インフィニット・ストラトス 龍の戦士たちの日常   作:すし好き

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番外編、吹き出すのにご注意をwww


笑いを堪えるのは意外と大変

「待たせたかね?」

「いや、時間通りだよ」

 

船の低い汽笛音が響き渡る夜の倉庫街。

その中の一つで、二人の男が顔を合わせていた。

暗がりで、顔はよく見えないが後からやってきた男は白衣のようなものを

着ているのが見て取れた。

 

「で?例のモノは?」

「ふっ……。もちろん、ぬかりはないさ」

「おおっ……。これは……」

「どうかな?

 自分で言うのもなんだが、注文以上のモノに仕上げられたと思うよ」

「素晴らしい。

 想像以上の出来だよ。やはり、君に頼んで正解だったよ……」

 

先に倉庫で待っていた男は、後からやってきた男が持ってきたものを

眺めると感嘆の声を上げてほくそ笑む。

 

「な~に、私もおもしろいものを作れて楽しかったよ。

 また、何か思いついたら何時でも言ってくれたまえ……カズキ」

「ああ、その時は遠慮なく君に頼むとしよう、ジェイル」

 

倉庫の窓から差し込む月光に照らし出された二人の男……

碓氷カズキとジェイル・スカリエッティは、口元を釣り上げた怪しい笑みを

浮かべて握手を交わした――。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ええっ!

 カズキさんが入院!?」

『おいおい~。エイプリルフールは、とっくに過ぎてるぜ?』

「嘘でも冗談でもない。

 ホントの本当に、あの変態宇宙人は病院に入院だ」

「いや、だって……なぁ?」

『ああ。別に昨日の夜、ザンリュウジンを私達に預けに来た時は

 いたって普通だったぞ?』

 

ある休日、一夏は千冬からカズキが入院したと信じられない情報を

聞かされる。

何でも、朝一番で保健室に息も絶え絶えで駆け込み病院に搬送されたそうだ。

 

『だけど、あいつ最近は俺を置いてコソコソ何かやってたんだよなぁ~。

 で?何で入院したんだ?』

「腹痛だそうだ」

「ますます想像できないなぁ~。

 あの毒を食べても平然としてそうな人が……」

「いや、そういう食あたりとかの類ではなく、筋肉痛だそうだ」

『『「はぁっ~?」』』

 

自分でも何を言っているのかよく分からないと言う風に歯切れの悪い千冬に、

一夏達はますます頭をひねる。

入院するほどの腹の筋肉痛って、何をどうしたらそうなるのか。

 

「それで、一夏。あいつ部屋で、何かの電源を入れっぱなしだからなんとかで、

 お前にそれを切ってほしいそうだ」

「え?いや、だって……そんなの別に俺じゃなくても……」

「お前でないと、ダメだそうだ」

「うわー……それだけで、嫌な予感しかしね~や」

『同感だ……』

『まっ、頑張れ♪』

 

今日の休日はゆっくりできないなと思いつつ、一夏は千冬と共にカズキの部屋へと

向かう。

 

 

 

「……で。やってきたはいいけど……」

「何だ、これは?」

 

部屋に入って開口一番。

一夏と千冬の口から出たのは、疑問だった。

ソファーと向かい合うように、昭和頃に作られた思われる大きな旧型テレビが

置いてあったのだ。

 

『テレビ……だな。それもかなり昔の』

『これの電源を切ればいいのか?』

「う~ん?古そうって以外、特に変わった所はって、リモコン?」

 

一夏がカズキの言っていた電源を切ってほしいとは、このテレビなのかと

思っていると、リモコンのようなものが目に入った。

 

「あれ?昔のテレビって、リモコンなんかあったっけ?」

「ボタンを押してみれば、わかるだろ。

 貸してみろ」

 

千冬はそのリモコンをテレビに向けて適当に、ボタンを押してみると

砂嵐状態だった画面が映り出し――。

 

“へ、へ~んし~ん////////////!

 魔法剣士、千冬ちゃん♪参・上♪キラッ☆”

 

スーツ姿の千冬が顔を赤らめて変身と叫ぶと、7~8歳ぐらいの幼女となり、

和風というか侍のようなフリフリがついた着物姿となる映像が流れた。

ちなみに、変身の言葉は羞恥心で顔が真っ赤だったが

変身が完了した名乗りの場面は、ノリノリであった。

 

「(――駄目だ。

 今、何か喋ったら殺される――!)」

「……………………」

 

時が凍るとよく聞くが、それを体感した一夏は喋るどころか少しでも動いたら

命が危ないと、吹き出したり、頬が引きつるのを必死にこらえて直感した。

具体的には画面を直視して、背中しか見えずどんな顔をしているかわからない

姉によって。

 

「……………………。

 なぁ、一夏?これは一体、何なんだろうな?」

「ひっ!い、いや~……何なんだろうね……ゲキリュウケン!」

『おい!私に振るな!

 そ、それは……ザンリュウジン!』

『お前もか!

 あ~だから……うん?おい、あれ……』

 

一夏達に振り替えることなく、尋ねて来る千冬の声はとても

落ち着きがあって優しいものであったが、逆にそれが彼らには心底恐ろしかった。

そんな中、ザンリュウジンが机の上に置かれている薄い冊子を見つける。

 

「え~っと、“パラレル見れるんです♪説明書”?

 ……こういうことだったのか」

 

一夏はザンリュウジンが見つけた説明書を読むと、どういう状況なのか

理解した。

部屋に合ったテレビは、パラレルワールド。

つまり、並行世界をテレビ番組のように見ることができるものなのだ。

 

「しかも、どういう世界とかも設定できるみたいだな。

 ファンタジーとか、ロボットとか……あっ。魔法少女なんてのもある」

『つまり、あれか?

 カズキは、このテレビで並行世界の自分達を見て楽しもうと?』

『そしたら、いきなり千冬が魔法少女でチビッ子な世界が映って、

 大爆笑したんだろうな~。腹痛になるぐらい』

「……………………あはっ☆」

 

ザンリュウジンの言葉を聞くや否や、千冬は不気味できれいな笑い声という矛盾した

笑いをすると、ドアを蹴り飛ばす。

 

「カズキィィィィィィィィィィィィィィィィっ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「速っ!照〇さんのトライ〇ルより速いんじゃね?」

『というか、そもそも何でカズキが見た千冬は魔法剣士なんてやっているんだ?』

“おい、たばピョン!

 何で変身すると、子供になるうえ性格もあんな風になるんだ/////////!!!!!!”

“子供の姿になるのは、ぶっちゃけそっちの方が可愛いって言う私の趣味だけど、

 はっちゃけちゃうのは、多分そういう願望がgggggggg!?

 ねじれる!私の体がねじれて口から出ちゃいけないものが!!!!!”

“そんなわけあるかぁぁぁっ!!!!!”

 

人間の限界なんて易々と超えたスピードを出す千冬に、呆気にとられながら

呆然とする一夏は、そもそもどうして異世界の千冬は魔法少女ならぬ魔法剣士に

なったのかと思ったら、画面にその答えが映っていた。

喋るウサギに似た何かが千冬にぞうきんのようにねじられていたのだ。

まるで、束をウサギにしたらこんな風になるだろうなというウサギであった。

 

「あれって、この世界の束さん?」

『なるほどな。

 要は、のせられたか無理やりかでやらされたのだな』

『でも、本人にも原因はあるわけでってことね』

「ザンリュウジン、それは千冬姉には言わない方がいいぞ?」

『違いね。……ところで、これって他の世界も見れるんだよな?』

「…………ちょっとだけなら……な?」

『確かに、少しおもしろそうだな』

 

限界まで絞られるたばピョンなる存在を見ながら、好奇心を押さえられず、

一夏とゲキリュウケン、ザンリュウジンは“パラレル見れるんです♪”

を操作していく。

 

 




はい、短くてすいません(汗)
心配しなくても、ここで終わりではありません。ちゃんと続きます♪

本当なら、ここからの本番までと思ったのですが、思ったより
長くなりそうなのとキリのいい所まで書けたので、今回はここまでで。

※魔法剣士、千冬ちゃん♪補足説明
異世界よりやって来る魔獣を倒すために、ウサギ妖精のたばピョンが
偶然出会った千冬に変身する力を与えました。
ちなみに、束も普通にいます。
変身するとチビッ子になるのは、いい歳した大人が
幼女になってフリフリの衣装を着て羞恥に悶える顔が好きという
たばピョンの趣味。
だが、変身後語尾に☆とかキラッ♪とかはっちゃけてしまうのは、
幼少時に魔法少女に密かに憧れていた千冬の潜在的願望が
解放されたため。
魔獣に対抗できるのが、この魔法剣士の力だけとはいえ、
戦いが終わるたびに千冬は羞恥に悶えている。
なお、千冬ちゃんとおおっぴらに本名を名乗っているが、
一夏を含め関係者たちは
”あの千冬(姉)が、あんなかわいいこと言うわけないって(笑)”
と完全に別人な性格なのと、変身後の姿が幼女なせいもあって、
誰も千冬ちゃん=千冬とは考えもしていない。

尚、龍の魂を受け継ぐもの世界の千冬と魔法剣士の世界の千冬とは
全く関係ないので、千冬が魔法剣士になることはありません・・・
多分www
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