と言ってもあまり話は進みませんが……どうぞ!
「転校生、ですか?」
『あぁ』
明くる日の夜、一夏はパソコンを介してユグドラシルの戦極凌馬と連絡を取り合っていた。
その内容は、後日IS学園に転校生がやって来る事とクラックの活性化。
そして、
『所で一夏君、体の方に異常はないかな?』
「へ?別段問題なしですけど……急にどうしたんですか?」
一夏の体の容態の事だ。
『君は以前、インベスの攻撃によって左目を失った。普通インベスに襲われると、傷口からヘルヘイムの力が感染するんだけど…………何か変な所とかはないか?』
「う~ん、特にないですね。それに、早期治療のお蔭で感染の余地もないんでしょ?だったら大丈夫ですよ!」
『……だと、良いんだけどね。分かったよ。では、お休み』
「はい!お休みなさい」
凌馬との通信を終えた一夏は自分の目をなぞる。
「…………でも、これのせいかも。最近ーーーー」
アラームでの知らせが来るより先にクラックが開いたって感じるの…………
実は違和感等を感じてない一夏ではなかった。
「…ま、気にしても仕方ないか」
だが気持ちを切り替えると、一夏はティナより先に布団に潜ることに。
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「そう言えば一夏さん、2組に転校生が来たそうですわ」
「ふーん」
翌日、食道でセシリアと一緒になって朝食を食べていると、セシリアが話題?の転校生の話を振ってきた。
対し一夏は、前日に凌馬から聞かされていたのであまりオーバーなリアクションも取らず、素っ気ない感じで返事をした。
「……興味が、ありませんの?」
「う~ん。あるっちゃあるけど……今は今度のクラス対抗マッチの事に集中したいしね」
「先の事を見据えるとは……流石武士道って奴ですわね!」
キラキラと此方を見詰めるセシリアに苦笑いする一夏。
「お早う、一夏、セシリア」
「おぉ、お早う箒!」
「お早うございます。篠ノ之さん」
すると今度は箒がやって来た。
「転校生の噂で持ちきりだな」
「そんなに珍しいことなのか?」
「やはり他国からやって来るのは珍しいというのもありますし、何よりその方が代表候補生なら専用機も持っている筈ですし。その国の独自の機体が見られるのもありますわ」
「「へぇ~」」
セシリアの解説に嘆息する一夏と箒。
「ってヤバい!早く食わなきゃ千冬姉にブッ飛ばされる!」
「「あっ!!」」
急いでご飯を掻き込む3人だった。
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「ふいー、ギリギリセーフ…………」
「速すぎですわ、二人とも……ッ!」
「お前が、遅いだけだろ……!」
何とか始業前に付いた3人は、辛うじて教室に駆け込んだ。
幸いにも、千冬はまだ来てない。
「ふぅ」
ドカッと自分の座席に座った瞬間、
「久し振りね、一夏!」
快活な声が入口から響いた。
「ん?…………鈴!鈴じゃんか!」
「にっしし!忘れてたら殴ってたわよ!」
八重歯を見せて溌剌と笑うその少女の名は凰鈴音。
中国の代表候補生にして、一夏の中学時代の友人。
「って、俺が生きてたってよく知ってたな」
「数馬から聞いたのよ」
「へぇ、相変わらず良いお付き合いしてんだなぁ」
「か、からかうなっ///!」
一夏の茶々に顔を真っ赤にする鈴だが、その声音は満更でもない色が含まれている。
「あ、鈴」
「な、何よ?」
「そろそろ戻った方がーーーー」
バシィンッ!!
「ぷぎゃんっ!?」
「良いと思うけどって遅いか……」
一夏の声を遮り、小気味の良い音が鈴の頭から響いた。
「だ、誰よーーーーって、千冬さん!?」
「織斑先生だ、馬鹿者」
その正体は、礼によって織斑千冬。
右手には出席簿、左手の指の間には色とりどりのチョークが。
「何でだろ。クナイにしか見えない」
一夏の呟きに、1組中が一つになって頷いた。
「さっさと教室に戻れ」
「は、はいィィィィィィ!」
「廊下を走るな!」
「アイエエエエ!?」
脱兎の如く駆け出した鈴の背中に、寸分の狂いもない見事なチョークの投擲に、1組の生徒全員が、『織斑先生の先祖は忍者?』と思ったとか何とか。
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そして、時は流れ放課後。
「それにしても元気そうで何よりよ、一夏」
「お前もな。相変わらずちっちゃいけど」
「うっさい!これでも3㎝伸びてんのよ!」
「ほぉー」
「その生暖かい目線止めなさいよ!」
一夏は食道で鈴と昔話に興じていた。
箒やセシリアは空気を読んで部屋に戻っている。
「もー許さないから!ティナを鍛えてアンタをボッコボコにしてもらうんだから!」
「それよりチョーク痛かったか?」
「痛いわよっ!鉛か何かだと思ったし!」
ハハハハハハッ!!
『やっぱり、俺はこの日常が、大好きだ』
改めて、世界をヘルヘイムの驚異から守ろうと決心した一夏だった。
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同時刻、ヘルヘイムの森ーーーー
「……………………」
そこには、多数のインベスの骸と、
『…………禁断の、果実』
骸骨の様な戦士が、剣を持って静かに佇んでいた。
ここの鈴ちゃんは数馬と付き合ってる設定です