インフィニット・ストラトス 龍の戦士たちの日常   作:すし好き

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え~本編を待っていた方はすいません。
一年ぶりとなる番外編の更新になります。
明日で、前に更新してから一年経ってしまうのでその前にと
思いまして(汗)
それでは、どうぞ!


抜き足差し足忍び足……♪(前編)

「さて、今回の任務を説明するよ。

 シノビ・ラビットくん?」

「お願いします、頭領!」

『ノリノリだね~』

 

時刻は、草木眠る丑三つ時。

とある部屋で、カズキとラウラは黒い忍者装束に身を包み小声で会話し、

ザンリュウジンはそれを聞きながら呑気な声を上げる。

 

「おっほん!。

 今回は、この寝ている人が見ている夢を見ることができる

 カメラを使って、みんながどんな夢を見ているかを見ていきます。

 カメラへの映り具合によって、その人間がどれぐらい精神攻撃への耐性を

 持っているかが確認できます。

 あ・く・ま・で、今後の精神攻撃の為の特訓の目安であって

 おもしろいメカができたから、みんなが見ている夢を見てからかって遊ぼう♪

 とか、そんなことでは決してないので誤解しないように~」

「なるほど。そうやって、個人の能力を見て訓練内容や量を決めていたのですね!」

「その通り♪」

『ぷっ!この子はもう……』

 

カズキが手に持ったカメラと目的の説明を終えると、ラウラは何の疑いもなく尊敬の

眼差しを送り、ザンリュウジンはいけしゃあしゃあとそんなことを言うカズキと

あっさりそれを信じたラウラを見て楽しそうに笑う。

 

「シノビ・ラビット君は、どれだけ隠密行動ができるようになったかを見るために

 助手として手伝ってもらいます。

 それで、手始めに君と同室のシャルロットから見ていくつもりだったんだけど……。

 いつも、こんな感じなの?」

『どんな夢を見ているのか、大体わかるな~』

「えへへへへへ……」

 

カズキの目の前で第一目標であるシャルロットは、だらしない顔でよだれをたらしながら

不気味な笑みを浮かべていた。

 

「はい。シャルロットは、時々こんな感じになります、頭領!」

「ふ~ん……まあ、とにかくどんな夢か見てみますか。

 スイッチオ~ン!」

「オ~ン!」

『ノリノリだね~』

 

カメラのスイッチを押すと、すぐに映像が映し出された。

 

「お帰りなさい、あなた♪」

「ただいま、シャルロット♪」

「お~、予想通りというかなんというか新婚さんの光景だね~」

「何でシャルロットの夢にお兄ちゃんが出てきているのだ?」

 

カメラに映ったのは、エプロン姿のシャルロットと仕事から帰ってきたような

一夏の姿だった。

 

「今日もお仕事、お疲れ様♪

 ご飯もお風呂も用意できているけど、どっちからにする?」

「う~ん、ご飯かな~。

 折角のシャルロットの手料理が覚めたら勿体ないもんな♪」

「わかったよ♪さあ、たっくさん召し上がれ!」

「うわっ!すごいご馳走だな。何かあったのか?」

「もう、忘れたの?今日は……」

「俺達の結婚記念日だろ?忘れるわけないじゃないか、ほら!」

「わっ!どうしたの、この花束!」

「俺からのお祝い♪」

「頭領。シャルロットの耐性はどれぐらいなのですか?」

「今のところ、普通に映っているから低くもなく高くもなく平均レベルだね~。

 ……もっと、おもしろいところが見たいのにな……」

 

ラウラに聞こえない様に呟いた言葉をザンリュウジンだけが耳にしていた。

 

「それでね……一夏?お風呂は……一緒に入る?」

「えっ?」

「きゃあああ///////!!!」

 

シャルロットは、顔を真っ赤にして飛び起きた。

 

「はぁはぁ……。ぼぼぼ僕は何て夢を///////。

 いくら、結婚しているとはいえ、おおおおおお風呂であんな大胆な///////。

 ……今寝れば続き見れるかな?……な、何を言っているんだろうね僕は///////!」

 

シャルロットはそう言うと、布団を頭からガバッと被ると再び眠りについた。

 

「風呂で何をしたのだ?」

「あの顔と言葉から察するに、子供は見ちゃダメ!なことをしたんじゃない~の?

 ククク♪」

『いや~おもしろいものが見れましたな~♪』

 

一連のシャルロットの様子を二人の忍者と龍は天井裏から、眺めており、

その内の一人は悪魔と見間違う様な笑みを浮かべていた。

 

「でも、危なかったね~。あと少しシャルロットが起きるのに気付くのが

 遅れたらバレて今回のミッションが終わっちゃうところだったよ~」

「映像だけでなく、対象者の様子にも気をつかわなければならない……。

 何て奥が深い任務なのだ!」

『うぐっ!その眩しい目が、突き刺さる!』

「じゃあ、次行ってみようか♪」

 

ラウラの真っ直ぐな目に心が苦しくなっているザンリュウジンをスルーして、

一行は次の目的地へと向かった。

 

 

 

「さぁ~て、お次のターゲットはこちらになりま~す」

 

天井裏を移動したカズキが足元の板を外すと、そこには一夏達が使っているものよりも

大きいベッドが見えた。

 

『なんだ、ありゃ?』

「セシリアが持ち込んだベッドだね。

 IS学園は、家具とかの持ち込みはできるけどこれは」

 

 

天井からそっと降りてきたカズキは、セシリアのルームメイトを見ながら苦笑いを

浮かべた。セシリアの家具は豪華な上、大きいのでかなりのスペースを取っているのだ。

 

「お~、ふかふかだ~」

「はいはい~、シノビ・ラビット君。ふかふかベッドの感触を堪能するのは、次の機会に

 してね~。

 さぁ~て、庶民とはいろいろ感覚が違うお嬢様はどんな夢をみているのかな~」

 

カズキがカメラのスイッチを入れると、先ほどのシャルロットの夢のように

帰宅した一夏を出迎えるエプロン姿のセシリアが映し出された。

 

「お帰りなさい、一夏様~♪

 さあさあ、今日も腕によりをかけたご馳走ができてますよ~」

「いつも、ありがとうセシリア♪

 いや~こんなご馳走を作れる嫁さんをもらえて、俺は幸せ者だな♪」

「お兄ちゃんがセシリアの料理を美味しそうに食べている……だと!?」

「シノビ・ラビット……夢ぐらい好きなものを見させてあげよう……」

 

カメラに映る、セシリアの料理をおいしそうに食べる一夏を見てラウラは

驚きの声を上げ、その肩をカズキは慈愛に満ちた目でそっと叩いた。

その理由は、セシリアの料理はカズキの特製ドリンクに負け劣らずとだけ

述べておこう。

 

「ところで、一夏様?

 今日は、コウノトリがいらっしゃるかもしれませんよ?」

「え……?」

 

映像は、二人のやり取りから日が沈んでは昇るが何百回も繰り返すものに変わり……。

 

「ただいま~」

「おかえりなさ~い」

「「「「「おかえりなさ~い」」」」」

 

帰宅した一夏がセシリアと一夏を小さくした6人の男の子が出迎える光景が、

映し出された。6人の男の子の内、3人はセシリアと同じ金髪である。

 

「ねぇ、一夏様?

 ……今度は、コウノトリさんにこの子達の妹を運んできてもらいましょうか?」

 

夢の中でそう言うのと同時にセシリアは、目を覚ましてベッドから体を起こした。

 

「……いくら払っても構いませんわ……。

 続きを!今の夢の続きを後一週間見させてください!!!!!」

「……うるさい」

 

目覚めたセシリアは呆然として、辺りを見回し自分が見ていた夢を思い出すと

夜中にも構わず、大声で叫びを上げた。

その声で、ルームメイトは眠りから目を覚まし不機嫌に呟く。

今日も今日とて、彼女の寝不足は加速していく。

 

「あんなの見たら、また見たいって叫びたくなるよね~」

『だな~』

「頭領!今度は、起きるのを自分で察せられました!」

「うん、一回見ただけで目覚めの兆候を見抜けるようになるとはやるね~♪

 でもできてうれしいからって、ちょっと声が大きいよ。

 喜びを胸の中にしまえるようにね?」

「了解です!」

 

セシリアの叫びを天井裏で眺める一同は、ラウラを褒めつつ注意もして小声で

会話をして、次の部屋への移動を開始する。

 

「すぐ眠れば続きが見れるかもしれません!

 でも、ドキドキして眠れませんわ!!!」

「……お願い。部屋のスペースは諦めるから、私に安らかな睡眠を……」

 

 

 

「ではでは。次はこちらになりますニャー」

「なりますニャー」

『ますます、マスコットになってきたね。ラウラ』

 

天井から音もなく部屋に降りたカズキ、ラウラ、ザンリュウジンは

忍び足で次のターゲットに近づく。

 

「おやおや。

 遠路はるばる海を越えてやってきた鈴さんは、とても一夏には

 見せられないようなだらしない姿で寝てますね~」

 

ドッキリ番組のレポーターのように、解説していくカズキはその様子もカメラに

録画していく。

この時の鈴は、ラフな寝間着で布団を蹴飛ばしていた。

 

「鈴もまたお兄ちゃんとの夢をみているのだろうか?」

「多分ね。

 ではでは、幼馴染さんはどんな夢を見ているのか……スイッチオ~ン」

 

夢の内容を予想しながら、カズキがスイッチを入れると

鈴の姿がカメラに映し出された。

 

「ふふ、どう~したの?そんなに、怯えて♪」

『おい、これって……』

「あら~」

「?」

 

ザンリュウジンとカズキは、ニタニタと獲物を狙う肉食動物の目をした鈴を

見て、やっちまったなぁ~な声を上げ、ラウラはそんな二人を見て首を傾げた。

 

『こいつら、全員内心で一夏にいじめられるシチュエーションを望んでいると

 思ってたけど、自分からとはね~』

「まあ、いいんじゃないか?おもしろそうだし♪

 それに、こういう場合最終的は立場が逆転するだろうからそしたら……ククク」

「???」

 

ザンリュウジンとカズキの会話の内容を理解できないラウラは頭に?を浮かべる

ばかりだった。

 

「大丈夫……。な~んにも怖くないわよ~。

 ――セ・シ・リ・ア♪」

 

夕日で染まる教室で、鈴は蠱惑的な笑みを浮かべて怯えるセシリアを床に

押し倒しているのを見て、カズキとザンリュウジンはズッコけた。

 

「ま、待ってください鈴さん……!

 こんなところを誰かに見られたら///////」

「いいじゃな~い、見られたって……。

 ……本当は誰かに見られたいんでしょ」

「っ/////////!」

「二人は何をしているのだ?」

 

セシリアの耳元で小声でつぶやく鈴と顔を真っ赤にするセシリアという

予想外にもほどがある光景に、カズキとザンリュウジンの魔弾コンビが

声を失う中、ラウラは純粋に映像の中の二人の行動に首を傾げる。

 

『ど、どうなってんのこれ……?』

「……原因は、アレだな……」

 

困惑の声を上げるザンリュウジンに、カズキが部屋の中を見回すと

この夢の原因となるモノを机の上に見つけた。

 

「これは、マンガですか頭領?

 表紙が夢の中の鈴とセシリアのようになってますね」

『しかも、服をはだけて……。

 君には早いから中身は、見ちゃだめだよ』

「確か、これはファンタジー的な恋愛モノのマンガだったけど、この巻は

 異世界を見れる機械でいろいろと遊んでいたら、悪友の女の子達が

 そういう仲になっている世界を見たんだっけかな?

 まあ、それをキッカケにおもしろくて無茶苦茶な世界を

 見て登場キャラが叫びまくるんだけど。

 寝る前に見て、もしも自分だったらとか考えちゃったんだね、この子は……」

 

鈴の夢のきっかけを推測するカズキは、何とも言えない表情を浮かべながらを

寝ている鈴を見下ろし、カメラを向ける。

「ふふふ……相変わらず、あんたの体は柔らかいわね~。

 特にココが♪」

「ひゃっあ/////!?

 り、鈴さん。そ、そこは//////」

「だぁぁぁぁぁ!!!!!

 やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」

 

服をはだけて、男子どころか女子にも見せられない格好になっていく二人に

腹の底から出したようなツッコミの声が入る。

 

「何なの!何なの!何なのよ!!!!!

 どうして、私がセシリアとアハハ、フフフ♪なことをしてんのよ!

 何で一夏とじゃないのよ!

 てか、コラ!!!

 こうやって、ツッコんでいる間にも更に進むなぁ~~~!!!

 しかも、これ!

 何か、一番見られちゃいけない奴に見られている気がするし!!!!!」

 

夢の中で大声を出したのは、鈴本人であった。

どうやら、自分の夢ながら観客的な立場から見ているようだ。

その証拠に絡み合う二人に、鈴の声が届いている様子はなかった。

加えて直観で、このことを知られたくない人物に見られているかもと

察するが、既に手遅れである。

 

「へぇ~~~。普段の自分が絶対しないようなことをしている自分を

 第三者として見る……

 おもしろいな♪」

『……だな♪』

「さぁ~て、鈴が起きる気配はないから夢は続くようだけど

 次に行こうか、シノビ・ラビット。

 夢の続きは、明日にでも本人から聞くとしよう♪」

「了解です!」

 

そう言って、カズキとラウラは天井裏へと昇り次の部屋へと向かった。

二人と一匹が去った後、鈴はうなされ続けてやめろ……やめろ……と

寝言をつぶやき続けたそうだ。

 

 

 

「え~お次は~、こちらのお二人となりま~す」

 

駅のアナウンスのように小声で案内をしながら、カズキとラウラはそっと

次の部屋に侵入する。

 

「こちらは~小学生のころからの仲良し~。

 高町なのはとフェイト・T・ハラオウンのお部屋になりま~す」

「なりま~す」

『そんなとこをマネしなくてもいいんだぞ?』

 

緊張感のないやりとりをしながら、カズキとラウラはフェイトの隣に

足を進める。

 

「ここまできたら、余計な説明は不要だから、

 早速スイッチを……」

「ダ、ダメだよ……昼間からこんな……」

 

カメラのスイッチを入れようとしたカズキは、フェイトの寝言を聞いて

動きを止める。

 

「人に見られちゃうし……///////

 えっ?本当は誰かに見られたいんだろって、そんなこと///////

 ――ところで、そのビンは何?ハチミツ?

 それをどうするの……ふぇっ!?

 か、体にかけて、おおおおおねだり///////!!!

 そそそそそそんな、ご褒美なことを……//////」

『「「…………」」』

 

体をくねらせ、先ほどの鈴の夢の中のセシリアよりも顔を赤くして息を乱す

フェイトにカズキ達は声を発さず、カメラを下してなのはの元へと移動する。

 

「頭領。フェイトは……」

「シノビ・ラビット。

 世の中には、見てあげなかったことにしてあげる優しさも

 あるんだよ?」

『うんうん』

 

何か言いたげなラウラに、カズキは再び慈愛のような笑みを浮かべて

ラウラを説く。

そして、眠るなのはへとカメラを向けてスイッチを押した――。

 

 

 

 




いかがでしたか?
書いているうちにドンドン楽しくなってしまいましたwww
我ながら、こういう方向にカズキを動かすのに全く違和感がない(爆)

夢の内容はニセコイの「シンコン」を参考にしました。
覗かなかったフェイトの夢ですが、まよチキのとある妄想シーンのような
ものを見ていたとだけwww

後編もお楽しみに!
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