インフィニット・ストラトス 龍の戦士たちの日常   作:すし好き

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最近、なかなか執筆時間がとれなかったり気分が
乗らなかったりでちょいと不調気味です。
エンジンがかかれば、筆も乗るのですが。

駆け足で書いたので荒いです。

サブタイの〇〇〇に入る文字は、あとがきにて。


〇〇〇おとぎ話

むか~しむか~し、ある所におじいさんとおばあさんがいました。

おじいさんは、どう見ても小学生ぐらいにしか見えない少年の姿で

一夏といい、おばあさんはおばあさんと呼ぶにはあまりにも若い容姿の

雅といい、仲良く暮らしていました。

ある日、一夏は山に芝刈りに……ではなく、家の周りの草むしりを。

そして雅は、川で洗濯をしているとまるで中に人が入っているんじゃないかと

いうぐらい大きな桃が流れてきました。

毎日頑張って、家のお手伝いをしている一夏に食べさせてあげようと、

どこにそんな力があるのかと雅は、その桃を抱えると家に持って帰りました。

 

「わぁ~。大きな桃だね~」

「じゃあ、さっそく切って食べましょうか♪」

 

雅が包丁で桃をえいや!と切ろうとした時――。

 

「っ!拙者、鬼退治に行くでござる!」

 

包丁で切る前に桃は真っ二つに割れ、中から長髪を後ろにまとめ、

日本刀を手に侍を思わせる着物を着た女性が飛び出した。

どこかの世界では、女性しか動かせないパワードスーツで世界一になりそうな

容姿である。

 

「わっ!桃からお侍さんが出てきたよ、雅さん~」

「あらあら~。元気な子が産まれたわね~」

「近頃、鬼が若い娘をさらっていると……って!

 他に言うことないんですか!?

 桃から人が産まれてるんですよ!」

「名前は、桃から産まれたから“桃太郎”ね♪」

「いや、名前の問題じゃなくて……」

「じゃあ、モモタ〇スの方がよかった?」

「いえ、桃太郎でいいです……」

「……かっこいい」

 

おとぎ話のようなびっくり展開に一夏は驚くが、雅は動じることなく

桃を食べながら娘の名前を桃太郎と名づける。

そんな呑気な反応に戸惑う桃太郎だったが、ふと自分を見つめる視線に気づく。

顔を見やると、初めてヒーローを見たように目をキラキラさせる

一夏がいた。

 

「……っ!!!

 お、おじいさん……おおおお名前は////////////?」

「一夏だよ♪

 ねぇねぇ~、握手して~」

「あ、ああ……」

「わ~い♪」

「っ!!!!!」

 

体に雷が走るとは、このことか。

桃太郎は、一夏のおねだりに答えて握手すると体に走る衝撃に戦慄した。

 

「な、なんだこの暖かくてフニフニした手は……!

 そして、この愛くるしい姿……はっ!

 一夏のことを鬼が知ったら、間違いなく攫いに来る!

 おばあ……」

「雅よ♪」

「み、雅殿……私はすぐに鬼を退治してきます!」

 

無邪気に笑う一夏に桃太郎がかなり緩んだ顔になると、鬼に知られる前に

退治しなければと思い至り、すぐに鬼退治に旅に出ようとおばあさんに

告げるが、有無を言わさない迫力ある笑顔で呼び方を訂正させられる。

 

「ああ、ちょっと待って。

 ええと、確か作り置きしておいたきび団子があるから

 持っていくといいわ」

「ありがとうございます!」

 

こうして、桃太郎は雅からきび団子をもらい、鬼退治の旅に

出発しました。

 

 

 

「「「たすけてぇー!」」」

 

鬼退治の旅に出た桃太郎は、網にかかり木につるされたイヌ、サル、キジを

見つけました。

3匹とも動物なのに、顔が人間っぽいアホ面で助けを求めています。

桃太郎は、助けてくれたら何でも言うことを聞くと、3匹を助けてあげました。

しかし、助けられた3匹はあろうことか、桃太郎が腰に下げているきび団子を

奪おうと彼女に襲い掛かりました。

……が。

あっさりと、返り討ちにされ網でぐるぐる巻きにされました。

 

「あ~あ~。

 だから、捕まえていたのに」

 

3匹をどうしてくれようかと思案する桃太郎の前に、シルクハットを

かぶりマントを纏った怪しげな人物が現れました。

 

「何者だ……?」

「ぎゃぁぁぁっ!」

「で、出たぁぁぁっ!?」

「助けて!殺されるぅぅぅ!」

「俺は、碓氷カズキ……。

 愉快な手品師とおバカな3匹のお供達っていうマジック団体の団長だよ。

 そこの3匹は、うちの団員」

「(怪しすぎる……!)」

 

謎の人物を見て悲鳴を上げる3匹に構わず、正体を尋ねた桃太郎でしたが

返ってきたうさんくさい答えに硬直しました。

 

 

 

「あちこち回って手品を披露しているんだけど、3匹とも全然使い物にならなくてね~。

 もういっそ料理して食べちゃおうかな~って。

 他のヒマつぶしを見つけないと」

「そうか。食べるために、殺生するなら問題はないな」

「「「問題大有りです!!!」」」

「最近は、稽古ばかりで収入もなかったから食料も買えなかったし」

「稽古って、火の輪をくぐらせたり、綱渡りさせたりとか、

 ひたすらお前が俺達をムチで楽しくしばいていただけじゃねぇか!」

「ていうか、何包丁を研いでいるの!?」

「着々と料理の準備が進められている!!!」

 

薪を集めて火を起こし、調理の準備にかかるカズキの説明に桃太郎が納得すると

3匹は必死で抗議をする。

だが、聞く耳持たずと言わんばかりに、カズキは調理の準備を終わらせる。

 

「じゃあ、どいつから……」

「俺なんか、食ってもうまくないぞ!」

「俺食ったら腹壊すって!キジの方が絶対おいしいって!」

「てめぇ!食うなら、このイヌの方だって!」

「サルの方が……!」

「ちょっと待て、碓氷」

 

仲間意識は薄いのか、包丁を手に目をギラリと輝かせるカズキに

自分以外をおいしいと言う3匹に、桃太郎が救いの手を差し向け……。

 

「やっぱり、助けて……」

「皿の上に行く前に聞くが……」

「くれないんかい!」

 

……たのではなく、聞きたいことがあるから少し待ってもらっただけのようでした。

 

「鬼がどこにいるか知っているか?」

「「「……知らない」」」

「そうか。邪魔してすまなかったな、碓氷。

 せめて苦しまないように、一思いにやってやれ」

「「「いやぁぁぁっ!!!」」」

「待って待って待って!!」

「鬼の居場所は知らないけど……!」

「最近、鬼が現れたって言う村なら知ってる!!」

 

もうこれ以上は、時間の無駄と桃太郎が立ち去ろうとすると

3匹は桃太郎が知りたい鬼の居場所が分かるかもしれない情報を

口にする。

 

「何でも、鬼が前触れもなく現れたと思ったら次の日には、その村の娘が

 一人もいなくなったって!」

「それは、どこの村だ!」

「「「助けてくれたら、案内する」」」

「…………なあ、悪いんだが……碓氷…………」

「別にいいよ?

 でも、その代わりに……きび団子ちょーだい♪」

 

こうして桃太郎は、イヌ、サル、キジとよくわからないうさんくさい手品師を

仲間にして、鬼探しに再び出発しました。

 

「って!俺達の分のきび団子は!」

「全部、食べちゃった」

「「ええ――っ!!」」

 

 

 

「ここが、鬼が現れたっていう村か……」

 

一行は、目的地の村にたどり着きましたが、本当に人が住んでいるのかというぐらいの

酷い荒れ様に驚きました。

 

「そいつをよこせ!」

「ふざけんな!これは、俺の畑の大根だ!」

「俺の畑のだ!」

「おい、落ち着け。この村に鬼が……ん?」

 

突然、若い男二人が取っ組み合いをしながら一行の前に現れ大根の奪い合いをし、

桃太郎が仲裁に入ろうとすると、男達からにおいが漂う。

 

「きゃいーんっ!」

「おい、どうした!」

「何か突然臭くてたまらん!って言いだして……」

「あいつイヌだから、鼻がいいもんな」

「ふっ……。

 それぐらいの臭いで根を上げるようじゃ、すぐにこの村から

 立ち去った方がいいですよ……」

「どういうことだ!?」

 

漂ってきた臭いに耐えきれなくなったイヌが走り出すと、桃太郎達の前に

やせ細った男達が、いまにも倒れそうにフラフラと顔を見せる。

 

「ここはもう人間が住むようなところじゃ……」

「……な」

「……い……がくっ……」

「おい!しっかりしろ!」

「あー、そいつらも脱落か」

 

バタリと倒れた男達に駆け寄る桃太郎とは対象に、村の住人の一人は

のんきな反応を示す。

 

「一体、何がどうなっているんだ!」

「女達がいなくなって、そうじとか洗濯とかグダグダなんだよ。

 任せっきりだったから」

「で、今この村はサバイバル生活の真っ最中」

「風呂も全然入らねーしな~」

「弱肉強食とは……まさに……」

「こういうこと……」

「でも、けっこう楽しいよな~。サバイバル生活って!」

「何を言っているんだ!

 村がこんな状態じゃ、娘達が帰ってきた時大変じゃないか!」

 

何でもないことのように、娘達がいなくなった村の状況を説明する

村人に桃太郎は、鬼を退治した後の問題を指摘する。

 

「帰ってきた時も何も……帰ってこないでしょ」

「うんうん」

「鬼に敵うわけないし……。なー」

「だよなー」

「何を……腑抜けたことを!

 私が娘達を助けにいくから、とっとと鬼の居場所を教えろぉぉぉっ!!!」

 

男達のあまりのやる気のなさに堪忍袋の緒がブチ切れた桃太郎は、

鬼が鬼ヶ島という島に住んでいることを聞き出すと海岸へと向かいました。

 

 

 

「いやー、見渡す限りの水平線だね~。

 鬼ヶ島とひとつなぎの大秘宝、どっちを見つけるのが簡単かな?」

 

海岸へとたどり着いた桃太郎達一行は、水平線の向こうまで何も見えない

一面の海に呆然となる。

 

「おい!あいつらの言葉を信じて、大丈夫か!?」

「すんげー適当だったぞ!」

「確実に迷惑がってて、協力する気ゼロだよ!

 今日のところは、やめときましょう!」

「やめようやめよう!」

「別の村で何か違う情報が聞けるかも……!」

「よし……出発だ!」

「「「ひぇぇぇぇぇっ!!!」」」

 

3バカの言うことに耳を貸さず、桃太郎は鬼ヶ島目指して海に出ました。

 

「ちょっと!何で、なんの準備もしてないのに船を出すの!」

「食料も積んでないじゃん!」

「すぐに遭難しちゃう!」

「そうなったら、お前達を食うから何も問題ない」

「海藻とか貝にあうような味付けをするには……」

「キジぃぃぃ!

 空から鬼ヶ島を探せぇぇぇ!!」

「急げぇぇぇ!!」

「がってんでい!!!」

 

海をナメているとしか言い様のない状態での船出に大慌ての3バカでしたが、

桃太郎とカズキの言葉に一刻も早く鬼ヶ島を見つけないと命が無いと

空を飛べるキジを探索に出す。

数時間後……。

 

「陸も島も何も見えない……」

「キジも帰ってこない……」

「逃げたかな?」

「俺達の絆は鉄よりも固いんだ!」

「食われそうになった時は、差し出し合ってたよね」

「ん?おい、あれは……キジじゃないか?」

 

何一つ変わらない景色や帰ってこない仲間に心が折れそうになった時、

桃太郎はこちらに向かってくるキジを見つける。

帆に骸骨を描いた大きな船を伴って…………。

 

「「「「「…………」」」」」

「あははは……。キジの奴、気が利いてるな~。

 こんな小舟じゃ心もとないって、落ちてきた船を拾ってきてくれるなんて~」

「食べ物がたくさんありそうだな~」

「助けて!助けて!殺―さーれーるー!!」

「何かタスケテとか聞こえるぞ?」

「そんでもって、体に縄がくくられてるね。船から逃げられないみたいに」

 

イヌとサルは、一縷の望みにかけて現実から目を逸らすが、キジの必死な

悲鳴が現実へと引き戻す。

目の前の船は、海賊船だと。

 

「ほうほう~。あれが、トリの言ってた桃太郎か~。

 おもしろいことになるかもって私の勘は大当たりだね。ブイブイ♪」

 

どうするべきか海賊船の様子を伺っていた桃太郎とカズキの耳に、

能天気な女の声が届く。

看板に現れたのは、海賊帽を被り胸元を大きく見せる鮮やかな衣装を

纏った船長と思われる女性だった。

何故か、海賊帽からはウサ耳がついている。

 

「はろはろ~。私は、“吾輩は猫である”海賊団のキャプテン・タバ~ネだよ~」

「キジのおバカー!!

 何、海賊に捕まってんだよ!」

「一人で焼き鳥になっとけ!!」

「助けようって、思わないのかよ!

 薄情者!!!」

「もう、うるさいな。ちょっと、黙ってろよケダモノども」

 

ギャーギャーと騒ぐ3バカに、キャプテン・タバ~ネは躊躇なく

銃を撃って黙らせる。

 

「「「ひぃぃぃ!!!」」」

「ねぇ~ねぇ~、そこのお侍さん~。

 私のところに来な~い?

 この間手に入れた、“白騎士”ってお宝があるんだけど、私じゃ

 うんともすんとも使えないんだ~。でも、お侍さんなら使えると思うんだよなぁ~。

 そしたらさ、すっごくおもしろいことができると思うんだ!」

「悪いが先を急いでいるんでな、断る」

「あっ……そ。

 まあ、最初からそっちの答え何か聞かないけど♪」

 

桃太郎をスカウトナンパしようとするタバ~ネだったが、あっさりと

断られるも、答えはどっちでもよかったのか特に気にしない様子で

桃太郎の腕めがけて鎖を投げつける。

 

「なっ!」

「さぁさぁ~プロトゴーレムくん達~。

 綱引きの時間だよ~」

『ガッテンダ。オヤビン!』

『『『オヤビン!オヤビン!』』』

 

タバ~ネの背後から現れた手下と思われるアンドロイド達が、桃太郎を

海賊船に引き寄せようと鎖を引っ張る。

というか、技術レベルが時代背景に合ってないだろ。

 

「はぁ……。しょうがないね~」

 

現状を静観していたカズキは、ため息を一つこぼすと懐に手を入れ、

22世紀の子守ロボットが道具を取り出すときのBGM音と共に……

バズーカを取り出す。

だから、時代背景と技術レベルが合ってないって。

 

「お、おい……。どこから、出したんだそれ!?」

「えっ?見てなかったの?」

「……懐から」

「「いやいやいや!流石にムリあるから!

 〇次元ポ〇ットやモ〇スター〇ールでもないと説明できないから!!」」

「まあ、とにかく耳は塞いでいた方がいいよ」

 

ビックリ仰天なアイテムの登場に、桃太郎は言葉を失い、イヌとサルも

手品とかですむレベルでないと慌てふためく。

カズキは、そんな彼らを気にせず迷うことなく海賊船にバズーカを発射する。

バズーカを撃ち込まれた海賊船からは、火の手があっさりと上がった。

 

『緊急事態!緊急事態!』

『救命ボート用意!救命ボート用意!』

『逃ゲロヤ逃ゲロ!逃ゲロヤ逃ゲロ!』

「あち!あち!本当に焼き鳥になるっ!!!」

「早く離れた方がいいよ」

「ああ……そうだな」

 

予想だにしなかった事態の急変に、桃太郎は思考が追い付かず、カズキの

言う通り燃える海賊船から逃げるのであった。

 

「うぉーい!キャプテン・タバ~ネが、この程度で諦めると思うなよ!」

『危険危険!被害甚大!被害甚大!

オヤビン、危険!』

 

アンドロイド達に引っ張られながら、捨てセリフを残してキャプテン・タバ~ネは、

海へに飛び込んだ。

 

 

 

「何とか、まけたね~」

「お前……今更だが、本当に何者なんだ……?」

「うん?俺は、ただの愉快な手品師だよ。

 おっ……」

「っ!ようやくか……っ!」

 

無事に燃える海賊船から逃れたカズキ達の前に、まるで鬼の顔のように見える岩山が

そびえたつ島が現れた。

 

「ここが、鬼ヶ島と見て間違いないな……」

「さ、作戦とかは……?」

「何があるか分からない以上、

 正面突破で一気にいくしかないだろ」

「ねぇねぇ。こんなのがあるよ~」

 

鬼ヶ島に上陸した桃太郎は、尻ごみする3バカ達の意見にあれこれ考えても

仕方ないと、いっそ清々しいほどに堂々と突っ込もうと刀を構える。

そこへ、カズキがワクワク顔でおもしろいものを見つけたと声をかける。

 

☆鬼ヶ島制服☆

仲間になりたい人は、これを着てね!

※サイズはS、M、L の3種類

 

島の雰囲気とは合ってない、きれいなかごと看板の文字に桃太郎は

頭に?を浮かべる。

 

「仲間希望と見せての潜入か。

 無策で突っ込むよりは、マシかもな。

 それにしても、かなりファンシーな衣装袋だな。

 とりあえず、私はこれに着替えるから、お前達は先に言って様子を探ってきてくれ」

「「「ハーイ!」」」

 

桃太郎は、怪しいと思いつつも一か八か制服に着替え、その間に3バカ達が

偵察へと向かいました。

 

「さ~て、鬼が出るか蛇が出るか……」

「鬼は出るだろ。鬼は」

「静かにしろ!見えてきたぞ……」

「「「こ、これは……!!!」」」

 

抜き足差し足の忍び足で、見つけた屋敷の中に潜入した3バカがそこで

目にしたのは……

和服にエプロンという和服メイドの衣装を着た娘達だった――!!

 

「「「メイドハーレムという天国(パラダイス)っ!!!」」」

「アホかっ!!!」

 

この世の天国な光景に飛び込もうとした3バカは、着替え終わって

追い付いた桃太郎に制裁を脳天にもらい床に沈んだ。

 

「何をやっているんだ、お前達はっ!

 鬼に見つかる前に、早くこの娘達を逃がすんだ!」

「「「……も、萌えっっっ!!!」」」

 

桃太郎に叱り飛ばされた3バカは、彼女の姿を見て喜びの声を上げる。

彼女も娘達と同じ着物姿でエプロンを着ているのだが、着物の裾が

走れるぐらいに短くなっていて、生足がそのまま見えている状態となっていた。

 

「うん?何?」

「新しい娘かしら?」

「あの3匹は……ペット?」

「ええい!こいつらをあてにした私がバカだった!

 それよりも、碓氷の奴はどこに行った!!!」

「俺なら、ここだよ」

 

桃太郎が3バカと漫才をしていると、娘達も彼女達の存在に気付き始め、

ざわめきだす。

興奮する3バカを叩きのめした桃太郎は、いつの間にか姿を消したカズキを

探すと、奥の階段からカズキが姿を見せた。

シルクハットを脱いだその頭には、人間にはない“ツノ”が生えていた――。

 

「「「お帰りなさいませ、旦那様」」」

「旦那様って……それにその頭!

 お前が、鬼ヶ島の鬼だったのか!?」

「あれ?鬼って言ってなかったけ?

 でも、愉快な手品師とおバカな3匹のお供達の団長だよ~」

「やかましいわ!!!」

 

桃太郎は、カズキの正体に愕然としても、彼はいつもの調子を崩すことなく

マントとシルクハットを取り出して、団長でもあると言う。

 

「と・に・か・く・だ!

 お前が人攫いの鬼だと言うなら、容赦はせん!

 覚悟しろ、変態鬼が!」

「ねぇねぇ。さっきから、あなた勘違いしてない?」

 

いまいち緊張感に欠けるカズキの態度に、翻弄されつつも

ここであったが百年目と桃太郎が刀を構えると、周りにいる娘の一人が

口を挟む。

 

「私達は、自分からここに住んでいるんだけど」

「…………え?」

 

娘の口から出た言葉に、桃太郎は固まった。

 

「限界だったのよね、村での生活は」

「男共は汚いし、勝手だし」

「「「うんうん」」」

「そこに、いい男が現れてついてきたらこの島住み心地よくてさー」

「快適だし目の保養はできるし、言うことなしなのよねー」

「え……?E……?エ……?」

 

口を揃えてこの島の暮らしに満足していると言う娘達に、

桃太郎は理解が追い付かない。

 

「てなわけで、俺は自宅を乗っ取られてしまいました~。

 かわいそうな俺。まあ、どうでもいいんだけど。

 だからさ……」

「っ!?」

「どこか楽しい場所を探しに行かない?二人でさ♪」

「はぁぁぁっ/////////////!?」

 

カズキはそっと桃太郎を抱き寄せて、甘い言葉を囁いて彼女の顔を

真っ赤にさせる。

 

「何で私がお前なんかと///////////!」

「だって、一緒だとドキドキするから」

「ウェィッ//////////////!?」

 

こうして、桃太郎はカズキと共に新たな旅へと出発するのですが……。

 

「おい、コラ!

 何を勝手に話を進めて……!」

「それにしても、そんな生足を出すそそる格好をするなんて……

 誘っているの?ドキドキ♪」

「ち・が・う!!!

 動きやすいように、裾を切っただけで……」

 

それはまた――別のおはなし…………

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ち……ちがう。

 やめろ……このへんた……い……」

 

織斑千冬(16)は、机に突っ伏してうなされていた。

その耳にはヘッドフォンが付いており、ラジカセのテープを睡眠学習よろしく

聞かされていた。

 

「あの碓氷さん……?

 さっきから、会長に何を聞かせているんですか?

 かなりうなされていますけど……?」

「うん?」

 

そんな千冬のそばでイスに座りながら、絵本をめくっている碓氷カズキ(17)に

尋ねる同年代の少年……彼はここIS学園(仮)の生徒会副会長である。

 

IS操縦者育成用の学校となるIS学園だったが、前例のない特殊な学校形態となるため

すぐに設立することは出来ず、またISの技術者も必要となるので、一夏達が

通っている校舎ができるまでは別の仮校舎となる場所で一期生だけ男子も学んでいたのだ。

千冬は初代生徒会長である。

 

しかし、この副会長は普通に女子の制服を着ても違和感がないぐらいの童顔をしている。

 

「疲れている会長のために、碓氷流おとぎ話を」

 

生徒会は色々と多忙で休憩時間に仮眠をとっている千冬だったが、全く仮眠に

なっていないのは言うまでもない。

 

顔が三つで腕が6本の阿修羅が鬼気九刀流で、変態忍者を追いかけまわすのを

副会長が目撃するまで後数分――。

 

 

 




というわけで、サブタイは”碓氷流”おとぎ話でした~。

以前千冬が見せられた桃太郎劇場の第一弾が、これです。
元ネタは「会長はメイド様!」の番外編からですが、あまりに
そのままな流れでちょっと消化不良(苦笑)

IS学園に最初は男がいたと言うのは、独自設定です。
技術者や整備士も育成する必要があると思うので。
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