モグリューGETです!
以上!
「モグリュー、[あなをほる]!」
「モグ!!」
先ほどの出入り口に戻った僕たちは、此処から脱出するためにモグリューに指示を出す……モグリューの作った穴は、大人でも屈めば通れる程度には大きく、僕たちには十分な大きさだった
僕はモグリューの作ったトンネルを進みながら、二つのことについて考えていた……
一つ目は当然、プラズマ団のこと……結局、彼らはどこに行ったのか……まぁさっきのギガイアスに追い払われたと考えるのが妥当なのだけど、もしかしたら、他に理由が……?
二つ目は……チェレンくんのこと……僕も、二番道路を通る際に多くのトレーナーの方とバトルをしたが、なにも、無理矢理バトルをするということはなかった、お互いに了承し合い初めてバトルする……なのにチェレンくんは、僕の了承どころか断っていたにも関わらず無理矢理バトルをしようとした……一体何が、彼をそこまでさせるのでしょうか……
「……夢、でしょうか……」
夢……チェレンくんの夢はポケモンチャンピオンになること、もしかして、「強くなる」ということが先行しすぎて周りが見えてないのかな……?
それじゃあ、どうしてプラズマ団を追いかけたのだろう……女の子のため?それとも……自分が強くなるため?自分の夢のため……?
「……夢……」
「モノ……?」
僕が一人でブツブツ言っていると、モノズが心配した様子でこちらを見ていることに気付いた
「モノズ……モノズには、夢ってありますか?」
「……ノ?」
いや、あの、いつ以来かは定かではありませんが、その「……は?」見たいな目で僕を見るの止めてくれませんか?
「モノズだって、なにか目的があるから僕について来てくれてるんじゃないんですか?」
「……モノ」
……そのさ、「ダメだコイツ……」って反応、本当に堪えるのでやめてくれませんか?
結局、僕はなにも解決できないまま、出口へと到達するであった……
「ヤナ!よかった無事だったのか!」
「ヤナぁ……!よかったよぉ!」
……出るや否や、チェレンくんとベルさんが僕を歓迎する、ベルさん、抱きつかないでください、後鼻水拭いて……
よく見ると、二人の体は泥だらけ、手は赤くなり、血のような物まで確認できた……
「……二人とも、その手は?」
「「…………」」
黙ってたら分からない……そこまで落ちぶれちゃいませんよ、二人は僕を助けようとしてくれていた、なりふり構わず、素手で掘っていたのだ……
「……ありがとうございます、でも……もうこんなことは止めてください」
「……うん、わかってるよ」
「ヤナが無事なら、私はそれでいいよ!」
僕の意図を察してくれた二人は、反発することなく受け入れてくれた、それが堪らなくうれしかったり……前世では、僕の話をちゃんと聴いてくれる人、いませんでしたからね……
「……それじゃあ僕はもう行くよ、ヤナ、次会ったら今度こそバトルだからね?」
血の気が多いなぁチェレンくんは、別にいいですけど……
「まぁ、また機会があれば……」
「あ!私ももう行くね!トウコを待たせるわけにも行かないし!」
ベルさん……トウコさんには、気をつけてくださいね……
「……御命運を、ベルさん」
「?うん、ありがと!」
二人はそれぞれ、向かうべき場所へと向かったのであった……
「……ここが、シッポウシティ……」
「モノ……」
どこかのどかで、それでいて落ち着きのある……そういった感じを与える街だった……
「どこに行きましょうか……」
「モノ?」
確か、ここは博物館と図書館が有名だと聴いたんですが……
「……まぁ、とりあえず行ってみるのが一番ですよね!」
「……モノ」
はいはい、文句言わずについてきてくださーい!
「……って、目の前でしたね……」
こんなにすぐについてしまうとは……こう、街を眺めながらブラブラしたかったのに……
「……ついてしまったものは仕方ありません、行きましょう」
「モノ…………モノ!?」
?どうしたんです─────!?
「───やぁ、いい天気だね」
博物館から出てきたのは、前と同じ若緑の長髪、目元が隠れるほど帽子をかぶった少年───
「───N……さん……」
ポケモンの言葉を理解できる少年、Nだった
「どうして、ここに……?」
「ボクは・・・・・ダレにもみえないものがみたいんだ、ボールの中のポケモンたちの理想、トレーナーという在り方の真実、そしてポケモンが完全となった未来……キミもみたいだろう?」
前と同じ、早口でそう捲くし立て僕に問いを投げかける……
「誰にも見えないもの……そうですね、モノズの、僕の仲間の言葉が分かればいいなぁ、とは最近よく思いますね」
「……そうかい、ではボクとボクのトモダチで、未来をみることができるかキミで確かめさせてもらうよ」
確かめる……?未来を見る……?今までとは違う単語の数々、それらを理解する間もなく、Nさんはポケモンバトルの体勢をとる……!
「がんばって、ボクの友達!マメパト!」
「クルッポー!」
「!?っく!?モノズ!お願いします!」
「モ、モノ……!」
以前は負けた……大敗だった……でも、今度は!
「負けられません!モノズ、[ずつき]!」
「モノ……!」
「マメパト!飛んで回避!」
「クルッポー!」
モノズがマメパトに接近しようしたとたん、マメパトは空中へと体を浮かせる……
「[エアカッター]!」
「クル……ッポー!」
「バックステップしながら[りゅうのいかり]の準備です!」
「モ……ノ……!」
マメパトが作り出した風の刃が、四方八方に乱射される……モノズは自分へと向かってくるそれらだけを見切り、確実に回避していく……!
「モノズ![りゅうのいかり]!」
「モ……ノ!」
回避中にすでにチャージを終えていた[りゅうのいかり]、以前とは違い、隙を作り出すことなく打ち出されたそれは、確かにマメパトへと命中した────
「マメパト![でんこうせっか]で避けるんだ!」
「クルッポー!!」
───はずだった
「そ、そんな……」
「……ふうん、前よりは随分とまともだね、大技を撃つための隙もずっと小さくなっている……でも、鳥ポケモンに対してはスピードが足らなかったかな」
そう……本来、地に足を付けたポケモンが動ける範囲は平面のみ……つまりは前後左右、そのいずれかとなる……しかし、今回のように鳥ポケモンだったら?前後左右に加えて、上下の動きが取れる……それは回避の選択肢を広げ、より自由な動きへと繋がる……
「……モノズ、一度戻ってください」
「……モノ」
状況を理解しているモノズは、納得がいかなくてもしっかりと答え、ボールの中へと戻った……
「……頼みますよ!モグリュー!」
「モグゥ!!」
「……?モグリュー?」
元気よく登場したモグリューとは反対に、Nさんは怪訝そうな顔をした……それはきっと、モグリューというポケモンを知っているからこその反応と言えるだろう……
モグリューといえば、近距離での戦いにおいては優秀だが、遠距離においてはほとんど戦えないポケモンだ……ただでさえ飛行能力を持つマメパトに対し、遠距離攻撃のパターンが貧しいモグリューをぶつける意図……
「……マメパト![かぜおこし]!」
「クルー……ッポー!」
悩んだ挙句、Nさんはマメパトに指示をだす……
「モグリュー![あなをほる]!」
「モグモグゥ!!」
[かぜおこし]がモグリューに迫る中、モグリューは地面を掘って姿を隠す……
「……で?出てこないとお互いに何もできないんだけど?」
「言われなくても!モグリュー!出てきて[どろかけ]!」
「モォグゥ!!」
モグリューは地面を掘り進み、新たな穴を作り出しそこから飛び出てマメポトに泥をかける……
「……で?当たるどころか届いてすらないんだけど?」
「……モグリュー![あなをほる]!」
「……無意味なことを……」
再び、モグリューは穴を掘って姿を隠す、さすがにNさんも腹を立てたのか、悪態をつかずにはいられないようだった
そんなことが何回、何十回と続き、気付けば地面は穴だらけ、しかし、互いにダメージはなかった……
「……いい加減にまじめにやってくれないか?それとも、もうヤケクソかい?」
「……モグリュー!戻ってください!」
「モ、モグゥ!?」
意味が分からない、そんな顔をモグリューだけでなく、Nさんもしている……当然だ、結局モグリューは穴を開けただけなのだから……
「もう一度お願いします!モノズ!」
「モノ!」
いよいよ何がしたいのか分からなくなったNさん、先ほど引っ込めたモノズを、地に足を付けて動くモノズを、この足場の状態で再び出したのだ……
「……もういいや、所詮キミもその程度だったってことだよね……マメパト![エアカッター]!」
「モノズ!……最大パワーで[りゅうのいかり]!」
「モ、モノ!?……モノ!」
驚愕……そう表現するのが正しいモノズの反応、しかしそれでもモノズは、言われたとおり[りゅうのいかり]の準備を開始する
「モ……ノ!?」
マメパトの[エアカッター]が、モノズにヒットしていく、確かなダメージ、しかし、モノズは崩れない……
「モ……ノ……」
「……マメパト、大技が来る……回避に専念するんだ」
「クル……」
マメパトは攻撃の手を休め、回避に集中する……まだ、もう少し……
「……今!モノズ!目の前の穴に向かって、最大パワーで[りゅうのいかり]!!」
「モノォォォォォォォオ!!」
モノズの放った竜、それは地面の中へと消える……
「……はぁ、なにがしたいんだキミは……ってもう何回思っただろうね……」
「…………」
僕は答えない……答える必要がない……だって……
「……僕の……勝ちです……」
「……何を言って────」
─────ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
「……?なんの音?」
突然の地響き、そして、地面がだんだんと赤くなる……だんだんと、赤くなる……
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……ズガァァァァァァァァァアン!!!!
突然地面が、火山の噴火のように爆発する……それは極太の火柱のようになった[りゅうのいかり]、それは、凄まじい勢いで真上に伸びていく……
「クルッポー!?!?!?」
当然、その空中にいたマメパトは、回避に集中していたとはいえ、突然の爆発に対処できず、その火柱に飲み込まれる
「マメパト……!?っく……ゆっくり休んでくれ……ごめんね、マメパト……」
マメパトは確かに戦闘不能になり、モンスターボールへと戻る……
「……このための伏せんだったのかい?」
「まぁ、思いついたのはモグリューを出してからなんですけどね」
偶然、偶然にも、出したモグリューは穴が掘れた……本当にそれだけだった……
「……さぁ、次のポケモンを……」
「……いや、やめておこう……ボクの油断でマメパトを傷付けた、ボクたちではまだ未来はみえない……世界は未確定……」
Nさんはブツブツとなにかを紡ぎだす……
「今のボクのトモダチとでは、すべてのポケモンを救いだせない……、世界を変えるための数式は解けない……、ボクには力が必要だ……だれもが納得する力……」
力……それは、チェレンくんの求めるそれと同じなのか、それとも……
「……必要な力はわかっている、英雄とともにこのイッシュ地方を建国した伝説のポケモン、レシラム!ボクは英雄となりキミとトモダチになる!」
そういい残し、Nさんは立ち去ってしまった……伝説の、ポケモン……?それが、Nさんの求める力……
「彼の目的は……いったい……」
さまざまな疑問を残しつつも、僕は一度ポケモンセンターへと戻るのだった……
第十八回終了です!
今回はNさんとの戦い二回目でした、う~ん、パワーバランスなんとかしないと……
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!