IS×鎧武 隻眼の橙武者   作:ふくちか

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戦闘回です


第四話『VSセシリア・オルコット!』

クラス代表決定戦当日。

 

 

 

「……………………」

 

満席となっているIS学園の第4アリーナ、その控え室にて一夏はISスーツに着替え、精神統一をしていた。

 

その横には、教育実習生の湊耀子。

 

「…………うしっ!」

「頑張って、一夏君」

「ハイ!」

 

頬を叩いて再び気合いを入れた一夏はアリーナのカタパルトへと足を運んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「来たか、葛葉」

 

カタパルトにて待機していた千冬は一夏に振り向く。

 

「……立派になったな」

「カッコいいです~葛葉君!まるで武者ですね!」

 

引き締まった二の腕に付いた多数の傷痕、ISスーツ越しにも分かる筋肉。

それを見た千冬は息を呑み、副担任の真耶は惚れ惚れしながら誉める。

 

「アハハ、どうも……」

 

一夏は苦笑いしながらも、懐から錠前を取り出し、開錠した。

 

刹那、一夏は光に包まれ、次にそこにいたのは、

 

 

 

 

「…………」

 

青いスーツに包まれ、額に武将の兜の様な飾りを付けた武人だった。

だが、二人にとって解せない点がある。

 

「葛葉君のIS、装甲が殆ど無いですよ!?」

 

そう、最低限度の装甲しかなく、後は青いスーツのみだった。

 

「大丈夫ですよ。ーーーーじゃっ、葛葉一夏、群青……出るっ!!」

 

気合いの入った一言を腹から出し、一夏はセシリアの待つ上空へと飛翔した。

 

 

「あら、逃げずに来ましたのね」

「そりゃあな」

 

ブルー・ティアーズを纏うセシリアは僅かな称賛を込めて言うも、次の瞬間には侮蔑的な笑みを浮かべる。

 

「ですが殆ど装甲がありませんわね。それで勝てるつもりですか?」

「防御云々よりも、勝てば良いだけさ」

「ーーーーでは、チャンスを与えますわ」

「?」

 

すると何を思ったのか、セシリアは一夏にこう言い放った。

 

「この試合、私が勝つのは明白の理。今なら泣いて謝れば許してさしあげてよ」

「……俺何も悪いことしてないじゃん」

 

ボソリと呟いた時に、試合開始のブザーが鳴り響いた。

 

「謝らないのですね…………では、お別れですわっ!」

 

言うよりも早くに、セシリアはライフルを構え一夏に撃ち放った。

一夏はそれを読んで、横に反れる事でかわす。

 

「へぇ、中々の反射神経ですわね…………ならこれはどうですかっ!?」

 

そう言うと、セシリアのスカート状のパーツが離れ、独自に4つ浮いた。

そしてそれらは一夏を包囲する。

 

それを見た一夏は先日耀子から教わったセシリアの専用機のイロハを思い出した。

 

『そうか……これがっ』

 

そのパーツからビームが放たれるより早く、一夏は上に回避する。

目標を失ったビーム同士は、互いにぶつかり消滅する。

 

「ーーーーっ!?」

「驚いてる暇は、ないぜ!」

「っ!きゃぁぁっ!!」

 

セシリアが驚いてる隙を逃さず、一夏は瞬間加速で一気に肉薄し、無双セイバーで斬撃を与える。

突発的なダメージに身をぐらつかせるセシリアに更に蹴りを加え、弾き飛ばす。

 

「くぅっ!……許せませんわ!この私のワルツを無視するなんて!」

 

今の二撃で完全に頭に来たのか、セシリアは先程より激しくビットからビームを放つ。

その動かし方は正しく代表候補生の見本足る物。

 

「悪いが、日本舞踊しか踊ったことないからっ!!」

 

対する一夏は軽口を叩きながらも、それらを鮮やかにかわしていく。

時に自身に向かうセシリアのライフルの一撃も、手にした無双セイバーで相殺する。

 

『な、何なんですの……この男は!?』

 

代表候補生たる自身の攻撃を悉く捌き、鮮やかに往なす。

こんな片目の、刀しか使っていない男に、何時しか恐怖を感じていた。

 

『このままでは、私はーーーーっ!』

 

 

 

 

と言うのも、セシリアはビットを扱う時、毎回指令を送らねばならない。

更にその指令と並行して、その他の作業ーーーー今回ならばセシリア自身が攻撃ーーーーを行えない致命的な弱点がある。

 

そしてその指令も、一夏の死角ーーーー左目の隙を狙え、と言う簡素な物だし、ライフルによる攻撃も殆ど死角への一撃。

だが一夏は自身のハンデの大きさを誰よりも理解している。

 

熟練の達人ならば死角ばかりを狙ったりはしない(貴虎や耀子)が、セシリアはまだ達人の域に達してはいない。

だからこそ、明確に死角を突く!と言う思いが攻撃にも表れているのだ。

 

「ハァ、ハァ…………!」

 

試合開始から30分が経過した。

未だにセシリアは一夏に一撃加えられてない処か、自身が何度もダメージを受けているばかり。

加えてビットも三機落とされ、残るは一機のみ。

 

「て、ティアーズ!」

 

息を荒げながら指令を送るも、もうブルー・ティアーズの動きを完全に読み取った一夏は、ブルー・ティアーズよりも早くに動き、残る一機をも破壊する。

 

「っ!」

「これで残るはーーーー」

 

一夏は無双セイバーの後部に設けられたスライドトリガー、バレットスライドを引き、ムソウトリガーを押すと、ムソウマズルから銃弾を撃ち放つ。

 

「お前だけだ!」

「きゃぁぁっ!!」

 

予想外の攻撃に身を固めたセシリアはそれらを諸に受けてしまう。

そしてその衝撃でライフルをも手放す。

 

「さぁーて、フィニッシュだ!」

《オレンジ!ロック・オン!一、十、百!》

「はぁぁぁぁぁっ!!!」

 

手元にコールしたオレンジロックシードをセットし、エネルギーを貯めつつセシリアに一気に接近する。

 

「生憎ですが、ティアーズは六機ありましてよっ!」

 

と、勝ち誇った様に笑いながらセシリアは腰部のミサイルビットを起動させる。

 

 

 

が、

 

 

 

 

 

『ミサイルビット、破損により使用不可』

 

目の前のモニターには、そう表示されていた。

 

「なっーーーー!?」

『まさか、さっきの一撃で!?』

 

隠していたミサイルビットまで先程の銃撃で使用不能にされ、愕然とするセシリア。

だが目の前には、群青の武者。自身の武装も殆ど無し。あるのは先程投げ出されたライフルと、自身が苦手とするショートブレードのみ。

 

 

 

 

 

『葛葉、一夏ーーーー!』

「うぉぉぉぉぉ、セイハーーーーーッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蒼き雫は、青き武者に、蒼天の元、敗北の味を刻み付けられた。

 

 

 

 

 

 

『勝者ーーーー葛葉一夏』

 

 

 

 

そのアナウンスの後に沸き上がる、盛大な拍手。

 

 

 

だがその中で、手放しで喜べない二人が。

 

 

 

「彼……」

「この間、私とお姉ちゃんを助けてくれた、鎧武者にそっくり……」

 

 

更識楯無と、妹の簪。

二人には、一夏のISとこの間自分達を変な森で助けてくれた鎧武者と姿がオレンジ色の鎧以外合致するのだ。

 

 

 

「これは確かめてみる必要があるわね…………」

 

楯無はパチンと扇子を閉じると、懐から戦極ドライバーとメロンロックシードを取り出した。

 

 

「もしかしたら、彼が…………」

 

簪も、無意識の内に立ち上がっていた。

そしてその懐には、戦極ドライバーと、ブドウロックシードが入っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回はオリジナル回ですので、セシリアの謝罪イベント等はカットの予定です。
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