IKUSABA育ちのIKUSABA人   作:鎌鼬

2 / 30
第2話

 

 

「ーーーふぇ?」

 

 

今、マスターと思わしきこの男はなんと言ったのだ?

 

 

自身の召喚者らしき男の言った言葉があまりにも予想外すぎて呼び出されたサーヴァントである女性は理解が追いついていなかった。

 

 

「……すまん、今なんと言ったのだ?」

「一目惚れです!!結婚を前提に付き合って下さい!!」

 

 

思わず二度聞きしてしまったが男は気にすることなくさっき言った言葉と同じことを口にした。

 

 

結婚を前提に付き合う?それはつまり愛の告白、プロポーズではないか?

 

 

男の言っていることを理解した彼女は青白い頬を赤く染める。彼女はサーヴァント、生前の記憶は残っているがここまで真っ直ぐなプロポーズを受けたことは無かった……いや、そもそも異性と付き合う機会が無かったのではないか?という考えが浮かんでしまったが自分が死ぬ原因になったものたちに自身の宝具をブッパする光景を思い浮かべることでその考えを消し飛ばす。そしてプロポーズしてきた時から微動だにしない姿勢でいる男に注意を向ける。

 

 

男の髪は黒色、顔付きは東洋人特有の幼い雰囲気を感じさせるものだが異国の血が混じっているのかアメジストを思わせる様な紫の瞳を向けていた。そして全身から漂うのは戦場を経験したものならば誰もが持ち合わせている死と血の匂い。それもかなり濃い匂いを放っていた。総合的に見れば男の容姿は悪いものでは無いのだろう。むしろ彼女の好みの顔付きであって惹かれるほどだ。

 

 

そんな考えに至ってしまった彼女は思わず手にしていた剣を離してしまう。

 

 

「(待て待て待て!!あ、相手はたった今出会ったばかりの男だぞ!?そそそそんな互いのこともよく知らないし……!!そう!!互いのことを知らないんだ!!せめて趣味とか好きな食べ物とかそういうプライベートなことを知りあってから男女交際(そういうの)はするべきであって……何?世の中には政略結婚やお見合いがある?黙れマーリン!!座まで戻ってカリバーブッパするぞ!!)」

 

 

男性に対する免疫が低いのか、彼女は乙女思考全開でいた。その途中でいけ好かない部下の魔術師がいらないことを言ってきた気がしたがカリバーブッパの脅しで逃げる様に消えていった。

 

 

そして再び男を見る。彼は変わらずに同じ姿勢のまま、真剣な表情で彼女からの返事を待っていた。そんな彼に彼女は思わず初恋をした少女のような反応をしてしまう

 

 

「あ…あの…その、だな……私たちはまだ出会ったばかりだ……付き合うとかはお互いのことを知りあってからで……その……考えさせてくれないか?」

「……それはつまり、肯定では無いけど否定でも無いと?」

 

 

口ごもりながらもなんとか言うことができたが望まない答えが返ってきて男が気を悪くするかとおもったが思いの外彼の声色は落ち着いていた。彼女は林檎のように赤く染まった顔を隠すように頷いて肯定の意を示す。

 

 

「ーーーOh yes!!」

「ひゃ!?」

 

 

それを見た彼は叫びながらガッツポーズを取っていた。予想外の行動に驚きながらかれの行動が理解出来ないでいた。

 

 

「お、怒らないのか?」

「え?怒るって……あぁ、煮え切らない返事をしたこと?」

「そう、だ」

「確かに肯定してくれたら嬉しかったけど否定され無かったからな!!それに君が言っていることも理解出来るし。そうだよな、知らないのにいきなり付き合うってもの無理があるよな。でも断られてもいないしつまりはこれからの俺の行動次第ってこと!!まだまだ未来は明るいなぁ!!」

 

 

前向き過ぎるような気がする彼の姿を見て彼女は安堵のため息をついた。そして地面に放り投げてしまっていた剣を拾い上げて、改めて名乗り直すことにした。そんな彼女の雰囲気を察したのか彼も某世紀末覇者のように突き上げていた拳を下ろして彼女と向かい合う。

 

 

「ーーー問おう、貴方が私を呼び出したのか?」

「あぁ、俺が君を呼び出した。俺の名はレインヴェル・イザヨイだ。レインヴェルでもイザヨイでも、呼びにくかったらレインとでも呼んでくれ」

「なるほど。契約はここに完了した。私の名はアルトリア、セイバーのクラスで呼び出された。馴染み深い名で言えばアーサー王の方が知られている」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルトリア、アーサー王と言えば知らぬものがいないと言っても過言では無いほどに有名な英雄である。イギリスのある土地にあったブリテン王国の王にして平等な発言を許す円卓の場を設けた王。侵略してきた蛮族を撃退しながら王としての威厳を示していたが円卓の騎士と王妃グネヴィアとの不貞から始まった国の二分化、そしてその隙をついたアーサー王の姉モルガンの策謀によって産まれた息子のモードレットによりブリテンはアーサー王と敵対する。そしてアーサー王の最後の戦いは守ってきたブリテン王国との戦い。カムランの丘でモードレットと刺し違えることでその戦いも幕を閉じ、アーサー王は傷を癒すために妖精の郷のアヴァロンに連れて行かれてイギリスの危機に再び現れると言い伝えられている。

 

 

そんな英雄中の英雄であるアーサー王が目の前に立っている。いや、彼にとって彼女がアーサー王なのかはどうでも良かった。ただ惚れた女がアーサー王であった、その程度の認識でしか無かった。

 

 

「ま、こっちも現状をあまり把握出来てないけどよろしくな」

 

 

そう言ってレインヴェルは右手を差し出した。手には何も持たれていない、アルトリアはこの手が握手のために差し出されたと理解し魔力によって編んでいた籠手を解除して同じ様に右手を差し出した。

 

 

「あぁ、よろしく頼む」

 

 

レインヴェルはアルトリアの手が冷たかったことに驚いていた。呼び出したサーヴァントは確かに死人であると言えるのだがこうして実体化している間は人間と同じだと説明されていたからだ。

 

 

反対にアルトリアはレインヴェルの手の暖かさと硬さに驚いていた。人間の平熱よりも高い体温にゴツゴツとした硬い手のひら。体温は不明だが硬い手は長年剣を振り続けて来た老練の騎士の手を思い出させる。外見から判断できる年齢は二十代だというのにそこまで自分ことを酷使していることに驚いたからだ。

 

 

「えっと、まだ握り続ける?こっちとしては嬉しいけど」

「っ!?あ、あぁ、すまなかった」

 

 

レインヴェルは手の冷たさに驚いただけだったので比較的早く正気に戻ることが出来たがアルトリアはレインヴェルがどれ程の鍛錬を重ねてきたのかを考えてしまい正気に戻るのが遅れてしまった。なんとか謝って手を離すことが出来たが顔はプロポーズの返事をした時の様に赤くなっていた。反対にレインヴェルの方は少し残念そうに笑うだけで然程気にしていなかった様だった。

 

 

「(アルトリアの手……冷たかったし剣を握ってたからタコが出来てたけど柔らかかったな……)」

 

 

訂正、顔には出していないだけで内心では気にしていた様だった。

 

 

「そ、それで!!これからどう動くつもりなのだ?」

「あぁ、俺の同僚が近くにいるはずだからそれを探すつもり。いるのなら生存者の救出もしたいけど……この惨状じゃな、生存は絶望的だろ」

 

 

なんとか落ち着くことに成功したアルトリアが今後の方針を尋ねるとレインヴェルは自身の所属しているカルデアの仲間を探すことを提案した。レイシフトをしたのならば他にもこの時代に来ているはず、それならば合流した方が良いと判断しての提案だった。他にも現状が説明出来そうなこの時代の人間がいるのなら優先的に保護や救出をするつもりなのだがそれは叶わないだろう。辺りはまるで可燃物を撒き散らしたかのような火災が起きている。それだけならまだ望みはあったのだが先程倒した骸骨たちのような存在がまだいるのならば生存者がいるとは思えなかった。

 

 

「そうか、ならば貴方の道は我が聖剣で切り開こう!!」

「どっちかと言えば聖剣ってよりも魔剣だけどな、その剣」

「え……?あ、本当だ。デザインが変わってる」

「気付いてなかったの!?」

 

 

どちらにしても彼らには立ち止まるという選択肢は無い。煉獄の様だと言い表せる世界の中を、レインヴェルとアルトリアは歩き始めた。

 

 






波旬「やぁ!!みんな、波旬お兄さんだよ!!今日は無限大数いる友人の一人に頼まれてこの小説の簡単な説明に来たんだ!!今回はレインヴェル・イザヨイ君とアーサー王ことアルトリアちゃんについてだね!!あまりにも詳しく言っちゃうとネタバレになるから本当に触りの部分だけだけどね!!」


波旬「まずはレインヴェル・イザヨイ君だね!!彼は日本人と北欧の方の人間とのハーフでカルデアにスカウトされて今回の計画に参加した魔術師だよ!!まぁ魔術師だって言っても戦い方は銃器とか爆発物とかバンバン使うから友人の一人の魔術師殺しの様な感じでどちらかと言えば魔術使いに分類されるね!!イザヨイの名前から分かるけど彼の血筋は七夜と同じ様に異形退治を生業としていたんだ!!まぁ七夜とは違う形で異形を退治していたと思ってくれたらいいよ!!」

波旬「次はアルトリアちゃん!!彼女は型月の世界の青セイバーを正史だとすると外史に当たる世界から呼び出されたサーヴァントになるよ!!だから第一話じゃ女性と表現されていたんだね!!青セイバーだったら少女と表現するだろうから!!外見は青セイバーがオルタになって大体二十代後半くらいになってる姿を想像してくれたらいいよ!!つまりは背が伸びて胸とかがきちんと成長している姿だね!!」

波旬「さて!!今回の説明はこんな感じかな!!次の更新が何時になるのか分からないけど見てくれるなら波旬お兄さんは嬉しいな!!」

波旬「それじゃ!!また会う日まで……せぇの!!生きてるだけで最高さ!!」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。