弱いから誰かを守ってはいけないんですか? 『完結』 作:ちゃるもん
どんな状況でも、誰かを助けられる人。誰かを助けようと動く人。
作者はそんな人になりたいです。
では、どうぞ!!
…………んッ……あれ、僕……は一体……
頭をずっと締め付けられるような痛みに襲われるが、声を上げることも腕を動かすことも出来ない。
何が有ったのかだけでも知りたく、重い瞼を何とか動かしボヤけた視界で状況を確認する。
目の前で香住さんが必死に紅さんに布を巻き付けていた。
香住さんの体は血に染まっていた。
その光景にハッとなり、一気に頭が覚醒する。
動かなかった腕は変わりなく動き、頭痛も大分引いた。頭から血が少し流れている意外は全然問題ない。
僕は立ち上がり香住さんの側へと駆け寄った。
「なにか手伝うことは「だめ」
「安静にしてて」
彼女の表情は有無を言わせない。そんな力強く優しい表情だった。
その表情に僕は力になれない悲しみと、心配してくれた嬉しさが心のなかで渦巻く。
今もなお動けない僕に彼女は何も言わず、唯、黙々と応急措置を進めていった。
不謹慎ではある。その事は分かっている。
でも、それでも……僕は彼女を……血の海のなか治療を進める香住さんが……美しく見えた。
・
紅さんの応急措置も無事に終わり、今は簡易ベットの上で寝息をたてている。
血は簡単に流すだけ流しておいた。
「ふぅ……血はこんなところでいいかな?」
「いいんじゃ……ないかな?……それよりも……」
「どうかした?」
香住さんは僕の頭部を指差した。
「大丈夫なの?」
「血はすでに止まってるし……大丈夫だと思うけど」
「……見せて」
僕は大人しく彼女へと背を向けた。
髪を彼女の手がワサワサ掻き分ける。怪我の跡を探しているのだろう。
「あ、これ……かな?うん。血も、止まってるし……あんまり深くもなさそう」
「そう。ありがとう」
頭部の損傷はちょっとしたものでも出血が酷い。と書物には書いてあったから見た目とは違いそこまで酷いものでもなかったのかもしれない。
まあ、一応薬売りのお姉さんに簡単に診てもらおう……
さて……紅さんが突破された、と言うことは……さっきの針も含めて十中八九博麗の巫女が異変解決に動きだしている証拠である。
紅さんには悪いが、早く異変が解決されるためにも博麗の巫女を応戦させてもらおう。
それまでは、この部屋で大人しくしているしかない……か……
と、思ってはみたもののこんな非常時に一体何を話せばいいのか……
「異変……いつ終わるかな……」
心配そうな声が響く。
「分からない。この館の主は吸血鬼。大妖怪が相手になるから……」
「……私たち……死んじゃうのかな……」
「そんな事は僕が許さない。香住さんは命に代えても護ってみせるから……安心して。とまではおこがましいけど、信頼してくれると嬉しいな」
「うん……信頼してる……だから、生きるなら二人で……一緒に……」
彼女の問いに答えることはできなかった。
―――でも、こんな話をしたからだろうか……
―――僕たちが受け入れることが出来たのは。
―――僕たちが……人の道を外れることを躊躇わなかったのは……
お読みいただき有難うございます!!
言ったでしょ?(書いたでしょ?)香住さんは実は強いって。
誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。
さとり様と将棋をしている永琳を書きたい。能力ありで。
心を読める妖怪 VS 月の頭脳 !! てきな。
では、また次回~