俺達、ツインテールになります。〜赤い勇気と白い絆〜   作:スターダストライダー

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今回で一応一巻の第1章に当たるところが終わります。
では、どうぞ。


Tail6:赤い勇気と白い絆

共にツインテールを宿す戦士となった総二と康太。しかし、その一方で総二には気になる事があった。

 

「……なぁ、康太。お前、どうしてそれを……」

 

総二が、康太の手を掴んだ時に目撃した白いブレスを見て尋ねたが、不意に康太が片手でそれを制止した。

 

「話は後だ。それよりも、今はあいつをどうにかしないとな……!」

 

そう呟く康太の視線の先には、先ほどの不意打ちから回復したトカゲ怪人の姿が。トカゲ怪人は首をゴキゴキ鳴らしながら叫んだ。

 

「ぐうぅ……! 不意打ちとはあまり感心しないが、その美しきツインテールに敬意を表して、今回は甘んじて許すとしよう!」

「いや、いいのかよ⁉︎ そんな理由で⁉︎」

 

自分で言うのも何だが、不意打ちはさすがに不味かったなと思っていたのに、それをあまりにもあっさりと許したトカゲ怪人に康太は思わずツッコんだ。

とりあえず許して貰えたので、康太は改めて拳を構え直したが、横に突っ立っていた総二の方を見て、様子がおかしい事に気付いた。

 

「……総二? 大丈夫か?」

「……俺、今まで自分がツインテール好きだって事がどんだけ周りから冷たく見られてたか、全然分かってなかったんだ。けど、あいつに追いかけられるうちに気付いちまった。俺もあいつと同類なんだって……。そう思うと、俺、どうしたらいいか分かんなくなって……」

 

総二の沈みきった感情の全てを聞いた康太は、総二の小さな肩に手を乗せて、真っ直ぐと総二の目を見て言った。

 

「俺には全然分かんねえ悩みだな」

「……はっ?」

「確かにお前とあいつとは、ツインテール好きっていう意味じゃ、同類なのかもしれない。……けどよ。お前は他人のツインテールを自分の物にしたくて、ずっとツインテールを熱く語ってた訳じゃ無いだろ?」

「……あっ」

 

康太に指摘されて、総二の瞳に光が戻り始めた。

 

「お前とあいつの違いは、ツインテールを守るか、奪うかの2択だ。俺は前者の想いを胸に秘めている、お前の味方になりたい。もし、お前が道を間違えそうになったらさ……」

 

そこで康太がニッコリと笑って言った。

 

「俺が絶対に連れ戻す。逆に俺が間違えそうになったら、お前が俺を止めてくれ。だからお前は、何も落ち込まなくていいんだよ」

 

その一言を聞いて、総二の手に、不思議と力が戻っていくのを感じた。

 

「(……そうだ! 俺は何を考えてたんだ……! 康太の言う通りだ! 俺はあいつと違って、ツインテールを弄ぶような真似はしない! だから……!)」

 

その強い信念を、総二の瞳から感じ取った康太は一安心して、声をかけた。

 

「……行けるか?」

「……あぁ! 世界のツインテールは、絶対に守ってみせる!」

「……そうこなくっちゃな!」

「話し合いは済んだようだな」

 

と、そこへ今まで黙って観戦していたトカゲ怪人が声をかけてきた。

 

「へぇ……。律儀に待っててくれるとわね」

「ふふふ……。我も武人である身。真っ向から挑んで勝利を手にする事が戦士の誇りよ!」

 

妙なところで紳士になっているトカゲ怪人だが、こちらとしてはありがたい事である。

総二は近くに落ちていたブレイザーブレイドを手にとって、剣先をトカゲ怪人に向けると、そこから炎を吹き出して、トカゲ怪人に向かって叫んだ。

 

「そういや、ツインテールでペチってしてもらいたいんだよな。なら、お望み通りペチってしてやるぜ! (ツラ)出しな!」

「……行くぜ!」

 

そう言って、2人は同時にかけだした。先に康太が先陣を切ってトカゲ怪人に接近し、パンチを繰り出した。

 

「うぉう!」

 

トカゲ怪人はかわしながら何度も避けていたが、康太1人に気をとられてしまっていたのだろう。康太の背後から、総二が軽く飛んで、ブレイザーブレイドを振りかぶっている事に気付いていなかった。

 

「はぁっ!」

「ぐっ……!」

 

間一髪直撃は避けたようだが、左頬には微かに火傷の痕がある。

 

「おのれ……! はぁっ!」

 

トカゲ怪人も負けじと手を突き出して光線を放ってきたが、康太が総二の前に出て、右拳を突き出した。

 

「やぁっ!」

 

すると、光線は拳に触れる事なく霧散した。本来、装甲以外の部分は薄い戦闘服……テイルギアだが、全身には「フォトンアブソーバー」と呼ばれる見えないバリアが覆われているらしく、敵の攻撃をほとんど寄せ付けない無敵のバリア。……と、頭の中に内容が浮かんできた。どうやら手首につけられたブレス……テイルブレスにはそう言った解説機能が搭載されているようだ。

すると、トカゲ怪人が攻撃を止めて、高笑いしながら叫んだ。

 

「フッ……ふっはっは! 恐るべき奴らよ! 我の攻撃を弾くとはな! 久方ぶりに戦士としての昂揚が噴き上がるぞ! 我はアルティメギルの切り込み隊長、リザドギルディ! 少女が人形を抱く姿にこそ、男子は心ときめくべきという信念のもと戦う者だ! では、改めて聞こう! 貴様ら戦士の名をな!」

「……あっ。そういや、名前は自分で決めていいんだよな。ええっと……」

 

康太がどう言おうか悩んでいると、総二が先に名乗り出た。

 

「……テイルレッドだ!」

「(普通に答えやがった⁉︎)」

 

康太がその順応の早さに驚きつつも、自分だけの名前を必死に考えた。

 

「(ええっと……。総二がレッドか。多分自分の今の姿のイメージカラーから取ったんだろうな。……なら、俺は)」

 

康太は自分の着ているスーツの色を確認して、その名を口にした。

 

「……テイルホワイト! それがこの姿の名だ!」

 

その言葉を聞いて、リザドギルディは歓喜した。

 

「しかと聞いたぞ! 貴様ら、麗しきツインテールを持つ戦姫の名を!」

 

だが、ホワイトはリザドギルディを指差して、素っ気なく呟いた。

 

「別に覚えてなくてもいいぜ。何せ、お前はここで俺達に倒されるんだからな」

「随分と余裕だな。同じ信念を持つ者同士、覚えていても損はないものを……」

「俺達と一緒にすんな!」

 

レッドはそうツッコんだが、リザドギルディは全く聞く耳を持たなかった。

 

「同じだ! ツインテールを愛する者としてな……! 故に我にとってツインテールを手に入れる事が愛する事と自負する! ぬぅぅぅぅっ……! はぁっ!」

 

そう叫ぶと同時に、リザドギルディの背中についていた尾ひれを飛ばしてきた。しかもその一つ一つがワイヤーのような光で繋がれている。だが、その矢のような速さに負けじと総二はブレイザーブレイドで弾き返していた。

 

「違う! ツインテールは愛でてこそ輝くって事も知りやがれ!」

「……どうやらそこだけは相容れぬようだな! はぁっ!」

 

リザドギルディはさらに気合いを入れて攻撃を仕掛けてきたが、2人も応戦する事にした。

 

「レッド! そっちは任せたぞ!」

「任された!」

 

ホワイトはレッドに、リザドギルディの攻撃の対処を任せて、その隙にホワイトはリザドギルディに接近して、

 

「うぉぉぉぉっ!」

「ぐあっ……!」

 

右ストレートをかました。敵の攻撃が止んだ事で、レッドも一気に接近してブレイザーブレイドで叩きつけた。

 

「はぁっ!」

「ぐっ……! 素晴らしい! 我は今日、この日の戦いを未来永劫忘れぬであろう! という訳で、すまぬが記念写真を頼む! こう、我の両肩にこてんと頭を預けて、ぬいぐるみを」

「「やかましぃぃぃぃぃっ!」」

 

この後に及んでまだ世迷言をほざくリザドギルディに、レッドとホワイトはダブルパンチをお見舞いした。リザドギルディの顔はひしゃげて、鼻血が出た。

 

「うぐっ……! し、仕方あるまい……! 顔とツインテールは傷つけぬように努力するが、多少の怪我は覚悟せい!」

 

そう叫んで、リザドギルディは力を込めて飛び上がって、パンチを繰り出してきた。2人は慌てる事なく高く飛び上がり、マクシーム空果のホールの屋上に着地した。リザドギルディもそれに合わせて屋上に降りてきた。

 

「(とはいえ、俺も何か武器みたいのがないとキツイかもな……。そうだ! レッドがあの時リボン型のパーツに触れてから武器を出したよな……! だったら!)」

 

ホワイトはレッドの時と同様、リボン型のパーツに両手を当てた。すると予想通りに、頭の中に武器のイメージと名前が浮かび上がった。そして、両腕を上に曲げてから叫んだ。

 

「シャイニンググローブ!」

 

すると、ホワイトの手首と肘の間に円柱のような形の白いアーマーが装着されて、両手の方にも装甲がつけられた。

 

「何っ⁉︎」

 

リザドギルディが驚いているのを尻目に、2人は一気に詰め寄って、レッドは剣を、ホワイトは拳を振りかぶった。

 

「でやぁぁぁぁぁっ!」

「うぉぉぉぉっ!」

「ぬぁぁぁぁっ!」

 

リザドギルディはいとも簡単に吹き飛ばされて、壁に激突した。どうやらホワイトの場合はシャイニンググローブを装着する事で、腕の強度が上がり、パンチの威力も高まるようだ。ホワイトがそれらの性能を実感していたその時、不意に声が聞こえてきた。

 

「やるな……!」

「「⁉︎」」

 

2人が驚いていると、煙の中からリザドギルディがほぼノーダメージと言わんばかりに仁王立ちのまま姿を現した。

 

「だが、まだ負けぬ! これを渡すまではな……!」

「ひぃぃぃぃぃっ⁉︎」

「マジかよ……⁉︎」

 

リザドギルディはどこに隠し持っていたのか、大量のぬいぐるみを抱えて叫んだ。その光景にレッドとホワイトは唖然としていた。

その一方で、遠くからその様子を見ていた愛香とトゥアールも驚いていた。

 

「な、何でよ⁉︎ あんなに凄い攻撃だったのに……!」

「何という執念……!」

 

トゥアールは予想以上の敵の強度に歯軋りしていた。

すると、リザドギルディはぬいぐるみを周りに浮かせて、力を入れて構えると、筋肉が隆起して周りに電撃が走った。

 

「今度はこちらの番だ! 我の究極の技を受け取れ! 秘技! 少女の手の中に抱かれた道理が、その持ち主の少女と交わりし時の如き……! 「イナズマスパーク」!」

 

リザドギルディがその長ったらしい呪文を唱えると、ぬいぐるみが電気となり、一つの塊となった。あれがリザドギルディの全力を込めた一撃のようだ。

それを見て、2人は直感で、あの技はヤバいと感じた。

 

「(ま、まずい……! あんなもんくらったら、俺もレッドも絶対にひとたまりもないぞ……! 何か、何か手は……!)」

 

2人が焦っていたその時、再び頭の中に一つのイメージが流れてきた。それを確認した2人は互いに顔を合わせて頷くと、

 

「「オーラピラー!」」

 

と叫んで、2人は同時に右腕を突き出すと、テイルブレスから赤と白の光がリザドギルディの上空に向かって発射された。

 

「どこを狙ってる! くらえ!」

 

リザドギルディがイナズマスパークを放とうとした時、真上から赤と白の閃光がリザドギルディに直撃して、電気の球が消滅した。

 

「なにぃ⁉︎ な、何だこれは……⁉︎ う、動けぬ……!」

 

オーラピラー。どうやら相手の動きを止めて結界内に閉じ込めるシステムのようだ。実際、単体でも十分な威力を発揮する技だが、それが2人分ともなれば、さすがのリザドギルディも身動き一つ取れなかった。

今がチャンスと見たホワイトは、レッドに合図を送った。

 

「決めるぞ! レッド!」

「おう! 」

「「完全解放(ブレイクレリーズ)!」」

 

2人がそう叫ぶと、ブレイザーブレイドの柄や装飾部が展開し、剣を走るラインが激しく点滅した。同時にシャイニンググローブが輝き出して、体の方に一段下がって展開されて、熱を帯び始めた。

そして、レッドは腰に、ホワイトは両肩につけられたブースターで加速して、リザドギルディの手前で空高く飛び上がった。レッドは高く上がるとブレイザーブレイドを高く掲げて、ホワイトはレッドよりもさらに高く上がり、右拳を固めてリザドギルディに標準を合わせた。そして、レッドは思いっきり振りかぶり、

 

「グランドブレイザァー!」

 

と叫んで、リザドギルディを斜めに切り裂いた。

ホワイトはブースターでさらに勢いをつけて、

 

「シャイニングフィストォ!」

 

と叫びながら右拳を突き出して、リザドギルディに直撃させた。その威力は凄まじく、リザドギルディの体を難なく貫通した。

2人が着地すると、リザドギルディは体から火花を散らして放電しながら、振り返って2人の方を見た。苦悶の声を上げつつも、その顔は喜びに満ちていた。

 

「ふ、ふはははは……! か、感謝するぞ……! 俺はやっと、ツインテールの本当の強さと美しさを知れた……! そしてそのツインテールに優しく頬を撫でられて果てる……! これに何の悔いがあろうか! これこそ男子本懐の極み!」

「えっ⁉︎ ちょ、おい!」

「ま、待て!」

 

2人が困惑する中、オーラピラーは膨らみ、そして、

 

「さらばだ〜〜〜!」

 

という捨てゼリフと共に、今日一番の爆発を巻き起こし、爆散した。

 

「「勝手に妙な幻想見て果てるなぁぁぁぁぁっ!」」

 

何ともはた迷惑な最後に、2人は思わずツッコミを入れた。せっかくの雰囲気が台無しになってしまったな……、と、ホワイトは思った。

周りにいたアルティロイド達は、隊長格を失った事で戦意を喪失し、逃げるように去っていった。煙が晴れると、リザドギルディがいた場所に、煌めく菱形の石が宙に浮いているのが見えた。

 

「……? 何だ、これ?」

 

2人が近づいて、レッドがその石を手に取るとその石は煌めきを失い、テイルギアの左腕の装甲の中に吸い込まれていった。

 

「……ん、これもテイルギアの力なのか?」

「さぁな……。それよりも、あの輪っかを破壊しとかないとな」

「そうだな。俺がやるよ」

 

そう言って先に地上に降りたレッドは、金属の輪を難なく両断した。すると中から光の粒子が飛び散り、そばにいた、ツインテールを奪われた少女達に降り注ぎ、髪が光り輝くと同時に元のツインテールに戻った。どうやら無事にツインテールを取り戻せたようだ。この分だと、あのストロベリーツインの少女の髪も元に戻っているだろう。そう思っていると、ブレイザーブレイドは炎となって大気に溶けた。同時に、ホワイトもシャイニンググローブが消えた状態でレッドのもとにやってきた。少女達は安心したように、親達の所に走っていった。

 

「ま、とりあえずお疲れ様ってところかな」

「そうだな。……でも、良かった。無我夢中だったけど、俺達、この子達を、ツインテールを助けれたんだよな」

「最後の最後までツインテールか……。でも、そういう事になるよな」

 

ホワイトは未だにツインテールの事に気をかけているレッドに呆れつつも、一応肯定した。

 

「にしても……」

 

ホワイトはレッドと共に、フロントガラスに映った各々の格好を見て苦笑した。

 

「お互い、凄い事になっちまったよな……。……レッド?」

 

ふと、レッドの声が聞こえてこないのでフロントガラスの方を見てみると、レッドが呆然としながら、ホワイトのツインテールを弄っていたのだ。

 

「っておい⁉︎ 何してんだよ⁉︎」

「……あっ、悪りい。あんまり綺麗だったから、つい……」

「……結構重症だな、お前」

 

レッドの奇行に呆れる他無かったホワイトであった。

 

「……けどよ。何でお前が俺みたいに変身出来たんだ? そもそも、何で俺と同じブレスを……?」

「あぁ、それはだな……」

 

ホワイトが経緯を語ろうとした時、背後から声が聞こえてきた。

 

「あの……」

「!」

「んっ?」

 

2人が振り返ると、そこには目を覚ました慧理那がいた。慧理那はぺこりとお辞儀をして言った。

 

「助けていただいて、ありがとうございます!」

「あ、いえ……。俺……じゃなくて私達はたまたま通りすがっただけで……」

「まぁ、無事で何よりですよ」

「とても素敵な戦いぶりでしたわ! まだお小さいのに、本当に勇敢で強くてたくましくて……。わたくし、感激しましたわ!」

 

どうやらずっと意識がないものと思われていたが、途中で目を覚ましていたようだ。おまけに今の総二……もといレッドは慧理那と同じ、小学生ぐらいの身長なので、余計に刺激を受けたのだろう。

 

「あの……それで、あなた方は一体……」

「せせ、正義の味方です。さ、早く逃げて、ください」

「(めちゃくちゃテンパってるな……)」

 

横目でレッドを見ながらホワイトは苦笑した。

 

「あの……。また、お会い出来ますか?」

 

その問いに2人は一瞬顔を見合わせたが、すぐに笑顔になって慧理那を見て、レッドは言った。

 

「はい。あなたが、ツインテールを愛する限り」

 

その一言を聞いて、慧理那は一瞬、表情を暗くした。何か問題でもあったのだろうか。ホワイトがそう思っていると、駐車場にリムジンが猛スピードで入ってきて、急ブレーキと共に停まると同時に中から大勢のメイドが飛び出してきた。

 

「お嬢様ぁ!」

 

先頭を走るメイドが急いで慧理那のもとに駆けつけて、安否を確認した。

 

「お嬢様、お怪我はございませんか?」

「えぇ。彼女達のお陰で」

「レッド。行くか」

「そ、そうだな」

 

慧理那が2人の方を指差すと同時に、2人は慧理那に背を向ける形で去っていった。慌てて慧理那が大事な事を確認した。

 

「あ、あの! あなた方のお名前は⁉︎」

「て、テイルレッドです!」

「テイルホワイト。それじゃあまた!」

 

そう言って2人は空高く飛び上がり、別の所で愛香達と合流する事にした。

 

 

 

 

ようやく人目のつかない所に着地した2人は、それぞれ変身を解除した。すると、緊張から解放されたのか、総二は目眩がして、地面にへたり込んだ。

 

「お、おい! 大丈夫か⁉︎」

「あぁ……。ちょっとな……」

「まぁ、無理もねぇか。俺も疲れたし……」

 

康太も地面に座り込んだ。しばらくすると、愛香とトゥアールが駆けつけてきた。

 

「そーじ! こーた!」

 

愛香は総二を抱き留めた。そこへ、後からやって来たトゥアールが茶々を入れてきた。

 

「地面に頭をつけるなんて可哀想です。ここはきちんとクッションとなっている私の胸に……」

「地面とキスでもしてろぉぉぉぉぉっ!」

「ファーストキスゥゥゥゥっ⁉︎」

 

愛香は躊躇なくトゥアールの顔面を地面に叩きつけた。……また始まったか、と総二と康太は呆れていた。

 

「とりあえずさ。一旦総二の家に帰ろっか。トゥアールから聞きたい事とかあるし」

「そうですね。私もあなたに確認したい事がありますからね」

 

復活したトゥアールも賛同し、一同は喫茶店に戻る事にした。

こうして、後に「ツインテイルズ」と呼ばれる戦士達の初陣は大勝利という形で幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

その頃、アルティメギルの秘密基地でもある移動母船の中の大ホールでは、切り込み隊長として出撃したリザドギルディやアルティロイド達の悲報を受けて、大騒ぎになっていた。

 

「リザドギルディが倒されただと⁉︎ 人間にか!」

「バカな! あり得ぬ!」

「油断したというだけでは説明がつかんぞ! 一体どういう事だ!」

「何がどうなっているというのだ!」

 

皆の怒号が飛び交い、会議の収拾がつかなくなりかけた時、

 

「静まれい!」

 

不意に、竜のような怪物が一喝して、静寂が辺りを包んだ。

 

「ど、ドラグギルディ隊長」

 

ドラグギルディと呼ばれたそのエレメリアンは、明らかに別格のオーラを放っていた。

 

「リザドギルディの力は師である我が一番よく知っておる。要はそれを打ち負かすほどの戦士が密かに存在していたという事だ」

「戦士……。! もしや……!」

「そうだ。これを見よ」

 

そう言ってドラグギルディが見せたのは、アルティロイドの一体が撮影していた、レッドとホワイトの戦う姿だった。おお……と、どよめきが起こった。

 

「これほどのツインテールとは……!」

「だが、確かにこれほどのツインテールならば、リザドギルディが倒されたのも頷ける」

「何という美しさだ……! これがあの世界の守護者という訳か!」

 

いつの間にか、2人の品評会に変わりつつあった。そんな中、ドラグギルディはテイルホワイト、ただ一人を凝視していた。

 

「(あの鎧……。背丈や顔つきこそ違えど、この戦い方は、あやつを思い出させる。もしや……。だが、まだ断定は出来ん。もう少し様子を見させてもらおうか)」

 

そしてドラグギルディはおもむろに立ち上がり、ホールに全体に響き渡るような声をあげた。

 

「皆の者よ! あれこそが、我々の求めていた究極のツインテールだ! リザドギルディの二の舞にならぬよう、心してかかれぇ!」

「「「オォォォォォッ!」」」

 

一斉に咆哮した部下達を見て、ドラグギルディは高笑いしながらその場を去った。

 

「(嬉しい誤算とはこの事か……! やはり予期せぬ難敵に立ちはだかられてこそ、武人の血が騒ぐというものだ! 今一度剣を交合わせる時が来る日を期待しているぞ! テイルホワイト!)」

 




ようやくアニメで言うところの第1話、ラノベの1章分が終わりました……。
やっぱり戦闘描写は難しいですね。これからも頑張っていきますので、応援よろしくお願いします!
ちなみに、テイルホワイトのイメージや必殺技は、アニメ「遊○王」に出てくる「ジャン○・ウォ○アー」を題材にしていますので、興味のある方はそちらをご覧ください。

では、次回「テイルギアとトゥアールの事情と異世界の侵略者 アルティメギル」に、テイル・オン!
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