俺達、ツインテールになります。〜赤い勇気と白い絆〜 作:スターダストライダー
では、どうぞ。
康太は、一息ついてから白いテイルブレスを手に入れた経緯を話し始めた。
「……このブレスは、あの巾着袋に入ってたんだ」
「それって確か、フィーリアさんから貰ったっていう、あの袋の事だよな」
総二が確認すると、トゥアールが確信を持った表情で呟いた。
「……やっぱり。康太様。あなたはフィーリアの事を以前からご存知だったのですね」
「あぁ……。……って、えっ⁉︎ ちょっと待てよ⁉︎ トゥアール、お前なんで姉ちゃんの事知ってんだ⁉︎」
「そういえばあんた、こーたが戦ってる姿見て、フィーリアさんの名前呟いてたわよね⁉︎」
愛香が、ふと思い出したのは康太ことテイルホワイトがアルティロイドを迎撃していた時に、トゥアールが不意にその名前を口にしていた時の事だった。その場にはいなかった総二も驚いており、3人の視線が集まる中、トゥアールは静かにある事実を告げた。
「……フィーリアは、私が元いた異世界での古い友人、もといパートナーでもあったんです」
「「「!」」」
トゥアールから語られた衝撃の事実に驚きを隠せない3人。
「って事は、フィーリアさんはトゥアールと同じように異世界から来たって事なのか⁉︎」
総二の質問に、トゥアールは無言のまま頷いた。一番深く関わっていた康太でさえも、トゥアールの口から語られたフィーリアの正体に困惑していた。それを察したのか、トゥアールは康太に言った。
「……あぁ、康太様。少し話が逸れてしまいましたね。先ずはあなたの話を済ませてから、改めて説明しましょう」
「あ、あぁ……。じゃあ続けるぞ。さっき総二が言ってたように、その巾着袋は姉ちゃんから貰ってな。それで、姉ちゃんこう言ってたんだ。悪い奴らが来たら、この袋の中にあるやつを使えって」
「それで今回、アルティメギルが現れたから開けてみたら、そのテイルブレスが入ってたって訳ね。なるほどね。ようやく話が繋がったわ」
愛香が1人、相づちをうっていた。
「最初は訳分かんなかったけど、総二がピンチだったのを見て、とにかく助けようって思ったら、テイルホワイトになってたって事なんだ」
「……でも、どうしてこーたにそれが使えたの? そーじみたいに特別ツインテールが好きって風には見えないし……」
愛香の疑問に、トゥアールがある仮説を立てた。
「……フィーリアは、特にツインテールの手入れに関しては入念でしたからね。それだけ彼女はツインテールにこだわりを持ってたんですよ。もしかしたら、康太様は何度もフィーリアに会う内に、彼女のツインテールに無意識に見惚れていた。だから、ツインテール属性の核とも言えるテイルギアが使えたのかもしれません」
「マジかよ……。俺がツインテールを……」
「そりゃあそうなるかもな。だってあの人のツインテールは1度しか見てないけど、本当に凄い迫力があったもんな。あの艶やかな髪のまとめ方に、手入れの良さを感じたし……」
総二が当時出会った時のフィーリアのツインテールを思い出して、目を輝かせていた。その一方で、康太は総二のツインテールバカが感染してしまったのを実感して嘆いていた。
「……ま、まぁ、俺が変身出来た事から考えて、トゥアールの説は的を得ているのかもな。認めたくないけど……。とにかく、俺に関して話せる事は以上だ。じゃあ次は……」
「そ、その前にお1つ聞かせてください! フィーリアがこの世界にいるなら、彼女は今、どこにいるのですか?」
それを聞いて、康太を含む3人は神妙な面持ちになった。これから話す事は、おそらくトゥアールにとって一番悲しい事実になるだろう。正直、話すのも気が引けたが、いつまでも黙っておく訳にもいかない。意を決して康太は呟いた。
「……もう、亡くなってるんだ。5年前に、病気で……」
「……」
康太の言葉を聞いたトゥアールは、先ほどまでの、愛香と戯れあっていた(?)時のテンションはどこへ行ったのか、表情を暗くした。だが、その表情はさほどショックを受けているようには見えなかった。むしろ、その事を分かりきっていたような表情だった。
「……やはり、そうでしたか。いや、当然と言えば当然なのかもしれませんね」
「トゥアール……?」
「私も、彼女が元から重度の病気にかかっていた事は知っていました。と言っても、私自身その事に気づいたのはアルティメギルが攻めてきてからの事でしたが……」
それからトゥアールは、フィーリアの事を話し始めた。
「私が彼女と初めて出会ったのは、とある研究チームで一緒の班になった時なんですよ。それから一緒に研究や食事をする内に、息が合うようになっていつしか周りから友人と呼ばれるようになりました。私も、彼女が隣にいてくれるだけでどれほど心強かったことか……。アルティメギルの侵略を感知した際も、私達は一緒に対抗策を打ち出していました。けど、研究による疲労を重ねていく内に、彼女の体がもたなくなってしまったのでしょう。すぐに体調を崩すようになっていきました。見兼ねた私は、彼女をこのプロジェクトから外して療養に専念して貰おうと考えました。最初は彼女も反対していましたが、最後は彼女の方が折れてくれて、結果的に彼女はアルティメギルの侵略をまだ受けていない異世界に去っていく事になりました。とはいえ、私も大切なパートナーを失って研究がはかどらなくなり、いつの間にか、世界は奴らに侵略されていました……」
「そう、だったのか……」
2人の過去を聞いて、表情を暗くする3人。トゥアールにとって、フィーリアがいかに大切な存在だったのか、彼らには痛いほど分かったような気がした。
「今康太様が身につけているそのテイルブレスも、フィーリアが装……開発していたものなんです。おそらくこの世界に一緒に持って行って、そこで出会った、強力なツインテール属性を秘めていたであろう康太様に全てを託そうと思って、それを渡したのでしょう。時が来たら、奴らに対抗出来るようにするために……」
「そうか……。姉ちゃんが俺に……」
康太は手首に着いている白いテイルブレスに込められた、フィーリアのありったけの想いの重みを感じながら呟いた。
「フィーリアも幸せだったと思いますよ。こうして、康太様に出会えて、自らの想いを託せる相手を見つけたのですから……」
そこで、トゥアールは言葉を詰まらせて、不意に嗚咽を始めた。鼻水も出ており、目からは大量の涙が溢れ出ていた。
「フィーリア、は、言って、ました……! 「いつか私は、自分の研究の成果で、みんなの希望の光になるような存在になりたい」って……! その、夢は叶えれなかった、かもしれない、けど……! 彼女の意志を、受け継ぐ殿方と、巡り会える事は、出来た……!」
「トゥアール……」
総二はトゥアールを慰めるように、部屋に置いてあったティッシュ箱を手に取ってトゥアールに渡した。トゥアールはティッシュを数枚取り出して鼻をかんだ。
康太も涙ぐみそうになったが、そこは男としてのプライドが勝ったのか、こらえきって、それからトゥアールを真っ直ぐ見つめて言った。
「……ありがとな、トゥアール。姉ちゃんの想いがようやく分かった。だから俺、この力で守ってみせる。トゥアールや、姉ちゃんが守ろうとしたものを、絶対に守ってみせる!」
「あぁ! 俺も2人の意志を継いで、世界のツインテールを守る為に戦う!」
「もう、あんた達2人は……。まぁ、ここまで聞いちゃったもんね。いいわ。協力してあげる」
総二と愛香も同意の意思を示した。それを聞いて、トゥアールはまた涙目になった。
「……はい! ありがとう、ございます……! 一緒に頑張りましょう! フィーリアの為にも……!」
「(……見守っててくれよ、姉ちゃん! 俺、頑張るから! )」
トゥアールの話を聞いて、改めて決意を固める一同であった。
いかがでしたでしょうか? フィーリアの意志を受け継いだ康太の今後の活躍にご期待ください!
そして次回はあの人物が参戦!
それでは、次回「新たなる協力者(?)」に、テイル・オン!