ジャンヌゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!(挨拶)
遊戯王式錬金術により樋口を錬成することに成功したので魔法のカードを購入して二十連ガチャりました。
爆死しました。
アッケナイモノヨ……
「すぅ……すぅ……」
「無防備に寝ちゃって……俺じゃなかったら絶対に薄い本展開待った無しだぞ」
ベッドの上で無防備に寝ているジャンヌダルク・オルタの顔にかかっている前髪を退かしながらレインヴェルは呆れた様に呟いた。どうも彼女は初対面な上に出会って間もないレインヴェルの事を心底信用している様だった。
ジャンヌダルク・オルタはレインヴェルの事を愛していると言いながらも性的な要求をしてこなかった。隣にいて、手を繋ぎ、料理を作って食べさせて、過剰な所までいくと一緒に入浴しようとしたりしていたが、それだけで十分だという様にそれから先を求めない。レインヴェルにも三大欲求の一つである性欲はある。ここまでしながら求めてこないのは生殺しの様に感じていたがそれでも無理矢理する様な趣味は無いので必死になって性欲を抑えていた。
そして気になる事が一つある。ジャンヌダルク・オルタと会話をしたのだが話すのは戦争の出来事ばかり、好奇心で彼女の生まれ故郷について聞いたりしたのだがキョトンとされてそんな事よりもと話を戦争の出来事に戻される事があった。
それを見てレインヴェルの中である考えが浮かび上がってくる。だがそれを検証することは出来ない。だからあくまで考えの一つとして頭の中に留めておく。
「ーーーッチ、治ったと思ってたのによ」
身体に感じる鈍痛を舌打ちをすることで誤魔化す。実はレインヴェルはエミヤとの戦いでの怪我がまだ完全には癒えていなかった。エミヤから受けた傷は跡こそ残るが殆ど癒えている。治っていないのはエミヤと戦うために限界を超えた酷使をした全身だった。限界を超えた酷使によりレインヴェルはボロボロ、回復には努めたものの全快したとまではいかない。時折走る鈍痛がその証拠だった。レインヴェルが今回のレイシフトは極力黒野と美冬に任せると言ったのは経験を積ませる為というのもあるがこれが原因だったりする。
ジャンヌダルク・オルタが熟睡している事を確認し、物音を立てずにベッドから降りて部屋を抜け出す。向かった先はジャンヌダルク・オルタの寝室の向かいにある部屋、そこには大きなベランダがあり、レインヴェルはそこに出てコートからタバコの様な物を取り出して火をつけた。
「すぅーーーふぁぁぁぁ……あぁ効くなぁ」
生じる煙を深く吸い込む度に身体から痛みが抜けていくのを感じる。実はレインヴェルが吸っているのはタバコでは無い。これの正体は俗に言う違法薬物、レインヴェルはこれの事を阿片擬きと呼んでいる。これはレインヴェルが独自に調合した薬物をタバコの形にしたもので、彼は主に痛み止めとして服用している。阿片擬きと呼んでいるがこれ自体には中毒性が無く、阿片程に強い幸福感を得られるわけでは無い。五感の一つである痛覚を鈍らせる程度の効果だ。ただ咥えているだけでも効果はあるがこうして火をつけて煙を吸引した方が一番効く。問題があるとするならこれはレインヴェルが自分の為だけに作ったものでレインヴェルには中毒性が無いが他の人物にはどんな影響があるのか分からないということ。だからレインヴェルはこうして一人になれる場所で阿片擬きを吸引していた。
一吸い、二吸いと煙を吸うたびに痛みが和らぐ。そして全体の五分の一程が灰になる頃にはレインヴェルの身体から痛みは感じられなくなってきた。無論本当に痛みが無くなった訳ではなくただ誤魔化しているだけだ。しばらくすれば効果は薄れるだろうがその頃には痛みが治まっているだろう。
その間にレインヴェルは思考を巡らす。ジャンヌダルク・オルタが率いる戦力はバーサーカーのクラススキルである【狂化】が付与されたサーヴァント全七騎、それと大量のワイバーンと戦場から調達してきたであろうゾンビ兵。サーヴァントは各個撃破すれば黒野と美冬の二人にも勝機がある。ゾンビ兵は論外で、ワイバーンは幻想種だが下級なのでこれも問題無いだろうーーー問題があるとするなら、ジャンヌダルク・オルタがポチと呼んだ巨大な龍だった。
邪竜ファヴニール。ニーベルンゲンの歌に謳われる万夫不当の英雄であるジークフリートによって打倒されたとされている邪竜、まさしく怪物としか呼べない存在がここにいたのだ。ジャンヌダルク・オルタはポチという可愛らしい名称で呼んでいたがあれはそんなに可愛い存在では無い。一目見て驚き、ジャンヌダルク・オルタに乗るかどうか誘われて迷わずに乗ってフライトを楽しんだが冷静に考えれば不味いのだ。
ファヴニールはジークフリートに倒されるまで数多くの英雄を打ち倒してきた。そしてジークフリートによって倒され、ファヴニールの血を浴びたジークフリートは不死身の存在になったとされている。だが、気にするのはそこでは無い。ジークフリートによって倒されたということが問題なのだ。ファヴニールが倒してきた英雄の中にはジークフリートよりも強い英雄がいただろう。それなのにジークフリートが倒した。つまり、
密かにジャンヌダルク・オルタの目を盗んで魔術礼装であるナイフでファヴニールの鱗を斬ろうとしたのだが傷一つ付かなかった。エミヤの贋作を容易く切り裂いたナイフで、だ。
最悪である。カルデアのサーヴァントは決して弱い訳では無い。アルトリアを始めとした強者たちだと信じているがそれではファヴニールを倒すことは出来ない。ファヴニールを倒す為にはジークフリートを呼ぶしか無い。だがそれを知っているのは自分だけ、カルデアと連絡を取らなければならないのだがそうしたら間違いなく敵だとバレ、ここにいるサーヴァント全員から襲われることは確実である。
それにーーー今のレインヴェルにはここを離れるつもりは無かった。その理由は言うまでもなくジャンヌダルク・オルタである。オルレアン救済の聖処女などと言われているが彼女を見ているとそんな物はあてにはならなかった。彼女はただ求めているだけなのだ。自分を愛してくれる存在を、そばに居てくれる存在を。
聖処女などではなく、普通の少女としての側面を知ってしまったが故にレインヴェルの決心は鈍っていた。そして吸っていた阿片擬きが全て灰になった時にーーー
「ーーー失礼、御時間よろしいですかな?」
暗がりから、ワイバーンに咥えられて何処かに連れられて行ったはずのジル・ド・レェが現れた。
ーーー少女は夢を見ていた。
それは彼女であって彼女では無い存在が見た夢。されども彼女は彼女である、故に彼女もまたその夢を見ることができた。
上に広がるのは疎らなサイズの雲と優しく輝く太陽。下に広がるのは黄金色の穂先を垂らしている小麦の畑。
畑には三人の人影があった。二人はまだ十にもなっていないであろう幼い子供。兄弟なのかよく似た顔付きで、
「カットカットカットォォォォ!!!!」
「うんしょ、うんしょ」
「よいしょ、よいしょ」
そして、そんな三人に近寄る人物が一人いた。質素な麻の服に身を包み、金髪を三つ編みで纏めた女性ーーーそれは夢を見ている
「みんなー御飯持ってきたしたよー」
「ん?もうそんな時間か……じゃあ休憩だな」
「「はーい!!」」
そして合流した四人は近くにあった木陰に入り、
「今年もよく稔ったな」
「えぇ、これなら少し余裕が持てそうですね……ところで、■■■」
そう言って
「そろそろ……新しい家族が欲しいんです」
「クハハッ、俺は構わないよ。家族は幾らいても困らないしな」
男性は
「ーーーハッ!?」
そこで目を覚ました。視界に入るのは弱々しく燃える薪、その周りにはカルデアという組織からやって来た少年少女達が眠っている。彼らを見て自分が火の番していたことを思い出しーーー
「〜〜〜ッ!!」
先程まで見ていた夢の内容に赤面する。夢に出てきたのは間違いなく自分だった。そして夢の中の自分は見た事の無い男性と幸せそうな家庭を築いていた。
少なくとも記憶の中では、あの男性を見たことは無いはずだ。だというのにーーー
「……」
触れるか触れないかの瀬戸際で目を覚まし、もし起きなかったら触れ合っていたであろう唇をなぞり、また赤面する。相手は見たことも無い相手、知らない相手。だというのにーーー彼の顔を思い出すと、心臓の鼓動がいつもよりも早くなるのが感じられた。
ファヴニール超強化。なんとすまないさん以外には傷を付けられないという概念が付与されています。で無いとドラゴンスレイヤーの小次郎が無双するから是非も無いね!!
彼女のまた夢……そして最後に赤面していたのは一体何ダルクなんだ……