弱いから誰かを守ってはいけないんですか? 『完結』   作:ちゃるもん

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投稿です!!

今回あのお方が登場しまっせ!!

では、どうぞ!!


数十秒の奇跡

『…………随分と意気込んだようだけど結局何もできないなんてね』

 

大声で叫んでいた人間は、両手を私の方へと伸ばしたまま固まっていた。

 

止まれって言っていたし、私の動きを止めようとしたのかしら?

でも、それで自分の動きを止めるなんて…………まあいいや。

 

『それじゃあ……いっただきまー』

 

ブシャ

 

私が人間を喰おうと手を伸ばした時だ。

人間の体、私に向けている手、その右腕が破裂した。

 

皮が破け血肉が露となる。血管が千切れ垂れ下がりそこからドバドバと血が流れ出る。

それが引き金となったのか人間のあっちこっちが破裂し、血が流れ……まるで食べてくださいと言っているかのように、私の食欲を駆り立てた。

 

『男は少し固くなった方が好きなのよね~まあ、取り敢えず』

 

私は人間の体に闇を這わせ心の臓だけを喰らう。

後は程よい固さまで置いておけばよい。

 

『……あぁ、やっぱり死に物狂いで何かを成そうとする人間は美味しいわぁ』

 

心の臓を喰らった瞬間私の中に行き渡る霊力を感じる。

 

『う~ん……先に女から食べればよかったかしら?女は食べごたえがないのよね。美味しいんだけど、私は固い方が好きなのよ』

 

カタカタと震え涙目になっている女に笑いかける。

 

未だに女と私の間に立ち続けている人間を横にずらし女の前へと立った。

 

『さあ、貴女を護ってくれる素敵な王子様はいなくなったわよ?逃げなくていいの?』

 

わざと恐怖を与えるようにケタケタと不気味な笑みを受けべながら、優しく諭すように脅す。

 

生物が最も恐怖するもの。それは『正体が分からない』、『闇』の二つだ。

そして私は『闇』の化身。闇そのものだ。

 

闇はそこに有るだけで、不安、不審、恐怖を与える。

さっきの人間のように命を犠牲にして立ち向かって来るのなら最高なのだが……まあ、その恐怖だけで妥協しようじゃないか。

 

『ほぅら。さっさと逃げないと食べちゃうぞぉ?アハハハハ!!』

「…………」

『およ?本当に逃げるんだ』

 

まさか動けるなんてね……てっきり泣き出して許しを乞うかと思ったんだけど。

 

『まあいいや。それじゃあ―――』

 

『私の栄養になってね』

 

手を伸ばし女の髪を掴む。

そして―――

 

 

 ―――少年が掴んだ、たった数十秒の奇跡―――

 

 

 

 

『アガァアア!!』

 

 

 

 ―――その奇跡が少女を救う事となる―――

 

 

―――手首が握り潰された。

 

『よくも……まぁ…………私の計画を邪魔してくれたわね……ねぇルーミア』

 

嘘だ……どうしてこんな奴が……!!

 

『八雲……紫……どうして』

『そんなこと貴女が知ることじゃないわ。霊夢手伝いなさい……全力で』

「いきなり落とされたと思ったら……随分と人使いが荒いわね……でも良いわ。今の私は虫の居所が悪くて暴れたい気分なの。そう言えば魔理沙は?」

『藍を向かわせたわ』

「そ。なら大丈夫ね」

 

どうして……私を封印しにくるのなら博麗の巫女だけでいいはず!なのに、何故!?

考えられるのはさっき殺した人間。

 

「よそ見とは随分と舐められたものね……いいわ。博麗の巫女の恐ろしさもう一度その身に刻んであげるわ」

 

『夢想天生』

 

 

 

 

―――彼は死んだ―――

 

―――私を守るために、死んだ―――

 

―――彼は最後、止まり行く世界でこう言った―――

 

―――愛の告白でもなければ、誰への伝言でもない―――

 

―――彼は……私の大好きな朝香くんは……―――

 

 

 

――――――と、言ったのだ―――

 

 




お読みいただき有難うございます!!

と言うわけで……朝香くん……死亡確定です。
そして、代わりに八雲一家が参戦しました。

朝香くんが最期に残した言葉。
八雲紫の計画とは。

誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。

一応生存ルートも考えているんですが……終わりが見えない……
書き始めたら絶対に『赤ずきん』が書けなくて悶えています……

では、また次回~
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