紙を見て、渚に話を振る

 

「渚は………そうか、頑張れ」

 

「なに納得してるの⁉︎違うから⁉︎中村さんが勝手に書いただけだから⁉︎」

 

「大丈夫だ。今は多様性を求められる時代だ。きっとおまえならできる」

 

「話聞いてる⁉︎」

 

「渚君、卒業旅行でタイとモロッコ、どっちに行く?」

 

「カルマ君は何で僕からとろうするの⁉︎」

 

渚の進路希望表には女子高と書かれ、その下の職業はナースとメイドだった。当然だが、莉桜の悪ふざけである。そうこうしながら次々と順番に殺せんせーの相談を受けていく

 

「なによガキ共、進路相談やってんの?」

 

ガラリと扉を開けて入って来たのはビッチ先生だが、衣装は以前のような露出のあるものではなかった

 

「ふつーの安物よあんた達に合わせてやっただけよ」

 

とは言うが隠された分以前よりもその体型が目立つようになっていたので岡島などは鼻血を出していた

 

「あ、サイズシール貼りっぱなしだ」

 

安物に慣れていないのもあって剥がし忘れたのだろう。言ってもいいがこう言うのは本人に言うと恥ずかしいものでもある

 

「僕が取るよ」

 

どう伝えようか悩んでいると渚が立ち上がってそう言う。だが伝えるではなく、取る(・・)と言う。ちょうど次は自分が進路相談をするつもりだったのか希望表も持って歩く。その時渚にはビッチ先生の意識の波長が見えていた。それ感じつつ歩くついでに持ってたゴミをゴミ箱に捨てるごとく平然と、ビッチ先生に気付かれることなく、首筋のサイズシールを取った

 

(………死神っていう頂点を見た影響だろうが、ここまでなるとはな)

 

今のが実際の暗殺なら、ビッチ先生は死んでいる。もちろん殺意が最初からないのもあるが、それでも歴戦の殺し屋である彼女がまったく気付く事がないとなるとその成長は桁違いだ

 

(進路希望表、なにも書いてなかったな。まったく……俺と、おんなじかよ)

 

殺せんせーならその迷いも考えて渚に適切な事を言えるとは思っているが少し心配ではあった

 

しばらくし、渚は戻ってきた

 

「どうだった?」

 

何気なく雄二が聞くと苦笑いをしながら

 

「もう一度見つめ直して、もう一度相談しようってさ。どうしようかちょっと悩んでて」

 

「そうか。なら、次は俺だな」

 

やはり悩んでいると思うがそれこそが大切だと雄二は考えあえてそれ以上聞く事をしなかった

 

「君で最後ですね、風見君」

 

「あぁ。けど、俺が出せる進路なんてないよ、殺せんせー」

 

なにも書いてない進路希望表を手渡す。殺せんせーはわかってたのかその事にはなにも言わない。そう思っていた

 

「単刀直入に聞きますよ風見君。君は今のまま君がしている『バイト』を本職にするのか、しないのか」

 

だからその質問は予測できなかった

 

「……俺には他には何もない。あいつらみたいな夢とかもない。渚のような悩みもない。ただ、生き方を選べない身だ。先生は、その辺がわかっていると思ってたんだがな。……気付いてんだろう?俺があの時、あの双子暗殺者になにしたか」

 

「えぇもちろん。君の正体についてもね」

 

「だったら」

「その上で聞きます。もし、選べるなら、君はこの先、どうしたいか?どうなりたいか?何を望むのか」

 

「…………」

 

そんなもしもなど、考えた事もなかった。その答えは何もでない

 

「答えができた時、もう一度相談をしましょう。その時、その紙に何を書いてもいいですよ。今のままでも、違うでもね。私は全力で応援します」

 

答えない、出口のない、そんな迷宮が雄二の前にあるような気がしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ⅠとⅡのテストモニターからの連絡が途絶えましたが、おそらく両方とも死んだと思われます」

 

「はぁ、まったく死神の名が聞いて呆れてるね。まだまだ未熟だったって事か、彼もアレも……そうは思わないかい?」

 

「所詮は考えの浅い人型の兵器、もっと多様性が必要かと」

 

男の質問に答える少年は無機質だがしっかりとした意見を言えていた

 

「確かに。まだまだ実用化には程遠い……やっぱり、彼が必要か」

 

「では、予定通り決行を?」

 

「あぁ。トラビス、準備は?」

 

男は先程ⅠとⅡの報告をしてきた男、トラビスに問う

 

「いつでも大丈夫ですが、なぜまだ決行しないのですか?」

 

「怪物の件があるからね。脅しをかけるならギリギリ尚且つタイミングが必要なんだ。そうだね決行は2月としよう。あぁ、そういえば日本のバレンタインはチョコを送るんだよねぇ…できればその日がいいなぁ」

 

うっとりとした表情で男は思い浮かべる。彼の最高の興味を

 

 




ちなみに
JBが言った期待があると言っているところですが正確に言うと上の期待度は40%くらいです。でも殺せんせーの暗殺の期待は限りなく0なのでそれと比較したら充分あります
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