弱いから誰かを守ってはいけないんですか? 『完結』   作:ちゃるもん

20 / 49
投稿です!!

美鈴って実際どのくらい強いんですかね?

では、どうぞ!!


体温

あれから大体二時間くらいがたった頃。

体の震えも止まり、ベタベタと気持ち悪かった汗も乾き幾分かマシとなっている。

 

そして、里のことは被害が出ていないと信じる。と言うことで僕の心は落ち着いた。

 

もし、今僕が一人だったら恥ずかしさと自身への嫌悪感に苛まれていたことだろう。

何時も何時も……妖怪に会ったら、彼女だけでも逃がして見せる。と、親友にすら熱く語った事もあったのに……

それがどうだ?対象が人間になっただけでこんなにも僕の心は揺さぶられ、脆くなる。

 

本当に……恥ずかしい事この上ない。

 

だが今はそんな事を言っていられるほど暇ではないのだ。

 

一つは勿論、この異変の事と、異変解決後の事。

そして、外から聞こえる轟音。

 

大方、紅さんと異変解決者である博麗の巫女が戦っているのだろう。

 

外からは土砂崩れののような音、何かが勢いよく何かに激突する音。

見えていないからこその恐怖。

 

僕たちはただ、その音が消えるのを黙って待つ事しか出来なかった。

 

 

香住さんに話題を何度か振ったりもしたが、結局長続きはせずにいた。

そんな事をしていたからだろうか?

 

外から聞こえていたはずの轟音が止んでいたのだ。

 

僕は話題を探すのに必死だったが、彼女の恐怖心を少しでも解消できていたら嬉しい。

 

紅い霧は未だに晴れてはいなかったが、それでも恐怖の対象が一つ減っただけでも心には余裕ができる。

現に僕たち二人は同時に溜め息を吐いていた。

 

そんな些細な事が嬉しくて、今度は二人同時に笑みを溢す。

その時だった。

 

休憩所の扉が開ける。

 

ギィ……ギィギィ

 

不自然な動きで唯一の出口が開かれる。

僕は咄嗟に扉と香住さんの間に身を入れた。

 

そして、一人の人物が ドサッ と音を立てながら入ってくる。紅さんだ。

 

「え?」

「……ッ!!香住さん!!何でもいいから布を持ってきて!!」

「え?あ、う、うん!!」

 

僕は急いで倒れたままの紅さんへと駆け寄る。

一歩動く度にピチャピチャと足元から液体の音がする。

 

「くそっ!!出血が酷い!!」

 

液体の音の正体……それは紅さんから流れ出ているおびただしい量の血だった。

うつ伏せ状態にある紅さんを仰向けにする。

 

何があったのかは容易に想像ができた。

 

「これは……退魔の針?」

 

紅さんの腹には一本の大きな針が突き刺さりっており。

それとは別に、その針が貫通したのであろう大きな穴が出来ていた。

 

抜いたら良いのか……でも血が……でも妖怪なんだから再生出来ない方が危険なんじゃ……

 

頭の中をぐるぐると色んな思考が回り続ける。

 

「大丈夫……押し付けになるけど……私は、信じてる……から」

 

いつの間にか僕の右手には彼女の手が重ねられており、彼女の体温が感じられた。

 

「香住さん。この部屋にお酒はあった?」

「お酒?」

「うん。お酒」

「多分無かったけど……」

 

そうか……あれば消毒用として使えたのだが。致し方あるまい。

僕は紅さんの腹に突き刺さる針を手で握った。

 

瞬間、全身に言葉には出来ない痛みが襲い掛かる。

 

その痛みを無理矢理押さえ込み引き抜くために力を加えた。だが、針は微かに動くだけで抜ける気配はない。

もう一度……

 

大きく息を吸い込み……全力で引き抜く。

 

そして針からは、急に抵抗が無くなり、その勢いのまま僕は後ろに転げ……頭に強い衝撃を感じ視界が暗くなっていった…………――――

 

 

 




お読みいただき有難うございます!!

霊夢……どんなけ強い魔除けの術をかけてんだよ……
人間にも効果あるって……どんなけなんだよ……

誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。

結構甘く書いた……つもりではある……

では、また次回~
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。