弱いから誰かを守ってはいけないんですか? 『完結』 作:ちゃるもん
今回からハッピーエンドに向けての話しとなります。
時間軸は二人が紅魔館に着いた後ぐらいです。
では、どうぞ!!
変わる運命
「話せないなら無理して話してもらわなくて大丈夫ですよ。無理に聞いてる自分が言うのもあれですが」
紅さんは顎に手をやり何かを考えている。
僕としては本当に興味本位で聞いているので、断られるのは全然構わないのだが。
紅さんは何かを決心したのか、顎から手を離し僕たちの方を見て、口を開く。
「今からこの辺りはとても危険になります。少しの間私の休憩室をお貸しします。何が起こるのかはそこでお話しましょう」
「僕は構いません。お心遣い感謝します」
「え……っと、わ、私も……大丈夫……です。ありがとうございます」
僕は紅さんの提案に乗らせて貰うことにした。
今から何が起こるのか……これは僕も、きっと香住さんも気付いているだろう……
『異変』
こう言っては紅さんにとって失礼ではあるが、そんな事に気付いてしまっては断ることすら出来ない。それが妖怪の根城だとしても、だ。
香住さんも、その事に気付いたから誘いを断らなかったのだろう。
僕らは紅さんの後に続き、休憩室へと案内された。
休憩室の中は必要最低限の家具があるだけだ。
紅さんに「どうぞ、座って待っていてください」と、言われ大人しく椅子に座る。
足が高い机は何だか新鮮だ。
このような西洋の家具はある程度は人里にも増えてきている。
それはこの、紅魔館が大きく影響を与えた結果でもあった。
「お口に合えば良いのですが……」
「ありがとうございます。いただきます」
「えっと……いただき、ます」
紅さんに出された透き通った琥珀色の液体。
少し香りを嗅ぐと、鼻を甘い匂いがスッーと通っていく。
液体を口に含む。
花……いや、薬草の方が近いかも知れない……
さっきまでの甘い匂いと一緒に、薬草の何とも言えない味が口一杯に広がる。
僕は空になった湯飲み……かっぷ?……を、皿の上に置いた。
「面白い味ですね。今までのお茶とは全然違って驚きました」
「……その感想は嬉しいのですが……疑わないので?私は妖怪……普通疑うものだと思うのですが……」
「疑いましたよ?だからこそ、飲んだんです」
チラッと香住さんの方を見る。
香住さんはチビチビとお茶を夢中になって飲んでいた。
多分だが、こっちの会話も聞き逃しているのではないだろうか?
「僕は彼女よりも早くこのお茶を飲みました。それは何故か……毒、麻痺だろうが、睡眠薬だろうが直ぐに影響が出るものならば、彼女も直ぐに気が付く。そうしたら、まだ逃げられる可能性がある。そう考えたからです」
「いやはや……その幼さでそこまで考えられていたとは。感心しますね。大丈夫ですよ。毒なんて入れていません」
「そうですか。それを聞いて安心しました」
僕は大袈裟に溜め息を吐く。
「では、二人とも話を始めたいのですが宜しいですか?」
紅さんが改まってそう聞いてくる。
僕は、勿論だと頷いた。
そして、いつの間にかかっぷを置いていた香住さんもゆっくりと頷く。心なしか頬が赤い気がする。
「いやぁ~初々しいですね~」
僕は紅さんの意味が分からない振りをして、顔をかしげた。
お読みいただき有難うございます!!
いやぁ~2828ものですな~
そして、『あの狂』では大活躍?の紅さん……今回も活躍してくれるのか!?
誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。
変わらないはずの運命が、変わるとき……世界はどう動くのか……
では、また次回~