やってきたのはBW!   作:エレンシア

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前科のあらすじ!

ここはどこ?僕は夜奈?

以上!


第十六回~さまざまなけつべつ~

違和感に気付いたのはいつだっただろうか……

もしかして、僕は始めから知っていたのかもしれない……

 

「真琴さん、僕はいつになったら退院できるんですか?」

 

「……まだかかるってお医者さんは言ってたわよ?」

 

しかし、そのお医者さんが、僕の前に現れることはなかった……

僕が目を覚ましてから、もう5日になる……その間、僕は真琴さん以外の人会っていない、母親も、父親も、妹も、弟も、友人も、担任も、誰も……

 

「真琴さん、少し外に出たいのですが」

 

「……体に障るからダメってお医者さんは言ってたわよ?」

 

やはり、そのお医者さんが、僕の前に現れることはなかった……

僕がここに入院してから、もう5日になる……その間、僕はこの部屋から出ることを禁じられていた……

 

「……真琴さん、もういいんじゃないですか?」

 

「……なにが?意味わかんないよ?」

 

「……そうですか?」

 

僕は、自分の足を思いっきり殴る……

 

「な!?なにしてるのよアンタ!?」

 

「……どうしてでしょうね、僕はこんなに真剣なのに……」

 

……痛みはなかった……なにも感じられなかった……

 

「真琴さん、ここは……」

 

「ダメ!!言わないで!!まだ終わりたくないの!!!」

 

やっぱり……そうなんですね?

 

「僕は─────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  夢を見ているんですね?」

 

「…………」

 

無言の肯定……僕は、夢の中で、真琴さんと再会したんですね……

 

「なんで……なんで気付いちゃうのよ……私が、私がどれだけアンタと一緒に居たいかわかる!?」

 

「……少なくとも、僕を騙してでも、一緒に居たかったってことは分かりましたよ……」

 

僕だって、死んだことが夢ならば、どんなに良かったことでしょう……あの似非神様に、命の炎を吹き消されることなく、今まで通り鬼ごっこができれば、どんなによかったでしょうか……でも、

 

「僕は……死んだんです、死んでしまったんです、もう、ここには居られないんです……」

 

死んだ人間は……生き返らないんです、どんなに願っても、どんな奇跡でも……

 

「違う!死んでない!だって、こうして!私の目の前で……!!」ポロポロ

 

真琴さんは、そう言って、僕を抱き寄せる……体は痛くない、痛いのは……心、僕の魂……

 

「ごめんなさい、真琴さん、ごめんなさい」

 

勝手に死んじゃって……ごめんなさい……

 

「……っ!?許すわけないでしょ……!?バカァ……」ポロポロ

 

泣いている、真琴さんは泣いている……僕は?

 

「許してくれないと、死んでも死に切れませんね……」

 

笑っている、僕は笑っている……なぜ?

 

「バカァ……夜奈のバカァ……!」

 

「……そろそろ、時間のようですね」

 

僕の体が、意識が、薄くなっていくのを感じる……この感覚は以前にも感じたことがありますね……

 

「いやぁ……!まって!行かないで!」ポロポロ

 

行かないで……そういえば、あの時も言ってましたね、毎度毎度、無茶を言う人ですよ……

 

「無茶を言わないでください……ほら、笑いましょう?笑顔ですよ、笑顔」

 

「……アンタはなんで笑えるのよ……」ポロポロ

 

笑っている、僕は笑っている……当たり前です

 

「真琴さんに、会えたからですよ?」

 

「……え……?」

 

「ずっと会いたかった、会って、ちゃんとお別れしたかった、さようならって、僕のこと忘れないでって」

 

「……また、会える?」

 

……本当に、あいかわらず、無茶な人ですよ、貴女は……

 

「次に会うときは来世でしょうね……真琴さんは、僕のこと覚えていられますか?」

 

「当たり前でしょ!!絶対に忘れてあげないんだから!!!」

 

こ、怖いですね……さすがに忘れましょうよ、そこは……

そうこうしているうちに、残された時間が……終わる

 

「……それじゃあ、真琴さん、さよならです」

 

「さよならはなんか嫌だわ……また会いましょう」

 

会ったら会ったで問題ですよ?

 

「……でも、その方が、また会えた方がいいですね」

 

僕は消える、この世界から消える、この世界を残して消える、跡形もなく……消える

僕は最後の言葉を、後に残るこの世界に、僕がいた事実を残す……

 

 

 

「「また、会いましょう!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………あぁ……

 

「ん……っく……!」

 

「あ!ヤナァ!」

 

ここは……あ、まだゆめのあとちにいますね……

 

「ベルさん……どれくらい時間が経ちましたか?」

 

「え……?えぇと、さっきの怖い人たちが、夢?を見て、すっごく慌てて帰っちゃってからだから、だいたい30分ぐらいだよ?」

 

30分……はは、向こうでは5日経っていたのに、こっちではたったの30分……

 

「モノ!モノモノ!!」

 

「プル~!」

 

「モノズ!プルリル!」

 

あぁ!久しぶりですね!本当にそう感じますよ!

うれしい気持ちでいっぱいですが、とりあえず状況を整理しましょうか……

 

「とりあえずベルさん、あいつらは逃げたんですね?」

 

「う、うん……たぶん……」

 

たぶん……というのは、おそらく再び来るであろうことへの恐れ、恐怖……でもまぁ

 

「もう来ないと思いますよ?」

 

「ほ、ほんと!?」

 

どんな夢を見たかは知りませんが、慌てて帰ったということは、よっぽどインパクトがあったんでしょう……

 

「それと、先ほどのムンナは?」

 

「あ、それなら……」

 

そういって、カバンからボールを出す……って!

 

「……ムゥ?」

 

「捕まえたんですか!?ちゃっかりしてますね!」

 

「だ、だってぇ!キズぐすり使ってあげたかったんだもん!」

 

……まぁ、いっか……誰も死なずにすんだんですから……

 

「で、僕に夢を見せたのは、君ですか?」

 

「……ムゥ」

 

肯定……ですね、この反応は……

ゆめのけむりが僕にも影響したのか、それとも、僕とあいつらとは、また違った種類のものなのか、それは定かではありませんが……

 

「どうしてですか?どうして、僕にあの夢を見せたのですか?」

 

「……ムゥ」

 

ムンナが僕に頬擦りをする……これは……

 

「……僕のため……ですか?」

 

「ムゥ……♪」

 

……確かに、あの夢のおかげで、僕は真琴さんと会うことができました……、しっかりと別れを告げることができました……

 

「……ありがとうございます、ムンナ」

 

「ムゥ……♪」

 

ほんとうに、いいゆめ見させてもらいましたよ……

僕とベルさんは、ジョーイさんにこのことを報告するため、ポケモンセンターへと向かった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「モノズ、プルリル、準備はできましたか?」

 

「モノ……」

 

「プル~」

 

僕は次の町、シッポウシティに向かうため、宿を後にし、最後にデントさんに会うことにした……バッジも貰ってないですからね

 

「おかえりなさいませ!ご主人様!」

 

……やっぱり、こうなっちゃうんですね……

 

「……デントさんいますか?」

 

「あぁ……デントさんは今はちょっと~……」

 

今は……?忙しいということでしょうか……

 

 

 

 

 

 

『君たちいい加減にしなよ!?毎日毎日、どうすんのさ!この大量のエロ本!』

 

『エ、エロ本じゃなくて同人誌だよ!別にいいでしょ!?僕だって男なんだから!」

 

『いいわけないだろ!?なんで店の厨房にエロ本があるのさ!?君のせいで3人やめていってるんだよ!?』

 

『で、でも違う2人が入ったんだからいいじゃないか!』

 

『コーン、君は足し引きもできないのか!?』

 

 

 

……えぇと……

 

「い、忙しそうですね……」

 

「ごめんなさい……なにか食べてく?」

 

「……きのこのパスタってあります?」

 

こうして僕は、厨房が大人しくなるまで、ゆっくりパスタを食べていた……

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや、ごめんね?待たせてしまったようで……」

 

「いえ、デントさん……きっといいことありますから」

 

僕がパスタを食べ終えてから5分後、厨房に料理によって生じた煙とは明らかに違う煙と、あからさまな爆発音のあと、涼しい顔でデントさんは僕のいるテーブルに来た

 

「昨日は渡しそびれたからね、はいこれがジムバッジだ」

 

「……ありがとうございます」

 

成り行きで手に入れたバッジ……みんなのおかげで手に入れたバッジ……

 

「大切にします……」

 

「そうしてもらえると、僕もうれしいな」

 

僕とデントさんはしばらく雑談し、仕事があるからと言って厨房に戻っていった……僕も、この店を出ることにした

シッポウシティには、なにがあるのかな?どんな人がいるのかな?今からドキドキが止まらなかった……

 

 




第十六回終了です!

今回はいくつかの別れがありましたね、出会いもあれば別れもある、旅はいいですよね……
それにしても、すでに十六話なのにまだサンヨウシティって、もしかしてのんびりしすぎですかね……

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!
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