チェレンくんと初バトル!
以上!
「……言い訳をさせてください」
「なんで僕まで……」
「「…………」」
僕は目の前の女性二人に懇願する、土下座すら吝かではないんですよ、えぇもうほんと
しかしアレですね、許すという選択肢はないようですね……座して死を待つよりも、死中に活を求めようではありませんか、これは誰の、どんな場面での言葉でしたっけ?
「……別に怒ってるわけじゃないわよ?」
トウコさんトウコさん、握りこぶし、結んで開いてください、結びっぱなしじゃあ歌の続きが歌えないですよ?
「……アンタ達がなにしてても別に文句はないわよ、でも…………」
あ、これはヤバイやつですね、逃げた方がいい奴ですよね?逃げたいなぁ、え?ダメ?
「なんでチェレンと同じベッドで寝てるのよ!?しかも裸で!!?」
裸というのちょっと語弊がありますよ?上だけですよ?ズボンは履いてますよ?
「……僕はちゃんと着ているんだけど?」
「チェレン、ちょっと黙ってて」
言われてチェレンくんは縮こまる……チェレンくん、もうちょっと頑張ってくださいよ、大丈夫ですよ?チェレンくんは強い人ですよ?だから僕の後ろに隠れるのやめてくれません?君はモノズですか?
「ヤナ!なんでアンタは裸なのよ!?」
「なんでって……僕はいつもそうですよ?」
夜寝るときはいつも上半身裸ですね……あれ?皆知らなかったっけ?
「…………」
先ほどから沈黙を保ち続けるベルさん、嵐の前の静けさとはよく言ったものですね、だってさ……
「……ヤナ」
ご指名ですね、困っちゃうなぁ……いやほんと
「……ねぇ、ヤナ……私ね?それなりに頑張ってきたつもりなんだよ?」
トウコさんをも上回る威圧感、昔から、怒らせたら一番怖いのはベルさんなんですよね……
「私ね?私なりにアピールしてきたつもりなんだよ?気付いてないよね?ね?ね?」
アレですね、効果音はゴゴゴゴゴゴゴゴですね、波紋とか呼吸法とか使い出しそうですよ……
「トウコになら仕方ないかな、なんて思ってたりはしてたよ?でもさ……なんでチェレンなの?そういうことなの?私に望みないの?」
もう何言ってるのかも正直分からないですが、とりあえず怒っているんですよね?
「えぇと、ごめんなさい?」
「分かってない!?分かってないよヤナ!?私すっごく怒ってるんだよ!?」
すっごく怒ってるらしいです、確かに分かってなかったみたいです、う~ん……
「すっごくごめんなさい」
「バカにしてるでしょ!?ほんとに怒るよ!?」
頬を膨らませて怒ってますよアピールをするベルさん……やっぱりベルさんはベルさんでした、怖いの前にかわいいがついてしまうから困る……ほんとに怒るとほんとに怖いんですけどね……
「あはは……でも、それじゃあどうすればいいんですか?」
「え?え~と……あ、じゃあ私としばらく一緒に旅してよ!」
「ちょ、ちょっとベル!?アンタなんでそんなこと───」
「───トウコなら、分かってくれるよね?私、信じてるからね?」
そう言われて、黙るトウコさん……いやほんと、今日のベルさんはすごいですね、誰か何とかしてくれないかな?
おまえが何とかしろよ、と二人に言われた気がします、何とかって?何?了承すればいいんですか?僕に命の危険はないんですよね?え?関係ない?そうですか……
「……ベルさん、旅というのはですね───」
「───私と、ずっと一緒にいてくれるよね?」
いつぞやみたいにお茶を濁そうとしたらこれだよ、微妙に表現変えてるし、旅だけの話に収まってない気がしますよ?
「……まぁ、少しの間でしたら……」
もとより、大して断る理由もないんですよね……命に危険がなければの話ですが
「ほんとに?やったぁ!」
あ、よかった、いつもの無邪気なベルさんに戻りましたね、本当によかった、僕が生きてて───
「……ねぇ、私はまだ許したわけじゃないんだけど?」
───生きてていられるのも今のうちだ!みたいな展開になりかねませんねこれは
「……トウコさん、僕に用があったからここに来たんですよね?それ聞いてあげますから、ね?」
「……ちょっと納得いかないけど……ちょっと付き合ってくれない?」
そんな風に言われたら勘違いボーイがお顔をひょっこりですよ?もうちょっと具体的にどうぞ!
「ジム戦よ、どうせまだ行ってないんでしょ?」
いや、まぁ行ってないですけどね?むしろ行く予定すらなかったんですけどね?
「……まぁ、いいですよ……行きましょうか」
「どこに行くの?」
ベルさんが僕に尋ねる……ベルさん、話聞いてました?
「今からトウコさんとジムに行くんですよ?」
「……トウコと?」
いや、なんでそこで黒くなるんですか?トウコさんも苦笑いですよ、おいこらチェレンくん、二度寝してんじゃねぇですよ
「……ベルさんも来ますか?」
「うん!」
……素直なんですけどねぇ……素直じゃないっていうか……
僕とトウコさんとベルさん、それと二度寝を決め込んでいたチェレンくんの四人で、シッポウジムへと向かった……
「なんだいヤナ!すぐに来てくれるとはうれしいねぇ!」
「まぁ、成り行きなんですけどね……」
シッポウジムは、博物館の奥の図書館、の奥の場所にある……僕達がそこに入るや否や、アロエさんが歓迎してくれた
「にしても四人かい、さすがに今日一日で全員は無理だねぇ」
「あ、今日挑戦するのはヤナだけですから」
ビックリした、それはもう今までの人生でトップ百に入るぐらいにはビックリした、なんで僕だけなんですか?君たち何しにきたんですか?
「見学に決まってるじゃない、なんの情報もない状態で戦いたいなんて、誰も思わないわよ」
えぇ、僕も思いませんよ?だから帰っていいですか?
「そうかい?それじゃあ早速始めようかね!」
あぁ仲間がいない、ここでもアウェイ、いつになったら僕のホームは見つかるの?
「ヤナァ!がんばってぇ!」
ベルさん、応援はとてもうれしいです、でもね?違うんじゃない?それちょっと違うんじゃない?
「「…………」」
いや、チェレンくんもトウコさんも、そんなに真剣にこっち見ないでください、何なんですか?ガン飛ばしてるんですか?チェレンくんはともかくトウコさんには勝てる気しませんよ?
「ほら!いつまでチンタラしてんだい!さっさと準備しな!」
「……はい」
この旅で、僕のホームを見つけよう……
「それではこれより、シッポウジム、ジム戦をはじめます!」
いつの間にいたんですかキダチさん、もっと僕にも分かるように登場してくださいよ
「使用ポケモンは二体!二体とも戦闘不能になった方の負けです!!」
審判のキダチさんがそう説明する、サンヨウシティとだいたいは同じですね、まぁ、今回はどうやら相手さんも交代可能のようですが……
「ジムリーダー、アロエ!チャレンジャー、カノコタウンのヤナ!……バトル開始!」
「いけ!ヨーテリー!」
「わんわん!……うぅ……!」
さっそく威嚇してくれますね、あんなに小さいのに……すごい迫力です……
「ほら!さっさとポケモンをだしな!」
う~ん……そうだなぁ~……よし!
「頼みますよ!モグリュー!」
「モグゥウ!!」
「うわっ、暑苦しっ!」
トウコさん、何でもかんでも思ったことを口にするのはよくないですよ?旅先で困ることも増えますよ?
「……モグリュー![メタルクロー]!」
「モグゥ……!!」
モグリューの爪が、まるで鉄のように硬くなり、ヨーテリーに振り下ろさんと突っ込む……
「ヨーテリー![ほえる]!」
[ほえる]……?一体どんな技────
「────……プル~?」
…………ゑ?
第二十一回終了です!
あ、皆さん分かっているとは思いますが、ベルちゃんはヤンデレじゃないですからね?嫉妬深いだけですからね?ヤンデレなんてそう何人もいたら、ヤナはとっくに死んじゃってますよ
感想をくれた方々の言うとおり、なんだかりゅうのいかり無双状態……まさかアニメでも強ワザだったとは……まだまだ勉強がたりませんね
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!