プルリルGET!→アイツが登場!
以上!
「キミのポケモン、今話してたよね……」
突然、僕達に話しかけてきた若緑色の髪の少年……随分と早口で話しかけてきましたが……
「……随分と早口なんだね、それにポケモンが話しただって?」
チェレンくんも僕と似たような感想を持ったようです、でも……
「チェレンくん、ポケモンだって話すと思いますよ?」
「……ヤナまで変なこと言うね、そんなことあるわけ無いだろ?」
チェレンくんは僕にまで突っかかってくる、「ポケモンが話す」とは、それぐらいありえないことなのでしょうか?
確か、僕の記憶では、人の言葉を話す猫のポケモンがいたと思うんですが……あれはまた別物なんでしょうか?
「……チェレンくん、僕たちに理解のできないことを「あるわけ無い」の一言で終わらせてしまうんですか?」
「……何が言いたいのさ」
「……僕はね、モノズやプルリルとお話できたら、きっと楽しいだろうなって、この子達の言葉が理解できれば、もっと仲良くなれるのになって僕はそう思うんですよ」
ポケモンの言葉が解れば……昨日僕が、切実に思ったこと……そんなことあるわけ無い、なんて言葉で片付けられてしまったら……
「……そんなの、寂しいじゃないですか……」
「……そうだね、確かにその方が楽しそうだね」
チェレンくんは諦めたのか、呆れたのか、それとも本心からなのか、複雑な表情でそう返した
「……面白いねキミは、大抵のの人間はその人間のような反応をするんだけどね……でも」
若緑の少年は、そこで一度言葉を切る
「僕達人間のかってで、ポケモンをこのボールに閉じ込めているんじゃないかって」
若緑の少年は、早口にそう捲くし立て、腰のホルダーからボール取り出す
「いつも思うんだ、ポケモンはそれで幸せなのかなって……」
「……どうでしょうね、でも、モンスターボールでも気持ちまでは縛れないんじゃ無いでしょうか」
そうだ、モノズが本当に僕のことが嫌いなら……僕を殺すコトだって、簡単にできてしまうんですから
ゲーチスさんの言ったとおり、ポケモンは人間とは違い神秘的な力を持っています、口からエネルギーの塊を出したり……
そんな生き物が本気を出せば、僕達人間なんて……一瞬で消えてなくなってしまいます
「興味深いね、キミもキミのポケモンも……もっとキミのポケモンの声を聞かせてよ!」
そういって取り出したボールからポケモンが飛び出てくる……!
「ニャー!」
飛び出したのは、紫色を基調とした、品のよさそうな猫のポケモン……
「い、いきなりポケモンバトルですか……!?お願いします!モノズ!」
「……モノ」
僕のボールから、モノズが飛び出す……今度は昨日のように、僕の後ろに隠れたりすることは無かったのですが、
「モノズ……大丈夫ですか?」
「……モノ!」
やはり怖いのでしょうか、膝が笑っているようにしか見えないんですが、それでもモノズは、しっかりとした声で僕に鳴き返した
「チョロネコ、[ひっかく]!」
「ニャー!」
紫の猫───チョロネコは、爪を尖らせてモノズに接近する
「モノズ![かみつく]で応戦してください!」
「モノ……!」
対するモノズも、自身の牙をたてて、チョロネコに応戦する
チョロネコの爪を、右に左に回避するモノズ……モノズの牙を、軽やかな身のこなしでかわしきるチョロネコ……
「……モノズ!一度距離をとります!」
「モノ!」
「逃がすなチョロネコ![おいうち]!」
「ニー……ニャー!」
距離をとるために後ろに大きく跳んだモノズ、それを先ほどとは明らかに違う速度で、チョロネコがモノズを襲う……!
「モノ……!?」
「モノズ!?」
致命打にはならなかった……が、相手に先制を許し、距離をとるのも難しくなってしまった……
「今のは[おいうち]という技だね、逃げる相手に対して効果的な技だ」
チェレンくんが先ほどの技の説明をしてくれる……なるほど、追い討ちとはよくいったものです……
「……モノ!モノ!」
モノズがなにか言っている……それはきっと、あの技を撃とうということなのでしょう……よし!
「モノズ![りゅううのいかり]!」
「モ……ノ……」
モノズが口にエネルギーを溜めだす……あの巨大なバスラオすら倒したこの技なら───
「───チョロネコ![ふいうち]!」
「っニャ!」
「モノ!?」
突如モノズの前に現れたチョロネコの攻撃により、モノズは吹き飛ばされてしまった
「モノズ!?大丈夫ですか!?」
「モ……ノ……!」
ギリギリ───まさにそのような表現がうってつけの状態だった
「[りゅうのいかり]、おそらく強力な技なんだろうけど……溜めが長すぎるね、隙だらけだ」
彼の言うとおり、[りゅうのいかり]は溜めが長い……初めて知った、いや、前回は溜めの長さが気にならなかったんだ……
「……正直、期待はずれだよ……キミは違うと思ったのにね……」
「モ、ノォォォォオ!!!」
「っ!?モノズ!ダメです!!」
僕の制止も聞かず、モノズはチョロネコに、彼に飛び掛る
「……ふーん、チョロネコ……[ねこのて]!」
「ニャー……!」
彼の指示の後、チョロネコの前足が、黒く光る……そして───
「───ニャァァア!!!」
その黒い「なにか」が一際輝いた瞬間、チョロネコを中心とした、周りのもの全てが……吹き飛んだ
「モノー!?」
「モノズ……!?っく!」
爆発の余波が、トレーナーである僕にまで及ぶ……それほどまでに、その「なにか」は異常な威力だった……
「……モノズ!モノズ!しっかりしてください!!」
「……モ、ノ……」
「戦闘不能、僕の勝ちだ……まさか最後に[ナイトバースト]が出るとは思わなかったけどね」
僕の耳に、彼の言葉は入ってこない……ただ、僕が、モノズが……負けたのだ
「ぼくの名前はN……またどこかで会うかもね……」
そういい残して、Nは立ち去った……負けた僕達を残して……
「モノズ……大丈夫ですか?」
「モノ……」
僕たちはあの後、すぐにポケモンセンターに戻りました……ジョーイさんが少々驚いてくいましたが、昨日と同じ部屋を貸してくれた
僕たちは負けた……僕の責任です、なにがドキドキとワクワクですか、なにが知識のない状態でですか……!
「自分のパートナーすら守れないくせに……僕は何様ですか……!」
「……モノモノ」フルフル
モノズは僕に、気にするなと言ってくれているようですが、そんな風には今の僕には、そうは思えなかった
「僕は……モノズに何をしてあげれているでしょうか……」
「……モノ!」カプ
「いったぁぁぁぁぁぁぁああぁ…………くない?モノズ?」
モノズが僕の手に甘噛みする……その行動に、僕は困惑した
「……そういえば、モノズは臆病でしたね?でも、今日はゲーチスさんの時も、Nくんの時も、逃げ出そうとはしませんでしたね……」
モノズはたった一日で、ここまで変わったんです、確かにまだ臆病かもしれません、足は震えるし、肩はガクガク、それでも……
「僕を……守ってくれる」
「……モノ」
バスラオに襲われたとき、ゲーチスさんの演説のとき、Nくんにバカにされた時……モノズは助けてくれました、怒ってくれました、そして今、僕を慰めてくれている……
「モノズ、これからも、僕と一緒にいてくれますか?」
「……モノ」ガブ!
僕とモノズは、また一つ、大切な思い出ができた……
「いったぁぁぁぁぁぁぁああ!!!今度は本当に痛いぃぃぃぃぃぃい!!」
……ような気がした
第九回終了です!
ヤナの初負け、まぁ、世の中そんなに甘くないってことですね
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!