弱いから誰かを守ってはいけないんですか? 『完結』 作:ちゃるもん
今回は魔理沙SEEDとなります。
では、どうぞ!!
カンッ!!
甲高い音と共に目映い光が視界を奪う。
息はまだ荒い。
相棒は私の行動を読んでただろうか?
いや、流石に無理か。
咄嗟の事に体が無意識に逃げる為の一手を打った。
私も自分の反応の良さに理解が追い付いていないのだ。流石のあの相棒でもそこまでは読めないだろう。
それに、逃げの一手だとしても光が出るのは一瞬だけ。それに加え出口がどっちかなのかも分からない。
私は動くことも出来ず、ただ追撃を警戒しながら光が晴れるのを待った。
「……え?」
私の口からそんな声が漏れる。
それもそうだ。本来居るべきはずの人間がそこにはおらず、代わりに九つの尾を持つ黄金の狐が優々と吸血鬼の腕を受け止めていたのだから。
『魔理沙。お前らしくもないじゃないか。そんなに怖じ気づくなんて』
あからさまな挑発。
ただ、今はとても有難い。
「おいおい藍……仲間を挑発するなんておかしいのじゃないのぜ?」
「仲間だったのか?」
「違うのか?」
「いや、違わないな」
強敵を目の前にしながらも、そんな軽い言葉を交わせる。
まあ、藍が吸血鬼の腕を押さえ込んでいるのも原因だが。
「霊夢はどこにやったんだ?」
「紫様が連れていった、私が霊夢の代わり。と、言うわけだな」
「紫が霊夢を連れていく……しかも異変時に?……後で説明してもらうからな」
「承知した」
相棒はいない……でも、恐怖はなかった。
むしろ、競争心が私を駆り立てていた。
いつの日か、あの近くて遠い……天才の背中に追い付くと。
そして、堂々と胸を張ってその隣を歩けるようにと。
私が……親友を支える立場になる、と。
もう……二度と、彼女が……霊夢が苦しむ姿を見たくないんだ……
腕を失いながらも……私を守ってくれた。
その後ろ姿に憧れと、後ろめたさを感じながら。
私を庇いながらも、強大な敵を打ち倒した。
その姿はとても美しかった。
「何時か……いつの日か……私もお前を支えられるようになるからな……」
とは、言っても私の魔力は残りわずか……これでは藍に負担をかけてしまう。
私はポケットの中から青色の液体が入った瓶を取りだし、一気に煽った。
「…………うがぁああ!!」
飲んで数秒後、私の体から抑えきれない程の魔力が溢れ出す。
今飲んだのは魔力を増幅させる薬。
ただ、それはその人の生命力を食い潰し、魔力に変換させるものだ。少しでも濃度が違ったら私は今頃死んでいただろう。
「一気に……終わらせるぞ!!藍!!」
その一言で藍はその場から消える。
同時に吸血鬼の体が十字のようになり、動けなくなる。
『アハハは!!なに?ナにするノォー?』
「……とっても、楽しいことだぜ……グフッ」
口から血が吹き出る。
……もう少し安定して作りたいものだ。
口から流れ出る血を拭い、取り出した八卦羅に五芒星を描く。
書かれた星は、酷く震えており手を見るとわざとやっているかのように手が震えていた。
ふぅうう
息を吸い込む
はぁああ
息を吐き出す
そして―――
「…………魔力、解 放!!」
「消し飛びやがれぇえええ!!!!」
―――光の奔流が全てを無へと返した。
『アハッ♪』
お読みいただき有難うございます!!
次回、次次回辺りから後日談へと入るかと思います。
いやぁ……魔理沙はっちゃけますね~
誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。
『あの狂る』の閑話。投稿しました。
では、また次回~