インフィニット・ストラトス 龍の戦士たちの日常 作:すし好き
2018年、最後の更新になります。
ここ数日がんばって、何とか間に合いました~。
IFな世界の映像鑑賞ですが、結構長いです。
いじるのが簡単な人、ちょっと悩んだ人と大変でしたが
おもしろかったのでまたやりたいですね。
“よし!なのは!言われた通り、何とかこいつの動きを封じたぞ!”
“ありがとう、ヴィータちゃん!後は任せて!”
“おう!って、何でレイジングハートをこっちに向けて……まさか!?”
暴れまわる巨大なゴリラのような生物を自分ごと、バインドで動きを
封じたヴイータは、そうすれば後は自分に考えがあると言ったなのはの
行動に戦慄した。
同じく、自分の身に起こることを直感したのか、生物も死に物狂いで
バインドをほどこうとする。
“大丈夫!非殺傷設定だから、ノープロブレム♪”
“ノープロブレム♪……じゃねぇぇぇ!!!”
“それじゃあ、少し頭冷やそうか?”
“頭冷やすのは、お前っっっ!”
“い……っけぇぇぇ!!!”
“この……悪魔がぁぁぁぁ…………!!!!!”
桃色の光に飲み込まれ、ヴィータと生物は滝のように涙を流して星となった。
“ふぅ~~~。……か・い・か・ん♡”
一仕事終えたように、額の汗をぬぐったなのははレイジングハートを抱きしめて
恍惚とした表情を浮かべるのであった。
「……破壊マニア?」
『いや、と言うよりも……』
『魔砲マニアじゃねぇ?』
一夏達は、”パラレル見れるんです♪”に流れる映像に、何とも言えない表情を浮かべ
唖然としていた。
「どんな世界か設定せずに見れるランダム機能を使ったはいいけど……
これは」
『何が一番怖いかって……あんまり違和感を感じねぇってことだよな~』
『確かに、なのはなら魔砲を撃ってこういうことを言っても……ん?』
「どうした~ゲキリュウケン?」
一夏は、テレビの中で満面の笑みを浮かべレイジングハートを構えるなのはを見て、
パニックとなるテロリスト達に若干の同情を覚えていると、何かに
気付いたゲキリュウケンに気の抜けた声をかける。
『そもそも並行世界というのは、世界のあり得る別の可能性の世界……。
一夏が魔弾戦士でなかったり、ISを動かさなかった世界も
あるかもしれない……』
『それがどうかしたか?』
『つまり、あり得るIFの数だけ世界はあるが、逆を言えば“あり得ない”世界
は存在しないということだ』
「……ん?あり得ない世界は存在しない……。
てことは、千冬姉には魔法少女になれる素質って言うか運命も元々持っていて?
なのはも魔砲をぶっ放すことに快感を感じるような、可能性が元々あるってことか?」
『たまたま、私達の世界がそういう道を辿った世界でないだけでな……』
ゲキリュウケンが気づいてしまった可能性に、一人と二体の間に重い沈黙が
流れる……。
自分達が見ている色んなものがぶっ飛んだ映像は、いつか目にする日が
来るかもしれないことに。
「ま、まあ可能性の話だしな、あくまでもっ!」
『そうだぜ!見てるのは、こっちとは違う“もしも”なわけだしな!』
『そ、そうだな!考えすぎだな、うん!』
想像以上に自分達が使っている“パラレル見れるんです♪”の怖さから
目を背けつつ、一夏達はリモコンを操作してチャンネルを変えていく。
“情けないぞ、一夏!どうして、そんなに弱くなっている!”
“いててて……。何でって言われても、竹刀を握ったのは三年ぶりだしなぁ~”
「今度は、俺が魔弾戦士にならなかった世界かな?
口ぶりからするに、クラス代表を決める辺りってところか」
“そうかそうか、それで一夏?負けて悔しいか?昔みたいに、泣いていいんだぞ?”
“なっ////////!?いつの話だ、それ!負けて泣くわけ……”
“ふふ……ふふふふふふふふふふ~~~~~♪”
“あ、あの~箒……さん?”
『なんかさ~』
『一気に雲行きが怪しくなってきたな……』
一夏達は次に映った光景、見慣れたIS学園の剣道場で一夏が箒に負けているのを
見て、段々と嫌な予感を感じ取っていた。
顔を俯かせ、不気味としか言いようのない笑いを上げる箒に、映像の中の一夏と同様、
彼らは冷や汗を流していく。
“つまり!これから、訓練でお前を負かしていけば!
あの時の泣き顔を再び見れるということなんだなっ!!!”
“は?……はぁぁぁ~~~~っ!!!???”
“今でも、はっきりと覚えている!
入門したばかりでいきなり、私に勝負をふっかけあっさりと負けた時に見せた!
あの悔しさにプルプルと震えて、涙を流した一夏の顔!
それを見た時、私の体に電流が走った!
もっとこの顔を見たい……
もっと泣かせて敗北と屈辱に震えるお前の泣き顔を!!!!!”
“え……ちょっ……えええ??”
“だが!
悲しいかな……お前は、私をあっという間に超える強さになってしまった……。
もう、私の手で涙を流させることは出来ないと……!”
“いってしまった目”。
そうとしか言いようのない、危ない目をして映像の箒は頬を赤らめ息を荒くして、
竹刀を握りしめる。
“ああ~ん!!!
一夏を再び、負かせるために鍛え続けたかいがあった……!
お、大きくなったお前が……ま、またあの泣き顔を見せてくれるのかと思うと……
私は!私は!!!”
“…………ねぇ、みなさん?俺の幼馴染は、宇宙人だったんでしょうか?
言っていることが、何一つわからないんだけど……?
目を逸らさないでくれるかな!
僕を見捨てないで!!!!!”
“さぁ、一夏~♪
特訓をは・じ・め・る・ぞ♡”
自分の体を抱きしめクネクネし始めた箒に、一夏は周りにいるギャラリーに助けを
求めるも、誰も目を合わせようとしなかった。
そして、箒が肩を叩くと言葉を発さず全速力で剣道場から逃げ出した。
『『「…………さぁ~て、次はどんな世界かな」』』
今、見たものは見なかったことにしよう……。
並行世界である以上、自分達にできるのはその世界の一夏の無事を祈ることと
箒とこれまでと変わらずに接することだけだと、彼らは言葉を交わさずとも
通じ合っていた。
その後、今見た世界で一夏が泣き顔を見せたことでIS学園全体が、箒の気持ちを
理解してしまい、大変なことになることを彼らは知る由もなかった。
「なんだ……これ……?」
一夏は、“パラレル見れるんです♪”に映った光景に、言葉を失っていた。
“違法薬物所持及び、密漁の罪であなたを逮捕します!”
“くっっっっっそぉぉぉ!!!”
“流石、フェイト執務官!”
“長年にわたって指名手配されてた犯罪者を、こんな簡単に……!?”
“はぅ~~~、お姉さまって呼びたい……!”
“厳しく罵ってほしい……でも、時には甘やかせて/////////!!!”
『フェイトが……』
『普通……だ、と!?』
ゲキリュウケンもザンリュウジンも愕然となった。
映像の中のフェイトは、如何にも仕事ができると言ったような、
所謂かっこいい女性というのを体現していて、あまりにも自分達の知るフェイトと
別人で。
「これ……まだ映ってないだけで、家とかユーノの前なら……その……」
『いじめられたり、誰かに見られるのが好きな一面が出るってか?』
『言いにくいことをそんなあっさり……』
だが、待てどもザンリュウジンが言ったように一夏達がよく知るフェイトの
ような面は出てこなかった。
『こっちのフェイトはよぉ~。
一体、どこで道を間違えたんだろうな?』
「リリスの所為じゃないか?」
『いや。あいつに会う前から、兆候はあったぞ?』
こちらの世界のフェイトは、どうして開けてはいけない扉を開いてしまったのか……。
考えても答えは出なかった。
“きゃっ!……うぅぅ~~~~~。
しくじりましたわ……”
“セシリア……またですか……はぁ~~~。”
“も、申し訳ありません!チェルシー先輩!”
『これはまた……』
『本人が見たら、猛抗議しそうだな♪』
「あははは……」
次に映ったのは、メイド姿のセシリアがバケツをひっくり返て水浸しになり、
先輩メイドに呆れられる世界だった。
もしもこっちの世界でもメイドをさせたら、同じドジをしてもおかしくないと
一夏達は苦笑する。
“お残しは許さへんで~♪”
「これは、安心する違和感の無さだな」
『『うんうん』』
「おかんって奴だな」
『おかんだな』
『おかんのお手本だな♪』
割烹着を着た食堂のおばちゃんなはやてに、一夏達は
ほっ……と安心感を覚え……。
“みんな~~~!今日は来てくれてありがとう~~~!!!
心ゆくまで、楽しんでってね~♪”
「な~んか、見たことあるな?
このアイドル……」
『お手本のようなツインテールに小柄な身長……』
『笑顔から覗かせる八重歯に、細い足で猫のようなしなやかな運動神経……』
『『「って、鈴じゃん!!!?」』』
「何で、気づけなかったんだ?」
『あっ!わかった!
このアイドル鈴!鈴より胸が結構ある!!!
シャルロット並ぐらいか?』
『「あああっ!!!?」』
本人が聞いたら、問答無用で三途の川に“いかせられる”別世界の鈴の姿に
驚愕し……。
“え~っとね?
おにいちゃんが~。締め切りに間に合ったら、ご褒美のチューしてくれるって
言ったらがんばれそうな気がするんだけどな~?”
“どこから、ツッコミをすればいいのかわからないけど、僕は君の担当であって
兄じゃないし、そもそも先生が自分と会おうとしてないんだから、チューするも
なにもないでしょう。
ルイス先生?”
“ぶー。ユーノおにいちゃんのい・け・ず~”
「見てはいけないものを見た奴の気持ちって……こういうのかな?」
『これは、今まで一番何と言っていいのか……』
『ぷっ……クハハハハハ!!!!!』
一夏は頬を引きつらせながら、妹が兄に甘えるような明るい声で電話する
ルイス先生ことアリサを見やる。
カズキが見たら、ザンリュウジンのように抱腹絶倒、間違いなしな光景である。
「ユーノお兄ちゃんってことは、電話の相手はあっちの世界のユーノだよな?」
『普段はこちらと変わらないが、電話越しだとこんなデレデレになると見た』
『これはぜひとも、こっちにいるルイス先生に見せたい……と言うより、
部屋で一人っきりの時は、やってたりしてなぁ~。
そんでもって、すずか辺りにバレバレで♪』
笑い転げるザンリュウジンに一夏とゲキリュウケンは、それを否定できる要素を
見つけられず、次の世界にチャンネルを変えていく。
“こ~ら~。
君?下校中の寄り道は、前にも注意したでしょう?“
“すいません、婦警さん。
でも、最近よく会いませんか?”
“え~~~、何?
昼間っから、ナンパ?それも警察官を~?
そんな、い・け・な・い・子は……逮捕しちゃうぞ♪”
“ナンパって//////////////////”
“あははは!もう~かわいいな~♪この!この!”
「なぁ~に~この感じ?」
『ナンパしてからんでいるのは、寧ろシャルロットでは?』
『婦警さんなこと以外、こっちのシャルロットとあんまり変わらねぇ~な~』
婦警のシャルロットが声をかけているのは、箒の時と同じくその世界の一夏だった。
シャルロットの職業以外に、一夏の制服から察するにISはないようだが、これと言った
こちらのシャルロットと違う点は見られなかった。
ちなみに、彼女の制服はミニスカポリスである。
“どうせなら、年下の男の子を誘惑するいけないお姉さんを逮捕して
色々とオシオキしてもほしいなぁ~。
なんちゃって♡”
“何か言いました?婦警さん”
“ううん!何でもないよ♪”
「……どうにかして、この世界の110番に電話できないかな?
危ない婦警がいるって……」
『無理だろうな……』
『シャルロットはどんな世界でもシャルロット……か』
小声で妄想をイヤンイヤンと口にする危ないお姉さんな婦警のシャルロットに、
危険を察知した一夏は何とかして、あっちの自分を助けられないかと思案する。
その傍らでザンリュウジンは、どこか諦めに似た納得をしていた。
“さぁさぁ~ご主人様~♪
もう、逃げられませんよ~?”
“や、やめるんだ、すずか!
人間、落ち着いて話し合うのが大事だ!”
“男なら覚悟を決めてください”
“男だから、嫌なんだよ!
女装なんて!!!”
“仕方ないでは、ありませんか。
私とのゲームで負けたら何でも言うことを一つ聞くと言ったのは、
ご主人様ですよ?”
“何で僕が、往生際が悪いみたいなことになっているの!?
朝、下着姿で布団に入り込んで起こすのを止めて欲しかっただけなのに!”
“つまり、ご主人様はゲームに勝って、
一日裸エプロンの新妻スタイルで過ごせと命令したかったと?”
“誰か、通訳!
言葉のキャッチボールの仲介をできる人を連れてきてぇぇぇ!!!”
「すずかも平常運転か~」
『ユーノもな……』
『てか、勝っても負けてもすずかの得なんじゃね?』
オーソドックスなメイド服を着たすずかは、大きく胸元が開いてスカートの裾も
短い際どいメイド服を手に、主人であるユーノにジリジリと詰め寄っていた。
その顔はものすごく輝く笑顔である。
“この間の文化祭で演じたプリンセス……ものすごく絵になっていました。
今一度、じっくりたっぷりしっぽりとかわいいかわいいユリス様となったご主人様
の恥辱に染まった顔を堪能したいのです”
“なにする気なの!ユリスちゃんに変なことしないで!”
“良いではありませんか、良いではありませんか~”
「こういうのってさ?普通、男女逆じゃないか?」
『その通りだが、すずかだと……』
『違和感を感じねぇな~』
一夏達は、今見ている映像のユーノとすずかの立場が普通は逆なのに
それをあまり疑問に感じていない自分達に苦笑いを浮かべる。
二人が部屋の中へ消えたタイミングで、チャンネルを変えたので、果たして
ユーノがどうなったかは、神のみぞ知るである。
“ふわぁぁぁ~。
今日もいい天気だな~。こう天気がいいと眠くなって……Zzzz……Zzzz……”
「これもほっとする違和感の無さだな」
『どう見ても着ぐるみパジャマにしか見えないが、どういう世界だ?』
『癒されるわ~』
全身がフワフワな黒ウサギなラウラは体を丸めてお昼寝を始め、一夏達は
和まされていた。
ラウラがパジャマとして使っている、着ぐるみパジャマのウサギさんVer.の
姿であった。
「なでなでしたいな~」
『すごいモフり感がありそうだ』
『他の小動物と絡ませてみたい!』
どういう世界なのか疑問は多々あるが、そんなのがどうでもよくなるほどの
ウサギラウラの愛らしさに一夏達は、暖かい目をするのであった。
“私は、更識楯無17歳♪
ここ藍越学園の生徒会長。成績優秀、スポーツ万能で実家は由緒正しい料亭な、
絵に描いたような完璧な美少女♪
でも、それは表の顔。
……裏の顔は、悪い奴らからお宝を取り返す、怪盗ミステリアス・レディなのだ!”
“お嬢様、茶番はいいので早くこの書類を片づけてください”
“あっ、は~い。今片づけるわ、虚ちゃん”
「虚さんは、どこでも楯無さんのストッパーというかお姉さんというか……」
『怪盗な点に、ツッコミはしないのか』
『そんなもんがどうでもよくなるぐらい、あんまりこっちと変わらねぇからな~』
こちらと同じく、華やかな表だけでなく裏の世界の住人でもあっても楯無の行動や
言動に疑問を感じることのない一同であった。
“さて!今日のお仕事の前に、エネルギー補給~っと♪
――きゃぁぁぁっっっ!!!!!
やっぱり、素敵すぎよ!!!簪ちゃん!
私の天使ぃぃぃ//////////////!!!!!”
『『「うっわぁ…………」』』
一夏達は、仕事前の一息と楯無が向かった部屋を見てドン引きした。
彼女が向かった部屋には、天井や壁一面にどう見ても盗撮としか思えない
簪の写真が選挙ポスターのごとく貼ってあったからだ。
他にも等身大のフィギュアとか、○○記念とか書かれている服、オマケに
幼稚園児の簪が出ている学芸会のビデオを見て黄色い声を上げていた。
“これで、お姉ちゃん今夜も頑張れるわ!
そして今日は久しぶりに、一緒にお風呂に……ジュルリ”
『『「(ダメだ、こいつ。早く何とかしないと……!)」』』
もう、手遅れなんて言葉で済まないほど“いって”しまった楯無に
魔弾戦士と魔弾龍達はどうしようもないと理解した。
“ねぇ?何で、頼んでいた録画が入っていないのかな?
こんな簡単なこともできないの?”
“ごごごごめん、簪ちゃん!
すっかり、忘れてちゃってて……”
“……ちっ!この役立たずが……”
“はぅぅぅ~ん!!!
そ、そんなゴミを見る冷たい目で見られたら……/////////////!”
「楯無さんに冷たい簪か……でもって、ここの楯無さんもどうしようもないか……」
『冷たいと言うより、うっとおしいという感じだな』
『クールビューティな簪ってのも、新鮮だね~』
続いて映った世界でも楯無は手遅れな感じで、一夏達は考えるのをやめた。
“まさか、私にゴミにも劣るって思われたからわざとやったんじゃないよね?
駄姉?”
“ち、血のつながった姉に何て言い草!?”
「きっついな、毒を吐く簪は」
『もしもこの簪みたいに、一夏が千冬に冷たい言葉を言ったら……』
『ショックで引きこもっちまうぜ、千冬の奴』
「いや、千冬姉にそんなことしたら、俺が天国に引きこもらされるよ」
斬新な簪に、ゲキリュウケンとザンリュウジンは一夏が同じことを千冬にしたらと
考えるが、当の一夏はそんなことしたら天国にぶっ飛ばされると笑い飛ばす。
“ナメトンノカー!”
“ちょっと待って~。そこの人(?)~。
慈しみの使者、キュ〇ウインター♪”
“慈しみの使者、〇ュアエレガント!”
“二人は、プ〇キュ〇!”
“さあ、世の中に八つ当たりする悪い子には~?”
“慈しみの拳をプレゼントよ~♪”
「いだだだだだだだだだだだだ!!!!!!!!!!!!」
『これは、また……』
『年頃の男の子には、来るもので』
不意打ちでやってきた胃の激痛に、一夏はうずくまる。
ゲキリュウケンもザンリュウジンもこの光景には、反応に困っていた。
映像の中で、紫色の体に手足が生え、目と口がわかるような丸がついて
“ナメトンノカー”と叫んでいる怪物に、プリティでキュアキュアな衣装を
着た冬音と雅が戦っていた。
「百歩譲って、母さんはまだいいかもだけど、雅さんは……色々とくるなぁ~」
『太夏が見たら、大笑いしそうだな』
『そんでもって、慈しみの拳をプレゼントされるんだろうな~』
これ以上の言葉は、慈しみの拳を喰らって塵芥になるだろうと一夏は吐きそうな
胃の痛みに堪えてチャンネルを変えるのと同時に、怪物は二人の戦士によって
天高く打ち上げられた。
“……っとっと~。ちょっと持ちすぎたかな~?”
“ちょっ!危ないな~。貸して、ユーノちゃん?少し、持つよ”
“くっ、なのはめ!
ほら、俺にも貸せ!べ、別に危なっかしいだけでお前の為じゃねぇからな///////!”
“相変わらずアリサは、素直じゃないな~”
“そういうフェイトも何で、朝から水も滴るっていうのを体現して、水浸しなの?
ああ、ユーノちゃん?それを運び終わったら、生徒会室に来てくれるかな?“
“あかんでー、ユーノちゃん!
生徒会室みたいな男と女の秘密の場所に
すずかみたいなのと二人っきりとか、結婚式まで、一直線やで~!?”
“えっえっえっ?み、みんな?”
「……この世界も違和感ないけどさ……」
『ああ、そうだな……』
『ははは~♪面白いじゃねぇの~』
ザンリュウジンはこの世界を気に入ったみたいだが、一夏とゲキリュウケンは
笑うに笑えなかった。
両手でノートの山を抱えた“女子高生”の制服を着たユーノの周りで、
騒ぐ“男子高生”ななのは達の姿に……。
もしも、性別が逆になったらこういう感じになるんだろうな~といった感じだが、
一夏が笑えないのは……
「ユーノが一番違和感ないんだよな……」
『確かにな。彼女達は、面影があるぐらいで言われなければ気づかないだろうが、
ユーノは違和感が仕事できていないぞ』
『要するに、ユーノの奴が女装してIS学園に来ても、誰にもバレないってことだな♪』
ユーノの傍で、オロオロする幼馴染と思われるなのは。
男のツンデレをこれでもかと実演しているアリサ。
水浸しで、濡れたカッターから覗く肌に男のフェロモンを漂わせるフェイト。
学園を裏から支配しているような、怪しげな笑みを浮かべるすずか。
クラスのムードメーカー的な元気のいいはやて。
しかし、彼女……いや、彼らの違和感は
顔も髪もこちらの世界のユーノと大して変わっていないにも関わらず、
女子の制服を着るユーノの違和感の無さには及ばなかった。
「これ以上は、やめよう……。
何か、ユーノに何て言っていいのかわからなくなる……」
『それがいい……』
『もっと見てみてぇけどなぁ~
(今度、カズキと一緒にまた見てみよう~っと♪)』
一夏達が知るユーノとはまた違った恋愛修羅場は、
果たしてどのような結末を迎えるのか――。
“そこまでですわ!
これ以上の狼藉は、このキュアブルーが許しませんわ!”
“ウルセェンダヨー!”
“うるさいのは、貴様だ!
その騒音……キュアソルジャーが消し去ってくれる!”
“ウルセ……”
“お前達、油断大敵だぞ?
さあ、キュアシンガーの歌にしびれたい奴からかかってこい!”
「う~ん……知り合いが正義のヒロインをやっているのって、
どんな反応をするのが正解なんだろうな?」
『知らん』
『楽しめばいいんじゃねぇ~の?』
先ほどの“ナメトンカー”のように、“ウルセェンダヨー”と叫ぶ怪物に
立ち向かうプリティでキュアキュアな衣装を着て戦う女の子達に、一夏は
苦笑いを浮かべる。
何故なら、今戦っている三人が変身するのを見たのだが、キュ〇ウインターと
〇ュアエレガントのように全員知っている顔だったからだ。
「まあ、セシリアがキュアブルーで?ラウラがキュアソルジャーなのは
いいとして……千冬姉がキュアシンガーって……」
ゴスロリチックな青と黒の服のキュアブルーとキュアソルジャーと違い、
歌手をイメージした
白いコスチュームでギター片手に音を操り戦っていく、別世界の姉に一夏は肩をすくめる。
『別々に変身したところを見ると、彼女達は互いに正体を知らないようだが……』
『もし、正体を知ることになったら…ぷっ……くくく』
「ん?あれって、明?」
“みんな、もう戦っているな……よし!私も!
キュアナイト、参上!”
チームのようだが、変身前のことは知らないと思われる千冬達に、
バレた時はどうなるのかと考えていたら、明も姿を現し、男装の麗人のような姿
に変身したことで、一夏達は思いっきりずっこけた。
「おいおい……。
千冬姉でも、戦うヒロインって格好なのに、何で明だけ男装した感じに なってるの?」
『ま、まあ……似合っているからいいのでは?』
『いや、似合っているからおかしい……のか?』
“お待たせ♪
キュアギャラクシー、見参!”
「まだいるのか……って、千冬姉?」
一夏はソファーに座り直しながら、新しく登場した5人目を見て首を傾げる。
キュアギャラクシーと名乗った彼女は、千冬が変身したキュアシンガーとそっくりな
顔であったからだ。
『千冬はもう変身しているから、カズキが見た魔法剣士のようにちっちゃくなった
冬音か?』
『でも、冬音はさっき別の姿で出てきたよな。
ここで変身するとしても、その姿になるんじゃねぇか?
あっ。キュアナイトにお姫様抱っこされて、顔が真っ赤になった』
5人目の戦士は誰かとあれこれ考えている内に、全員が力を合わせた
必殺技で敵を一掃した。
“それじゃあ、みんな。またね~♪
……ここなら、誰にも見つからないよな?
よし!”
「へっ?」
『はっ?』
『おいおい……』
戦いが終わり、みんなと別れたキュアギャラクシーが誰にも見られない所で
変身を解いた正体を見せて、その姿に一夏達は思考が停止した。
“……はぁぁぁ~~~~。
何で、俺変身すると女の子の姿になるんだろう”
「おかしいな?今、あっちの世界の俺がキュアギャラクシーだったように 見えたぞ?」
『現実から目を逸らしても、無駄だぞ一夏?
恐らくこの世界では、お前は戦うヒロインに変身するんだろう』
『ギャハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!!』
自分の見間違いであってほしいと願う一夏であったが、現実は無情である。
ザンリュウジンの爆笑がそれを物語っていた。
“それにしても、何でキュアギャラクシーを見ると胸が高鳴るのだろう?
これが恋……というものなのか?
……いやいやいやいや!!!
相手は、私と同じ女の子だぞ///////////////!
何を言っているんだ、私は……”
“またキュアナイトに、助けられちまったな~。
今日はお姫様抱っこまで……って!
何でウェディングドレスを着たキュアギャラクシーを抱きかかえる、
キュアナイトを想像した////////////////////!!!”
『もっと見てみようぜ、この世界♪』
『……そうするか』
「やめてぇぇぇ!!!」
なかなかおもしろいことになっている彼女達を見て、
ザンリュウジンとゲキリュウケンはどんどの乗っていく。
一夏の悲痛な叫びが、むなしく部屋に響いた。
『いや~なかなか面白かったな~。
“パラレル見れるんです♪”♪』
『だが、これを使い続けたらカズキは、入院どころか笑い死ぬのではないか?』
「た、確かにな……ザンリュウジン以上に大笑いするのが目に見える……」
魔弾龍達は、このテレビを使ったら冗談抜きでホントの本当にカズキが笑い死ぬ
と悟り、一夏も精神的大ダメージから復活しながら同意する。
「あっ。結構、長い時間見てたみたいだな。
そろそろ帰るか」
『こういう何でもない一日というのもたまにはいいだろう』
『そうそう~。こういう日っていうのは、大事だぜ?』
「そうだな」
一夏は、立ち上がりながら“窓”の方に足を向ける。
「でもさ?
このテレビは、カズキさんがそうだったみたいに一人で見るのが一番だな。
みんなで見ると色々気まずいし、記憶を消したくなるものが映るかもだし」
「「「「「「「「「そうだね~♪」」」」」」」」」
「と!言うわけで、織斑一夏は記憶を消されないために、
逃亡するのであったっっっっっ!!!」
「「「「「「「「「待てぇぇぇっっっ!!!!!
お前達の罪を数えろっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」
千冬が蹴り飛ばしたことで、部屋の中の様子は廊下に筒抜けであり、
話を聞きつけたいつものメンバー達も一夏が見ていたものを外からこっそり
見ていたのだ。
一夏達がしゃべっていたことも。
記憶を消すために、何をされるかわからない一夏は、窓から飛び降りで
力の限り走り続けた。
部屋に残されたのは、すずか、ラウラ、明の三人だけであった。
「さあ♪私達も、このテレビを使ってみようか♪」
「うむ!さっきのお姉ちゃんとお兄ちゃんが変身して、戦う世界が見たいぞ!」
「ラウラが見たいと言うのなら、仕方ないな/////////。うん」
三人は、ソファーに座って“パラレル見れるんです♪”で楽しむのであった。
同時に、IS学園のあちこちで爆発音が一日中鳴り響いたと言う。
そして、同じようにカズキが入院した病院を震源地とした地震が観測されたそうな。
いや~以前言っていた、キラキラ☆プリキュアアラモードネタを
ようやくやれた(名前繋がりで)
プリキュアネタは、その場の勢いとノリで書いているため
細かい設定等は、ありません。
キュ〇ウインターと〇ュアエレガントは、学生姿ではなく、
一夏達が知る今の大人の姿で変身しております(爆)
笑ってもらえれば、幸いです。