IKUSABA育ちのIKUSABA人   作:鎌鼬

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出オチ注意


第27話

 

 

「ーーークリスティィィィィィィィィイヌ!!!」

 

「領主様、宝具」

 

「承知した」

 

 

リオンの町に到着したレインヴェルたちを待ち受けていたのは半面の仮面を着け、片手を異形のそれに変えた痩躯の男性だった。

 

 

開幕から早々にクリスティーヌという女性の名前を叫んだことからレインヴェルはキチガイ判定を下し、ヴラド三世に宝具の使用を命じる。もちろんマリーアントワネットやモーツアルトのようにマスターのいないサーヴァントだった可能性はあったのだか狂化してるだろうというレインヴェルの偏見でジャンヌダルク・オルタが召喚したバーサークサーヴァントだと判断したので躊躇いは無かった。

 

 

その結果、男性は四方八方から槍に串刺しにされて消滅した。登場から僅か十数秒である。

 

 

「着いて早々にキチガイに出会うか……幸先が良いな」

 

「あれがジークフリートでない事を祈るばかりだな」

 

「いや、キチガイに出会うのが幸運なのか?あれがジークフリートならば余は自害するぞ」

 

 

元々持っていたのか、それとも男性がそれに変わったのか分からないが消滅した場に残っていた聖晶石を拾い上げてレインヴェルは生き生きと、アルトリアはしみじみと、ヴラド三世は心底疲れた顔をしながらそう呟いた。自分の同類と出会えてレインヴェルは嬉しいのだろうがヴラド三世からしてみればこれ以上増えて欲しく無いのだろう。

 

 

「んじゃ探索するか。もしかしたら隠れてるかもしれないから散開して調べよう。後、生存者がいたら積極的に助ける方向で。マリーは周囲の索敵を頼む」

 

『任せて頂戴』

 

「分かった」

 

「承知した……ワインは無いか……」

 

 

オルガマリーとアルトリアは素直に承知したがヴラド三世は承知しながらもアルコールに逃げようとしているらしい。流石に生前の配下にレインヴェルのようなキチガイは存在しなかったらしく耐性ゼロのようだ。

 

 

「黒野んと美冬ちゃんたちはどうだ?」

 

『さっきバーサークライダーになったマルタとの戦闘を終えたわ……クー・フーリンが死んだけど』

 

「クー・フーリンが死んだ!?」

 

 

探索しながらオルガマリーに黒野たちの現状を聞いたレインヴェルだったがその一言で驚かされる事になる。何せクー・フーリンといえばケルト最強の戦士の一角に挙げられてもおかしく無い大英雄。冬木で出会ったキャスターのクラスではなく、ゲイボルクを持ったランサーのクラスとして召喚されたのなら制限など無いはずなのにだ。

 

 

「確か時間置いたら復活するんだっけか?」

 

『そうよ。大体半日あれば霊基を復元出来るわ』

 

 

まずはじめに心配するのは戦力の補充についてだ。非情だと思われるかもしれないがこればかりは仕方の無い。何せカルデアは追い詰められている。人類焼却を免れたが外からの人材、物資の補給が出来ない。物資ならばレイシフトした特異点から幾らか調達出来るが人材を補給する事は出来ない。

 

 

それにサーヴァントを召喚するのもタダでは無い。聖晶石、或いはその代わりとなる呼符と呼ばれる物が無ければ召喚出来ないのだ。なので呼び出したサーヴァントが死んでも補給が効くようにカルデアでは召喚したサーヴァントの霊基を保存し、死んだらそれを元に復元するという手段を取っている。非人道的行いだと非難されるかもしれないがサーヴァントたちはこれに文句を言う事なく了解してくれた。

 

 

何せ人類の存続が掛かった作戦なのだ。人類焼却を防ぐ為に召喚に応じたと言うのに死んだからといってそこで終わりというのは納得がいかないのだろう。

 

 

それに、実を言ったらクー・フーリンが死ぬのは初めてでは無い。オルレアンへのレイシフトの準備期間中にエミヤとの模擬戦で数回死に、小次郎との模擬戦で数回死に、アルトリアが独占していた酒と食料に手を出して数回死に、アルトリアの暇潰しのカリバーで数十回死んでいる。死にすぎである。ちなみにまだ死んでいないのはメディアとアルトリアだけで、エミヤと小次郎も数回死んでいる。クー・フーリンの死亡回数はもうじき3桁になるとカウントしていた女性スタッフは楽しそうに語っていた。

 

 

だからレインヴェルが驚いたのはクー・フーリンが死んだ事ではなく、クー・フーリンが殺された事だった。

 

 

『戦闘を始めた頃は押していたのだけどクー・フーリンがマルタの使っていた杖を壊した瞬間……ワンパンで殴り殺されたわ。正直訳がわからないわよ……なんで武器が無くなった方が強いのよ……』

 

「倒せたのか?」

 

『小次郎が頑張ってくれたわ。マルタが鎮めたというタラスクが呼び出されたけど燕に比べたら容易いとか言って燕返しで三枚下ろし。でもマルタもやられてばかりじゃなくて拳で燕返しを迎撃してたわね。最後には燕の舞とか言って3人に増えてからの三方向燕返しで倒したけど』

 

「何それめちゃくちゃ見たい」

 

『録画してあるからいつでも見れるわよ……それよりレインヴェル、サーヴァントを召喚したらどうかしら?』

 

 

今レインヴェルの手持ちにはリオンキチガイとバーサークアーチャーだったアタランテを倒した事で得た聖晶石が3つある。それは丁度召喚の為に必要な個数で、一度だけ召喚をする事は出来た。

 

 

『セイバーのアルトリアと元バーサークランサーだったヴラド三世がいるけど哨戒役が出来るサーヴァントが居ないじゃない。レインヴェルならそれも出来ると思うけど、負担が大きくなってしまうから……』

 

 

レインヴェル1人で哨戒役をこなそうと思えば出来るがそれではレインヴェルの負担が大きくなってしまう。レインヴェルのサポートをしていて、付き合いの長いオルガマリーだから純粋にレインヴェルの事を心配して召喚を促していた。

 

 

「……確かに、アーチャーかアサシンは欲しいな。よし、召喚(ガチャ)するか」

 

 

断る理由は無いとレインヴェルは拓けた場所を見つけ、ポケットにしまっていた聖晶石を取り出す。手のひらで虹色に光り輝く3つの聖晶石を見て、レインヴェルは思わず握り締めてしまう。

 

 

「頼むぞ当たれよ……課金はもう嫌なんだ……!!」

 

『ソシャゲと一緒にするんじゃ無いわよ……いや、確かにソシャゲのガチャみたいなものだけど……』

 

 

課金兵の業は深い。ガチャは悪い文明。どちらも古事記に書いてある事だ。

 

 

何に対してか分からない祈りの踊りを終えたレインヴェルは手にした聖晶石を地面に投げる。

 

 

投げられた聖晶石が地面に落ちて強い光を放った。それと同時に吹き荒れる魔力の本流。浮かび上がる3つのライン。この時点でサーヴァントの召喚は決定された。後はなんのクラスが召喚されるかだ。

 

 

そして3つのラインが収束しーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーある時、気づいた時から不快だった」

 

 

それは召喚された。

 

 





ファントムさん登場と同時に退場。よし、クリスティーヌキチが脱落したぞ!!後はマリーキチとアーサーキチとジャンヌキチだけだ!!

槍ニキひっそりと敗北。スデゴロ最強のマルタネキが相手だからしゃーないね。なお、小次郎は勝てた模様。

最後に召喚されたサーヴァントを予想してみよう!!一体誰が召喚されたんだ……?

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