俺達、ツインテールになります。〜赤い勇気と白い絆〜   作:スターダストライダー

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今回は前編と後編に分けて投稿します。
そして今回、トゥアールだけでなく、フィーリアに隠されたもう一つの真実が明らかに……!
それから、お気に入り数がいつの間にか50を超えてました! 嬉しいです! これからも頑張っていきますので応援よろしくお願いいたします。
では、どうぞ。


Tail18:語られる真実(前編) 〜アルティメギルの狙い〜

「テイルレッド、恐るべき幼女よ。我が神速の斬撃をこれほど早く見切ったのはお主が初めてぞ!」

「見くびるなよ。俺はいつだってツインテールを心に想像して生きてるんだからな!」

「「……」」

 

テイルレッドとドラグギルディが会話している中、どう反応すれば良いか困惑しているテイルホワイトとテイルブルー。

だが、その思考は一瞬にして吹き飛んだ。

 

「敵ながら天晴れ! ならばとくと味わうが良い! 極めに極めた我が刃の冴えを!」

 

言うが早いか、ドラグギルディは地面を蹴って3人に襲いかかった。

 

「はぁっ!」

 

ブルーは初めて見るドラグギルディの攻撃に驚きながらかわしていたが、レッドはもちろん、ホワイトも徐々にではあるが、ドラグギルディの動きを読めるようになっていて、装甲部分で受け流すように弾いていた。

その理由は、先ほどのレッドの言葉にあった。

 

「(くっ……! 確かにレッドの言う通り、こいつは風になびくツインテールのような剣筋だな……! でも……!)」

「ほう……! 今度はテイルホワイトも付いてこれるようになるとは、中々やりおるな!」

「生憎こっちはレッドの戦闘を誰よりも間近で見てるもんでね。タネが分かれば対処の仕方ぐらいどうって事は無い!」

 

それを聞いてドラグギルディは歓喜していた。

 

「うわーっはっはっは! なるほど見事だ! その美しきツインテールもまた然り! 本当に敵として出会ったのが口惜しい!」

「それはこっちのセリフだ! 俺だってそんな風に心から笑ってツインテールについて語れる奴と友達になれたら、どれだけ幸せな事か!」

 

レッドが笑みを浮かべながらそう答えたが、ホワイトとブルーにはその真意がさっぱり理解出来なかった。

 

「時にツインテイルズよ。お主達はこの傷が気になっているようだな」

「は……? ならねえぞ?」

「フッ……、乱暴な言葉遣いは大人への背伸び。可愛いものよ」

 

と言いながら勝手に事を進めていくドラグギルディ。だが、ホワイトは戦闘の最中、どことなく彼の傷の多さに凝視していた。

すると、ドラグギルディはマントを脱ぎ捨て、背中を見せるように後方を向いた。

 

「だが見よ! このドラグギルディ、背中に傷が無い事を誇りとしておる!」

「そいつは、敵に背を向けた事が無いって事か?」

 

ホワイトが質問すると、予想とは半分当たって半分違う答えが返ってきた。

 

「無論、ある。だがそれだけでは無い。いつか出会う至高の幼女に背中を流してもらい、そのツインテールに撫でられる感触を余す事なく堪能するためでもあるのだ」

「いや、お前の今までの人生の戦いって何だったんだよ⁉︎」

 

レッドがそうツッコむのと同時に、ホワイトも聞かなければ良かった、と後悔した。どうやら武力だけでなく、変態度も相当のものらしい。だが、そんなツッコミに臆する事なくドラグギルディは声高らかに言った。

 

「知れたことよ。生涯を添い遂げる、至上の幼女との出会い! そのエレメーラをこの手にするために!」

 

それを聞いて、ホワイトはハッとした。

 

「……! そうか! 分かったぞ、こいつの強さの理由と、その属性力が!」

「……えっ? あ、ごめん、何?」

 

話についていけずボーッとしていたブルーが尋ねた。

 

「さっきの、「ツインテールの剣技」……だっけ? もそうだったけどあいつは今までの奴と違ってやたらとツインテールについて語っている。……って事は、あいつの属性力は、おそらく最強って言われているツインテール属性って事になるんだ……!」

「見事な推理だテイルホワイトよ! その通りだ!」

 

ドラグギルディはホワイトの推理に肯定した。

考えてみれば、敵の狙いがツインテール属性の奪取であるとはいえ、そのツインテール属性を敵が所持していないと言う説は成り立たない。おそらく、ドラグギルディだけでなく、他にもツインテール属性を糧としているエレメリアンもいるのだろう。

 

「やはりお主は強敵ぞ、テイルホワイト。初めてお主を見た時から、我は心底お主と剣と拳を交えたかったものだ!」

「? 何?」

「そして今、その祈願が叶う時! 次はお主とだ、テイルホワイト、そしてテイルブルー!」

「えっ⁉︎ あたし⁉︎」

 

突然名指しされたブルーは困惑していたが、ドラグギルディは待った無しに攻撃を仕掛けてきた。

 

「ホワイト! ブルー!」

「大丈夫だ!」

 

ホワイトはそう答えながら反撃していたが、さすがに幹部クラスだけあって、今までのようにはいかない。だが、それで挫けるホワイトでは無かった。

 

「おぉぉぉぉぉっ!」

 

ホワイトは器用にかわしながらドラグギルディの剣に拳をぶつけた。ドラグギルディも少しだけ後ずさるが、何事も無かったかのように再び攻撃を仕掛ける。

 

「やぁっ!」

 

ブルーも隙を見てウェイブランスを振り回しているが、ドラグギルディは物怖じしなかった。

緊迫する最中、ドラグギルディは何かに納得するかのように言った。

 

「我は今悟った! 真のツインテール属性は共鳴しあうものだとな!」

「共鳴……だと⁉︎」

「それただの『類は友を呼ぶ』でしょ⁉︎ もう勘弁してよ……!」

 

ブルーはそう愚痴りながらウェイブランスを握る手に力を込め直した。

そして再び戦いが始まった。

 

「うぉぉぉぉっ!」

「ふんっ!」

 

ドラグギルディが振り下ろした剣は、ホワイトのシャイニンググローブによって止められたが、衝撃でホワイトは後ずさった。

両者共に互角の展開が続く中、ドラグギルディが後ろに下がって2人を見ると、何かを確信したような表情を浮かべた。

 

「ふむ……。こうして間近で見てようやく確信した。やはり、あの世界の戦士の差し金であったか」

「えっ……⁉︎ どういう事⁉︎」

「知らぬようだな。先ほども述べたように、生涯に2人だけ認めた戦士がいたが、その戦士達は、かつての戦でたった2人で戦いに挑んできた少女だった。そしてテイルホワイト、テイルブルー、お主らと同じ衣をまとっておったのだ。もっとも、その少女……特にテイルブルーの装者はツインテールにそぐわぬ下品な乳を携えておった故、お主らを見ても結びつかなんだ」

「な、何だって⁉︎」

 

驚くホワイトとブルーだったが、自分達にはかつて彼らと死闘を繰り広げた記憶は無かった。そもそも今つけているテイルギアは、ホワイトはフィーリアから、ブルーはトゥアールから渡されたものであって、決して前々から所持していたわけでは無い。では、ドラグギルディは一体誰の事を指しているのか?

そこまで思考が回った時、2人の全身に電流が走ったような感覚がした。

 

「下品な乳……。まさか……⁉︎」

「(このテイルブレスは姉ちゃんから託された物だった……。! まさか! そんな事って……⁉︎)」

「だが皮肉なものだ。同じ衣をまとう戦士を擁する世界である故に、結末も同じとなる運命なのだ」

 

不意に、ドラグギルディが殺気を静めて、腕組みをしてそう語り始めた。驚く3人を尻目に、ドラグギルディは話を続けた。

 

「確かにかつてのツインテール戦士……同じくテイルホワイト、テイルブルーと呼ぼうか。彼女らも恐るべき強さを誇り、我らの侵攻を妨げ、世界を守る守護神(ガーディアン)として君臨した」

「ま、待て! じゃあお前達は、前の世界でホワイトやブルーと戦ってたって言うのか⁉︎」

 

レッドからの質問に無言で頷くドラグギルディ。それを見て、ホワイトの疑問は確信に変わった。そして、その事実を自然と口にしていた。

 

「……姉ちゃんが。姉ちゃんが、かつてテイルホワイトになって戦っていたって事なのか…⁉︎」

「「⁉︎」」

 

その言葉に、レッドとブルーは驚きを隠せなかった。ドラグギルディもその言葉に興味を示した。

 

「姉ちゃん……? ……そうか! お主は、あのテイルホワイトの妹君だったのか! 道理で体型がそぐわぬわけだ。それならば納得のいくものだ。確かにあのテイルホワイトは不治の病によって戦線を離脱しておったな。つまりお主は、姉の仇を討つためにこの世界に参上したという事か!」

 

どこか勘違いしながらも、1人で納得するドラグギルディだったが、今の3人に、それにツッコむ余裕は無かった。

 

「何で、トゥアールはその事を俺達に黙ってたんだ……?」

「逆に合点が行くじゃない」

 

そう呟いて膝をついたのはブルーだった。

 

「テイルギアがあっても、アルティメギルには敵わなかった。こんな結果の見えた戦いを知って、あたし達が律儀に戦い続けるとは思えない。トゥアールはそう思ったのよ……!」

「愛香……」

「彼女達は強かった。お主達に匹敵するほどにな。……だが結果的に、それが世界を殺したのだ。侵攻者を追い払う正義の戦姫。彼女達はいつしか世界を上げて讃えられる女神となり、誰しもが彼女らのツインテールに魅せられた!」

 

ドラグギルディはかつて侵略したトゥアールやフィーリアの世界での光景を、ホワイトは、テイルギアをまとって戦い、皆から賞賛を浴びる2人の戦士の姿を思い浮かべていた。

 

「期せずして、我らの念願たるツインテール属性が世界に芽吹き始め、支配したのだ。これほど理想的な狩場が他にあろうか!」

「くっ……!」

 

レッドは、ずっと感じていた胸騒ぎの正体を知って歯ぎしりした。レッド……もとい総二はこの1ヶ月近くでツインテールにする女子を見て喜んでいたが、それこそがアルティメギルの真の狙いだったのだ。

 

「既に覚えがあるようだな。そうだ。お主らもこの世界の救世主となり、やがて破壊者となるのだ!」

「! まさか、今まで弱い敵ばっかりだったのは……!」

「フッ……。勘違いしてもらっては困るが、我もいたずらに同志の命を散らす事は望まぬ。可愛い部下に教え子達が、勝ってくれるならそれが一番良かった」

 

そう呟くドラグギルディの脳裏には、儚く散っていったリザドギルディ達や、基地に残っているスワンギルディ達の光景が広がっていた。

 

「だが結果的に部下達は『無敵の守護神』の偶像に一役買ってしまったがな。それを見過ごしたのも否定はせぬ。我とて指揮を任されただけの将兵。効率の良い方法が見つかれば、それを使わざるを得ぬというものだ」

「俺達の存在も、お前達にとってはありがたい事だったんだな。最初の宣戦布告も、恐怖を煽るのが目的じゃなくて、俺達ヒロインのイメージを世界中に植え付けるのが目的だったのか。時が来たら俺達を倒し、世界中の人々を絶望に染めるために……」

「最早非の打ち所がない推理だな。まさにその通りだ」

 

ホワイトがそう呟いたのを、ドラグギルディは肯定した。ホワイトは気づいていたが、遠くからこちらを見ていたマスコミも、この事実を知って動揺している事だろう。

 

「あたし達、トゥアールに担がれていたのよ……! 多分、こいつらとグルじゃないにしても、自暴自棄になって他の世界も同じ目に遭わせようとしてたのよ……! そうじゃ無かったら、こんな事……!」

 

そう呟くブルーの声は失意に満ちていた。

 

「本当なら、聞きたく無かったわよ、こんな事実。……何で、あたし達にわざわざ説明したのよ」

 

その質問に、ドラグギルディは少しだけ声を沈ませて答えた。

 

「それはテイルレッドのツインテール属性が本物だからだ。剣を交えて分かった。この幼女は心の底からツインテールを愛しているとな」

「俺は……」

「……」

 

ドラグギルディの言葉を聞いて、何かを考えているレッドとホワイト。だが、ドラグギルディは気にせず語り続けた。

 

「出来れば小細工などせずにお主らと戦いたかった。……これは、せめてもの手向けよ。世界が滅びた後で全てを知り、絶望に暮れぬようにな……」

「……もう、とっくに絶望してるわよ。あたし達……」

 

ブルーが、いや、その場にいた人達の誰もがそう思った。

 

 

 

 

 

 

……はずだった。

 

 

 

 

 

 

「……まだだ」

 

そう呟いたのは、テイルホワイトだった。皆が顔を上げてホワイトに注目した。

 

「まだ終わりじゃない。そう簡単に絶望なんてすると思ったか?」

 

そう呟くホワイトは自分でも不思議だと思うぐらい強い笑みを浮かべていた。その瞳には、「希望」という2文字が強く滲み出ているように誰もが思えた。

否、同じような瞳をする者が隣にもう1人いた。言わずと知れたツインテール好きのレッドだった。

 

「ホワイトの言う通りだ。むしろ俺からしたら、礼を言いたいぐらいだぜ、ドラグギルディ」

「な、何⁉︎」

「手向けどころじゃねぇ。これでもう、何の憂いもなくなった!」

「そうだな」

「な、何言ってんのよもう戦っても無駄なのよ⁉︎」

 

そう騒ぐブルーだが、ホワイトはそれを否定した。

 

「本当にそうか? よく思い出してみろよ。こいつらの狙いは、ツインテール属性が世界中に芽吹かせてから、その全てを奪取する事だ。人間の力じゃあ、アルティメギルには対抗出来ないらしいからな……。でも、それはあくまでも対抗策が無かった時の話だ。もしここで俺達がアルティメギルを倒せば、何も問題は無いって事になるんだぜ」

 

ホワイトの言葉を受けて、ブルーやマスコミはハッとした。さらに続けてレッドがこう言った。

 

「そういう事だ! それにこいつらが一斉に奪おうとするって事は、世界に芽吹き始めたツインテール属性は、見せかけなんかじゃなくて、本物なんだ! 一過性のブームとして、あっさり消えていくのが、本当は怖かった。けど、こいつらが作戦としてツインテールを増やそうって言うんなら、今それだけツインテールにしてる子が多いってわけだ!」

 

そしてレッドは満面の笑みを浮かべて叫んだ。

 

「要は、俺達が今日ここでお前を倒せば、ツインテールが世界に浸透して得しただけ。万々歳じゃねぇか!」

「な、なんと……!」

 

これには歴戦の勇者でもあるドラグギルディも、呆気に取られて思わず後ずさってしまった。それだけ2人からとてつも無い意志を感じたのだろう。

ブルーも肩を震わせていたが、やがて声をあげて大笑いした。

 

「ぷっ……あははははは! あー……あんた本物だわ。ツインテールバカどころか、もう本物のバカよ!」

「違い無いな」

 

ホワイトとブルーが笑みを浮かべながらそう呟くのを聞いて、レッドも同じように笑みを浮かべた。

と同時に、全身に力が湧いてくるのを3人は感じた。これも心の力によって引き出されたテイルギアの性能によるものだろう。

 

「究極のツインテールを持つ幼女テイルレッド、そして希望を捨てる事を知らぬテイルホワイトよ。我は今、心底感服したぞ。世界の終末を前にしてなお揺るがぬその不動の意志。真なる美しさとは、目を背けねばならぬほど眩しいものよな」

 

ドラグギルディもまた、笑みを浮かべてそう呟いた。

レッドはブレイザーブレイドを、ホワイトはシャイニンググローブを装着した右拳をドラグギルディに突きつけて言った。

 

「世界の終末だの何だの、スケールの大きい話は、俺達にはまだそこまで理解出来ない。けどな……!」

「俺達は守りたいもののために戦う! それだけだ!」

「あくまで、己が信念を貫こうとするか!」

「「もちろんだ! それが俺達の……!」」

 

 

 

「はっはっは! そこまでです、ドラグギルディ!」

 

 

 

 

「「って誰だよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ⁉︎」」

 

せっかくのいい場面に、空気を読まずに突如としてこだました女性の甲高い声。それに応じるようにレッドとホワイトは渾身のツッコミを入れた。

 

「貴様何者だ! 名を名乗れい!」

 

そう叫んだドラグギルディの目線の先を追うと、近くにあった崖の上に、仮面をつけた巨乳の女性が立っていたのだった……。

 

 




というわけで、今回はこの辺で。
次回は謎の仮面少女(?)から、さらなる事実が明かされます。

それでは、次回「語られる真実(後編) 〜4人でツインテイルズ!〜」に、テイル・オン!
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