弱いから誰かを守ってはいけないんですか? 『完結』   作:ちゃるもん

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投稿です!!

今回、結構話が進むぜよ。

では、どうぞ!!


下を向くのは終わり

目の前の非現実的……否、認めたくない現実に動けない。

 

襲われていたのは里の中心部。しかも集会場及び避難所として使われている場所。

幸いなのはその避難所への被害はそこまで大きくない所ぐらいだろう。

 

「朝香!!無事だったのか!!」

「……しょう?一体……なに、が」

「今はここで話してるほど安全じゃないんだ……お前の両親は今集会に行っていないから朝香の家に行こう」

 

僕たちは訳もわからず、奨に引っ張られるかたちでその場を後にした。

 

 

家に着き、奨が何があったのかを説明してくれた。

 

闇の化身ルーミアが人里を襲撃、咄嗟に上白沢先生が応戦したが押しきられその結果があの大穴らしい。

上白沢先生はその時に重傷を負ったが命に別状はないようだ。

 

その後、ルーミアを止めるために賢者の八雲紫が現れた直ぐにルーミアを撃破、封印した。

そのお陰であれ以上の被害は出なかった。

重傷者は何名か出ているようだが、誰も命を失う結果にまでは至っていない。

 

ただ、ここからが問題だった。

 

そう、僕が最も危惧していた事が起きていたのだ。

 

僕たちが森に入っていくのを見た。そう証言する人物が現れたのだ。

そこから、僕たちが疑われ……僕の両親と、香住さんの両親が集会で話を聞かれている。とのこと。

 

「俺が知ってるのはこのぐらいだ。集会場は寺子屋で行われている……逃げるなら今だぞ」

「奨は疑わないの?」

 

僕がそう聞くと、奨は額に手を当て呆れたとばかりに大きく溜め息を吐いた。

 

「馬鹿かお前は……親友だぞ?疑うと思うのか?それとも疑ってほしいのか……頭がいいくせにそう言うところは……はぁ~」

「そこまで呆れなくても……でも、ありがとう」

 

奨は照れ臭そうに頬をかきながら話を続けた。

 

「夜は警備隊が里内を見回るから出来るだけ早く逃げた方がいい」

「そう言えばだけどさ、奨はなんでそんなに詳しいの?」

「お前と香住の両親から頼まれたんだよ。お前らの手助けをしてやってくれ。って。で、色々情報を貰った」

 

……だったら、何がなんでも生きなくちゃな。

 

情報を整理しよう……僕たちは疑われている。そして、話し合いまで来ていると言うことはそれだけ信憑性が高くそれ相応の罰が用意させると言うこと。相手が子供だろうと、里を守るために死刑だ。と言う意見も出ているはずだ。

 

これで逃げることは確定した。

なら次は用意するもの……そして、逃げる時間帯……か。

 

用意するものは数日分の食糧、水、包丁は短刀が父さんの部屋にあるからそれを持っていこう。父さんには悪いけど。

あと……布数枚に着替え一日ぶんあればいいか。逃げる時間は夕方……日が暮れてきた頃にしよう。僕たちが捕まっていないって事はまだ大々的に帰ってきたことはバレていないのだろう。

他に用意するものは…………

 

 

 

 

「相変わらずだな。朝香の奴」

「そう……だね」

「香住、そう言うがきっかけはお前だぞ?」

「そう……なんだろうね」

 

私たちが出会ったばかりの頃だ。

寺子屋で事件が発生したのだ。

 

事件の内容は、教科書が無くなったと言うもの。

 

そして、その教科書は私の風呂敷の中に入っていて、直ぐに私は犯人にされる結果となる。

勿論私に入れた覚えはないし、数日後犯人も出て来ることになるのだが……

 

ただ、犯人が出てくるまでの数日間、私には居場所がなかった。

そんな中、何時もと変わらず接してくれたのが朝香くんだったのだ。

 

何時もと変わらず笑顔で私のところに来て、一緒に遊んで……本当に嬉しかった。

 

事件解決後、私は朝香くんが私のために犯人を探していた事を知る事になる。

私は自分自身が許せなくて……その気持ちを朝香くんにぶつけてしまった。

 

でも、朝香くんは……私に謝った。

頭を下げ『僕がもっと早く見つられていれば……』と。謝ったのだ。

 

私は惨めだ。

 

次の日から朝香くんの風呂敷は倍近くに膨れ上がっていた。

中には訳のわからない教科書。

 

私は興味本意で聞いてみることに。聞けるような立場でもないのにと分かっていながらも……

そして、帰ってきたのは『今度は護ってみせるから』

 

ドクン

 

と、心臓が脈を打つ。

以前は分からなかった、でも今ならわかる。

 

 

私は朝香くんが好きなんだ。と。

 

 

だから、私は朝香くんの隣に立てるように、一緒に歩んでいけるように。

彼を『護れるように』

 

私が今しなくてはならないのは自分に悲観する事じゃない。

自分を高めないといけない。

もう、下を向くのは終わりなんだ。

 

隣を向くと、寂しそうな笑顔で朝香くんの姿をじっと見る奨くんの……親友の姿。

 

そうだよね。私が彼の心配を拭わないといけないんだよね。

 

「大丈夫だから……私が朝香くんを支えていくから」

 

自分でも驚くほどにスラスラと出てくる言葉。

少し怖いけど……私は奨くんの目を見る。そして……

 

 

 

 

 

 

「ああ、任せた」

 

 

 

 

 

 

その日、私たちは里を抜け出すことに成功した。

 

 

 




お読みいただき有難うございます!!

と言うわけであっさりと終わる人里回。
そして、朝香くんと香住ちゃんの頭の回転の良さの秘密が判明。

まあ、結局あれっすよ。愛。この一言に尽きる。

誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。

『崩廻録』 と 『あの狂る』の最新話を投稿しました。
よろしければそちらもどうぞ。

では、また次回~
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