やってきたのはBW!   作:エレンシア

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前回のあらすじっ!

トウコさん……強くなりましたね……


以上!


第四十五回~おや……?とうこさんのようすが……~

「トウコさん!砂が!砂がぁ!顔に多段ヒットして……っ!?っぺ!?口に入ったぁ!?」

 

「我慢しなさいよ!男でしょ!?」

 

いつかに似たような会話をしたような気もしますが、今はそれどころじゃありませんよ……

 

7番道路の砂漠地帯、ヒウンシティとライモンシティを繋ぐその道路は、砂嵐が吹き荒れ、前に進むことすら困難にさせていた

 

「ほら!もうすぐ付くからがんばんなさいよね!」

 

そんな中、トウコさんは男らしく……失礼、勇ましく前へと歩みを進める……

 

「なんでそんなすいすい進めるんですか!?」

 

「すいすい進まないと、こんなところでウダウダしてるほうが大変でしょ!?」

 

そう言って、トウコさんはさらに歩みを早める……言いたいことは分かりますが、それを実際に行動に移せる人間ってどれくらいいるんですか?

足は砂に埋もれ、砂嵐が僕達の行く手を阻み、体力だってもう……

 

「……トウコさん……僕はもうだめです……僕を置いて……先に行って、ください……」

 

「あぁもう!茶番はいいからさっさと行くわよ!」

 

グイッと僕の手を掴んで引っ張るトウコさんの手のひらは、男勝りな言動や行動とは裏腹に、柔らかく、小さく、女の子らしいそれだった……

 

「…………」

 

「……?何よ、急に黙っちゃって」

 

何の気もなく、トウコさんが投げかけた質問に、僕はすぐには返答できなかった……これがギャップというものなのでしょうか、柄にもなく、緊張してしまいました……だから僕は、

 

「……何でもないですよ!」

 

こんな風に、ごまかすことで平静を保とうとするんですよね……

 

「……?まぁいいわ!ほら!ちゃんとついてきなさいよね!」

 

そうして、僕たちは二人で、砂漠の中を進んでいった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……もうすぐ着くんじゃなかったんですか?」

 

「あ、あれー?」

 

現在、遭難中……いつの間にか方向を見失っていたようです……それもこれも……

 

 

 

 

 

『っ!?あのポケモン!まだ捕獲してなかったわ!ほらヤナ!行くわよ!』

 

 

 

 

またか、またなんですか……貴女たちはどうしてこう……好奇心だけで動くんですか?少しは後先を考えてですね……

 

 

 

「トウコさん、知らないポケモンについて行っちゃダメだって教わりませんでしたか?」

 

「それ知らない『人』ね!?しょうがないじゃない!まだ捕まえたことなかったんだから!」

 

とまぁ、こんな具合にトウコさんの圧倒的好奇心によって、僕は何度目か分からない迷子になってしまったというわけです……

 

「だいたいトウコさん、そんなキャラじゃないですよね?ベルさんじゃあるまいし……」

 

「アンタそれベルに言っとくからね?」

 

自分で首絞めちゃいましたよ、僕はいつでも一言多いんですよね……

まぁそうは言っても、トウコさんを仮に窘めたとしても、僕がベルさんに詰られたとしても、今の状況が好転するとは思えません、何か行動しないと……

 

「……どうしますか?」

 

「う、う~ん……」

 

そうこうしているうちにも、砂嵐は僕たちの体力を奪っていく……限界が近づくのも、そう遠くは無いだろう……

 

「……とりあえず進みましょう、ここで止まっていても仕方ないですから」

 

「そ、そうね!」

 

結局、僕たちは方向も分からないまま前に進む以外になかった……────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「─────……?サノ、様……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「行けども行けども……砂しか見えませんね……」

 

「ハァ……ハァ……っ!」

 

トウコさんは息を荒げながらも僕の手を引いて前へと進む……根性だけは素晴らしいですが、このままじゃ持ちませんね……

 

「……!トウコさん!あそこの岩場で少し休みましょう!」

 

僕の指さす方向に十数メートルのところに、大きな岩一つ露呈されていた……あそこなら、この砂嵐も多少はマシになるかもしれません

 

「トウコさん、もう少しですから、頑張ってください」

 

「ハァ……っく!」コクコク

 

返事をするのも辛いのか、トウコさんは二度頷き、真っ直ぐその岩場へと向かった……やっぱり、どれだけ男らしいところを見せたって、彼女は女の子なんですね……

 

 

 

 

「大丈夫ですか?」

 

「……な、なんとか……」

 

岩場にたどり着いたトウコさんは崩れ落ちるように地面にしゃがみ込む……最初のうちに飛ばし過ぎたから、今になって疲れが出てきたのでしょうか……

 

「しばらくはここで休みましょう……夜になるにはまだ時間もあります、ゆっくり進みましょう」

 

「そ、そうね……」

 

辺りを一瞥するも、周りには目印になるような建物は見えず、大きくコースがずれていることが想像できた……せめて周りに人がいれば……

 

「……トウコさん、少し周りを見てきます」

 

「…………」

 

なぜか返事が返ってこない、不思議に思い彼女の顔を見ると、なぜか僕をその目で捉えたまま動こうとはしなかった……

 

「トウコさん?」

 

「…………ダメ」

 

一瞬、背筋が凍るような悪寒が走る……ここしばらく、何度も体験している感覚……

 

 

 

 

 

 

「と、トウコさん……?」

 

「……っ!?だ、大丈夫よ!私ももう少ししたらまた動けるようになるからっ!それまで待ちなさいよねっ!」

 

先ほどまでの悪寒は綺麗になくなった……気のせい、だったんでしょうか……

 

しかし、仮にトウコさんの体力が戻ったとして、また無鉄砲に歩き回るのはどうでしょう……トウコさんだって辛くなるはずだし、またこうして砂嵐から身を隠せる場所が見つかるともかぎらない……となれば、体力的にも余裕のある僕がある程度の情報を手に入れておくことがベターではないだろうか……

 

「……何かあればライブキャスターで連絡します、トウコさんは休んでいてください」

 

「あ……」

 

トウコさんが何かを訴えるような目をこちらに向けたのことにも気づかず、僕は当てもなく歩き始めた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて……ん?どうかしましたか?え?また困っているのかって?なんで分かるんですか、もはやお決まりですか?そうですか……

 

お決まりでもなんでも、この際そんなことは関係ないんです、どうでもいいんです……なぜなら、僕は今困っているからです

 

 

 

 

「サノ様!よくぞご無事で!」

 

 

7番道路の砂漠地帯の横断中、まさかのプラズマ団員との遭遇……それも、レンゲさんと一緒に行った古代の城にいた……

 

「えっと……」

 

 

「申し訳ございません!我々が事前に警告を出しておけばこのようなことにはならなかったのですが……!」

 

 

「えと、あの」

 

 

「我々もあの後必死に探したのですが見つからず、レンゲ様も消えてしまう始末で……!もうどうなってしまうのかと思いました!」

 

 

「いや、ですから」

 

 

「しかし流石はレンゲ様のお付き人!あの古代の城から自力で脱出するとは……!自分、感服いたしました!」

 

 

 

…………ねぇ?困っちゃうでしょ?崇め奉られてますよ、初めての経験ですよ、最初に会ったプラズマ団員と違って……なんというんでしょうか?目がキラキラしてるんですよ、純粋無垢とでもいうんでしょうか、見た目僕と同い年のこの少女の目は、僕にとってはとても眩しくて、凄まじいまで罪悪感が全身を駆け巡って、今にも逃げだしてしまいそうですよ

 

「ん?サノ様?どうかされましたか?顔色がよろしくないですよ?」

 

顔色がよろしくない原因は、そう言って僕の体調を患う……

 

「だ、大丈夫です……」

 

「そうですか?はっ!?もしや!何か悩み事でもあるのでは!?」

 

しかし、これはむしろラッキーなのではないでしょうか……今しがた、道に迷っているという現実を打破するのには打ってつけのシチュエーション、あまり長い時間もかけられない以上、目の前の少女を頼る以外の選択肢はないと言っても過言ではない気がします……

 

「……実は道に迷ってしまって……」

 

「?古代の城でしたらすぐそこですからお連れしましょうか?」

 

お連れされたら今度こそ死んじゃいますよ?トウコさんに確実に殺されちゃいますよ?見るも無残な肉の塊の完成ですよ?

 

「い、いえ!ライモンシティです!」

 

「ライモンシティですか?それなら向うに見える岩場をずっと真っ直ぐに進めば着くはずです!」

 

目の前の少女はトウコさんが休んでいる岩場を指してそう言った……どうやら、進む方向は合っていたみたいですね

 

「よ、よかった……ありがとうございます!」

 

「お役に立てたようで……!光栄であります……!」

 

ビシッ!と敬礼し、真っ直ぐに僕を見据える……プラズマ団は軍隊か何かなんですか?序列の格差でもあるんですか?格差社会ですか?

 

 

 

「それにしても……」

 

そう言って、今度は周りをキョロキョロと見渡す……どこか動いてないと落ち着かないタイプの人間なのだろうか……

 

「ど、どうかしたんですか?」

 

「あ、あの!レ、レンゲ様は……!」

 

顔を赤らめ、目の前の少女はレンゲさんの名前を口にする……そういえばレンゲさん、一体どんな用事だったんでしょうか……

 

「何やら用事があると言ってましたよ?」

 

「そう、ですか……」

 

そう言って、ため息をつきながら俯いてしまった……そんなあからさまにがっかりされると、

 

「……何か、用事でも?」

 

「い、いえ!ただ少し……お話ができればと……」

 

はにかむように少女は照れ笑いを浮かべる……ひょっとして……

 

「レンゲ様は……自分の憧れでありますからっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

────レンゲさん……ちゃんと慕ってくれる人、いたんですね……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へっくち!」

 

……?風邪ひいたかな……?ちょっと寒いからかな……?

 

「ガ……モォ……!」

 

「……オォ……ォ……!」

 

「む!ほら二匹とも!元気ないぞ!きっばていくよ~!」

 

あぁ~寒い寒い!帰ってあったかいココアでも飲みたいな~……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────それでですねっ!8番道路でレンゲ様が突然チラーミィに抱き付かれたんですよっ!その時のレンゲ様の慌てっぷりといったらもう!それはもう可愛くてですねっ!?嬉しそうなのに我々が近くに居たからなのか頬の筋肉がピクピクしてるんですよ!」

 

かれこれ二時間になるのではないでしょうか……レンゲさんが普段どのような振る舞いをしているか、多少は興味があったので最初のうちは大人しく聞いていたのですが……途中から『レンゲさんがいかに可愛いか』という話にすり替わっていました……何言ってるか分からないかもしれませんが、自分でも何言ってるか分かんないですよ……

 

というか、さすがにこれは不味いきがします……どんなに気が長い人でも、砂漠で二時間以上放置されたら怒ります、僕でも怒ります……

 

それがトウコさんだったら?まず激怒は必至として、腕の一本、二本は覚悟しておいてくださいと言わざるをえないわけですよね……

 

 

 

 

Prrrrre……Prrrrre……

 

 

 

 

やはりといいますか、ライブキャスターから通知の音が鳴る……トウコさん、絶対に怒ってるんだろうなぁ……戻りたくないなぁ……

 

「あっ申し訳ありませんっ!引き留めてしまって……」

 

申し訳なさそうに俯く少女……感情の波が激しいタイプなのかもしれませんね

 

「いえ、道を教えてくれてありがとうございます」

 

僕はそう言い残して、来た道を真っ直ぐに戻る……後ろの方で……

 

 

 

「サノさまーー!レンゲ様にお会い出来ましたら、ミヤビのことを是非!是非お伝えくださーい!!」

 

 

 

そんな言葉を背に、トウコさんの待つ岩場へと向かった……

 




第四十五回、終了です……

新キャラはもう出ないと言ったのですが、この子が再び登場するかどうかは一切未定なので、現状はモブっ子として扱っています
需要があれば、また登場するかもしれませんね!

投稿遅れてしまい申し訳ありません……夏休みに入ったので、少しでも早く、多くあげられるように頑張ります……

ここまで読んで下さった方、ありがとうございました!
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