ハイスクールD×G 【GHOST】   作:レティス

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スランプで遅れた割りにグダグダで本当にすみません。


幽一「俺は五十嵐幽一。15歳の時、謎の事件に巻き込まれて命を落とし、ハイスクールD×Dの世界に転生。仮面ライダーゴーストとしてオカ研部員として活動しながら、英雄の眼魂を集めている。俺はかつての恋人・理恵と再開し、さらにシモ・ヘイヘのアイコンも手に入れた。現在所有しているアイコンは…9つだ。」


OP[我ら思う、故に我ら在り]



落涙、精霊の決意!

幽一side

 

 

 

 

俺と理恵はバイクで誰もいない高台までやって来た。俺達はバイクから降りると、近くにあるベンチに座る。

 

「…。」

「…。」

 

座ってから少しの間は沈黙が続いた。自分が一度死んだなんて軽く言えるはずがないからだ。それもよりによって、この真実を今から理恵に話すんだ。イッセー達に言った時よりもその口は重かった。

 

「幽一君…話して。どうしてここにいるのかを…。」

 

だけど、ここまで来たらもう話すしかないか…。

 

「…理恵。」

「何?」

「俺………

 

 

 

一度死んだんだ。」

「…!?」

 

俺はついに理恵にも真実を話してしまった。理恵はこれを聞いて信じられさそうな表情をしていた。

 

「俺はある日の帰り道、突然起きた【重加速】という現象に巻き込まれて…そのまま暴走車に轢かれて死んだんだ。」

「…テロに巻き込まれたってこと…?」

「ああ。そして2年間の眠りの末、この世界に転生したんだ。」

 

そして俺は続けて転生した経緯を話した。【重加速】…あんなのはテロじゃない、超常現象だ。

 

「そんなこと…!」

 

理恵は当然、さらに悲しそうな表情になった。

 

「…けど、俺はこの世界に転生してから仲間達と出会った。そして、五十嵐一族の遺志を継ぐと決めたんだ。失うばかりじゃない、得るものだってあるんだと知ったんだ。」

俺は立ち上がると、明るい表情になりながら語る。

 

「もし理恵と出会っていなかったら、俺は二度と立ち上がれなかったかもしれない。ありがとな。」

 

俺は心から理恵に感謝の言葉を送った。あの日、周りからの差別や暴力を受け、“喧嘩”に明け暮れて堕落していた俺に救いの手を差し伸べてくれたからだ。

だが、それでも理恵はその悲しげな表情を変えないまま立ち上がった。

 

「…どうしたんだ?」

「…ごめんなさい、もう貴方とはいられない…。」

 

理恵は涙を流しながら重い口で俺にこう告げた。俺はそれを聞いた途端、一瞬立ちくらみしそうになった。

 

「私には…こんな重い事実は信じられないの…。」

「……理恵…。」

「…幽一君…さようなら。」

 

理恵はそう言ってここから去ろうとする。

 

「なぁ、理恵!」

「…?」

「俺はお前の行動は無理に止めないさ。だけど、俺達が過ごしたあの頃の思い出…そして俺の存在…それだけは忘れないでくれ。」

 

俺は理恵にそう言うと、そのまま理恵は涙を流しながらここから去っていった。理恵…今までありがとうな…。

俺もバイクに乗り、一旦オカ研部室に戻ることにした。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺はオカ研部室に戻ってくると、そこには皆がいた。

 

「戻ってきたわね、幽一……あの子は?」

「理恵なら…もう別れました。」

 

俺はリアス部長にそう答えながらソファに座った。そして俺はポケットから理恵との思い出写真を取り出し、それを見つめる。これも本来ならあっちの世界にあるのだが、何故かタンスの中に入っていた。

 

「なんだこの写真…ってこれ、さっきの子と幽一のツーショット!?」

 

イッセーは俺の持っている写真を見ると、驚きのあまり声をあげた。

 

「あ、本当だ。」

「あ、あらあら…。」

「幽一さん、この人はもしかして前に言ってた理恵という人ですか?」

「…ああ。」

 

木場と朱乃先輩が写真を見ている中、俺はアーシアの質問に答えた。何だろう…朱乃先輩からドス黒いオーラが…。

 

「…なんか、前にやってきた人に似てますね。」

「言われてみれば確かに…。」

 

小猫とリアスは、理恵の容姿を見て何かを思い出した。みほのことか…確かに似てたな…。

 

「…あ、あれ…?」

 

俺は何故か自然に涙が溢れてきた。失恋…心が痛む…。一粒一粒の涙が写真にポサポタと落ちる。

 

「幽一…?」

「…。」

 

いつもなら嫉妬の声をあげるイッセーは、今の俺の状態を見て冷静になった。皆も悲しげな表情になった。俺は無言で立ち上がると、そのまま透明化して部室から出ていく。その際、後ろから何か聞こえたが、俺は構わずバイクに乗って自宅へ帰る。

 

 

 

 

 

雷堂寺side

 

 

 

 

 

 

私は夜の町を見渡していた。

 

「五十嵐竜彦、私は必ず成し遂げてみせます。指をくわえて見ていなさい。」

 

私は天国にいる竜彦に心の中でそう言うと、その場から去る。するとその道中、泣きながら歩いている少女を見つけた。あの少女…いや、あの“精霊”は確か…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理恵side

 

 

 

 

 

 

私は幽一君と別れた後、独りで誰もいない道を歩いていた。一歩一歩進むたびに落ちる涙…。

私には受け止めきれなかった。幽一君がまさか事故で一度死んでいたなんて…。こんな残酷な真実…私には重すぎる。

 

 

 

「何かお困りですか、お嬢さん?」

 

すると突然、黒い衣装を身に纏った男が私に話しかけた。

 

「…誰なの?」

「それはとりあえず、貴女に用件があるのですよ。」

「用件…?」

 

用件…?私にどんな用件があるの…?私はそう考えていたその時

 

「はっ!」

「っ!?」

 

突然、何者かが背後から私を拘束した。その正体はローブを纏い、右手に鞭を持った眼魔・拷問眼魔だった。

 

「お前には人質になってもらう!」

「うっ…離して!!」

「五十嵐幽一から眼魂を奪うのに役立ってもらいましょう。後は頼みましたよ、拘束眼魔。」

「ふん、容易い事だ。」

 

その男は不気味な笑みをしながら言った。幽一君から…アイコンを奪う…!?私は必死に抵抗したが、眼魔は私を離さない。

 

「大人しくしろ!」

「うっ…!」

 

そしてそのまま腹部を殴られて気絶してしまった。私は意識が遠くなっていく中、草むらに隠れている小さい“昆虫”と“狼”を見た。それを最後に完全に気を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

 

 

 

「…。」

 

俺は翌日の放課後、部室の外で霊術の修行をしている。皆はそれを見て悲しげな表情をしていた。

 

「幽一…。」

「な、何とかして幽一さんを励ましましょう!」

『止めといた方がいいよ。今の幽一に話しかけても余計落ち込むだけだぞ…。』

 

後ろからイッセー、アーシア、そしていつの間にか帰ってきたユルセンの会話が聞こえてきた。俺の耳には聞こえていない。

 

「…心配になってきました。」

「相当辛かったらしいね…。」

 

小猫に木場も俺のことを心配しているらしい。もちろん、朱乃先輩やリアス部長も…。

 

「…なぁ、皆。」

 

俺は立ち上がると、イッセー達の方に目を向ける。

 

「皆が言いたい事は分かってる。昨日の事を心配してくれるんだよな…。でも、俺は大丈夫だから。」

 

俺は笑顔で言った。すると皆も少しは笑顔になったが、十分とは言えなかった。俺、説得力無いな…。

 

『ワンッ!ワンッ!』

『ギシギシッ!』

 

するとその時、ビートルラジオと単眼鏡型のウルフスコープが俺のもとにやって来た。そういえば、この二体は昨日の夜何をしてたんだろう…?家にもいなかったし。

 

「ウルフ、ビートル、どうしたんだ?」

『ワンッ!ワンッ!』

 

ウルフとビートルは俺に何かを伝えているらしいが、何を言ってるか分からない。

 

『ギシギシッ!』

『もしかしたら何かの会話を録音したのかもしれない。』

「…とりあえず、部室で聴いてみよう。」

 

そういえばビートルラジオにはラジオとしての機能だけじゃなく、録音する機能まであったんだよな。俺たちは一旦部室に入る。ウルフとビートルは一体何を見たんだ…?

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺達はソファに座ると、ビートルラジオの再生ボタンを押した。するとまず始めに聞こえたのは、理恵の泣き声だった。

 

「この声って…?」

「理恵…。」

 

理恵…やっぱり俺と別れた事が悲しかったんだな…。

 

『「何かお困りですか、お嬢さん?」』

 

すると次に聞こえたのは、男性の声だった。たまたま道中を歩いていた人なのか?

 

『「…誰なの?」』

『「それはとりあえず、貴女に用件があるのですよ。」』

『「用件…?」』

 

用件…?何だか嫌な予感がする…。するとその時、理恵が何者かに拘束された音が聞こえた。

 

『「お前には人質になってもらう!」』

『「うっ…離して!!」』

『「五十嵐幽一から眼魂を奪うのに役立ってもらいましょう。後は頼みましたよ、拘束眼魔。」』

『「ふん、容易い事だ。」』

 

眼魔…!?俺から英雄の眼魂【ゴーストアイコン】を奪うために…理恵を拘束だと…!?

そして抵抗し続ける理恵に拘束眼魔が殴って気絶させたところで再生が終わった。

 

「…。」

 

俺はこれを聞いた途端、頭に全ての血が昇った感覚がした。理恵が眼魔にさらわれた…俺からアイコンを奪うための人質として…。

 

「幽一…まさか…!?」

「もちろん…今すぐ理恵を助けに行かないと!」

 

今すぐ助けないと理恵が危ない!俺は部室から出ようとする。

 

「待ちなさい幽一!」

 

リアス部長に呼び止められた。これは…前にイッセーがアーシアを救いにいく時と同じだな…。

 

「幽一、これは罠よ。」

「だとしても…理恵は一度闇に堕ちた俺を救ってくれた人だ。せめて、恩返しをしないと…。」

「気持ちは分かるわ。でも私達にとって幽一は大切な存在なのよ。」

「あいつには…理恵には生きてほしいんですよ…!」

「私達は貴方に生きてほしいのよ!」

 

俺はリアス部長と口論をしていた。俺は他の皆の顔を見るが、木場、小猫、朱乃先輩、果てにはユルセンまでその顔を下に向ける、もしくは首を横に振っていた。

 

「イッセー、アーシア、二人は分かるよな?今の俺の気持ちが…。」

「…ごめんなさい…。」

「すまん幽一、今回ばかりは部長に同情するよ…。」

「!?」

 

イッセーにアーシアまで…!?俺は皆が理恵を助けることに反対していることに心を打ちのめされた。

 

「お願いですリアス部長…理恵を助けに行かせてください。俺は…理恵を信じる…!」

「貴方はあの子を信じているかもしれない。でも、私達にはまだ信用できないのよ。」

「!!」

 

俺はリアス部長の一言で怒りの表情を浮かべる。

 

「…もういい。そんなに反対するのなら、俺一人で行く!!」

『Invisible!』

「幽一!?」

 

俺はドライバーを出現させると、不可視の能力を発動して透明化する。そして壁をすり抜けて外に出ると、不可視を解除して目の紋章を展開する。

 

「来い、ピナ!」

『ギュルル!』

 

俺はピナを呼ぶと、バイクに入っていた発信機を体に付ける。そしつさらに霊術の構えを取る。

 

「五十嵐流霊術・透身付与!」

 

俺は霊術でピナを透明化の効果を付与する。これで普通の人にバレずに空からの探索が可能になる。

 

「理恵が捕まっている場所を探してくれ!」

『ギュル!』

 

ピナは了承すると、空を飛んで探索しに行った。すると部室のドアが開き、そこから皆が出てくる。

 

「幽一!」

 

俺はリアス部長の呼び掛けを無視してバイクを発進させた。

 

 

 

 

 

 

 

イッセーside

 

 

 

 

俺は部長が幽一を呼び止めようとしているのを見た。だが幽一は部長の声を無視してそのまま発進してしまった。

 

「これ…あの時と同じ…。」

 

アーシアはそう呟いた。そう、俺がアーシアを救いに行った時と同じだ…。いや、少し違う…今回は本当に幽一だけが救いに向かった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「俺は自分の立場よりも、友情を大事にする。」

 

 

「俺はイッセーが一度死ぬ光景だけじゃない…それ以前にも他の人が死ぬ光景を見てきたんだ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺は幽一が前に言った言葉を思い出す。あの理恵って奴は…余程幽一にとって大切な人なんだな…。

 

「部長、俺達も行きましょう!」

「…分かったわ。でも転移するのは幽一が目指す場所を特定してからよ。」

『それはオイラに任せな!ゴーストガジェット、出撃!』

 

ここでユルセンがそう叫ぶと、コンドルデンワー、バットクロック、クモランタン、ビートルラジオ、そしてウルフスコープが出発した。理恵が捕まっている場所を特定しに行ったんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

 

 

俺は理恵がどこに捕まってるのかをモニターで確認しながらバイクを走らせる。ピナも空から探索してくれている。

 

「何処だ…?何処にいるんだ…?」

 

俺はそう呟きながら探索していると、モニターに反応があった。どうやらピナが見つけてくれたらしい。俺は一旦何処かにバイクを停車すると、モニターを確認する。場所は…廃工場か!ナイスだ、ピナ!

俺はモニターで廃工場に目的地を設定すると、再びバイクを発進させようとした…。

 

 

 

ブォォォォォォン!

 

 

 

しかし、何者かが俺の前に立ち塞がった。そう、駘悟だ。駘悟はマシンフーディーから降りると、ドライバーを展開した。俺もバイクから降りていつでも変身できる準備をした。

 

「駘悟、今はお前に構ってる場合じゃないんだ!」

「行かせると思うのか?」

「急がないと、理恵が…!」

「人のためか…だからお前は甘いんだ!」

 

駘悟はそう言うと、スペクターアイコンを取り出してドライバーに装填した。俺もオレアイコンをドライバーに装填する。

 

『アーイ! バッチリミナー!』

『アーイ! バッチリミロー!』

「「変身!」」

『カイガン!オレ!レッツゴー、覚悟、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

『カイガン!スペクター!レディゴー、覚悟、ド・キ・ド・キ・ゴースト!』

 

俺はゴーストに変身すると、スペクターに変身した駘悟に突撃する。

 

「お前は何故あいつを助けに行こうとするんだ?」

「理恵はな、一度は堕落した俺を救ってくれたんだ!」

 

俺は駘悟と鍔迫り合いをしながら会話する。俺のガンガンセイバーと駘悟のガンガンハンドがぶつかり合って火花を散らしている。

 

「駘悟、俺は5年前父さん達を殺されて、それで周りから酷い差別を受けてきた。俺も駘悟と同じく、一時は地獄を生きてきたんだ!」

 

俺は駘悟に自分も地獄を生きてきたことを主張する。

 

「お前は幽一じゃない。お前が竜彦さん達のことを喋る資格はない!」

「うっ…!」

 

駘悟はそう切り捨てて俺を吹き飛ばした。

 

「くっ…けど、ここで退く訳にはいかないんだ!俺は絶対に…理恵を救いに行く!」

『カイガン!ムサシ!決闘、ズバット、超剣豪!』

 

俺はムサシゴーストを纏うと、ガンガンセイバーを分割して二刀流にする。

 

『カイガン!ツタンカーメン!ピラミッドは三角、王家の資格!』

 

駘悟はツタンカーメンゴーストを纏うと、コブラケータイをガンガンハンドと合体させて鎌にした。

俺は二本の刀を振り下ろすが、ガードされてしまう。

 

「時間がないんだ、駘悟!そこをどいてくれ!」

「黙れ!」

 

俺は駘悟にそう言うが、駘悟は容赦なく鎌を振り回して攻撃してきた。

「おらぁ!」

「うわっ!?」

 

俺は駘悟からのダメージを受け、怯んでしまう。くそ、こんな事してる場合じゃない…早く助けに行かないと…!

駘悟は鎌をドライバーにかざした。

 

『ダイカイガン! オメガファング!』

「はああっ!」

「うわあああああああ!!」

 

俺は駘悟の攻撃をまともに喰らってしまい、吹き飛ばされる。俺はすぐに立ち上がろうとするが

 

「おらぁっ!!」

「ぐふっ…! がはっ…!」

 

駘悟の容赦ない攻撃を受け続けてしまう。くそ…こんな事…駘悟と戦ってる場合じゃないのに…!

 

「お前はクズだ。お前には何も守れはしない!」

 

 

 

 

バシューン!

 

 

 

 

 

俺はその駘悟の一言でSEEDが発現した。

 

「どけよ…。」

「何だと?」

「どけって言ってるだろうが!!」

「っ!?」

 

ぶち切れた俺は駘悟に零距離で剛龍波弾を撃ち込んで吹き飛ばす。

 

「五十嵐流霊術・魂鎖呪縛陣【包】!」

 

俺は霊術を発動すると、霊力で作られた鎖で駘悟の全身を包んで拘束した。

 

「貴様…!」

「ごめん駘悟…時間が無いんだ…!」

 

俺はすぐにマシンゴーストライカーに乗り、理恵が捕まっている場所まで急ぐ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

理恵side

 

 

 

「………。」

 

私は昨日の夜、謎の男と拘束眼魔によって人質になってしまった。私は廃工場の一本の柱に縛り付けられていた。

 

「ははは…いいザマだな。」

「…。」

 

拘束眼魔は私の姿を見て嘲笑っていた。幽一君…。私は別れたはずの恋人の名前を心の中で呼んだ。

 

 

「理恵!!」

 

その時、私の名前を呼びながら一人の青年がやってきた…それは、紛れもなく幽一君だった。

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

俺は廃工場の前でバイクを停車させてから降りる。

 

「ぐっ…!」

 

俺は先程の駘悟との戦闘で大ダメージが蓄積したのか、少しよろめいてしまったが、そんな事はどうでもいい。あの中に理恵が捕まってることは確かだ。

俺はその傷ついた体のまま、廃工場の中へ入った。

 

「理恵!!」

 

俺の視界には、一本の柱に縄で縛り付けられている理恵。そして隣で嘲笑っている拘束眼魔がいた。

 

「幽一君…!」

 

理恵が俺の名前を呼んだ。見た感じ、縛り付けられているだけで何もされてはいないらしい。

「ようやく来たか…!」

「お前…命を何だと思ってるんだ!?」

 

俺は理恵を拘束した拘束眼魔に怒りの表情を露にしながら幽霊の神帯【ゴーストドライバー】を展開し、オレアイコンを取り出す。

 

「…うっ…!?」

 

しかし、大ダメージの影響で身体が痙攣してしまい、オレアイコンを落としてしまう。

 

「ははは…まともに戦えない身体で来たのか。何とも無謀な奴だ。」

「幽一君!」

「うっ…くそ…!」

 

くっ…身体が…言うことを聞かない…!俺はダメージのあまり動けない。

 

「ははは…さて、そんな状態で動けるか?まぁ動いたらこいつが…ふんっ!」

「きゃっ!?」

「!?」

 

すると拘束眼魔は手に持っている鞭で理恵の隣にある柱を粉砕した。くそ、未だに身体が痙攣してやがる…!だけど今動いたら理恵が…!

 

「まぁ、貴様が持っている英雄アイコンを全て寄越せば、こいつを解放してやってもいいさ。」

 

拘束眼魔は嘲笑いながら俺の持つ全ての英雄アイコンを要求してきた…何て嘘だらけの要求だ。俺が渡したところで理恵を解放してもらえる保障はない…。

俺は全ての英雄アイコンが入った袋を取り出す。

 

「さぁ、どうする…?アイコンを取るか、それともこの女を取るか?」

「…」

 

拘束眼魔はそう言いながら理恵に鞭を突きつける…もう、考えてる時間はない…!

 

「…分かった。」

 

俺はそう言ってアイコンの入った袋を拘束眼魔に投げ渡した。

 

「ふふ…!」

 

拘束眼魔はアイコンの入った袋を掴んだその時

 

『ギュルルル!』

「!?」

 

別の入り口から飛んできたピナが拘束眼魔に飛びかかる。俺はその隙に痙攣した身体に鞭を打ち、オレアイコンを拾ってドライバーに装填する。

 

『アーイ! バッチリミナー!』

「変身!」

『カイガン!オレ!レッツゴー、覚悟、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

俺はその傷ついた身体でゴーストに変身する。

 

「はああああっ!」

「ぬぉっ!?」

 

俺は拘束眼魔に向かって突進して突き飛ばす。その際、拘束眼魔が持っていた袋が手元から離れた。

それをピナがキャッチして、俺に渡してくれた。

 

「ありがとうピナ。」

『ギュル!』

 

俺はアイコンの入った袋をポケットに入れると、理恵のもとへ駆け寄る。

 

「助けに来たぜ。」

「幽一君…私…。」

「気にするなよ、お前が無事なだけよかったよ。」

 

理恵はその瞳に涙が溢れていた。俺はそう言って理恵を宥める。

 

「じっとしてて。すぐにその縄を切るから。

 

俺はそう言うと、ガンガンセイバーを装備して縄を切る。

「…あ、あれ…?」

「どうしたの?」

「この縄、切れないぞ…!?」

 

しかし、その縄はなかなか切れなかった。何だよこの縄、切れ目一つ付かないぞ?特殊な防刃繊維で出来てるのか…!?

俺はなかなか切れない縄を何とかして切ろうとする。もしかして、ガンガンセイバーの刃じゃ切れないのか…?だったら幻霊滑刀で…。

俺は右手に霊力を集中させて幻霊滑刀を生成しようとしたその時

 

「!?…幽一君後ろ!」

「っ!?」

 

俺は理恵に言われてすぐさま後ろへ振り替える。

 

「ふんっ!」

「うわっ!?」

 

既に態勢を立て直した拘束眼魔が鞭を振り下ろしてきた。俺は縄を切ることに必死だったため、これを喰らってしまった。

「よくもやってくれたな、生かして帰さん!」

「ぐっ…うっ…!」

 

拘束眼魔の攻撃を受けて吹っ飛ばされ、ガンガンセイバーを手放してしまった俺は立ち上がり、幻霊滑刀を生成しようとするが、身体が痙攣した影響か霊力を集中させることが出来ない。やっぱり駘悟との戦いが原因か…!

そうしている間にも、拘束眼魔はこちらに向かって走ってきた。

 

『ギュル!』

「ええぃ!邪魔だ!」

『ギュルッ!?』

「ピナ!」

 

ここでピナが拘束眼魔を足止めしようとするが、鞭で叩き落とされてしまった。

 

「でえぃ! どりゃあ!」

「っ…!」

 

そして俺は身体が動かない中、拘束眼魔の鞭攻撃を喰らい続ける。

 

「幽一君…もういいよ!私に構わず逃げて!!このままじゃ…幽一君が…!」

「逃げれるかよ…!このまま引き下がれるかよ…恩を、仇で返せるかぁぁぁああああ!!」

「ぬっ!?」

 

たとえ身体が傷だらけでも、恩は恩で返したい!俺は力を振り絞って拘束眼魔に右拳を叩きつける。だが、満身創痍の俺にはこれが限界だった。

俺はそのまま立て膝をついてしまう。

 

「でぇぃ!」

「ぐふっ…!」

 

そしてそのまま蹴飛ばされてしまった。

 

「終わりだな。だが貴様を殺すのは後だ。まずは…。」

「…っ!」

 

拘束眼魔はそう言うと、理恵に目を向けた。あいつ…理恵を先に殺す気だ…!拘束眼魔は鞭を構えると、理恵に向かって走り出した。ぐっ…動け…俺の身体…!俺はアイルトンアイコンをドライバーに装填すると、すぐにハンドルを操作する。

 

『カイガン!アイルトン!駆ける天才、ぶっちぎりレーサー!』

 

俺はアイルトンゴーストを纏うと、すぐに走り出す。

 

「あの世へ逝け!!」

「…っ!」

 

拘束眼魔は今にも理恵に向かって鞭を振り下ろそうとしていた。

 

「うおおおおおおお!!!」

 

俺は考えるの放棄して走る。そして拘束眼魔と理恵の間に入り込もうとする。今まで俺は誰かを守り切ることが出来なかった…だけど、理恵だけは…絶対に…俺が守り切ってやる!!

 

 

 

 

 

「ふんっ!!」

「ぐはっ……!」

「!」

 

その瞬間、俺の身体に衝撃が走った。強力な鞭で打たれた感覚だ。だけどこれでいい。間に合ったのだ。俺は力を振り絞って霊力を右手に集中させる。

「五十嵐流霊術・幻霊滑刀!」

「ぐわっ!?」

 

俺は幻霊滑刀を作り出し、それで拘束眼魔を斬り上げて吹き飛ばす。そして俺はそのまま理恵を拘束している縄を切断した。

 

「あ…。」

 

その瞬間、俺は糸が切れたかの如く力が抜けてその場に倒れ、変身も解除された。そこへ自由の身になった理恵が俺の身体を支える。

 

「幽一君…どうして…?」

「いいんだよ。お前が無事でよかったよ…。」

 

俺は全身ボロボロで満身創痍な中、微笑みながら言った。理恵は思わず涙を何粒も流し、その涙が俺の顔に落ちていく。

するとその時、紅い魔方陣が展開され、そこからリアス部長達が転移されてきた。

 

「幽一!」

「おい、大丈夫か!?」

「…皆…。」

 

俺のもとへイッセー、リアス部長、アーシアが駆け寄ってきた。アーシアは聖母の微笑【トワイライト・ヒーリング】ですぐに俺の傷の回復を行う。

 

『…ギュルル…。』

「…ピナ…!?」

『どうやら、そこにいる眼魔の攻撃を受けたみたいだな…。』

すると、小猫が傷ついたピナを発見。俺たちのもとへ運んだ。ユルセンは拘束眼魔の方を見て言った。

 

「悪魔共が来たか…。ならまとめて始末するのみ!」

 

拘束眼魔はそう言って鞭を構える。木場と朱乃先輩も迎撃の構えを取った。その時だった。

 

「…。」

「…理恵…?」

『「「「「「「?」」」」」」』

「何だ?まずは貴様からか?」

 

突然、理恵は立ち上がると朱乃先輩と木場に代わって拘束眼魔の前に立った。

 

「幽一君は身を挺して私を守ってくれた…だったら今度は私が…幽一君は…私が守る!」

 

理恵がそう言った次の瞬間、理恵の周りに魔力で出来た球体が複数出現し、それらが理恵の体に纏わり付いた。すると理恵はあの時と同じくドレスと鎧を合わせたピンク色の防具を装着した。そして理恵は右手を頭上へ掲げた。すると理恵の頭上の空間が裂け、そこから一本の大剣が鞘に納められた状態で出現した。あの時のものと同じだ。

「来たれ、“回答者”の御名受けし光の魔剣よ。我が意思に応え、眼前なる敵に報復を……フラガラッハ!」

 

理恵がその大剣の名を叫ぶと、理恵の意思に応えるかのように大剣が鞘から抜け、理恵の右手に装備された。ケルト神話に登場する剣・フラガラッハ…確か、伝説だと太陽神ルーが持つ剣だったよな?理恵、いつの間にあんな代物を…!?

 

「フラガラッハだと…?はっ、そんな贋作でこの俺を倒せるとでも?」

「だったら、試してみる?」

 

理恵はそう言ってフラガラッハを構え、拘束眼魔に接近した。

 

「やぁっ!」

「うがっ!?」

 

理恵が放った一撃は拘束眼魔の腹部に命中した。直後、拘束眼魔は苦しみ出す。理恵は続けざまに攻撃を繰り出していく。

「くっ…調子に乗るなよ!」

「…っ!」

 

拘束眼魔は肩に備えられていた手錠を放ち、理恵の両手を拘束した。その際、フラガラッハが弾かれて地面に落ちた。

 

「手を封じてしまえばどうという事はない!死ねぇぇぇぇえ!!」

 

拘束眼魔はそう言って理恵に鞭を振り下ろそうとした。しかし拘束眼魔は気づいていなかった。地面に落ちたフラガラッハが自律で浮遊して拘束眼魔に向かってきてるのを…。

 

「ぐはっ…!?な、何…!?」

 

拘束眼魔はこれを受けて転倒した。フラガラッハは理恵を拘束している手錠を破壊すると、再び理恵の右手に装備された。

 

「精霊を甘く見たからよ!」

「ぐっ…!おのれぇ!」

 

拘束眼魔はその傷付いた身体のまま鞭を構えて捨て身の特攻を行う。

 

『キュル!』

「っ!?」

 

だが、そこへ再びカーバンクルが突然現れ、すぐさま障壁を展開して拘束眼魔を弾き飛ばした。

理恵はフラガラッハに魔力を込める。するとフラガラッハの刀身にとてつもないオーラが纏われた。

 

「これで終わりよ! はああああああっ!」

 

そして理恵はフラガラッハを振り、強力なオーラによる剣圧を飛ばした。

 

「ぐっ…!? うわあああああああ!!」

 

剣圧を受けた拘束眼魔は倒れ、そのまま爆散した。そして地面に鞭と眼魔アイコンが落ち、アイコンが砕け散った。

俺は理恵の戦いを見た後、激痛で気を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ん?」

 

俺が再び意識を覚ますと、そこは俺の自宅だった。そうか…確か俺は眼魔の攻撃を受けて負傷して…。

俺は傷がまだ痛む中、身体を起こす。裸の上半身には包帯か巻かれていた。どうやら俺が気絶している間にアーシアが治療してくれたんだろう。

俺が目覚めた時には既に夜になっていたらしく、俺はとくに理由もなく夜空を見上げようとリビングへ移動する。ちなみにベッドの周りにはイッセー達はいなかった。帰ったんだろう。理恵も…おそらく自分の居場所に戻ったんだろうな…。そんな事を考えている間に、リビングへ着いた。

 

「……え?」

 

そこには、俺よりも先に夜空を見上げている理恵の姿があった。月の光に照らされた理恵の姿は、何とも凛としていた。

 

「目覚めたんだね、幽一君…。」

「なぁ、理恵が俺の自宅まで運んでくれたのか?」

「うん。」

 

どうやら理恵は俺を自宅まで運んでくれたらしい。どうして俺の自宅を知ってるのかは分からないが。

 

「幽一君…ごめんなさい…。私が油断しちゃったせいで、貴方が傷ついちゃった…。」

 

理恵は悲しげな表情になりながら言った。その瞳からは涙が溢れていた。

 

「いいんだ。お前が無事なら、これでいいんだ。」

「え?」

 

俺は理恵に歩み寄りながら言う。そしてその涙を右手で拭き取った。

 

「それに、お前には俺を堕落から救ってくれた恩があるからな。」

「幽一君…。」

「なぁ、もし良かったら…俺と一緒に住まないか?別に、無理にとは言わないけど「いいよ。」…?」

「私には…やっぱり貴方が必要だから!」

「!」

 

理恵は俺の質問に答えてくれた。理恵…。

 

「理恵、これからもよろしく頼むぜ。」

「はい!」

 




ED[方程式は答えない]


ユルセン『次回、ハイスクールD×G【GHOST】!』


理恵「初めまして!」

翌日、理恵が駒王学園へ転入してきた。

幽一「(なんだこのカオス…?)」

多少真剣な場面はあるものの、いつも通りなドタバタな学校生活を送る幽一達。

リアス「二人のデートを偵察するわよ!」

そんなある日、リアス達は幽一と理恵のデートに潜入することに。その際のリアス達の格好が…。そんなことに気にせず幽一と理恵はデートを楽しむ。

駘悟「殺してでも奪い取ってやる!」
幽一「駘悟ぉぉぉおお!!」

しかし、そこへアイコンと首飾りを奪い取らんと駘悟が強襲。理恵を巻き込んで猛攻を仕掛ける。これに対してとうとう幽一は…。

『ピラミッドは三角、王家の資格!』


次回[決別、哀しみの大鎌!]


その眼に、焼き付けろ!


カウント・ザ・アイコン


幽一:【G】オレ【01】ムサシ【03】ロビン【04】ニュートン【05】ビリー・ザ・キッド【06】ベートーベン【EX.01】アイルトン【EX.03】シャネル【EX.04】シモ・ヘイヘ

駘悟:【S】スペクター【02】エジソン【11】ツタンカーメン【12】ノブナガ【?】?【EX.02】リチャード【EX.05】パラケルスス
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