俺達、ツインテールになります。〜赤い勇気と白い絆〜 作:スターダストライダー
今回はクラブギルディとの決戦回です。
では、どうぞ。
強力なツインテール属性を持つ慧理那の無事を確認したテイルレッドとテイルホワイトは、改めて敵対するクラブギルディを睨みつけた。
事実上、これがツインテール部の初活動でもあるため、負ける訳にはいかない。
「アルティメギル! これ以上お前らの好きにはさせないぜ!」
レッドはブレイザーブレイドをクラブギルディに突きつけてそう叫んだ。対するクラブギルディは、ツインテイルズの登場に興奮しているようだった。
「現れたかツインテイルズ! お主らの強さ、美しさはすでに全エレメリアンに知れ渡っているが、こうして間近で見ると、尚素晴らしいものだな!」
「はっ。そいつはどうも。ならさっさと撤退してもらいたいものだな。この世界には、俺達がいるって事でな」
「ふん! それはいただけない話だな。タイガギルディ様の仇、今ここで討たせてもらおう!」
「タイガギルディって、確かこないだ倒した奴の事だよな……?」
レッドが、先日ブルーに瞬殺されたトラのエレメリアンの事を思い出した。
「とりあえず、あいつを倒すのが先だな。まだアルティロイドがそこら中にいるみたいだからな。それに、ブルーの加勢もしないとな」
「分かった! いくぜ!」
レッドは先手必勝とばかりにクラブギルディに斬りかかった。
ところが、全くと言って手応えを感じない。目の前には真っ二つに斬ったはずのクラブギルディがユラユラと揺れながら空気に溶けた。
「⁉︎ 一体どこに……」
「レッド! 後ろだ!」
「!」
不意にホワイトの声が聞こえてきて、レッドが振り返った時には、ホワイトがシャイニンググローブを装着してレッドの背後の地面を殴っていた。どうやら、いつの間にか背後に回られていたようだ。
が、ホワイトの攻撃も外れ、その背後にはまたしてもクラブギルディが立っていた。
「くっ……!」
ホワイトは体をひねって、その勢いでクラブギルディから距離を置いた。
「こいつ、めちゃくちゃ速い……!」
「当然だ。俺の、相手の背後に回るスピードは隊長殿を遥かに上回るとお墨付きを得ているからな」
「うぉぉぉぉぉぉっ!」
ホワイトは拳を固めてクラブギルディに殴りかかったが、またしても背後を取られてしまう。
「無駄だ。それは残像。お主らではこのスピードにはついてこれまい」
それにしても……、と、クラブギルディが呟きながら、両手のハサミをせわしなく動かしながら歓喜していた。
「お主らはなんとも素晴らしいうなじを持っているのだな! 陰ながら美を支える土壌の如く、女の美を際立たせる、まさに至極の一品! 最強のツインテール属性を持つ者は!やはり素晴らしきうなじを持つものなのだな!」
「それ超スピードのド変態じゃねーかよ⁉︎」
その後もレッドは果敢に斬りつけるが、その度に後ろを取られ、うなじを見せられる。
次第にレッドに焦りが見え始めている中、ホワイトは動きながら、この状況を打破する方法を必死に考えていた。戦力の一端であるブルーは現在、メイド達を助ける為にアルティロイドらを相手しており、援護は期待出来ない。自分がなんとかするしか無いのだが、クラブギルディの言う通り、今の自分達にはクラブギルディに匹敵するスピードは持ち合わせていない。敵は常に、うなじを堪能する為に、背後を取る。
「(……背後を? 取る?)」
不意にホワイトの思考が停止した。先ほど思い浮かべた、クラブギルディの特徴に引っかかりを覚えたのだ。
そして思いついたのだ。クラブギルディに対抗出来る、たった一つの打開策を。
「レッド! 代われ!」
そう言われたレッドは、どんな意図があるのか分からなかったが、ホワイトの自信有り気な表情を見て、彼女を信じて後退した。
「今度は俺が相手だ!」
「ほう! テイルホワイトが出てきたか! そろそろテイルレッドだけでは面白みが無かったからな。次はお主のうなじをとくと拝見させてもらおう!」
「……そいつはどうかな」
ホワイトは笑みを浮かべながらクラブギルディに右ストレートを仕掛けた。だが、クラブギルディは難なく高速移動でホワイトの背後を取った。
「それは残像……!」
クラブギルディが自信有り気にそう語った時、気づいてしまった。ホワイトが未だに笑みを崩さない事に……。
クラブギルディが疑問を感じていると、下半身に痛烈な痛みが走った。
「んがっ……⁉︎」
クラブギルディが恐る恐る下を見ると、ホワイトが前のめりになる事で踵を後ろに振り上げて、クラブギルディの股間部分、いわば、男の急所とも言うべきところに直撃させたのだ。
「どんなに硬い殻で覆われていようと、さすがにこの部分までは守りきれるところまでは進化してなかったようだな」
「う、ぐぉぉぉぉぉぉぉっ⁉︎」
クラブギルディはあまりの痛さに、股間を抑えて悶絶した。
これこそが、ホワイトの狙いだったのだ。相手の"背後に回る"特性を活かし、タイミングよく、弱点をついてきたのだ。
「オーラピラー!」
このチャンスを逃すまいと、ホワイトはクラブギルディを拘束した。
「レッド! 今だ!」
「おう! ブレイクレリーズ!」
ホワイトに催促されたレッドは、ブレイザーブレイドを展開させて、熱波を吹き上げた。
「う、うなじが、うなじが見えぬぅぅぅぅぅ⁉︎」
「これで終わりだ! グランドブレイザー!」
クラブギルディは今度こそうなじを見る為に背後に回る事が出来ず、レッドの一撃によって爆散し、その身を散らせた。
エレメーラオーブである、ネープ属性を回収したレッドとホワイトは、隠れていた慧理那の元に駆け寄った。周りを見ると、アルティロイド達は全員撤退したらしく、ブルーは現在、気絶しているメイド達を安全なところに運んでいる。
「テイルレッドさん! テイルホワイトさん!」
慧理那が歓喜しながら駆け寄ってきた。
「怪我はありませんか?」
「はい。ツインテイルズである皆様に守ってもらったお陰で……」
慧理那は顔を赤くしながらそう呟いた。
「また助けてもらいましたね。ありがとうございます」
「お礼なんて別にいいんです。俺……じゃなくて私達は、皆が愛するツインテールを守る為に戦っているんですから」
「まぁ、何度も怖い目にあって大変だと思いますけど、絶望だけはしないでください。その分、こっちも全力でその期待に応えますから」
「もちろんです。怖くなんてありません。私はいつでも信じてますから」
「そうですか。あなたがツインテールを愛する限り、私達はいつでも助けに来ます」
レッドがそう言った時、慧理那の表情に変化があった。
「ツインテールへの、愛……」
それは、どことなく哀しげなようにも見えた。少し例えがまずかったのか。レッドはそう思ったが、不意にホワイトの声が聞こえてきた。
「……レッド。そろそろここを離れるぞ。またマスコミに騒がれないうちに」
「そ、そうだな……」
それからレッドは慌てて慧理那と距離を置いた。
「じ、じゃあ
「えっ⁉︎ えぇっ……」
慧理那は若干驚いた表情でそう返事した。
レッドとホワイトは、ブルーに声をかけてから、その場を後にした。
「……何でだろう」
「? レッド?」
「どうかしたの?」
帰還途中、レッドが不意に呟き、ホワイトとブルーが顔を覗いてきた。それから、レッドはこう呟いた。
「俺には、会長のツインテールが泣いているように見えたんだ。一体何で……」
同時刻、慧理那は、ツインテイルズが飛び去った方向に見える入道雲をしばらくボーッと眺めていたが、不意に、先ほどのレッドの一言が心の隅に引っかかった。
「……なぜテイルレッドは、私が会長である事をご存知だったのでしょうか?」
慧理那はそう疑問に思いながら、尊が目を覚ますまで、ずっとその場に立ち尽くしていた……。
というわけで、今回はこの辺で。
ホワイトは現時点ではツインテイルズのブレーン設定です。(今後はどうなるか分かりませんが……)
来週は、諸事情で投稿をお休みします。おそらく再来週か、それ以降になると思われます。
それでは、次回「トゥアールの初陣 恐怖の婚姻届」に、テイル・オン!