俺達、ツインテールになります。〜赤い勇気と白い絆〜   作:スターダストライダー

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今回はいよいよあの人物が登場!
前回、閲覧者からの指摘があって、とても参考になりました。一応直せる箇所は時間を見て直してみました。今後もミスがあるものかと思いますが、何卒よろしくお願いいたします。
では、どうぞ。


Tail2:謎の変態(?) トゥアール登場!

2人の様子がおかしい事に気づいたのだろう。愛香も2人の視線の先を見て驚きを隠せなかった。

 

「えっ⁉︎ 嘘……! さっきまで気配なんて感じなかったわよ……⁉︎」

「(……いや、お前はいつも周囲の人の気配を察知して生きてるのかよ)」

 

康太は心の中で愛香にそうツッコんだ。

しかし、いつからそこにいたのだろうか。3人が入った時は鍵がかかっていたので、誰かがいたというのはあまり考えにくいのだが、テーブルにはカップがあるので、もしかしたら、未春がろくに確認もせずに出て行ったのかもしれない。そう康太が推測していると、

 

「……ちょっと、そーじ、また」

「あっ」

 

愛香の声を聞いてそちらを振り向くと、総二が無意識のうちに愛香のツインテールを摘んでいるのが見えた。

どうやらまた総二の悪い癖が出たらしい。総二はツインテール少女の前で考え事をしていると、無意識にツインテールに触れたりする事があるのだ。(主に被害を受けているのは愛香である。)

 

「わ、悪りぃ。つい癖で……」

「べ、別に良いけどさ……」

 

愛香は3割迷惑そうに、7割嬉しそうに顔を赤くしながらそっぽを向いた。こういった事が度々あるため、高校生になった愛香もツインテールをやめないのである。

康太が苦笑しつつその光景を眺めていると、また女性の方から視線を感じた。3人が再び女性を見ると、また新聞紙で姿を隠した。すると今度はその新聞紙に指で穴を開けて、奥から青色の瞳が覗いた。そのあまりにも昭和ベタすぎる光景を見て、康太は小さく呟いた。

 

「……なぁ」

「「?」」

「もう目を合わせないようにするか」

「「異議なし」」

 

2人も康太の意見に同意して、カウンター席に向き直った。ここで関わってもろくな事にならない。そう思っていたその時、女性は新聞紙を顔面に広げたまま、何故か総二の方に一直線に詰め寄った。

 

「相席、よろしいですか?」

「は、はい?」

「どうもすみませ〜ん」

 

そう言って白衣を着たグラマラスな体型の女性は馴れ馴れしそうに足を組んで、その短いスカートからもう少しでパンツが見えるのではないかと思わせるぐらいの格好になった。これには男性の総二と康太は若干顔を赤くして、愛香も我慢出来ずにツッコミを入れた。

 

「待て待て待て待てぇ!」

「はい?」

 

女性は愛香の剣幕に怯む事なく笑顔で愛香の方を見た。

 

「誰よあんた!」

「お構いなく」

「構うわよ! これは一体どういうつもり……!」

 

そう言って愛香が女性の肩を掴もうとした時、見えないバリアか何かが愛香の手を弾いた。

 

「きゃっ! 」

「⁉︎ 何だ……?」

 

康太も目の前で起きた謎の現象に戸惑っていた。女性は勝ち誇ったように鼻を鳴らして、

 

「私に攻撃しても無駄ですよ、女装少年君♪」

 

と言って、何のためらいも無く愛香の胸をポンポンと叩いた。愛香は恥ずかしさのあまり、短い悲鳴をあげた。

 

「きゃぁぁっ! 誰が少年よ! あんた何考えてんのよ! 大人しそうな顔しておっぱい目立つ服着てムカつくわね! 谷間にストロー差し込むわよ!」

「お、抑えろ!」

「お、落ち着け愛香! ここは冷静に……」

 

愛香がキレた時の恐ろしさをよく知っている総二と康太は慌てて止めに入った。その一方で女性は悪びれた様子も無く自己紹介を始めた。

 

「申し遅れました。私は、トゥアールと申します」

「と、トゥアール、さん……」

 

トゥアールと呼ばれるその女性は見た目は外国人のようだが、日本語はかなりペラペラであった。そしてトゥアールは次にこのような事を口にした。

 

「ツインテール、お好きなんですね」

「大好きですっ! ……あっ⁉︎」

 

反射的に思わず口走ってしまった総二は慌てて口元を抑えた。

 

「総二……」

 

康太は呆れながら幼なじみの名を呟いた。ここまでツインテール好きである事をアピールするとなると、これはかなりの重症だな……、と康太は総二の身を心配した。

そんな総二の様子を見たトゥアールはポケットから何やら赤いブレスレットのような物を取り出して、総二に差し出した。

 

「ではこの腕輪を。怖がらなくても大丈夫ですよ〜」

「いや、脈絡ないぞオイ⁉︎」

 

あまりにも唐突な展開に、さすがの康太もトゥアールにツッコミを入れて、総二の前に立った。トゥアールは構わずブレスレットを総二につけようとした。

 

「さぁ、つけてください」

「さぁ、じゃないわよ! 返しなさい!」

 

そこへ愛香が割り込んできて、ブレスレットを引ったくってトゥアールに押し返した。

 

「何なのよアンタ! 新手の変態⁉︎ 初対面なのにこんな事して……!」

「いえいえ、決して怪しい者では……」

「最早どう言い訳したところでとてつも無く怪しいわよ!」

「う〜ん……。あっ!」

 

悩むそぶりを見せていたトゥアールは何かを閃いたように手をポンと叩き、いきなりフレンドリーな口調で総二に話しかけた。

 

「総二君、私よ私。実はちょ〜っと困った事になっちゃってね。だから、そのブレスレットつけて。お願い♪」

「は、はぁ……?」

 

やけに胸を強調するかのように前屈みになって懇願するトゥアールに戸惑う総二。

その光景を見ていた康太は一瞬気をとられてしまい、愛香を抑えておく事に気が回らなくなった。愛香は頭に血が上り、一瞬でトゥアールの頬に勢いよく平手打ちをかました。

 

「対面でオレオレ詐欺するバカがどこにいんのよ!」

「ひぎゃあ!」

「アホかぁぁぁぁぁっ! 初対面の人をマジで殴んなよ!」

 

総二は悲鳴に近いツッコミを入れた。トゥアールは知る由もないが、愛香がやったのは水影流柔術の技の中の一つであり、ビンタでは無く頬骨を狙った骨法。いわば拷問技に等しいものだ。

もちろん総二や康太もその技を会得しているが、人前で何のためらいも無くかます愛香のような事はしない。

その愛香はトゥアールが倒れたのを確認すると、総二の方を見て叫んだ。

 

「ダメだよ、そーじ! きっと二足三文のブレスをつけたら最後、めちゃくちゃふっかけるっていう詐欺商法だよ! なんて恐ろしい奴!」

 

俺からしたら、その詐欺師(?)に何のためらいも無く攻撃する愛香の方が恐ろしいよ……。と康太は思ったが、言えば確実に被害を被るだろうから、言わないでおく事にした。

 

「……というよりも、大丈夫ですか? こいつ、たまに加減を知らない事があって……」

 

いつまでたっても顔を上げないトゥアールを見て、さすがに心配になった総二は手を差し出そうとしたその時、康太はあるものを見て思わず叫んだ。

 

「! 総二! 危ない!」

「えっ……⁉︎ 」

 

慌てて総二の手首を掴んで、トゥアールから引き離した。そこで総二と愛香も気づいた。トゥアールが死角からブレスレットをつけようとしていた事に……。

 

「演技だったのね!」

「危なかったな……!」

「そうまでして何でそれを俺につけたがるんだ……⁉︎」

 

さすがに気味が悪くなって、総二と康太は後ずさった。そこまでブレスレットをつけさせようとするのは、何か目的があるのだろうか。そう思っていると、またトゥアールが話しかけてきた。

 

「お代は要りません! とにかくつけてください! つけてくれさえすれば、私、痛くされても我慢します!つけるだけでいいですから! だから、だからどうかあなたのたくましいそこに、これをてっちりつけてください!」

「な、何変な言い回ししてんのよ!」

 

どうやらアッチ系と認識してしまった愛香は、顔を赤くしてツッコんだ。対するトゥアールは平然とした表情を見せている。

 

「変と思うあなたが変態です。そう思いませんか? そこのあなた」

「えっ? お、俺? う〜ん……」

 

突然指名されて困惑する康太。愛香はカチンときたのか、今一度技をくらわせようと無言で歩み寄ったが、今度は総二に止められた。

 

「お、おい! 落ち着けって……! だいたいトゥアールさんも……」

 

と、トゥアールの方を見た総二は唐突にある事を思った。

 

「(……! 似合う……! よく見たらこの人、絶対ツインテール似合うよな……!)」

「(……あっ、また始まってる。目の前の女性をツインテールにする妄想が……)」

 

横からみていた康太は総二の表情を見てそう悟った。これもまた総二の悪い癖でもあるのだ。だてに何年も幼なじみをやってるだけあって、総二の考えている事が手に取るように分かる康太であった。

トゥアールも構わず会話を続けた。

 

「信じてください……! つけてくれたら、何でもいう事を聞きますから!」

「な、何でも……?」

 

そのワードに反応した総二は思わず呟いた。

 

「はい! 何だって構いません! 王道でも……、ちょっと特殊な感じでも……!」

「怖っ⁉︎」

 

急にハァハァと息を荒げるトゥアールを見て、康太は震え上がった。 その一方で、総二は引き寄せられるようにトゥアールに近づいた。

 

「特殊な……! じゃあ……!」

 

総二が何かを言おうとした時、愛香は本来トゥアールの胸の谷間にブっさそうとしていたストローで総二のこめかみを突いた。それによって総二も正気に戻った。

 

「ちょっとシャキッとしてよそーじ! 何考えてるのかはもう想像がつくけど、どうせツインテールにして、とか言うつもりだったんでしょ?」

 

愛香がそう言った瞬間、トゥアールの表情に変化が見られた。それは総二の特殊な性癖に驚いているというよりも、自分をツインテールにする事に躊躇しているようだと康太はその表情を見てそう思った。

 

「あ、いや、そうじゃなくて……!」

「で、ですよね〜」

 

慌てて自分の誠実なイメージを取り戻させようとして総二は弁解した。トゥアールも安堵の表情を浮かべた。

……と思いきや、今度は大胆な行動に打って出た。

 

「……じゃあ、こちらをどうぞ♪ 驚きのフンワリ感ですよ〜♪ どうぞ、ご遠慮なさらずにこの辺ガバ〜ッと両手で♪ あっ、もしよろしければそこのあなたも」

 

あろうことか、自分の大きな胸を両手で掴むように持って総二に押し付けてきたのだ。ついでに隣にいた康太にも催促してくる始末。2人は目のやり場に困ってしまった。

 

「な、何で……」

「ちょ、俺達は別にそんな趣味は……」

 

それでも構わず胸を押し付けてくるトゥアール。その様子を背後で般若を浮かばせながら黙って見ていた愛香は、耐えきれずにトゥアールの肩を握りつぶすかのように掴んだ。

 

「離れなさい変質者! 問答無用で頸椎いくわよ、頸椎!」

「部外者はシャーラップ!」

「部外者ぁ⁉︎」

 

愛香は部外者扱いされた事に腹が立ち、殴りかかろうとしたが、上手く見切ったトゥアールはヒラリとかわした。

 

「……って、もう時間が無いんですよ!」

 

そしてトゥアールは、とんでもない一言を発した。

 

 

 

「このままだと世界中から、全てのツインテールが消滅してしまうんですよ!」

 

 

 

「……はい?」

「な……! 何だって……⁉︎」

 

突然トゥアールから語られたツインテール消滅の危機。康太は訳が分からずポカーンとしていた。一方で総二は、彼にとって胸を抉られるような言葉を聞いて、思わずトゥアールに詰め寄った。

 

「ど、どういう事だよそれ! この世界からツインテールが消えて無くなるって⁉︎ なぁ!」

「隙あり!」

 

完全に我を忘れてしまった事で、注意力が散漫になってしまった為、トゥアールは総二の腕を掴むとブレスレットを押し当てた。

 

「「「あぁっ!」」」

「……良かった。これでとりあえずは……」

 

トゥアールはようやくつけれたとばかりに安堵の表情を浮かべた。一方で愛香は慌てて総二に詰め寄ってブレスレットを外そうとした。

 

「早く外して! 捨てちゃいなさいよ!」

「うわっ!」

 

急に持ち上げられた事で驚く総二。康太も一応ブレスレットを外すのを手伝う事にしたのだが、すぐに異変に気づいた。どういう訳か、このブレスレットには繋ぎ目が全く無く、一体どうやってピッタリサイズのブレスレットをつけたのだろうか。そう思いつつも、康太と愛香はブレスレットを剥がしにかかった。

 

「むぅ〜……! 外れない……!」

「いでででで! 愛香、ちょっと落ち着けって!」

「……ってか何だよこれ⁉︎ 無理矢理押し込んだ結婚指輪みたいに全然ビクともしねぇぞ⁉︎」

 

康太の発した「結婚指輪」というワードに反応して、愛香はますます力を入れて外そうとした。

 

「結婚指輪ですってぇ〜! くぬ〜!」

「ぎゃあぁぁぁぁっ! やめろ! 腕輪じゃなくて手首から先が抜けるぅぅぅぅっ!」

「待て、落ち着け愛香! 本当に総二の腕が取れちまう!」

 

ギャアギャアと騒ぐ3人を尻目に、トゥアールは胸の谷間に隠していたメモリのようなものを取り出すと、モニターが現れた。3人もその光景に思わず手を止めた。そしてトゥアールはポケットからペンを取り出してモニターの中の点同士をつなげた。

 

「説明は後で! とにかく一緒に来てください、総二様!」

 

そう言うが早いか、トゥアールを中心に光が辺りを包んだ。

 

「「「うわぁぁぁぁっ⁉︎」」」

 

空気の中に溶けていくように総二達の身体の輪郭も薄れていき、喫茶店内から完全に姿を消した。




というわけで、今回はこの辺で。
トゥアールの変態っぷりはどうでしたか?僕はアニメの方を見ててガチでドン引きしていました……。

というわけで、次回「エレメリアン襲来!」に、テイル・オン!
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