オルタ様降臨のために諭吉を触媒にしたというのに出てこなかった。起訴不可避。
精神が荒れておりますので短めとなっている上に、あるキャラが暴走しております。
「ーーーはい、あ〜ん♪」
「……あー」
差し出されたスプーンに乗せられた料理を口の中に入れる。見た目は黒焦げでどこからどう見ても失敗作にしか見えないのだが、味はしっかりとしている。見た目を除けば普通に美味しいと感じる程だ。
じゃりじゃりと口の中で音を立てる料理を咀嚼しながら、レインヴェルは辺りを見渡す。
血涙を流しながら歯ぎしりをしているギョロ目、我関せずと壁に寄り掛かっている黒い貴人服の男、レイプ目で無表情な男装美少女とケモミミ美少女、SMプレイで使いそうな仮面を付けた女、あとここには居ないが杖を持った聖人の女性もいる。
「あ〜ん♪」
辺りを見渡してから、再び料理を差し出している薄い金髪の女性に目を向ける。彼女の顔はーーーまるで最愛の人と一緒に居るかのように幸せに満ちていた。
「(どうしてこうなった……)」
「ーーーあ、俺今回の聖杯探索じゃ緊急時以外では動くつもり無いから」
「「ーーーはぁ!?」」
フランスへのレイシフト直前で、突然そんな事を言い出したレインヴェルに黒野と美冬が驚きの声を上げた。周知の事実であるが、レインヴェルは現在のカルデアでマスターとしては最高戦力なのだ。そんな人物が突然ニート宣言をすれば驚くのも無理は無い。だが、そんな二人とは裏腹に周りは落ち着いた様子だった。
「いい?現在のカルデアでレインヴェルはマスターとして最高戦力なのは知っているわよね?」
「はい、キチガイですけど強いのは分かっています」
「キチガイなのは悔しいですけど戦闘じゃ負けますね」
「だからだよ。もし、万が一俺が動けない事態になった時に俺を頼らなくてもお前らだけで聖杯探索が出来るようにしないといけないからな。今回はその練習だと思ってくれれば良い」
なるほど、レインヴェルの言いたい事は理解出来る。もしレインヴェルに任せた状態で聖杯探索を続けてレインヴェルが瀕死になったりした場合、聖杯探索が行えなくなってしまう。それを恐れたから今回は二人に任せる事にしたのだろう。
「だったらそうと言ってくださいよ」
「このキチガイめ」
「悪い悪い、経験は積める時に積んどかないとな。あと美冬ちゃん、キチガイ連呼しすぎ」
突然の発言で驚いたものの、その理由は至極真っ当なものだったので納得し、レイシフトを行う。
着いた先に広がるのは草原、現代社会では味わえない様な排気ガスに汚染されていない新鮮な空気が黒野と美冬、サーヴァント達の頬を撫でる。
今回のレイシフトはフランスのオルレアン。時代としては1431年、ジャンヌダルクが神の啓示を聞き立ち上がって行った百年戦争の真っ只中である。百年戦争と呼ばれているものの百年間継続して戦争をしていた訳ではない。この時代の戦争は現代に比べれば比較的穏やかなもので、季節や国の事情で休止されることが良くあった。史実通りならば今は休止時期になるはずだ。
「ーーーよし、レイシフト成功。前回みたいな感じじゃ無くて本当良かったよ」
「ーーー理論は理解していたつもりでしたけど本当に転移するんですね……」
「ーーーあれ?レインヴェルは?」
最初に気が付いたのはマシュだった。そして二人も辺りを見渡すがレインヴェルの姿が見えない。あのキチガイの事だからどこかに隠れているのではないかと探すが、それでも見つからない。
そうしてーーー彼らはレインヴェルの事を探すのを止めて、カルデアとの連絡を取るために霊脈を探す事にした。
一方、レインヴェルはというとーーー
「ーーー」
「ーーー」
湯気が立ち篭る密室で、一人の女性と対峙していた。水に濡れた陶器の様な白い肌に色素が薄いものの綺麗な金髪の女性が
「(やべぇ……ロマ殺す)」
レインヴェルがレイシフトした先はどこかの浴室だったらしい。目の前にいる全裸の女性がその証拠だ。黒野や美冬の気配が感じられないことからレインヴェルだけがここに転移されたようだ。ロマンへの殺意を募らせながらレインヴェルは女性を視界に入れないように振り返る。
「ごめん!!ほんっとごめん!!すぐに出ていきますかぶらぁ!?」
謝りの言葉を言ってすぐに浴室から出て行こうとするレインヴェルだったが後ろからタックルを食らって床に顔を打ちつける。誰がタックルして来たかなど分かりきっている。全裸の女性だ。視界に入れていたら避けれていたのだが流石に死角からのタックルは避けられなかったようだ。
「いっつ……」
「ーーーねぇ貴方、名前はなんて言うの?」
鼻を摩りながら顔を上げたレインヴェルに女性が問うた。初対面で、しかも裸を見てしまったというのにどこか熱っぽい声色なのは気のせいだろうか。
「ーーーレインヴェル・イザヨイ」
「レインヴェル・イザヨイ……ならレインね。ねぇレイン……」
倒れたレインヴェルの上を這うように登る。そのせいで女性の豊満な胸がレインヴェルの背中に当たってしまっているが気にした様子を見せないからわざとなのだろう。
そして女性はレインヴェルの耳元に顔を近づけ、
「一目惚れってやつなのかしら?貴方が好き、愛しているわ」
「ーーーなんでや!!」
愛を囁き、レインヴェルが突っ込んだ。
五章は素晴らしかった。
これにレインヴェルも入れてトリプルキチィを実現させなければ(使命感)