インフィニット・ストラトス 龍の戦士たちの日常 作:すし好き
というわけで、始まりました。
「インフィニット・ストラトス 龍の魂を受け継ぐもの」番外編です。
最初の一話は、ある人物についてみんなが話し合います。
「一夏!あいつの弱点を教えなさい!」
IS学園のとある休日、部屋でのんびりしていた一夏の元に鈴が突撃してきた。
「いきなり、どうしたんだよ鈴?弱点?」
「何だと言うのだ、朝から?」
「一夏さん、どうしましたの?」
「一夏、朝ごはん食べにって、何これ?」
「一夏く~ん、お姉さんが起こしに来てあげたわよ~」
「一夏、起きてる?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ごちそうさまでした。
それで、鈴?弱点ってなんだよ?」
「だから、カズキさんの弱点を教えなさいって――の!」
場所は変わって、食堂。
騒ぎを聞きつけたなのは達5人も含めて食事を取り、
一夏は改めて、鈴の話を聞くことにした。
「あんたを朝ごはんに誘おうとしたら、あいつに会って
例のごとく、あの手帳から写真を取りだしたのよ~~~!」
「あはは……それはまた」
机に突っ伏して泣く鈴に、一夏は苦笑いを浮かべた。
「笑い事じゃないわよ!
あんたは私たち以上に、カズキさんと付き合い長いんでしょう!
だったら、弱点や弱みの一つぐらい知っているでしょう!
ギャフン!と言わせたいのよ!」
「確かに、カズキさんをギャフンとさせるのはおもしろかもな……」
「そうですわね。いつも飄々としている先生の慌てふためく顔は
……見てみたいですわね」
「僕も興味あるな~」
「私も……。意外な一面が見れるかも」
「お姉さんも是非知りたいなぁ~」
「当然、私らもやで!」
「「「「うんうん」」」」
ダバ――ッと涙を流す鈴に、箒たちも興味津々とばかりに賛同していく。
「だけど、弱点って言ってもなぁ~。
正直、そんなのがあるんなら逆にこっちが
教えてもらいたいぐらいなんだけど……」
「本当に何も無いの?」
「いや、あるにはあるらしいぞ?
前に“人間、恐怖心なくして成長できない”とか言ってたし」
一夏も協力できるのなら協力したいが、知らないものはどうしようもない
と言うが簪の言葉に、昔言っていたことを思い出す。
「そう言えば、初日にオバケが怖いとか言ってたわね」
「でも、アリサちゃん。今は怖くないとかも言ってなかったけ?」
「だけど、ホラー映画とかはあんまり好きじゃないみたいだぞ?
俺もだけど」
「へぇ~一夏くんって、オバケがこわいんだ~。
かっわいい~♪」
一夏の言葉に楯無が茶々を入れ、同じようにかわいいものを
見るもの、呆れるものと分かれた。
「情けないぞ、一夏。男たるものオバケを怖がるなどと……」
「まぁまぁ、箒。怖いものに男も女も関係ないでしょ?
あっ、一夏。夜、怖くなったら僕のとこに来てもいいよ♪」
「お前らなぁ~。
俺は別にオバケは怖くないぞ?そりゃ、いきなり驚かされたりしたら
ビックリするけど、俺やカズキさんがホラー映画が苦手なのは
殴ったり蹴ったりすることができないからだぞ?」
「なるほど……ん?」
「殴ったり蹴ったりって……」
「それって、オバケと会ったことが……」
「「はやてちゃん!それ以上、言わないで!」」
「?」
一夏の言葉にはやてが、オバケと会ったことがあるのかと聞こうとしたら
なのはとフェイトが慌ててその口を塞いだ。
二人は、オバケやホラー系といったものが大の苦手なのだ。
引きつった顔をするみんなを一夏は不思議そうに見ていた。
・弱点候補1:オバケ
既に克服済みのため見送り
「次よ!次!
なんか、他にないの!」
「う~ん……あっ!
あの人、すっげ――泣いた後みたいに目を真っ赤にしたことが
あったんだけど出てきた部屋に、動物の感動モノのDVDが乗っていたんだよ」
「つまり、それを見て号泣したと?」
「おそらく」
「確かに、カズキさんには動物好きなところがあったような……」
「それよ!
カズキさんは、感動モノそれも動物系に弱い!
これで決まりよ!」
一夏が思い出したことに、箒も思い当たる節があり鈴はガッツポーズをして
立ち上がる。
「そうと決まれば、早速レンタルしてみせるのよ!
そして、号泣してるところを写真に取るのよ!」
「そういう動物の映画を本音が持っていたと思う……」
「ほな、早速借りて試しに皆で見てみよか?
あんまり、ベタベタやったら逆に笑いしか生まれへんし」
そう言うと、皆本音の部屋にビデオを借りに行った。
話を聞くとあっさりOKをもらい
“忠犬ハチ 友情は時間を超えて――”というものを借りた。
「これはまた……」
「べったべったなタイトルね」
「と、とにかく見てみようよ!」
よくあるタイトルにテンションが下がるアリサと鈴を見て
シャルロットが慌ててフォローを入れて視聴を開始した。
90分後――
「「「「「「「「「「「うぅぅぅ~~~~~」」」」」」」」」」」
「いい……話だったな……」
『(ああ……)』
「「「「「「「「「「「うわぁ~~~~~ん!!!!!」」」」」」」」」」」
視聴の結果、全員が号泣し自分たちのよからぬ計画には
使えないと断念。
・弱点候補2:感動モノ
全員、感動で号泣のため轟沈
「気を取り直して、次行くわよ!次!」
「立ち直り、早いな~」
「うっさいわよ!」
「そうよ!こうなったら、意地でも弱点を見つけてやるわよ!」
鈴とアリサは、一夏の言葉など耳をかさず燃えていた。
「二人とも負けず嫌いだね~」
「確かに鈴ちゃんとアリサちゃんって、似てるかも~」
「甘いで、なのはちゃん?
似ているけども、二つのお山の大きさに決定的な違いが「ツブスワヨ?」
すいませ~ん」
はやての言葉に鈴は目から光を消して語りかけたので、はやては
慌てて目を逸らして、あやまった。
「だが、こうやって改めて考えてみると
私たちはカズキさんのことをあまり知らないな……」
「確かに……」
「そもそも、本当に何者なんでしょう?碓氷先生は?」
「そうだよね、僕たちが知っているのは……」
「恋人の織斑先生をいつもからかっていて……」
「忍者みたいに神出鬼没……」
「どうやって、調べたのか人の恥ずかしいことを悪魔手帳に
書いてて……」
「あっ!この間、家庭科部の子達におかしを作ってあげてたよ」
「しかも、プロ顔負けレベルやったで!」
「あ~昔から作ってたわね~。
特に何をしたってわけじゃないみたいだけど……」
「どれだけ、ハイスペックなのそれ?」
「勉強とか運動も千冬姉に負けたことは、数えるぐらいしか
ないみたいだぞ?
それも、ケガとかをした時みたいだったし……」
全員が、カズキについて知っていることを述べていくが
言えば言うほど分からなくなると言うか、とんでもないことが
出てきて、不敵に笑うカズキの顔が全員の頭に浮かんだ。
「弱点と言うか……借金って言葉を聞くと
冷静さを失っていたな……」
「「「「「「「「「「「借金?」」」」」」」」」」」
思わぬ一夏の言葉に、みんな頭に?を浮かべて首をかしげた。
カズキが借金などと、逆に人に貸して
借金を追い立てる方が似合うような人が?と。
「前にカズキさんに喧嘩吹っ掛けた奴が、あの人の姉弟子
に押し付けられたっていう借金をカズキさんに払えって
言ってきたんだけど、それ聞いた途端地面に手をついて
ぶつぶつと借金借金って繰り返すんだよな。
頭に借金って文字が書かれた石が乗っているように見えたよ」
その光景を想像してみるが、どうにもカズキのそんな姿は
浮かんでこなかった。
「まあ、その後頭から角を生やして、ふざけんじゃねーって
そいつをボコボコにしたんだけどさ~」
「へ、へぇ~」
「それって、別に弱点じゃないじゃない!」
「でも、その姉弟子について聞いたら、鈴以上にビビッたんだよね……」
「あたし以上?」
「笑顔に影が差して、コップを持った手をガタガタと震わせながら
“どうしても……聞きたいの?”って……。
流石に聞けるような空気じゃなくなってさ」
一夏の言葉でその場には何とも言えない空気が流れた。
・弱点候補3:借金および姉弟子
あまりにも心の傷をえぐる恐れがあるため、使用中止
「う~ん、いろいろと考えたけどやっぱ無理なんじゃね?」
「まだよ!まだ何かあるはず!」
「だが、鈴。気持ちは分かるが、これ以上なにがあるというのだ?」
「箒ちゃんの言う通りね。私たち以上に付き合いの長い
あなた達三人でもわからないんじゃ、流石にお手上げよ」
「うぅぅぅ~、一夏~」
「そんな目で見られてもな~。
後は……遊ぶのが好き……とか?」
「遊ぶのが好きって?」
楯無の指摘に涙目になりながら鈴は一夏にすがりつき、
ダメ元であることを提案した。
「あの人、珍しいおもちゃというか遊ぶものに目がないんだ。
珍しいって言っても、どこにでもあるもので例えば
スーパーボールとかがお気に入りなんだ」
「スーパーボールって何ですの?」
「何かすごいボールなの?スーパーだから」
「投げるとすごく弾むゴムボールのことだよ、
セシリアちゃん、シャルロットちゃん」
「縁日とかでよく売ってたりするけど、それが?」
スーパーボールのことを知らないセシリア、シャルロットに
すずか、アリサが答えた。
この二人もお嬢様なのだが、よくお祭りに参加してたりする。
「子供のころ、一緒に遊んでもらった時たまたまカズキさんが
それを見てな?
遊び方を教えて、何回か投げたら目からうろこみたいな
驚いた顔をして、夢中で遊んだんだ。
他にもけん玉とか、遊○王にすっっっげぇ嵌って
俺以上に目をキラキラさせながら遊ぶんだよね~」
「へぇ~」
「あの碓氷先生がね~」
「でも……それ弱みとかになるの?」
「「「「「「「「「「「……」」」」」」」」」」」
簪の指摘に全員、何も言えなくなってしまう。
・弱点候補4:遊び好き
弱みとして使えず
「はぁ~、やっぱりギャフンと言わせるのは無理か……」
「誰をギャフンと言わせたいのかな?」
「そりゃ、もちろん人で散々遊ぶあいつを……って!?」
「「「「「「「「「「「カズキさん(碓氷先生)!?」」」」」」」」」」」
「やあ♪」
一夏たちが話し合っていると、その問題のカズキがいつの間にか
やってきていた。
「なんか、おもしろいことやっているみたいだね~。
俺の弱点だって?」
「ええ……まぁ」
思わぬ登場に、一夏をはじめその場にいた者は顔を引き攣らせる。
特に鈴は、腰を抜かすほどの勢いだ。
「別に教えてもいいよ?」
「「「「「「「「「「「「えっ?」」」」」」」」」」」」
「弱点と言うより、怖いものかな?
あれだけはもう絶対にイヤっていうのはあるよ?」
「そ、そうなんですか?」
「それで、その怖いものって何ですか?」
楯無の言葉を皮切りに、みんなが机から身を乗り出すいきおいで
カズキに迫った。
「俺の怖いものはねぇ~…………お粥だよ」
「「「「「「「「「「「お粥?」」」」」」」」」」」
「うん、お粥。
昔、千冬ちゃんが俺に作ってくれたんだけどね?
一夏に教えてもらったレシピを見ながらでも、
エネルギーチャージのゼリーを入れようとしたりして、
素材の味を見事に殺すようなものを作ってねぇ~。
まあ、黒こげでない分マシだったけど、
しばらく白い液状の怪物に追いかけられる
夢を見たよ~」
「「「「「「「「「「「「……」」」」」」」」」」」」
微笑みながら、自分の怖いものを語るカズキにみんな無言だった。
何故なら――
「あれ?どうしたの、みんな?」
「ほぅ~、そんなに怖いのならそれ以上の怖い目に合わせて
克服させてやろうか?」
カズキの後ろに、拳を鳴らしながら笑みを浮かべ、獲物を狩る眼をした
世界最強の乙女がいたのだから。
「やぁ~、千冬ちゃんいたの?」
「やけに楽しそうだったなぁ~、カズキ?」
「ははは、それ程でも~。
ところで、料理の腕は上がったのかな?」
「……」
「千冬姉、落ち着いて!
今度、小学生でも作れるお粥のレシピを教えるかr、グヘッ!」
「やかましい!」
一触即発な空気が流れる中、一夏がフォローのつもりでお粥の
レシピを教えようとするも千冬に沈められた。
若干、涙目で。
「さぁ~て、覚悟はいいか?
変態宇宙人?」
「弟に未だに料理を教えてもらっているのに俺に勝てるかな?」
カズキの言葉を合図に、食堂を揺るがす痴話喧嘩が開始された。
「結局、カズキさんの弱点は分からなかったな」
「それは違うわよ、箒ちゃん」
「せやで、碓氷先生の弱点……それはアレや!」
楯無とはやてが指さしたのは、ISすら破壊しそうな千冬の
攻撃をヒョイヒョイとかわしているカズキであった。
「碓氷先生の弱点、というより男の人の
弱点は惚れた恋人♪」
「ついついからかいたくなるんやろうな~」
・結論:碓氷カズキの弱点、織斑千冬
「待て!変態宇宙人!」
「ははは、千冬ちゃんはおもしろいな~」
その日の夜、食堂では天井に空いた穴からきれいな月を
眺めることができたという――
如何だったでしょうか?
基本は、思いついたものを書いていくので更新は本編より
不定期かつゆっくりです。
カズキが恐怖する姉弟子は、いつか登場する……かも?