俺達、ツインテールになります。〜赤い勇気と白い絆〜 作:スターダストライダー
〜ツインテール〜
それは女性の髪型の一種であり、髪を後頭部で二つに束ねて、肩のあたりに掛かるように垂らすもの。それは長髪、短髪問わず出来るものであり、バリエーションは様々。子供がそう結べば、何とも可愛らしく見える事だろう。だが、大人に近づくほど子供っぽさを解消する為にツインテールをしなくなる者が増えてくるのが普通だろう。だから、大人の人でツインテールになる者はそうそういないのである。
「(……綺麗な髪型の人だな)」
とある少年、
聞くところによれば、なんでも、親戚のおじさんとおばさんが山奥を散歩している時に森の中で倒れていた彼女を偶然発見し、保護したのだ。それ以来、フィーリアは親戚のおじさんとおばさんの家に居候する事になったわけだが、元々重い病気を患っていたらしく、こうしている今もベッドに入って挨拶を交わしている。
フィーリアと会って以来、康太の毎日は一変した。土日の空いている時はよく親戚の家に行ってフィーリアと他愛のない会話を楽しんでいた。彼女の優しさ、彼女が笑う度にフワリと舞うツインテールの美しさに康太は感銘していた。康太はフィーリアの事を「姉ちゃん」と呼ぶようになった。そしていつしか、康太の心の中に一途な感情が芽生えた。もっとずっとこんな日々が続けばどれだけ幸せなことか。康太は常にそう思っていた。
だが、そんな日々も長くは続かなかった。3年が経った頃からフィーリアの病状が悪化し始めて、時折会話するだけでも辛くなる事が多くなった。それに伴って会う機会も段々と少なくなっていった。
そんなある日の事だった。
「姉ちゃん。話って? 」
とある休日。部屋で休んでいた康太にフィーリアから電話がかかって来た。なんでも話したい事があるとの事で、両親に内緒で来て欲しいと言われ、その通りに親戚の家にやって来てフィーリアのいる部屋に入った。フィーリアはすでに痩せぼそってはいたが、その美貌だけは失っていなかった。ただ、ツインテールだけはなぜか解かれていた。今まで彼女はツインテールを解く事は無かったので康太は気になったが、それよりもフィーリアからの話が気になって現在に至る。
「康太君。あなたに渡したい物があるの」
そう言ってフィーリアは隣に置かれていた引き出しから白色の巾着袋を取り出した。中には何かが入っているようだが、中身はよく分からなかった。
「それって?」
「これは……、そうね。私からのプレゼント。お守りのような物って思っても構わないわ」
「お守り? 」
康太がそう呟くと、フィーリアはニッコリ笑って頷いた。そして巾着袋を康太の手に乗せてこう言った。
「…もし、康太君の前に大切なものを奪おうとする悪い奴らが現れたら、このお守りの中にある物を使って。きっとそれはあなたに応えてくれるはずよ」
「何が入ってるの? 」
「それは秘密♪ それまでは開けちゃダメだよ。約束よ? 」
康太は中身が気になったが、大きく頷いた。
「うん、分かったよ。姉ちゃん」
康太は巾着袋を大事そうに抱えた。
「良かった……。これでもう、心残りは無いわ……」
それを見てフィーリアは安心そうに呟いた。康太はその言い方に訝しんだが、気にしない事にした。
その一週間後、フィーリアは静かに息を引き取った。それは康太にとって、大きな心の支えを失ったようなものであり、体調がすぐれない日が続いた。
そんな時に励ましてくれたのは2人の幼なじみ。家も隣同士だった事もあり、2人はどうにかして康太を元気づかせようとした。そして、彼らのおかげで康太は再び立ち上がる事に成功したのであった。
しかし、未だに康太の心の中では気になる事があった。それは亡くなる間際にフィーリアが言っていた事。
「(姉ちゃんが言っていた、悪い奴らって一体……? )」
気にはなっていたが、いつまで経ってもそれらしい奴らは現れない。もしかしたら、これは本当に単なるお守りなのかもしれない。康太は手に持った白い巾着袋を眺めながらそう思っていた。
だがそれから5年後。
“奴ら“は突然姿を現した。
“奴ら“に終わりという概念は無い。
やがて世界が“奴ら“にとって狩場となるのも時間の問題だろう。
誰もがそう思っていた。
そんな終わりなき絶望に立ちはだかる、一筋の希望。
その希望となる戦士達の登場は、人々を勇気づかせ、同時にある種の欲望を剥き出した。
今、好きなものを守ろうとする戦士と、それを奪おうとする変態達との戦いの火蓋が切って落とされた!
はい! というわけで今回はこの辺で。とりあえずは、原作でいうところの1〜4巻はアニメの方となるべく合わせながら執筆していきたいと考えています。次回から本格的に入っていこうと思います。不定期更新にはなりますが、今後ともよろしくお願いいたします。
それでは、次回「動き出す運命」に、テイル・オン!