インフィニット・ストラトス 龍の戦士たちの日常 作:すし好き
気が付いたら、前回と同じく一年越しの更新(汗)
やりたいことは色々とあるんですけどね(苦笑)
というわけで、GW更新第二弾です!
「はっ……!……夢?」
ある日の夜、突然目を覚ました一夏はキョロキョロと自分の部屋を見渡し、
自分が今いる場所を確認して安堵した。
目覚めるまで見ていた信じられない光景が、夢だったとわかって……。
「はぁ……」
「何、朝からため息をついているんだ、一夏?」
「ああ、おはよう……明」
光が差し込み一日の始まるとなる休日の朝の食堂で、一夏が
悩まし気にしていると、明をはじめいつものメンバーとなのは達が
やってきた。
「実はさ、変な夢を見てさ……」
「変な夢?」
「一体、どんな夢を見たっていうのよ?
千冬さんが篠ノ之博士にのせられて一緒に、プリティでキュアキュアな戦士に
なったとか?
それともなのはが魔王になって、世界征服したとか?」
一夏の悩みを聞く箒と鈴の幼馴染コンビだったが、鈴の言葉に
なのはの眉がピクピクと引きつく。
「……あかん、織斑先生が束さんにそそのかされて
フリフリ衣装を着るのもありえなくはないけど……。
それ以上になのはちゃんが、世界征服しても違和感があらへん……!」
「はやてちゃん?
一度ゆっくり話し合おうか?二人っきりで……」
「まあ、鈴の言うようなのだったら、まだ笑い話で済んだんだけどな……。
だけど、笑うに笑えないんだよ」
「ホントに、どんな夢だったの?」
鈴の言葉を聞いたはやてが、その光景を思い浮かべると親友の姿に
疑問を感じることができず、なのはからまぶしい笑顔を送られた。
そんなはやてをスルーして、シャルロットが夢の内容を聞く。
「それは……」
ポツポツと一夏は、昨夜見た夢の内容を語り出した。
空は血のように紅く、岩肌の地面、聞こえてくる人のうめき声。
この世のものとは思えない場所に、一夏は気が付いていたら立っていた。
辺りを見回すと、三角頭巾に白装束をきた人達を頭からツノを生やした者達が
拷問をしていた。
「頭からツノ……オーガ、日本の鬼という奴ですの?」
「知っているぞ!虎模様のパンツで、キバを生やしてカナボウというのを
持っている日本の代表的なアヤカシだ!」
「ラウラ、誰から聞いたのよそれ?」
「大体見当はつくけど……」
「もちろん、兄様からだ!」
一夏の夢に出てきた異形のものの特徴を聞いたセシリアが、その正体と
思えるものを口にすると、ラウラが自分も知っていると負けじに特徴を述べた。
それを聞いたアリサが、出元を聞くとやはりカズキからだとわかり
すずかと一緒に苦笑いを浮かべる。
「確かに、昔話の絵本だとそんな感じだけど……」
「流石にそんなベタな……」
「ああ。別にパンツ一丁じゃなかったし、牙も生えてなかったぞ?
金棒を持っている人?はいたけど」
「持ってるんかい!」
「じゃあ、一夏は鬼の夢を見たの?」
「ただの鬼だったら良かったんだけどな……」
簪と楯無がラウラの言う間違っていないけど、子供向けの鬼の姿に
乾いた笑いをすると、一夏は金棒だけはあっていると口を挟んだ。
それに鈴がツッコミを入れると、フェイトがおかしな夢は鬼と一夏に聞くと
再び彼は語り出す。
とりあえずと一夏は周りを歩くと、何やら講義をしているような場所に
たどり着いた。
内容は、近頃の鬼の仕事が甘いので新人への拷問再研修というものだった。
夢に出てきたのは、やはり鬼だったようだが、人間の会社みたいなことを
やっていて、みんな唖然とした。
それに構わず、一夏が語り続けると研修の特別講師として登場したのが
しゃべるウサギと聞いて、ますます唖然とした。
特別講師のウサギは、昔話の「かちかち山」のウサギらしく
モットーは“ジワジワ報復する”だそうだ。
更に、ウサギはタヌキという言葉を聞くと豹変して”凶暴化する”と、
皆を驚かせた。
「でさぁ……。いたんだよ、研修している獄卒の中に……。
カズキさんが……。
手を叩いて、そのウサギのことを講師の鬼と一緒に素晴らしいって褒めてたよ」
そこで、やっと一夏が言いたいことをわかった一同であった。
夢の内容は、そこで終わらず、他にもおとぎ話の者が出てきて彼女達を
驚かせた。
自分印の漢方薬を作るのが目標の桃太郎。
雑用をしている大きくなった一寸法師。
イメージを壊さないようにと絵本で描かれている姿を崩さない、
気は優しくて力持ちを体現してる金太郎。
他にも、地獄の責任者なのに補佐官にいじられるエンマ大王や
しゃべる桃太郎のお供の動物に、無表情な双子の座敷童。
また、恐竜等の絶滅した古代生物も獄卒として働いていた。
上げればキリがない有名な名前に、聞いている者達は
だんだんと何とも言えない顔になっていく。
「わかるよ、お前達が言いたいことは……うん。
その夢の中でエンマ大王の補佐っていうか、実質の地獄の黒幕な補佐官と
カズキさんが意気投合しててさ……。
地獄の亡者って、骨になってもすぐ再生してまた拷問を受けて苦しみを
受けるみたいだから、二人で考えた拷問を色々と試して
盛り上がっていたよ――」
普通なら夢だと笑い話にできるのだが、何故だろう。
カズキが、喜々として拷問方法を考えている姿を想像できるのは。
「それにさ。
さっきも言ったけど、獄卒の動物ってのも結構いてさ。
しかもしゃべる。
普通の犬とか鳥だけでなく、カッパとかの妖怪、
ツチノコやチュパカブラみたいなUMAもいて
すっげぇ上機嫌だったよ、カズキさんは……」
色々聞き捨てならない単語がいくつか出てきたが、誰も
ツッコミを入れる者はいなかった。
「中でも一番変だったのが……」
“まだ、あるの!”と全員の心がシンクロしていることを
気にすることなく、一夏の語りは続く。
「動物なのか植物なのかよくわからない“金魚草”って、
観賞用ペットでさ……。
普通の金魚草と違って、金魚にしか見えない花を咲かせるんだよ。
しかも、奇妙な声で鳴く!
「オッギャァァ!!」そうそう、こんな声で……ん?」
「おっ、大丈夫そうだな一夏」
『無事に、帰ってこれたようだな』
『いや~、一時はどうなるかと思ったぜ』
夢の中でも一番おかしなことを一夏が話していると、
袋で包まれた植木のようなものを抱えるカズキが現れ、一緒に
ゲキリュウケンとザンリュウジンも声をかけた。
「ほら、ゲキリュウケンのメンテ、終わったぞ」
『それで、一夏よ~。体の方は、大丈夫か?
昨日、セシリアの新作デザートを食べただろ……?』
「えっ?……あぁぁぁ!!!思い出したぁっ!」
ゲキリュウケンを渡された一夏は、ザンリュウジンの言葉で
夕べのことを思い出した。
訓練を終え、ゲキリュウケンもメンテのためにカズキに渡して
部屋でくつろいでいた一夏の元に、セシリアが差し入れとデザートを
持ってきたのだ。彼女の“手作り”の――。
最初は断ろうとしたが、キラキラと輝かせるセシリアの目に断るという
選択肢を選ぶことはできず、そのまま受け取り食べた後ベッドに横になり……。
「(その後、どうなったんだっけ俺?
――ダメだ。思い出せない!)」
「驚いたよ。俺が勉強のために出張してたら、
お前がふよふよと迷い込んできてさ。
浄玻璃鏡って、生前の行動を映せるって鏡で何があったか見たら
お前、部屋で白目向いてて慌てたよ~」
「ははは……ご迷惑おかけs、うん?」
「生前の行動を……」
「映す……?」
「……ところで、カズキさん?
何やら変な声を出したりちょっと動いているように見える“それ”は、
一体何なのでしょうか……?」
「これかい?
ふふふ……実はすごく気の合う奴と知り合いになってね。
記念にってもらったんだ~♪
いや~、”あっち”から持ってくるための手続きが色々と大変だったよ」
カズキが苦笑しながら、一夏に何があったかを説明すると
気になる単語が出てきて、箒と明が頬を引きつらせ、他のみんなも
まさかという顔をする。
そして、カズキは手に持つ袋をうれしそうに見せびらかす。
「それじゃあ、俺は部屋に戻るから。
現世は、あっちと環境がちがうからね~。
育てるならしっかり準備しないと♪」
そう言って、カズキは何か言いたげな一夏達を置いて食堂を後にした。
「ねぇ……?一夏君が見た夢って、夢じゃなくて……」
「すずかちゃん!それ以上は、言うたらあかん!!」
「そうよ!一夏が見たのは夢!そう、夢なのよ!!」
カズキが去った後、一夏が見た夢の正体をすずかが口にしようとした瞬間、
はやてとアリサが止めに入った。
……世の中には、口にしない方がいい事実もあるのだ。
“オッギャァァ!!”
カズキが持つ袋からの鳴き声?が、IS学園の廊下に響くのであった――。
今回、一夏の夢に出た(幽体離脱で行った?)世界は、
現在第二シリーズの二期というよくわからない構成になっている
「鬼灯の冷徹」の地獄です。
あそこは、色々とカズキが気に入りそうなものや動物、虫が
ありますのでいつかやりたいと思っていましたwww
特に地獄の黒幕とも言える鬼灯さんと
「かちかち山」のウサギである芥子(からし)は、カズキと
気が合います。
私は、双子の座敷童がお気に入りwww
果たして一夏が見たのは、夢なのか現実なのか・・・。