俺達、ツインテールになります。〜赤い勇気と白い絆〜 作:スターダストライダー
今回はそれほど大きくは動きません。
では、どうぞ。
「「ぎゃああぁぁぁぁぁぁぁっ!」」
アルティメギルによる宣戦布告から早1週間が経ち、朝のニュースを見た総二と康太の絶叫が観束家に鳴り響いた。
宣戦布告後、アルティメギルは律儀に毎日、世界各地に出現した。もちろん2人も速攻で駆逐してはいるのだが、それに比例してマスメディアの対応が早くなっているのだ。それにより、2人の名は世界中で人気の的になっていた。
ニュースの内容としては言わずもがな、テイルレッドとテイルホワイトの特集だった。日に日に戦闘の様子が鮮明に映し出されており、2人はうんざりしていた。現在、画面には昨日国内に出現したエレメリアンを倒した後、四方八方から寄ってきた女子学生に囲まれている様子が映し出されている。
テイルホワイトは「お姉様ぁ!」と呼ばれながらも、どうにかして握手で応じれているのだが、問題はテイルレッドだ。変身時の身長の低さ故に、良いようにもみくちゃにされており、顔が女子学生の胸の谷間に押し付けられているのだ。涙目で手足をばたつかせながらツインテールを揺らすその姿は朝っぱらから流して良いのか、是非が問われそうな感じがした。
言いようのない恐怖を感じた総二はテレビのリモコンを取って消そうとしたが、康太と同じく観束家に来ていた愛香の手刀でそれも止められた。
「痛ぇ! 頼むから消させてくれよぉ!」
「ダメよそーじ! その目でしっかりと見ておきなさい! 女子のおっぱいに顔埋めて抵抗してないし……! それにあっちもこっちも巨乳だらけ……! 貧乳が1人もいないじゃない!」
「気にするとこそこかよ⁉︎」
康太のツッコミが炸裂する間にも、画面には愛でるように接してくる人もいれば、本当に危険な雰囲気を漂わせる女子も映っていた。速攻で倒せばどうにかなると油断していたのと、最近の携帯のスペックを侮ってしまっていたのが今回の要因だろう。
『警察では、この少女達に関する情報を引き続き求めていく方針だと述べています』
「何でだよ⁉︎ そっちはほっといてアルティメギルの方を調べろよ!」
「俺達の事より宣戦布告の方が重要だろうに、何なんだよこの扱いは⁉︎」
2人が頭を抱えながらツッコミを入れる中、ソファーでお茶を飲みながら、くつろいでニュースを見ていた未春が、微笑みながら呟いた。
「可愛いわね♪
「やかましぃぃぃぃぃ!」
「未春おばさんんんんんんん! それはマジで止めてくださいぃぃぃぃぃ!」
すると、ノートパソコンを片手に現れたトゥアールが嬉しそうに走り寄って来て、その中身を見せた。
「見てください、総二様、康太様! お二方のまとめブログにWiki、Google.ファンサイトに考察ページまで掲載されていますよ! ネットでもこの話題が終始持ちきりですよ!」
「何でまだそんなに変身してないのにそんなのが出来てんだよ⁉︎ 大体、何をググるつもりなんだよ⁉︎」
最早日本のみならず世界中から自分達の女装姿が祭り上げられており、海外のページにも、「日本人は未来に生きてるな」と訳された、訳の分からないコメントが書き込みされていた。
「なぁトゥアール。やっぱこれ、お前の力でどうにか……」
と、総二がトゥアールに頼み込もうとすると、本人は未春の前で跪いていた。何故か未春はエプロンをマントのように放り捨てて、険しい表情をしている。
「……ところでトゥアールちゃん。総ちゃんが未だに童貞のままのようだけど」
「面目次第もございません。なにぶん手強い相手である上に、野獣による妨害に苦戦を強いられている所存で……」
言い終わる前に、愛香が無言で飛び蹴りをトゥアールの頭に命中させて吹き飛ばした。が、本人はケロッとした様子で立ち上がり、再び未春の前に立った。
「とにかく、私がどれだけ寛大でも、幾度の失敗は無視出来るものじゃなくってよ……?」
「はっ……! 今夜こそ、必ず……!」
言い終わった後、ノリノリで抱き合う
十数年越しで願いが叶った未春の様子を見て、総二は呆れながらも苦笑した。
そんなある日、毎朝の自分達の報道にげんなりしていた総二と康太の気分を良くするような出来事があった。
秘密基地の完成である。
その知らせを受けた康太と愛香は早速観束家に集合し、全員が揃ったのを確認したトゥアールは、厨房の一角に設置されたボタンを押した。すると、冷蔵庫が地面に収納されて、地下へ向かうためのエレベーターが姿を現した。
「「「おぉ〜っ!」」」
これには未春のみならず、男の総二と康太も興奮していた。彼らも男である以上、こういったシチュエーションには男心が擽られるのだ。エレベーターに乗って地下に向かう間も、3人は興奮しっ放しだった。
「凄ぇ! どこまで下るんだ、これ⁉︎」
「結構潜ってんなぁ……!」
3人がテンションを上げている中、唯一愛香だけは訳が分からなそうに辺りを見回していたが……。
そうこうしている内に、ようやく地下にたどり着き、目の前にはまさに秘密基地らしさが感じられる空間が広がっていた。トゥアール曰く、メインルームと呼ばれる施設を見て、3人のボルテージは最高潮に達した。
「「「うぉぉぉぉっ!」」」
3人は周りを見渡して、その出来の凄さに感嘆していた。
「凄ぇな……! よくこんなもんを1人で……」
「ふふふ、まぁ、それほどでも……」
トゥアールがやたらと胸を強調しながら鼻を高くしている様子を、愛香はイラつきながら睨みつけていたが、当の本人は気にせず設備の説明を始めた。
「ここのレーダーで敵を感知したら、こちらの「空間跳躍カタパルト」で瞬時にブラジルでも青森にでも出撃出来ます。私の持つこのペンでは数十キロメートルが限界ですからね……」
トゥアールが最初に会った時に使っていたペンをポケットにしまってから、次の装置の説明をした。
「戦闘の様子は、衛生システムを利用して、このマルチモニターで常時追跡出来ますし、戦力強化や整備の必要生じたら、こちらのメンテナンスブースで即時対応可能です」
「頼もしいパックアップだな」
「感謝するぜ、トゥアール」
「……本格的になってるわね」
愛香もようやく興味を持ち始めたらしい。総二がそう思っていると、突然アラームが基地に鳴り響いた。
「!」
トゥアールが席について操作していると、画面にドームが映し出された。
「幕張にエレメリアン反応です!」
「っしゃあ! 出動だ!」
「あぁ、そうだな! 行くぞ、総二!」
2人は気合いを入れてテイルブレスを具現化させると、
「「テイル・オン!」」
と叫んで、テイルレッド、テイルホワイトに変身し、早速転送装置に乗り込んで、幕張に瞬間移動した。
「(そーじ……、こーた……。あたしは戦えないからどうこう言わないけど、気をつけてね……)」
愛香は2人を心配そうに見送った。
もちろんこの日の戦闘も大々的に報道されて、2人は再び世間から注目を浴びて軽く発狂したのは、言うまでもない……。
今回はこの辺で。
秘密基地って、あるとやっぱカッコいいですよね!
それでは、次回「驚異の妄想力! フォクスギルディ現る」に、テイル・オン!