人が死ぬときは大体病死が多いだろう。あとは老衰か。調べたことはないからわからないけれど、ある程度の年齢まで生きたら癌やらそういう致死性の病気にかかって大体の人は死んでる気がする。最後まで大きな病気や怪我なくまっとうに人生を終えられるのは全人類の中でもわずかしかいないと思う。その前に病気、事故などである程度苦しみながらみんな死んでゆく。そう、程度の差こそあれ、みんな苦しんでいるのだ。傷つき、苦しみながら自らの人生を終えてゆく。理想としては苦しまずにさっぱりぽっくりと逝きたいものだが、みんながそうもいかないのなら仕方ないだろう。
実際調べたことないから本当にこの考えが当たっているのかはわからない。自分の性格ならばコレの答えをネットなり本なりで調べてちゃんと答えを出したいところではあるのだが、その答え合わせをすることはないだろう。なぜならば、自分は今、動けないからだ。
意識だけは覚醒している。周りの人は気づいていないが。無理もない、自分は指一本どころか瞬きすらできないのだ。全身何か、たぶん包帯を巻かれ、体中の至る所に電極やチューブを刺されて病室のベッドの上に横たわることしかできていないのだから。
なぜこのような状態になったのかは覚えていない。最後の記憶は両親と空港で飛行機の離着陸時間を待っていたような気がする。難関の私立の進学高校に受かり、記念旅行に行く予定だったと思う。そうして空港のロビーで確か両親の隣で『城の先にて』?とかそんな本を読んでいて・・・。気づけばこんなことになっていた。
この状態になってからしばらく時間が経ったが、両親がどうなったのか、自分がどうなったのかは全く知らない。体に触れられる感触はなんとなくあったが、次第に弱くなっていき、唯一外のことがわかる聴覚はもはや聞こえない。無音の暗闇にいる気分だった。
ぼんやりする頭で人間光や音などの外界からの干渉が完全に絶たれると発狂するんじゃなかったかな、そんなことを考えていた。自分はすでに発狂しているのだろうか?それとも割とはっきりものを考えられるからまだまだ頭だけは元気なんだろうか?色々な考えをよぎるが答えてくれる人はいない。全くの孤独。
やがて無意味な生きた屍の自分にも終わりが来たらしい。ろくに考えがまとまらず、体の感覚もない。
ーどうせだったら、何か生きてることを実感するような人生を歩みたかったなー
ただ親に言われて勉強し、怒られるの嫌だから規則を守って生活した。最後の最後に、自分の人生は徹頭徹尾無駄な、まっさらで面白みもない人生だったと気づいた。やりがいや生きがい、夢や希望も何もない、淡々と作業のように生きていく、システマチックな短い人生。しかも終わりは不良品になりながらも人間というプレミアがついたせいで廃棄されずに保存管理されてしまった、何の役にも立たないガラクタと成り下がった人生だ。
ゲームやアニメなどにまれに出てくる戦いで生きがいを見つけるような者や、非情に成り切れず現実と理想で揺れて傷つく者、理想ばかりを語って強引に実現してしまうご都合主義で生きているような者。そんなキャラクター達ほどではなくても、楽しいことや悲しいことを真っ直ぐに感じながら生きてみたかった。現代でそんな風に難しいのはわかってはいるけれど、生まれ変わりがあるのなら、創作物の人物たちのように生きてみたいと思う。
そう思いながら、彼はこの世を去った。十七年という、短い人生だった。
初めまして。初投稿です。
色々、というよりほぼすべて捏造ですので、苦手な方は次からはご遠慮ください。それでもよろしい方は、どうぞよろしくお願いします。