インフィニット・ストラトス 龍の戦士たちの日常   作:すし好き

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外出自粛の中、ちょいちょい書いて完成しました。
家の中でアニメを見たり、プラモを作りながらwww


考えた計画より、ノリと勢い

「今度こそ……今度こそ、やってやるぜ相棒!」

『そうか。がんばれー。応援してるぞー』

 

自宅で拳を握りしめて何かを決意する高校生ぐらいに少年に対して、

相棒と呼ばれたものは、棒読みの言葉を返す。

 

「何だよ、バクリュウケン!

 その気の抜けたどうでもいいって感じは!」

 

少年の名は、織斑太夏。

青春真っ盛りの16歳である。

 

「しかも、何か失敗するとか思ってない?

 まだ、何をするかも言ってないのに」

『何をするも何も、冬音への告白だろ?

 ちょうど、来週が誕生日だしな』

「うっ……。見抜かれてる……っ!」

 

ヤレヤレと言った感じで自分のことを言い当てる、バクリュウケンに

太夏はたじろぐ。

 

『で?

 今回で何回目だ?

 そうやって、告白するぞって決めたのは?

 毎回毎回、いざ想いを告げようとすると決まって

 何かしらの邪魔が入ったり、ヘタレてできなかったから、

 今の状況なのだろ?ん?』

「ぐふっ!」

 

バクリュウケンのド直球ど真ん中な正論に、太夏はノックアウトされる。

 

『(もっとも、問題はこいつの間の悪さやヘタレだけでなく、

 冬音の鈍感にもあるんだがな。

 彼女にとって太夏が単なる幼馴染でないことは、誰の目にも明らか。

 だと言うのに、肝心の本人がそのことに気づいていないのは……)』

 

打ちのめされた太夏を見やりながら、バクリュウケンはため息をつく。

そこにいたのは、地球を守る魔弾龍ではなく親戚の子を見守る保護者であった。

 

『(まあ、鈍感に関しては太夏も負け劣らず……。

 仮にこの二人が結婚して子供ができたら、二人の鈍感が遺伝して……

 やめよう。

 考えるのが怖い……)』

 

バクリュウケンはとある考えに至るが、そこで考えるのをやめる。

十数年後、その考えが現実のものになる――。

 

「……ふふふ。

 俺を甘く見るなよ、バクリュウケン?

 今度という今度は、完璧な計画だ!」

 

打ちのめされた太夏は、不敵な笑いをしながら立ち上がりドヤ顔で

胸を張る。

 

『その完璧な計画と言うのは、邪魔が入らないように朝早く冬音を

 呼び出して、プレゼントを渡して告白というベタベタなものだったりしないか?』

「何で、俺の完璧な㊙計画をっ!?

 バクリュウケン……お前は、いつから心が読めるようになったんだ!!!?」

『はぁ……』

 

冗談半分で言った作戦が、当たりだったり、バレたことに心底驚ている太夏に

バクリュウケンは、ため息をつくのであった。

 

『……まあ、そんなベタベタな方が逆に上手くいくかもしれん……か』

「だろ!

 それに、プレゼントもちゃ~んと考えてんだぁ~♪

 これだぁっっっ!!!」

 

太夏が勢いよく机に一枚のチラシを叩きつける。

 

『何々……ファンシーアニマル、特大サイズバージョン?』

 

チラシは、ぬいぐるみの広告であり、5歳児ぐらいの子供が自分とほぼ同じ大きさ

のぬいぐるみを抱いているのを見ると、特大サイズがどれ程かうかがい知れる。

 

「ふふふ……。ファンシーアニマルシリーズ、実在空想問わず、動物を

 デフォルメしたぬいぐるみだけど、ファンシーという名にもかかわらず、

 かわいく見えなくもない微妙なデザイン……。

 だけど、こういうデザインがいいという声も少なくなく、ファンの数もそこそこに。

 そして!

 人よりズレた感性の冬音も、そこそこいるファンの一人!!!

 しかも、この大きさで俺の想いの大きさも表現できると言う

 正に一石二鳥な品だぁっっっ!」

『一石二鳥ねぇ~?

 値段も特大サイズとあってそこそこするみたいだぞ?』

 

熱弁する太夏にバクリュウケンは、本当に問題ないのかと遠回しに確認する。

ぬいぐるみの値段は、高校生には少しお高いもので、今までのパターンからすると

プレゼントを買えず計画倒れになると思ったからだ。

 

「そこも抜かりなしだ!

 いざという時にコツコツ貯めてた小遣いと、3か月分の前借りでバッチリよ♪」

『なるほど。

 では、それが無駄にならないように精々頑張るんだな』

「おうよ!」

 

そう言って、太夏は財布片手に意気揚々と出かけるのであった。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「さぁ~て、ここまでは順調だな……」

『ああ。お前にしては珍しくな(すれ違う人達に、奇異の目で見られる以外は)』

 

目的のプレゼントを手に入れた太夏は、家への帰路についていたが、

購入したぬいぐるみは特大サイズなだけあって包めれる袋がなく、太夏はここまで

抱えてきたのだ。

無論、バクリュウケンの言うように男子高校生が巨大ぬいぐるみを抱いているのは、

なかなかに目立っていたが、太夏自身はそんな奇異の目で見られていることには

気がついていなかった。

 

「今回の俺は一味違うぜ……。

 いつもなら、何故か俺んちにいる冬音とバッタリだろうが、

 そうはいかない……。

 窓のカギを開けている俺の部屋に素早くジャンプして、こいつを

 放り込んで玄関から帰宅する……。

 これなら、冬音とバッタリ会ったとしてもプレゼントが見られる心配はない。

 我ながら、完璧すぎる計画だぜ……」

『(確かに完璧だよ。

 来週の誕生日の前に、プレゼントが冬音にバレるフラグが完璧に立っているよ)』

 

不敵に笑う太夏に、バクリュウケンは憐憫の眼差しをするのであった。

最早、二階とはいえ鍵の開けっ放しの不用心にツッコむ気にもならない。

そして、同じく太夏が抱えるファンシーアニマル……白龍の白ちゃんが

何とも言えない目でジッと見つめていた――。

 

「作戦は迅速に実行するのが肝心……。

 いち……にーの……さ……っ!」

「何してるの、太夏?」

「ふぉわっ!!!?」

 

家の手前の電信柱に隠れて、周囲を伺っていた太夏は一気に走り抜けようとしたが、

後ろから冬音に声をかけられ、変な声を上げて飛び上がってしまった。

 

「あれ?それって……」

「あぁぁぁっ!ここここここれは……っ!!!!!」

 

5歳児と変わらない大きさのぬいぐるみに気がつかないはずもなく、太夏は白ちゃんを

背後に回して冬音から隠そうとあっちこっちに動かすが、彼女の視線が

白ちゃんから外れることはなかった。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「誕生日プレゼント?」

「お、おう……。

 来週誕生日だろ?

 ちょっと早いけど、誕生日おめでとう……」

 

道端で立ち話も何だから、太夏と冬音は、太夏の家に行き、

庭でプレゼントの受け渡しをしていた。

冬音は純粋に驚いていたが、太夏は気落ちしていた。

 

「(お……俺の完璧計画が~~~)」

『(完璧だと思っていた時点で、こうなる運命だったわけか……。

 はぁ~~~)』

 

心の中で“また”上手くいかなかったと嘆く太夏を見ながら、

バクリュウケンはないはずの肩をヤレヤレとすくめるのであった。

 

「ありがとう~太夏♪

 大事にするね~」

「お、おう……。

 (結果的に、冬音が喜んでくれてるからよしとするか)」

 

無邪気にプレゼントを喜ぶ冬音に、太夏は結果オーライと

(無理やり)納得するのであった。

 

「……いつまで――」

「ん?」

「いつまで、こうやっていられるのかな?」

 

ベランダに腰掛けて、二人がのんびりしていると唐突に

冬音が白ちゃんを抱きかかえながら空を見上げて遠くを見る。

 

「この間、先生が進路の話をしてたけど、

 あと2年もしたら、大学受験や就職でみんなとお別れ……。

 2年もあるって思ってたけど、ことちゃんが今度引っ越すことになったから、

 後何回ぐらいこんな風に、みんなと一緒にいられるのかな……って」

「冬音……」

「ずっと一緒にいたけど、ずっといられるわけじゃないって言うのは

 わかってるんだけど……わがままだよね」

「わがままで、何がいけないんだ?」

 

急に頭によぎった別れという“モノ”に戸惑いを隠せず顔を曇らせる

冬音に、太夏は思うままに語りかける。

 

「っと。

 家族や友達と……好きな奴といつまでも一緒にいたいなんて、

 誰だって思う普通のわがままだろ?

 むしろ、そんなわがままをしたことない奴の方がおかしいぜ」

「太夏……」

「それに、互いに好きなら何があっても想いが……繋がり切れるってことはないさ」

 

理想論ともきれいごととも言える太夏の言葉だったが、冬音もバクリュウケンも

静かに耳を傾ける。

彼が本心から言っているからこそ、心に届くだろう。

 

「まあ、それでも寂しいって思うなら心配すんな♪

 俺が家族になってずっと一緒にいてやる!

 それなら、俺が爺さんになってもお前といつまで……も……」

「…………」

『(…………は?)』

 

何人もの女の子を落としてきた無邪気な男の笑みを浮かべて、冬音を

励ます太夏だったが、自分が口にした言葉の意味に、口にしてから気付く。

冬音も完全な不意打ちに、驚いて固まり、バクリュウケンもマヌケな声をもらす。

 

「(あれ?あれれれ???

 俺……今、何て言った?)」

 

太夏は、ようやく自分がとんでもないことを……告白どころか人生を左右する

プロポーズをしたことに気がついた。

 

「(言っちゃった?言っちゃったのか!?

 この想いを!!!

 ガキの頃からの気持ちを!!!!!?????)」

 

太夏も冬音もリンゴのように顔が真っ赤にして、言葉を発さない。

 

「(と、と、と、取り合えずここは何とかして誤魔化し……って違う!!!

 こここここここで逃げたららららら、男じゃねぇだろうが!!!!!)」

 

太夏は、腹をくくって今この場で自分の気持ちを冬音に伝えることを決める。

 

「(冬音はちょっとニブいから、それっぽいこと言っても分かんねぇだろうから、

 ストレートに分かりやすく言わねぇと…………。

 ス、ストレートに分かりやすく――)」

 

もはや、太夏の心臓はドラムかと思えるほどにバクバクと音を鳴らす。

 

「ふふふ冬音?

 おおおおおおおお俺は…………その…………お前のことが……

 好きだぁぁぁぁっ!!!!!

 例え、俺が爺さんなっても一緒にいたいぃぃぃ!!!!!!!!」

「…………」

 

太夏は、ありったけの想いを込めて自分の気持ちを冬音へと伝える。

そして、冬音もその言葉を、顔を真っ赤にして理解すると、横へ倒れる。

白ちゃんは、そんな冬音を優しく受け止めるのであった。

 

「おい!大丈夫か、冬音!」

「あ……はい。

 ふ、不束者ですが、よろしくお願いします……」

「へ……あ……っ!

 こ、こちらこそ?」

 

倒れた冬音に、慌てて駆け寄る太夏だったが、冬音の返事に気の抜けた声を

上げるのであった。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『……とまあ、こんな感じで付き合うことになった二人だったが……

 いや~人生(?)で一番驚いたよ、うん。

 “え?ウソ?ちょっ!マジで!”ってなって、考えなしの方が

 うまくいくものなんだなぁ~と』

「その時プレゼントした白ちゃんは、今も冬音の宝物で、

 千冬や一夏もよく遊んだわね~」

「やめれぇぇぇぇぇっっっ!!!!!!!!」

「えへへ……」

 

太夏と冬音が11年ぶりに我が家へと帰ってきた日の夜。

夕食の最中に談笑がきっかけで、話されることになった自分と冬音の

馴れ初めに、太夏は悶絶の声を上げる。

冬音も照れくさそうに、顔を若干染めて頭をかく。

 

「人に歴史あり、織斑家の始まりって奴だね」

『そして、歴史は続いていく……ってか?』

 

話を聞き終えたカズキはしみじみと呟き、ザンリュウジンもそれに続く。

話に聞き入っている明達や、感心している一夏と千冬を見ながら。

 

「はい!

 では、兄様と教官はどんな馴れ初めだったのですか!」

「うん?俺と千冬ちゃんの?

 どんなも何も千冬ちゃんに惚れてるって気がついた俺が、学校の屋上で

 キスしたのがそうなるかな?」

「「「「「「「「「「ぶふっっっっ!!!!!」」」」」」」」」」

『微塵も恥ずかしがることなく、暴露しやがった……』

 

太夏と冬音の馴れ初めを聞いて気になったのか、ラウラが勢い良く手を上げて

カズキと千冬はどうだったのかと聞くと、カズキはあっさりと話し、

一夏達は思いっきり吹き出し、ゲキリュウケンは戦慄する。

 

「ほえ~~~。

 千冬は大人だったんだね~。

 それじゃあ、一夏と明ちゃんはどんな風だったの?」

「「っ!!!」」

 

IS学園名物の痴話喧嘩が勃発している中、ラウラのようにふと気がついた

冬音が一夏と明のことを聞くと、二人は驚愕する。

 

『ああ。一夏と明もお前達と似たようなもので……』

「色々と笑えたな~。あれは」

「「ちょっとまてぇぇぇっ!!!」」

 

しみじみとゲキリュウケンと弾が、当時のことを思い出して懐かしそうに

語るのを一夏と明は止めようとするが、他の面々に押さえられ止めることができない。

 

「じゃあ、まずは二人が自分の気持ちに気付いたところから

 話しましょうか♪」

「「やめてくれぇぇぇっっっ!!!!!!!!」」

 

織斑家の夜はまだまだ続いていく――。

 




はい、見たかった人も多いともいますが
太夏と冬音の馴れ初めでした~。
本編の”修業開始!”中の話となります。

いや~告白シーンは、決めていたんですがいざ書いてみると
自分がしたことないせいか、若干の違和感が(苦笑)
言ってて、かなりむなしいですが。
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