弱いから誰かを守ってはいけないんですか? 『完結』 作:ちゃるもん
戦闘なのに戦闘じゃないとはこれいかに。
では、どうぞ!!
『お帰り……お帰り、なさい……朝香』
『お帰り、朝香』
大の大人二人が人前で大きく声を上げて泣き叫ぶ。
恥ずかしげもなく、ただわんわんと大声を上げながら。
・
「ガハッ!!……クッ……ソガァアアア!!!!」
私めがけドロリとした黒い闇がとてつもない速度で飛んでくる。
避ける?そんなものは必要ない。
飛んできた黒い闇は私をすり抜け、後ろの地面にベチャと音を立て落下した。
黒い闇が着弾した部分は抉れ、黒い靄のようなものが立ち上っている。
「どうしたのかしら?闇の化身である貴女が実体を残してしまっているわよ?」
紫がルーミアに挑発する。
闇の化身であるルーミアだったら、下手をすれば今の状態の私も喰らう事が出来る。まあ、紫が言っていた可能性の話だが。
そして、その場合私の体が喰われたのではなく消滅と言う形になる。
要するに……彼女自らの攻撃なんぞ今の私からすれば意味がないのだ。
以前、私がルーミアを封印するとき、彼女は動かずに私を圧倒した。
私が近付けば腕が持っていかれ
私が札を投げれば、気づいた瞬間には消滅
今、私が五体満足でいられるのも紫が治してくれたからに過ぎない。
だが、今の彼女は何か行動を起こさなければ攻撃することができず。
攻撃が来れば避ける。
攻撃が当たるのなら
攻撃が防げるのなら
ただ、正面から潰すのみ。
「ちょっと紫……飛ばしすぎ」
「あら、ごめんなさいね」
「ま、良いけど」
私が考え事をしている間も紫の猛攻は終わっていなかったようで、ルーミアの姿は遠くにあった。
どうせ……でん、しゃ?とか言う大きな蛇の様なもので押し潰していたのだろう。
私はその場所まで飛んで移動した。
ルーミアの姿は酷いもので、腕は破裂することも許されず押し潰され、逆に足はぐちゃぐちゃに折れ曲がっている。
腹部は引っ付いているものも臓器の様なものがデロンと飛び出ていた。
これで生きていると言うのだから大妖怪とは恐ろしい。
「へぇ……貴女にも臓器ってあるのね。これは……腸、だったかしら?」
「正解よ霊夢」
そんな姿を見ながらも平然と世間話のように雑談する。
それは、妖怪のルーミアにも異形に見えたのか一つ大きく震えたようがした。
「タ……たヒュケチェ……くらヒャ……イ」
掠れた声が耳に届く。
助けてください。と。
だから、私は満面の笑みで答えることにした。
「博戻の巫女はね。冷酷で残酷でなければいけないの。誰にも舐められる事がないように」
その言葉を、渾身の踵落としと共に。
ビキビキビキッ!!!!
ルーミアの顔面を中心に地面に亀裂が入る。
少し強すぎたかしら。なんて、思ってもいないことを呟いた。
「さて……封印しますか」
「い、イやジャ!!それダケは!!モうもジョリたくヒャイ!!やっトデられタのに!!」
「呆れた……まだ喋れるのね。まあ、いいわ。それじゃあさようなら」
髪を結んでいるリボンを取りルーミアの上に被せる。
だが、今回はそれだけでは済まさない。
前髪を止める二つのリボンも使わせてもらおう。
あとは、振袖も使おうか。
博麗の巫女の服は、全てが封印術が編み込んである。
それも、紫直々に……だ。
『――――――』
さようなら。ルーミア。
もう、二度と出会うことはないでしょう。
目映い光が辺りを包み込む。
私達の目の前にいたのは、すやすやと眠る小さな少女だけだった。
お読みいただき有難うございます!!
と言うわけで……ルーミアフルボッコ回でした。
いやぁ……ルーミアは強敵でしたね(遠い目)
『安易な行動』の最後の台詞はルーミアを表していました。
あと、前半部だけならフランドールも当てはまります。
誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。
『あの狂』の閑話……あの頃のアイツの性格を忘れた……もう少し待ってください……
では、また次回~