アイツが登場!→初めての敗北……
以上!
僕がNくんに負けた日の夜、僕は今後の課題を出していた……
一つ目は「知識」……せめて、どんな技があるのか、この技は相手にとって有効なのか、それぐらいの最低限の知識が、今の僕には必要だった
二つ目は「判断力」……ポケモンの引き際や技を撃つタイミング、距離のとり方……そういった、勝つための判断力も、僕には必要です
しかし、これらは一朝一夕で身につくものではないことを、僕は理解している……でも
「……モノズやプルリルを、無駄に傷つけないように」
ポケモンバトルでポケモンが傷つくのは当たり前───それじゃあゲーチスさんが言ったことは、全て正しくなってしまいます、ポケモンをこき使っているだけ、トレーナーは安全なところで命令するだけ……
「……そんなの、絶対おかしいです……」
僕、は仲間と対等な関係でいたい、友達でいたい、信頼し合えるパートナーでいたい!
「……僕にできるでしょうか」
「……モノ?」
すると、先ほどまで寝ていたはずのモノズが、ゆっくりと起き上がり、僕に近づいた
「あ、モノズ……起こしてしまいましたか?」
「……モノモノ」フルフル
こうやって気が使えるところは、なんだか人間みたいですね……
「モノズ、僕、頑張りますから」
「……」
「君たちを傷つけさせないように、頑張りますから」
「……モノ」カプ
「っ!?あ……なんだ、甘噛みでしたか……」
こんな夜中に大声は出せないと、痛みに耐える準備をした僕が恥ずかしいです……
モノズが甘噛みするときは、僕を慰めてくれているとき……だと、僕が勝手に想像している
「……ありがとうございます、モノズ、なんだか元気になりました」ナデナデ
「モ、モノ……」
僕がお礼を込めて、頭を撫でると、モノズは急にモジモジし始めました
そういえば……モノズのことを僕から触ったこと、あまり無かったですね……頭を撫でるのだって、今のが初めてかもしれません……
「あ、もしかして嫌でしたか……?」
「!?モノ!モノ!」ブンブン
え、えぇと、嫌ではないんですね?じゃあ、いっか……
「モノ~……♪」
いつになく上機嫌なモノズ、やっぱりスキンシップって大事なんですね……
「かわいいですね、モノズ……」
「モ、モノ……///」カァ
僕とモノズは、モノズが眠るまで、このようにして夜を過ごして───
「プルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプル……」
───いるわけにもいかなそうですね……
「プル……」
「っ!?モ、モノ!」ササッ
……モノズ、僕の後ろに隠れるのやめてください、他のときはいいですから、今はやめてください!
プルリルの周りには、何故か黒い炎のようなものが……おかしいですね、プルリルは水タイプのはずなのになぁ~HAHAHA!……モノズ、僕を前に押し出すのは本当にやめてください
「プル~……プル……!」
何言ってるか解りませんが、怒ってるんですよね?僕に?モノズに?それとも両方?……あ!
「ご、ごめんなさいプルリル!少し五月蝿かったですね!起こしてしまったことは謝りますから───」
「プルゥゥゥゥゥゥウ!!!」
「ミギャー!!!!」
───深夜2時……僕の叫び声が、ポケモンセンター全体に響いた瞬間でした……
「……ヤナくん?どうしてポケモンセンターに泊まってボロボロになるのかしら?」
「……すみませんでした」
奇跡的に、僕の声で目を覚ます人はいなかったようです、朝、僕が朝食を食べているところにジョーイさんが心底驚いた顔で、僕に話しかけてきたのです
「まったくもう、君みたいな子は前代未聞よ!」
「いや、ほんと、耳が痛いです……」
結局のところ、僕はプルリルに何かしらの攻撃をされて、そのまま気絶してしまったらしい……モノズが無傷なのが非常に気になりますが……
「ハァ……そんな様子でサンヨウシティまで行けるのかしら……」
「サンヨウシティといいますと、確かジムがありましたよね?」
「あら、君もポケモンリーグを目指してるのかしら?」
ポケモンリーグ……?僕はただ、旅の一環でついでに寄ってみようかなぁ、という程度にしか考えてなかったのですが……
「まぁ、大抵のトレーナーさんはそこは目指しますからね、君も頑張ってね!」
「は、はぁ……ありがとうございます」
ポケモンリーグ……Nくんも、それに出るのでしょうか……
「ヤナったら!ヤナァ!」
ここは二番道路……カラクサタウンとサンヨウシティとを繋ぐ道路で、僕たちはそのサンヨウシティのすぐ目の前まで来ました……
「あ!ベルさん!もう追いついたんですか!?」
とは言うものの、カラクサタウンで二日も宿泊していればそりゃ追い付かれますよね……
「ヤナったらちょっと遅すぎなんじゃない?そんなことじゃトウコやチェレンに負けちゃうよ?」
何をもって勝ちなのか負けなのかはわかりませんが、少しゆっくり過ぎましたかね……
僕とベルさんは、並んでサンヨウシティに向かいました
「……ねぇヤナ、私たちって、お父さんたちにとって何なんだろう」
「……どうしてそんなことを聞くんですか?」
ベルさんが、何の脈絡もなく、僕に切り出した
お父さんたち……ベルさん、おじさんと何かあったのでしょうか……
「だってお父さん!私が旅に出るの、最後までずぅぅっとダメって言ってたんだよ!?私のこと、なにも考えてくれてない!そうやって言うと、私のことを「わがまま」っていうんだよ!」
……う~ん、これはちょっと難しい問題ですね……
どんな親……というと語弊があるかもしれませんが、多くの親は、自分の子供を大切に思っているはずです……
しかし、今のベルさんにそれを言ったところで、どうなるのでしょうか……「ヤナはなにも分かってない!」と一蹴りされておしまいです……僕たちは、何も知らない……
「……ベルさん、そういう答えを探すのも、旅の目的の一つじゃないんですか?」
「え?」
「自分の知らないものを見て、自分の知らないこと知って、そうやって、人として成長していっていろいろなことに答えを出す……そういうのも、旅の目的なんじゃないですか?」
結局、僕は答えることができませんでした……彼女の納得のいく、正しい答えを導き出すことのできなかった僕は、こうやってお茶を濁すしかなかったのです……
「自分で……うん!わかった!ヤナ、ありがと!」
ベルさんの笑顔が、このときはとても苦く感じた……
遠目にポケモンセンターが見える……僕たちは、サンヨウシティに到着した……
第十回終了です!
自分の子供が家を出る……親としては、身を切るような思いでしょうね……
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!
※プルリルの技の変更
みずでっぽう→ナイトヘッド
まさか[みずあそび]と[みずでっぽう]を間違えるとは……!