今回は、幽一がある能力に目覚めます。
OP[我ら思う、故に我ら在り]
俺はあの後、アーシアが連れていかれた場所を探していた。バイクに搭載されたステルス機能、探知機能をフルに活用しながら、レイナーレ達の拠点となっている場所がないか探索している。
「どこだ……アーシアが連れていかれた場所はどこだ?」
俺は辺りを見渡しながら呟く。そういえばレイナーレのやつ、何らかの計画をしていたな…。最悪な事態になる前に早く見つけ出さないと…。これは俺だけじゃない、イッセーのためでもあるんだ…!
すると、バイクに多数の堕天使の反応があった。俺は反応がある方向に目を向けると、そこには廃墟となった教会があった。
「ここだ!」
ようやく見つけた。ここにアーシアが捕まっているんだな…。よし、イッセーのもとまで戻るか。
『幽一、イッセーは今部室にいるらしい。』
ユルセンがそう言った。イッセーは俺が探索している間に部室に転移されたらしい。恐らくイッセーは今頃、リアス部長に説教されてるだろうな。
俺は堕天使達がいる教会を見つけると、イッセーを連れていくために部室へ向かう。
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俺は部室前まで到着すると、バイクから降りて階段を登り、部室の扉を開けて中へ入った。そこには案の定、イッセーを含んで全員いた。
「幽一!」
イッセーは俺がやってきたのを見て叫んだ。
「幽一、貴方今まで何処へ行ってたの!?」
「ちょっと情報収集してました。」
リアス部長が俺に対して質問してきた。俺は適当に返答すると、イッセーに近づく。
「イッセー、場所を突き止めたぞ。」
「本当なのか、幽一!?」
「ああ、けど時間がない。早くしないとアーシアの命が危ない!」
「分かってるさ、行くぞ!」
俺はイッセーにそう言うと、イッセーと共に現場へ向かおうとする。
「待ちなさい!」
しかし、リアス部長に止められてしまった。
「何ですか部長、事態は一刻も争うんですよ!?」
「幽一、何故貴方もあのシスターのことを優先するの?イッセーにも言ったけど、これは貴方たちだけの問題じゃないわ。下手をしたら私や他の部員に被害が及ぶ可能性があるのよ!?」
「俺は部員であって貴女の眷属じゃない。だからある程度は自由に行動させてもらいますよ。それに、アーシアは大切な友達なんです。たとえそれが敵同士だとしても!」
行かせてくれないリアス部長に俺はそう論した。
「幽一の言うと通りですよ部長。アーシアはかけがけのない友達なんです。一刻も早く助けに行かないと!」
「ダメよ、許可できないわ!イッセー、幽一、諦めなさい。貴方たちはあのシスターよりも大切な存在なのよ!」
「それは大間違いだ!!!」
頑固に俺たちを行かせてくれないリアス部長に、俺はリアス部長に対して怒号を浴びせた。その際、リアス部長を含めて他の皆が一瞬怯んだ。
「俺はイッセーが一度死ぬ光景だけじゃない…それ以前にも、他の人達が死ぬ光景を見てきたんだ。もう見たくないんだ…あんな悲惨な光景は…大切な人が死ぬ光景は……だから頼みます部長。行かせて下さい!」
俺は悲しみの表情で自身の体験してきた事を言った。それはもちろん、俺が一度死んだ時の事も含めている。だが、リアス部長はそれでも首を縦に振らない。
「……それでも許可しないなら、俺はオカ研を抜ける。イッセーも同じようなことを考えてるはずです。」
「幽一、お前…。」
「!?…貴方まで何を「部長。」…何かしら?朱乃。」
姫島先輩はリアス部長に耳元で何やら話している。何だろうか…?
「…分かったわ……。イッセー、幽一、私は朱乃と一緒に用事が出来たから出掛けるわ。」
「部長!」
リアス部長は俺とイッセーにそう言うと、朱乃と共に何処かへ行こうとする。イッセーが呼び止めようとすると、リアス部長はイッセーの方に振り向く。
「イッセー、貴方は兵士が弱い駒って思ってるわよね?」
「はい…。」
「兵士には【プロモーション】という能力があって、敵陣に入ると王以外の全ての駒の能力が使えるのよ。例えば“教会”とか…ね。」
リアス部長はイッセーに【プロモーション】の詳細を説明すると、姫島先輩と共に部室から出ていった。俺はリアス部長が言った言葉を理解した。そう、部長は今その瞬間、俺たちが向かう教会を敵陣と認めたのだ。
「…イッセー、行くぞ。」
「え?でも部長が…。」
「このままだとアーシアの命が危ない。」
「…分かった!」
俺たちもアーシアを助けるために部室から出ようとする。
「イッセー君、幽一君。」
「悪いけど木場、止めても無駄だぜ。」
イッセーは木場の制止を振りきろうとした。すると
「いや、止めるつもりはない。僕も行くよ。」
「……本当か?」
「君達の言うアーシアさんを知らないけど、君達は僕らの仲間だからね。それに、個人的に教会とかが好きじゃないんだ…“憎いほど”にね。」
木場が協力してくれるらしい。教会が憎いって…何らか理由があるのか…?
「…私も行きます。3人だけじゃ心配です。」
「…小猫。」
小猫も協力してくれるようだ。
「よし、行くぞ!」
俺はそう言うと、皆と部室から出た。
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『アーイ! バッチリミナー!』
「変身!」
『カイガン!オレ!レッツゴー、覚悟、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』
俺は出発する前にあらかじめゴーストに変身する。すると、停車してあったバイクが姿を変えた。その形状はまるで黒い一角獣のようだった。
「え、幽一のバイクが変わってる!?」
「あれ、俺のバイクが…?」
『マシンゴーストライカー。それがこのバイクの本来の姿さ。』
ということは今までのは擬態した姿ってことか…。
「とりあえず、急ごう。」
「ああ。」
そして俺たちは出発した。
「アーシア、絶対に助けてやるからな!」
後ろでイッセーが呟いていた。確かにそうだな…絶対にアーシアを助け出すんだ!
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俺たちは教会からもうすぐの地点まで近づいていた。と、その時
「!?…危ねぇ!?」
突然、上空から光の槍が降り注いだ。俺はそれぞれ光の槍を避けた。俺とイッセーはすかさずバイクから降りる。
「来たか、悪魔共が。」
俺たちが見上げると、そこにはドーナシークがいた。
「あいつ…!」
イッセーが龍の手を展開すると、ドーナシークを睨み付けた。
「レイナーレ様の邪魔はさせん。ここで消えろ!」
ドーナシークはそう言うと、俺たちに襲いかかってきた。
「ふっ!」
「…!?」
俺はガンガンセイバーを装備すると、ドーナシークの一撃をガードする。
「イッセー、木場、小猫、先に行け!」
「幽一!?でも「イッセー君、ここは幽一君に任せよう。」木場、だけど…。」
「イッセー、俺はこいつを倒した後に行く。だから、行け!そして必ず…アーシアを救い出せ!」
俺はイッセーにそう言った。
「……先輩、行きましょう。」
「…すまない、幽一!」
イッセー達はそのまま教会へと向かっていった。
「行ったか…。」
「ふん、貴様のことはレイナーレ様から聞いている。幽霊モドキということをな。」
「何を言われようと、俺は一歩も退かない!」
「ならばここで死ぬがいい!」
ドーナシークは再び攻撃を再開してきた。俺は浮遊すると、ガンガンセイバーをガンモードに変形させて銃撃する。
「答えろ、レイナーレはアーシアを利用して何をする気なんだ!?」
「所詮貴様はここで死ぬんだ。教えてやろう、レイナーレ様はあのシスターから神器を摘出する儀式を行っているのだ。」
『神器を摘出!?』
アーシアから神器を摘出…!?どういうことだ?
『幽一、神器を摘出された者がどうなるか分かるか?』
「どうなるんだ?」
『簡単だ、神器を摘出された者は…………死ぬ!』
「!」
ユルセンはそう説明してくれた。神器を摘出された者が死ぬ……つまり、急がないとアーシアは死ぬことになる!
「レイナーレ様はあのシスターの持つ神器を求めているのだ。あのシスターはレイナーレ様の目的のための道具に過ぎん。それに、あの悪魔共が向かったところでレイナーレ様に敵うはずがない。」
「……ふざけんなよ?」
「ん?」
「命はそんなに軽くないんだよ!」
そんな目的のために、アーシアの命を奪われてたまるか!俺は早くこいつを仕留めようとロビンアイコンを取り出した。
「ふんっ!」
「うわっ!?」
しかし、ドーナシークの放った槍がロビンアイコンを弾いてしまった。
『ロビンのアイコンが…!』
「ほぅ…これが貴様の持つアイコンというものか…。レイナーレ様の目的のためだ。これは使わせてもらう!」
ドーナシークはそう言うと、ロビンアイコンのボタンを押した。すると、ドーナシークの身体が緑色の光に包まれた。
「しまった!?」
光がおさまると、そこには黒と緑色の翼を生やし、両手に弓矢を模した槍を装備したドーナシークの姿があった。
「これがアイコンの力か………ふんっ!」
「うわああああ!」
俺はドーナシークの放った緑色のレーザーを受けて吹き飛ばされてしまう。
『嘘だろ…堕天使がアイコンの力を使うなんて…!』
「この力は素晴らしい…!全てはレイナーレ様の目的のためだ、貴様を殺してアイコンを全て頂く!」
ドーナシークはそう言うと、槍を構えて突撃してきた。アーシアを殺して神器を奪う?俺からアイコンを奪う…?
「安心しろ、今頃あの悪魔共は地獄に墜ちてるはずだ……貴様の力で地獄に墜ちるがいい!」
俺の思考が複雑になっている間に、ドーナシークが槍を突きつけてきた。
『幽一!!』
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「いいか幽一…英雄の心を学び、心の目を開くんだ…!」
「もう俺たちは今日一日楽しんだ!それだけで友達だ!」
「……こんな私と友達になってくれて、ありがとうございます……。」
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カキンッ!
「何!?」
俺はドーナシークの攻撃を弾いた。
「はあっ!」
「っ!?」
そして蹴りつけてドーナシークを遠ざける。あいつらにアーシアを殺されてたまるか…!あいつらにアイコンを渡されてたまるか…!あいつらに仲間を……友達を殺されてたまるか!
俺が…俺が皆の命を守るんだ!!
バシューン!
俺が決意を固めたその時、俺の瞳の中で何かの種が弾けた。それは何の迷いもない思いが詰まった種子。それが今、俺の中で弾けて広がった。命を守ることに、迷いなんて……ない!!
「……。」
『…幽一?』
「ふん、所詮一撃が防がれただけだ。これで串刺しになるがいい!」
ドーナシークが再び槍で突き刺してきた。しかし、その槍は俺の肉体を貫くことはなかった。何故なら、俺の身体を“すり抜けた”からだ。
「…何だと!?」
「……ふっ!」
「ぐわっ!?」
俺は霊力の波動でドーナシークを吹き飛ばす。俺はその間にムサシアイコンを取り出すと、ドライバーに装填してカバーを閉じ、ハンドルを操作した。
『カイガン!ムサシ!決闘、ズバット、超剣豪!』
俺はムサシゴーストを纏うと、ガンガンセイバーを二刀流モードにする。
「くっ…幽霊モドキが…!」
「…。」
俺は無言のままドーナシークの前に瞬間移動する。
「なっ…!」
「…。」
ドーナシークが突然の出来事に驚く中、俺はドーナシークに向けて刀を振るう。ドーナシークは槍で防御した…が、刀は槍をすり抜けてドーナシークの肉体を切り裂いた。
「うわあああっ!?」
「……。」
俺はドーナシークに対して何回も斬撃を繰り出していく。
「貴様、何故先程から何も喋らない!?」
「…黙れ。」
「!?…うぐっ!」
俺はドーナシークに怒りのこもった言葉を吐くと、そのまま地面へ蹴り落とした。俺は右手に持った刀をドライバーにかざす。
『ダイカイガン! ガンガンミナー!ガンガンミナー!』
俺は地面に叩きつけられたドーナシークのもとに着地する。そして二本の刀にエネルギーを溜める。
「その力…貴様、本当に人間か…?」
「違う……俺は、半人半霊だ!」
『オメガスラッシュ!』
「はああああああ!」
「うわあああああああ!!」
俺はドーナシークにそういうと、二本の刀でドーナシークの肉体をクロス状に切断した。直後にドーナシークの身体は爆発し、ロビンアイコンも俺の手元に戻った。
『幽一、その力…。』
「………は、こんな事してる場合じゃない!急がないと!」
『ああ、急ぐんだ!』
俺はすぐにマシンゴーストライカーに乗ると、教会へと急ぐ。頼む………どうか、間に合ってくれ!
ED[STUDY×STUDY]
挿入曲[INVOKE-インヴォーク-]
そういえば、修学旅行がもうすぐだな…。