弱いから誰かを守ってはいけないんですか? 『完結』 作:ちゃるもん
オリキャラの名前には理由があります。
柊 香住(ひいらぎ かすみ)
八重樫 奨 (やえがし しょう)
上井 朝香 (かみい あさか)
分かるかな?
※
タイトルにENDを付けました。
では、どうぞ!!
水の入った桶。
花束、饅頭。
線香、蝋燭、マッチ棒。
全てあるのを確認し、私は目的地へと歩みを進めた。
今私がいる場所はあまり広くはない。
それには理由があり、戻ってこない場合があるからだ。
どこか一部分でも戻ってくることがあった場合のみこの場所へと埋葬される。
そう。ここは墓地。私は朝香くんの……上井朝香の墓参りへと来ていた。
あのあと、異変は直ぐに解決さる事となった。
だが、そんな事はどうでもよかったのだ。
何故なら、朝香くんの死を……侮辱する者が現れたから。
お前たちがそんな危ないところに行かなければ妖怪の餌食にならなくて済んだんだ。と。
彼らの言い分は分かる。事実そうだからだ。
だが、仮に彼処で私達がいなかったら里はどうなっていただろうか?
あんなに近付いてきていた妖怪、しかも異変の真っ只中に襲われたらどうなっていたのか。
おそらく……いや、確実に滅ぼされていただろう。
朝香くんは、意図せずして人里の皆も守って見せたのだ。
でも、所詮は子供の言っていること。それに加え証拠もない。上白沢先生が大妖怪が近付いてきていたのは知っているけどその時の状況までは分からない。
私の言葉は届くこともなく……私は自身の無力さを噛み締める事しか出来なかった。
そんなとき、こんな状況を引っくり返す女性が表れた。
博麗の巫女。博麗霊夢だ。
彼女は謝った。朝香くんを守れなくて済まない。と。
彼女は称えた。彼の頑張りは凄い。と。
彼女は続けた。彼が居なければ人里は無くなっていたかもしれない。と。
そして、彼女は彼の墓に手を合わせ去っていった。
それからの変化は凄まじいものだった。
今まで朝香くんを侮辱していた人達が謝りに来て、彼の墓に手を合わせたい。お礼を言わせてほしいと言ってきたのだ。
嬉しかった。
朝香くんの頑張りが報われた気がした。
でも……それでも……――――――
「朝香くん。今、綺麗にするからね」
備え付けの花瓶に花を活け。
桶の中の水を杓で掬い墓の周りに掛け、汚れを落としていく。
一通りの掃除が終わったところで蝋燭に火をつけた。
蝋燭の火に線香の束を寄せ火をつける。
線香に火が付き白い煙がモクモクとたち始める。
線香を置き、手を合わせる。
今日ね、奨くんが上白沢先生に怒られたんだよ。
あ、朝顔の蕾が増えてるよ?朝香くん朝顔好きだったよね。
そうそう!!この前のテスト私と朝香くんだけ百点だったんだよ!!
二人で頑張ったもんね!!
――――――胸に空いた穴は埋まらない。
「あさ、か、くん…………会いたい……よ……」
目を冷たくも温かいモノが流れ落ちる。
その事に気付くのに長く時間が掛かってしまった。
私はゴシゴシと涙の跡を消すために目を擦った。
「だめ……だよね……ごめ、んね?こんなかお、みたく……ないよね……」
擦っても……擦っても……涙が止まることはない。
あの時みたいに、口を閉ざしても自分の嗚咽が耳を貫く。
―――――――――――――!!!!!!
快晴の空に静かに……静かに…………大きな声が白い煙と共に上っていった。
TRUE END
胸に空いた穴 END
お読みいただき有難うございます!!
と言うわけで、墓参り回でした。
やっと香住ちゃんが自分の心を吐き出せました。
誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。
香住ちゃんの意味は分かりやすいと思う。
では、また次回~