弱いから誰かを守ってはいけないんですか? 『完結』 作:ちゃるもん
完 結!!
では、どうぞ!!
「そう言えばだけど、私あの子が止めているときに動けたけど……あれはどうしてなの?紫、分かる?」
私の能力『空を飛ぶ程度の能力』は、確かにルールや法則から浮くことができる。
さっきの紫の言葉を解釈するのなら、あの世界は歴史すらも止まっていたと言うことになる。
そうだとすれば、あの世界は法則自体も止まっているはず。
もっと言えば、法則がない世界とも言い表せれるのではないだろうか。
ならなぜ私だけ、その世界……八雲紫ですら完璧に止めてしまう世界で私しか動けないのか……
確かに、私は法則から浮くことが出来るが……それでは何の解決にもなってはいない。
その事を簡単に紫に説明した。
「そうね……まあ、あくまで憶測でしかありませんが。
法則が無いことから浮こうとしたのではないかしら」
「……どう言うこと?」
「霊夢の能力は『空を飛ぶ程度の能力』。言い換えれば『法則性から浮く程度の能力』。だとすれば、大きく分けて二通りの考えが立てられるわ」
紫は私の方を向き、人差し指を立て説明を開始した。
「まずひとつ。霊夢が能力の範囲外に存在していた。
貴女の存在はその能力のおかげで曖昧な存在となっているわ。夢想天生が良い例ね。全部が止まった中、体が重く感じなかったかしら?」
「……ええ。でもどうしてそれを?」
「ただの憶測よ。さっきの理論でいくのであれば貴女の存在はアッチでは確実なものになる。それはなぜか……能力が存在……と言うより、能力が止まっているから。
そうすると、こっちで曖昧な存在の貴女は能力が止まって、向こうの世界で確実なものとなった…………」
「まるで私が存在していないみたいね……気味が悪い……」
でもまあ、私の存在が曖昧と言うのは納得がいく。
夢想天生を使った時に感じる、虚像感がそうなのだろう。
紫はそしてもうひとつは、と続けた。
「能力が法則性が止まったことから浮こうとした。
歴史が動かない、法則性が止まる。なら、この現象を一つの法則として捉えるの。そうしたら、歴史が止まる法則から抜け出そうと、元の歴史が動く法則に戻ろうとする力が働くのではないかしら?
そして、その能力の大部分が戻ろうとする力に働いていたとすれば……霊力なんかが使えなくても不思議ではないわ。
まあ、どっちも憶測だし細かいところも沢山有りますから何とも言えませんがね」
結局……紫にも分からない。と言うことか。
「他に聞きたいことはあるかしら?」
「何も。聞きたいことは聞いたわ」
「そう。なら飲み直しましょうか」
紫の手にはどこから取り出したか一本の酒瓶が。
私は魔理沙を踏んづけ「グエッ!」台所から四つの枡(ます)を取り出した紫がいる縁側へと「グホォ!」戻ってきた。
後ろでは腹を押さえ悶えている魔理沙とそれを心配そうに介護する藍がいるのだが……
「霊夢……なかなかエグいわね貴女……」
「五月蝿いわね……藍、魔理沙……飲むから付き合いなさい」
「霊夢……今のは……」
「いいんだ藍……きっちり代価はもらっていくからな……」
「ちょ!!勝手に戸棚を……!!」
「おや?こんなところに大福やお団子が……皆で食べちまおうぜ!!」
あの子の魂はルーミアに食べられてしまった。
あの子の魂は消滅した。
だからこそ、紫もあそこまで怒りを露にしたのだろう。
私は、賑やか日常に感謝しながら……そんな事を考えるのだった。
・
世界は進む。
それは、世界の法則だから。止まらない。
日常は守られる。
それは、少年が望んだことだから。
一人の少年がいなくても……世界は進み、日常は守られる。
それは、当然の事でもあり、とても残酷なこと。
何時しか、少年は忘れられ。
語る者も少なくなるだろう。
皆に忘れ去られていくのか……
あるいは……―――
―――一人の英雄として名を残すのか……―――
-上井 朝香-
種族 人間
能力 『全てを止める程度の能力』
友好度 良好
危険度 皆無
概要
人里を命を失いながらも大妖怪である『闇の化身ルーミア p.15』から守った英雄。
これから先は彼の想い人であった柊 香住に止められているため書くことは出来ない。
お読みいただき有難うございます!!
これにて『弱いから誰かを守ってはいけないんですか』完結となります。
要望が多ければ次回先の『赤ずきん』を遅れさせて、生存ルート及びBAD ENDを書こうと思っています。
例え、魂が無くなったとしても……朝香くんは作者と読者様の心の中で生きている。
そう、信じています。
誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。
朝香→あさ かお(り)→あさ、朝 かお(り)、顔→ 朝顔 →
→『はかない恋』 『愛情の絆』
では、また今度お会いいたしましょう。