プルリルに回避の指示なんてしてなかったのさ(キリッ
以上!
ヤナ「僕そんなに決めてないですよ!?」
プルリルもヨーテリーも、同時に倒れてしまい引き分けとなってしまった……
「あの、こういう場合どうなるんですか?」
「…………」
アロエさんは黙って僕を見続ける……う~ん、やっぱりダメですかね……
「……クク、アハハハハハ!!うん!アンタ面白いね!いいよバッジあげるよ!」
突然笑い出すアロエさん、え?バッジくれるんですか!?ってかいいんですか!?
「別に勝敗でバッジをあげるわけじゃあないさ、私たちジムリーダーが実力を認めたトレーナーにバッジをあげるっていうのが普通なのさ」
えと……つまり……?
「僕は認められたということに?」
「当然だよ!久しぶりに楽しいバトルだったよ!」
そういって、僕にバッジを渡す……
「……ありがとうございます!僕も、楽しかったです…………あ!」
僕は大事なことを思い出し、すぐさまダッシュする
「お、おいどうしたんだい!?急に!」
「プルリル達を回復させないと!」
今回は特に無理をさせてしまいました……いそいで休ませてあげないと!
「ボールに入れとけばそれ以上傷ついたりはしないよ!落ち着きな!」
「……見た?チェレン」
「見てないわけないだろ?ここまで来ているのに」
トウコとチェレンは、どうやらヤナの対戦について話し合っているようだ
「今の私たちで、アロエさんと引き分けまで持っていけると思う?」
「……無理とは言わないよ、実際にやってみないとね」
どこか挑発するような発言をするトウコに対し、負けじと強がるチェレン
「……自分のエースが使えない状況下でよ?もし私がミジュマルなしで戦ったら……とても勝てないわね」
「……わかってるさ、それくらい、わかっているさ……」
二人は拳を固める、歯軋りをする、小さく肩を震わせる……
「……ヤナってさ、ポケモンバトルじゃなくて、もっと違うモノで戦ってる気がするのよね……」
急に話を変えたトウコ、チェレンは疑問に思うが、とりあえずは振られた話題に反応する
「……?ポケモンバトル以外でどうやって戦うのさ?」
「私が初めてヤナと戦った後、私聞いたのよ『どうして的確に指示ができたのか』って」
二人の知っている通り、ヤナはポケモンの知識はからっきしで、バトルの仕方さえ分からなかった……しかし、最終的には……ベルとチェレンの双方に勝っているトウコに勝ったのだ
「ふむ……確かに、言われてみれば不思議だね……」
「そしたらね?『戦い方は自分の経験』て答えたのよ」
ポケモンバトル未経験の人間が経験を語るという不可思議な現象……頭の良いチェレンでも首をかしげた
「……実はどこかでポケモンバトルをしていたとか?」
「その割にはポケモンに対しての知識が疎くない?」
またしても二人して首をかしげる……そこに……
「あ!じゃあじゃあ!ポケモンバトルじゃない戦いをしてたんじゃない?」
「……ベル、いきなり入ってきて、いきなり意味の分からない事言わないでくれないか?」
ベルの頓珍漢な言動を、チェレンが嗜める……しかし、ベルは食い下がった
「だってほら!ヤナってば右に跳べ!とか後ろに下がれ!とか、結構具体的に避ける指示出してるよね?」
「……そうね、できれば初めから話を聞いていてほしかったけど……」
ベルの意見に、トウコは少し呆れ気味……チェレンも同様だが興味を持ったのか、黙ってベルの意見を聞いてきることにした
「もしかしてヤナは、自分がポケモンの立場だったらどうするか、ってことを考えて指示してるんじゃないかな?ほら!左に避けるよりも右の方が避けやすかったとか、避けるよりも撃ち落した方がいいなとか!」
「……じゃああれかい?ヤナはそういう経験、つまり殴られたり、相手に追いかけられたり、何か危険なモノを投げられたりと、そいうことをされたってことかい?」
三人は今までの十五年間を振り返ってみた……しかし、ヤナにそんな一大事があった、という事実は確認できなかった
「……ダメ、納得いかない、ちょっとヤナに直接聞いてくる」
「トウコ、とりあえずその握りこぶしだけでも解いてからいきなよ」
チェレンの言葉を聞き流しつつ、トウコはヤナの元に向かった
「で?どういうことなの?」
「とりあえず、その握りこぶしだけでも解いてくれませんか?」
なんで突然グーパンがとんでくるんですか?グーパンってなんかマヌケな響きですよね?
「なんでポケモンについてなんの知識もなかったアンタが、立て続けにバッジを貰ってるのかって聞いてるのよ!」
な、何を怒ってるんですか?そんなに気に入りませんか?僕がバッジを手に入れることが
「別にアンタが強いことに腹を立ててるわけじゃないわよ!でも明らかに不自然でしょ!素人があそこまで指示できるなんて!」
あぁ……なんか以前にも同じような質問をされた気がします……
「なんだい?アンタ新米トレーナーだったのかい!?」
アロエさんが驚愕している……なにか変でしょうか?
「なるほどね……そりゃあこの嬢ちゃんの言うとおり、不自然だね」
え?え??なに?
「素人にあれだけ的確な指示ができるわけないだろう?」
て、的確って……そんなこともないでしょう……
「一番最初にプルリルに強制交代されたときに、モグリューの[あなをほる]のことを思い出していれば……プルリルに無理をさせなくても済んだかもしれないのに……」
「……それが分かってるってのがおかしいんだよ……」
アロエさんは呆れている……僕、なにかしたんでしょうか?
「卵の割り方も知らない料理人がオムライスを作るようなものだよ」
あ、不自然ですね、たぶんインチキしてますね…………あ……
「ぼ、僕はインチキなんてしてないですよ!?」
「?よくわからないけど、アンタの不正を疑うわけないだろう?アンタはあんなに正々堂々戦ったじゃないか!」
う、疑われたわけじゃないんですね、よかった……
「いいからさっさと答えなさいよ─────」
「───アロエさん大変です!へ、変な奴らが『骨はいただく』って!!」
突然、受付の女性が、僕達の会話を遮って緊急の報告……骨はいただく?
「なんだって!?誰だい!?そんな素っ頓狂なことをいう奴は!」
「プ、プラズマ団と言っていましたが……」
……またあの人たちですか……
「行きましょう、アロエさん!放っておくとあいつら何しでかすか分かりませんよ!?」
「あぁ!行くよ!」
僕達はすぐさま博物館へと向かった……
博物館へ戻ると、そこにはいつもの白い服装を身に纏った集団、プラズマ団が大勢いた……
「アンタ達!悪ふざけはよしておくれ!」
「ん?あぁやっと来たね……遅いよ!デートの時には五分前には現地にいないと!」
その白い集団の中に、一人だけ真っ黒のマントを羽織り、フードで顔を隠した、声の高さで女性と判断できるが、明らかに緊張した空気とはかけ離れた態度だった
「なんなんだい!アンタ達は!」
「なんだかんだといわれた───あぁいかんいかん……コホン、私たちプラズマ団は、ポケモン愛護団体みたいなものらしいね!」
……?何を言いかけたんでしょう……というより、随分てきとうな紹介ですね……
「んで!なんかこのドラゴンの骨がいるらしいから、貰ってくね?」
か、軽い!?友達に忘れ物を借りるぐらいの気軽さだ……!
「勝手なことばかり言わないで!!」
トウコさんが激昂する……少し熱くなりすぎですね……
「う~ん……そう言われてもねぇ……あぁいいや!めんどくさいし、勝手なことばかり言ったついでに勝手に貰ってくね?」
め、めちゃくちゃだ……
「っふざけないで!お願いミジュマル……!」
「っ!?ダメですトウコさん!」
僕はトウコさんの腕を無理矢理抑える
「な!?どうして止めるのよヤナ!!」
「ふ~ん、そっちの子はそこにいるお猿さんより冷静だね♪おねぇちゃんがチューしてあげようかぁ?」
「だ!?誰がサルですって!?」
トウコさん、二度目の激昂……そのうち何かに変身したりしないでしょうね?
「頭が悪いからサルって言われるのよ、まぁ自分がサルだって自覚があるだけまだましかも!よかったね♪」
「……ブ・チ・コ・ロ・シ・か・く・て・い・ね……」
トウコさん、三度目の激昂……髪の色が、心なしか金色に?んなわけないか……
「まぁ弄るのはこれくらいにして!もうちょっと回りを見たほうがいいよ?視野が狭いと将来いろいろ困るから♪
「……どういう意味よ……」
今度はこらえるトウコさん、僕に説明を求める……
「……あいつらの後ろに展示物があるんです……あいつらに向かって攻撃して、もし避けられたら、守ろうとしている展示物そのものを破壊しかねません……」
「そ、そんなの手加減すれば……!!」
「あの十数人のプラズマ団に手加減して勝てると思ってるんですか!?あいつらの戦力だって、まだはっきりしてないんですよ!?」
それに、僕とアロエさんはそれぞれ二体、瀕死の状態になっています……それにあの黒マント……嫌な気配がします……
「う~ん♪すばらしい判断力、観察力、分析力!名前教えてよ!」
「…………ヤナですよ……カノコタウンのヤナです」
「ヤ、ナ……ヤナ……ふ~ん、ヤナね……うん!覚えた!」
時間稼ぎは……もう無理ですね……
「んじゃあ、貰ってくね?バイバーイ!あ、ヤナくーん!また会おうね!」
バフン!!
プラズマ団は煙幕を張り、その隙に逃げ出した……
「……さぁ!追いかけますよ!」
「え!?はぁ!?!?追いかけるぐらいならなんで逃がしたのよ!!?」
……あぁもう!説明が面倒ですね!
「あいつらはもう此処にはいません!つまり、今ならやりたい放題ってことですよ!!」
「で、でも!あいつらの手に、もうドラゴンの骨があるのよ!?壊しかねないって言ったのはヤナよ!?」
「壊されたら困るのは向こうも同じです!!さっき攻撃できなかったのは『向こうは全力が出せるけど、こちらは手加減しないといけなかった』からです!それに、向こうだって追いかけてくると予想しているはずですよ」
『また会おうね』……か、そうですね、すぐに会いに行きますよ!
「団員は足止めのために追跡を妨害してくるはずです!そいつらを捕まえて交渉材料にでも使えばうまくいくはずです!」
「……アンタ、本当に私と同い年?」
前世でも現世でも同い年ですよ!時間がありません!!
「アロエさん!分担しましょう!四番道路方面とヤグルマの森方面、そして博物館の周辺!」
「あ、あぁ……私は四番道路に行こう、ヤナとトウコはヤグルマの森、ベルとチェレンは博物館を周辺を探しとくれ!」
「……なんだかよく分からない内に話がまとまったけど……要はこの辺りに泥棒がいたら捕まえればいいんだよね?」
「あ、わ、私も!」
そういって、チェレンくんとベルさんは博物館を出て行った……よし!
「僕達も行きますよ!」
「えぇ!絶対に許さないんだから!」
あぁ、やっぱり根に持ってますね……まぁ、僕も許すつもりはありませんが……
僕とトウコさんは、プラズマ団の潜むヤグルマの森へと向かった……
「……んぅん?なんだか森の虫たちが騒がしいなぁ……」
第二十三回終了です!
最後に出てきた人はいったい誰なんだ……!?
あ、原作プレイ済みですかそうですか……
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!