ジャンヌゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!(挨拶)
コメントでのアタランテへの風評被害に大草原不可避。
ゴメンねアタランテ!!でもアーチャーなのに弓矢しか使っていない君が悪いんだよ!!
あ、後その獣耳を噛ませてください(迫真)
レインヴェルがジャンヌダルク・オルタの居城から脱出した翌日、黒野たちは竜の魔女として蘇ったジャンヌダルクではなくルーラーとしてこの時代に召喚されたジャンヌダルクと共に近くにあった街にやって来ていた。その目的は情報収集をする為である。
だが、それは叶う事は無かった。
「これは……」
「酷いな……」
「ウゥッ……」
街は既に壊滅していた。火に焼かれたのか煤だらけで崩壊している廃墟と化した街並み。瓦礫の下にはまだ死体が残っているのか強い腐臭が感じられる。黒野とマシュは冬木の特異点でこれ以上の光景を目の当たりにしていてある程度の耐性はあった。しかし魔術師として育てられたとはいえこれ程までに濃密な死に触れた事の無かった美冬は顔を青くして口を押さえる。
「おぅマスター、無理せず吐いちまいな。下手に堪えると折れちまうぞ」
「ごめ……うぇ……」
霊体化を解いたクー・フーリンが美冬の背中をさすると美冬は堪えられなくなったのか膝をついて胃液と少し前に食べた朝食を吐き出した。黒野はそんな美冬の姿を見て内心羨ましく思った。黒野がこれ以上の死の光景に立ち会った時には直ぐに敵が現れて対処に追われた為に彼女の様に吐く暇すら与えられなかった。そしてそのまま慣れてしまった事に少しの劣等感を感じる。
「ーーー来るぞマスター、備えよ」
小次郎が霊体化を解き、武器である物干し竿を構えるのと同時に瓦礫の下にいたはずの死体が動き出した。特異点という異常な場所で死体となった為か、キチンと処理の行われていない死体がこうしてゾンビとなって生者を襲うのだ。
ただの人間からすれば脅威としか言えないゾンビたちだがここにいるのは英雄たち。小次郎に続く様に霊体化を解き、戦闘態勢に入ったマシュ、ジャンヌ、小次郎、エミヤの敵では無い。マシュが盾を、ジャンヌが旗の付けられた槍を、小次郎が物干し竿を、エミヤが白と黒の夫婦剣を振るいゾンビたちを瞬く間に元の死体に還していく。数十秒後には腐った死体が広場に転がっているという猟奇的な光景が広がっていた。
「……これ以上この場に留まる意味は無いな。別の街にへと移動する事を提案するが」
エミヤが夫婦剣を消してこれからの行動を提案する。確かにこれ以上この場に留まっていても意味は無い。彼の言う通りに別の街に移動した方が良い事は明白だったが意外な事にそれに待ったをかけたのはジャンヌだった。
「お待ちください。私の【啓示】のスキルがこの場に留まる様に告げているのですが……」
ジャンヌダルクはルーラーとして召喚されたものの、他のサーヴァントの真名を即座に看破する【真名看破】やルーラーの権限で他のサーヴァントの行動を制限する【神明裁決】などのルーラーとして使えるスキルが使えないという事態に陥っていた。その中でも唯一ジャンヌが使えるのが彼女の生前の信仰の強さから派生した【啓示】のスキル。戦闘のみに作用する【直感】のスキルの上位互換である天啓としか思えぬ啓示を聞く事であらゆる事象に対して最善を選ぶジャンヌのスキルがこの廃墟に留まるように告げているのだ。
「本当…ですか…?」
吐くものを吐いて多少楽になったのか、美冬がクー・フーリンに支えられながらジャンヌに尋ねた。美冬本人としては早くこの街から離れたいのだが啓示のスキルが留まれというならそれに従うべきだ。事実、ジャンヌは啓示に従い行動した事で黒野たちと出会う事が出来たから。
だが、それでもジャンヌの反応はよくは無い。まるで初めての経験でもしたかの様に戸惑いながら、啓示の続きを口にした。
「確かに啓示のスキルはこの街に留まる様に告げています。ですけどそれと同じくらいにこの街から離れる様にも告げているのです」
「何?」
「ふむ、それはなんとも珍妙な」
啓示のスキルがこの街に留まれと指示しながらこの街から離れる様に告げている。確かにそれは戸惑うだろう、右に行けという指示と左に行けという指示を同時にされているのと同じ事だから。だからジャンヌは戸惑っていたのだ。この街に留まるべきか、否か。
そしてどうするかを考えていると後者の啓示ーーーこの街から離れろという意味を知る事になる。
不意に暗くなる。天気は快晴で、雲は殆ど無かったはずなのにだ。不審に思い、上を見上げればーーーそこには絶望があった。
空を飛び交っているのは数え切れぬ程の大量のワイバーンの群れ。その程度ならサーヴァントならば乗り切れる困難でしか無いがその中央に絶望は鎮座していた。太陽を覆い隠す程の巨体、鈍く輝く漆黒の鱗、一息一息の生物としての当たり前の呼吸で尋常ならぬ量の魔力が精製される。
邪竜ファヴニール。最上位の幻想種がここに降臨した。
その邪竜の背中には五つの人影が見える。目に光を宿していない男装美少女、喪服を思わせる黒い貴人服の男、杖を持った女、仮面で顔を隠した女、ーーーそして、この場にいるジャンヌダルクと同じ格好、同じ顔をした女がいた。唯一違う点を挙げるとするなら、ジャンヌダルクは優しい目をしていたがその女は全てを蔑む様な目をして、黄土色のコートを着ている事。
ジャンヌダルク・オルタ、この特異点の聖杯に召喚された竜の魔女が現れた。
「ーーー何て、事、まさかこんな事が起こるだなんて。ねぇ、お願い、誰か私の頭に水をかけて頂戴。まずいの、やばいの、本気で可笑しくなりそうなの」
誰もが信じられない顔をしている。ジャンヌダルクがここに二人いる。それも聖処女としての側面に反する存在として。
「ーーー貴女は、貴女は誰ですか!?」
「あははは!!そこまで頭が回らないだなんて本当に滑稽ね!!ーーー見ていて哀れになるくらいに」
まるで鏡に話し掛けているかの光景。ジャンヌダルクが問いかけ、ジャンヌダルク・オルタがそれを嘲笑う。
「私はジャンヌダルク・オルタ。蘇った救国の聖女にして、この国を滅ぼす復讐の魔女よ、
属性の変転、それは珍しいことではない。黒野たちはその前例を目にしている。冬木の特異点で大聖杯を守護していたアルトリアーーーブリテンの騎士王アーサー王。彼女もまた、属性を変転させて召喚されていたのだから。
しかし、この属性の変転は認められなかった。救国の為に立ち上がったジャンヌダルクが、救ったこの国に復讐しようとしているなどーーー
「だけど、今は復讐は一旦お休みしているの」
「ーーーへ?」
「ねぇ、ここにいる誰でもいいわ。レインーーーレインヴェル・イザヨイっていう人間を知らないかしら?」
「ーーーはぁ?」
「何やってるのよあのキチガイ……」
疑問の声を挙げたのは黒野だった。レイシフトの転移で姿が見えないかと思えば変転したジャンヌダルクが探している。黒野は内心で考えていた事を美冬は口にしていた。
「へぇ、そこのネズミ達は彼の事を知っているみたいね?教えてくれないかしら?そうしたらーーー見逃してあげても良いわよ?」
ジャンヌダルク・オルタが二人を睨みつけーーーその視線にメディアが割って入った。手を掲げて展開した魔法陣でジャンヌダルク・オルタの視線で発生した呪いを
「あら、なかなか物騒なことをしてくれるわね。睨んだだけでこれだけの呪いを発言させるだなんて」
「私としては普通に見ただけなのですけど……まぁ良いわ、さっさと教えなさい。彼がどこに居るのかを」
「……彼の事は知っているけど、今どこにいるのかは分からない」
魔法陣越しに感じられるジャンヌダルク・オルタの威圧に耐えながら黒野は正直に言った。この特異点に来た時からレインヴェルの行動を把握出来ていないのだ。その言葉に嘘偽りは無い。
それを聞いたジャンヌダルク・オルタは二人から興味を無くす。感じられていた威圧が薄れて身体を弛緩させる黒野と美冬だがーーー
「バーサーク・ランサー、バーサーク・アサシン、ここにいる奴らを始末しなさい」
ーーーまるで後片付けを頼む様な気軽さで出された殺害命令に再び身体を硬直させた。ジャンヌダルク・オルタの指示を受けたランサーとアサシンーーーヴラド三世とカーミラがファヴニールから飛び降り、着地する。二騎から放たれる殺意と濃密な血の匂いを感じ取り、サーヴァントたちが臨戦態勢に入る。
そして一触即発、どちらが火蓋を落とすかの緊張が高まったところでーーー
「ーーーヒャッハァァァァァァ!!!!最近キチれて無かったから盛大にキチるぜぇ……!!!!取り敢えず根暗領主様とSMババア!!!!てめぇら松永弾正ってどうぞ!!!!」
「ーーー私としてもレインヴェルが殺されかけた事で気が立っているから加減無しでカリバーさせてもらうぞ」
白煙の尾を引きながらヴラド三世とカーミラに向かうのは複数の鉄の塊。それらは二騎の目の前の地面に落ちるとーーー盛大に爆発した。その爆発と同時に、上空にいたファヴニールが黒い閃光に飲み込まれる。
何事かと爆弾と閃光が放たれた方向を見ると今にも崩れ落ちそうな廃墟の上にその下手人はいた。上半身が裸で脇腹に包帯の様なものを巻き付けたレインヴェルは黒い筒ーーーRPGの銃身を肩で担ぎながら高笑いし、アルトリアは未だに息吹を放っている闇落ちした聖剣を振り切った状態で上空にいたファヴニールに向かって中指を立てている。
そしてこの場にいるカルデアのメンバーたちは前者の啓示ーーーこの街に留まれという意味を知った。
キチガイダイナミックエントリー。最近キチれて無かった感があるから取り敢えず開幕で松永弾正させることでキチガイレベルを誇示しました。
邪ンヌ様はフランスへの復讐よりもレインヴェルにご執着な模様。ジルはただいま居城にてレインヴェルに手を出した事が邪ンヌにバレてSMババアの拷問フルコースを受けて死んでいます。